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岡田隆雄 院長の独自取材記事

秋元犬猫病院

(横浜市緑区/中山駅)

最終更新日: 2023/01/22

横浜市緑区の、JR中山駅から北へ1km余り。市営の集合住宅に面した坂道を少し上ると、岡田隆雄先生が院長を務める「秋元犬猫病院」の看板が見つかる。一軒家の1階部分を改造した室内は診療台、薬品や書類がぎっしりと収まったキャビネット、事務を執るためのデスクなどが配置されたコンパクトなつくりだ。クリニックの診療について話す岡田院長の様子から、この病院が地域の暮らしに欠くことのできない1つのピースとしてあることが分かる。地域とともにある獣医師、岡田院長に、診療時の心掛けや飼い主への対応の仕方などを聞いた。 (取材日2015年11月25日)

地域で生きる動物のかかりつけ獣医師として

来院する飼い主や、診察を受ける動物の種類に目立った傾向はありますか?

飼い主さんの大半は近所にお住まいで、診療やそのほかのお付き合いを通じて、顔見知りの方が多いです。前に院長をなさっていた秋元先生の後を引き継いで25年ほど経っていますから、すっかりコミュニティに溶け込んで、近くを歩いているとよく声をかけられますね。当院は室内に待合のスペースがありませんけど、皆さん、そうした事情もご存知で、あらかじめお電話で混み具合を確認して来てくださるので、玄関の外のベンチで少しお待ちいただくだけで、今のところ支障なく診療ができています。診療の対象は名前の通り犬猫が中心で、そのほかにハムスターなどのげっ歯類、鳥も可能な範囲で診ていますが、付近に集合住宅が多いせいか、猫の割合がやや高めのようです。

先生の診療のあり方を自身で思い浮かべてみて、どんな特徴があると思いますか?

ほかの先生と比較して言うのではありませんが、慎重だなと思うところはありますね。例えば、初めてワクチンを打つような時には、飼い主さんと密に連絡を取り合って事後の様子に注意を払うようにしますし、初めてじゃなくても、なるべくなら注射の後しばらく預からせてもらって、自分の目で経過を見守っています。特に何かするわけではないけれど、一瞬の状況判断で「よし、この体調なら大丈夫」と注射を打って帰してしまうよりも、目の届く場所で観察していれば些細なことでもすぐに気付けるので、その動物とじかに接する時間を長くしたいんです。大抵は「夕方また迎えに来てください」などとお願いしていますが、これも近所の飼い主さんが相手だからできることだと思います。

動物を初めて飼い始めた人が来院した時、どんな言葉をかけていますか?

「これから楽しんでいきましょう」という一言から始めますね。予防接種を欠かさないことや、なりやすい病気について知っておくことも大事ですが、まず何より、動物と一緒の暮らしを心から楽しむことだと思うんです。動物を飼っていると色々なことが起きるものですし、健康に危険が及んで心配することもあるでしょうけれど、飼っていることを楽しめれば、獣医師などと相談しながら問題に対処することも重荷にはならないでしょう。逆に、飼っていること自体がつらくなってしまうと、もはやペットではなくなってしまうし、動物にとっても飼い主さんにとっても不幸なことです。そのような事態を招かないように、治療費の負担に不安がある方にはペット保険をご紹介したり、しつけがうまくいかないという方には評判のいいトレーナーを紹介したりして、動物との楽しい関係を維持するためのお手伝いをさせていただいています。

飼い主とよく話し合い、希望に合った最善な治療を一緒に考える

長く診療を続けてきた中で、最近、新たに取り入れたことはありますか?

治療自体に大きく影響することではないでしょうけれど、診療記録をそっくりパソコンに移しました。この1部屋に必要なものをほとんど集約しているのでだんだんと手狭になってきて、特にカルテなどの書類を収めた棚がパンクしそうだったので、スペース確保と事務の効率化を兼ねて実行したんです。初めは紙の書類をスキャンする程度のつもりでしたが、いざ始めると欲が出るもので、犬や猫それぞれの写真を入れ、レントゲン写真や体重の推移などもひとまとめにしました。まだ若い動物だと年に1、2回の予防接種の時くらいしか来院する機会がないケースも多いですが、年ごとの体重をグラフにするだけで、体の状態の変化を知る手がかりになります。検索もしやすくなってたいへん楽な一方で、もし今このパソコンが壊れてしまったらどうしようと、少々不安でもありますね(笑)。

ペットの死に直面した飼い主への対処の仕方について、先生の考えをお聞かせください。

過去に動物を飼っていた経験のある方と今のペットが最初という方でも違いますし、初めての方でも動物との関係は人それぞれなので、一概にこうするとは言えません。ただ、中には、普段から自分の犬や猫への愛情がすごく深く、この子が死んでしまうとショックが大き過ぎるのではないかと心配になるような飼い主さんもいらっしゃいますから、一般的な寿命に照らして高齢になってきたら、「この犬種は心臓が弱いタイプだから、何か異変に気付いたら早めに対処しましょうね」などと注意を促すことで、少しずつ晩年であることへの覚悟を持っていただくようにしています。今は大人の方でも命の終わりとじかに接することがなかなかなく、ペットの死で初めて経験するという人も少なくないので、過度のペットロスに陥らぬよう、慎重な配慮が必要ですね。

治療に関する飼い主それぞれの希望に対し、どのような姿勢で臨んでいますか?

飼い主さんがこうしたいという思いになるべく添いたいと思っています。ペットが病気にかかった時、飼い主さんがどこまでの治療を望むかは一様ではありません。動物への考え方の違いや、費用に関する制約という切実な問題も影響してくるからです。だから、そうした個々の事情を斟酌しつつ、患者さんにとって最善の選択になるように十分な話し合いを行います。その上で、とことん高度な治療を受けさせたいという方の場合は、CTやMRIなどの設備を持つ2次診療の病院を紹介し、そこまでの治療を望まないという方の場合は、当院でできる限りのことをさせていただきます。残念ながら回復が叶わなかった時、もっとしてあげられることがあったのではないかとご自分を責める飼い主さんもいらっしゃいますが、どうかあまり気に病まないでいただきたいと思います。ご自宅で静かに死を看取ることも、飼い主として立派な態度なのですから。

無理なく楽しいペットとの生活のために

往診や時間外診療への対応について教えてください。

近隣の飼い主さん宅への往診は週に2、3度かそれ以上ありますね。ただ往診といっても、動物の容体が悪くて家から動かせないケースよりも、病院まで運べないという飼い主さん側の事情によるものがほとんどなので、そういうときは私がいったん預かって病院で治療し、終わったら家まで送り届けます。特に猫の場合、家だと縄張り意識のせいか逃げ回ったりして収拾がつかなくなりがちだから、手間がかかっても病院でのほうが治療しやすいんです。診療時間外──例えば深夜や明け方に飼い主さんから電話がかかってくることもたまにありますが、来院されたことのある方なら、できるだけ対応させていただいています。みんなが寝静まった時間帯とか休診の日曜や祝日に、病院で待ち合わせることもしばしばです。

休日はどのように過ごしていますか?

完全な休みがなかなかない毎日ですが、春から秋にかけての日曜日の早朝は、ソフトボールの試合に出ていることが多いですね。この地区で30年くらいの歴史があるチームに所属していて、ポジションはピッチャーです。学生時代、部活動では将棋を指していましたが遊びで野球もよくやっていたので、ボールは少し大きくなりましたけど昔の感覚を思い出して楽しくやらせてもらっています。チームメートには当院をかかりつけにしている飼い主さんが何人もいて、試合のついでに「はい、先生」と愛犬を託されることあります(笑)。早起きして試合で汗を流し、ユニフォーム姿のまま病院に寄って診療している時間が幸せですね。

最後に、読者に向けてメッセージを。

命に対する考え方は人によって異なり、決して、これだけが正しいという答えはないと思います。先ほども言ったように、飼い主さんそれぞれの希望に添うような治療を一番に心掛けているので、来院される飼い主さんには、どんなことでも遠慮なくお話しいただき、治療の進め方を一緒に考えていければと願っています。治療費のことも可能な範囲を教えてくだされば、できるだけの対処をいたします。動物の命を守ることはもちろん大切ですが、動物を飼うことで人の生活が脅かされるようなことのないようにする努力もまた大切です。無理なく、楽しくペットとの生活を送れるよう、獣医師としてできるお手伝いをこれからも続けていきます。よろしくお願いいたします。

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