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清水栄治院長、清水裕子副院長の独自取材記事

ようが動物病院

(世田谷区/用賀駅)

最終更新日: 2023/01/22

聴診器をあてるチンパンジーのロゴが目印の「ようが動物病院」。欧米の動物病院をモデルに、院内にはペットたちに負担をかけない空調や床材が使われている。清水栄治院長と清水裕子副院長はニューヨークのアニマルメディカルセンターで研修を受け、専門的に細分化された最新の動物医療を目の当たりにしてきた。「やると決めたら必ず実行するタイプ」という栄治院長と、日本獣医皮膚科学会の認定医であり優秀論文賞を受賞した経験もある裕子副院長。そんな二人が二人三脚で運営するクリニックでは、飼い主や動物のより快適な生活を実現するために、日々様々な試みが行われている。最近ではメールを積極的に診療に取り入れたり、耳治療の精度を圧倒的に高めるビデオオトスコープを導入した。「動物病院の役割はペットも、そして飼い主さんの心も癒すこと」と語るお二人に、診療のポリシーや今後の展望など、開院からこれまでの22年間を振り返りながらお話していただいた。 (再取材日2014年8月4日)

心臓病・循環器科、そして皮膚科目。二人の得意分野を生かした動物病院

まずはこちらの動物病院の特徴を教えてください。

【清水院長】1992年に開院する直前まで、私たち夫婦はニューヨークで研修を受けていました。当時、「アメリカでは専門医制度が進み、整形外科、軟部外科、臨床病理科というように細分化されているらしい」という話を聞いていました。実際、私たちが研修を受けた動物病院はまさにその通り。皮膚科、循環器などのそれぞれの専門医が診療する体制が整っていました。そこで学んだことを生かし、当院では開院当初より心臓病・循環器科は私、皮膚科は彼女が担当し、それぞれの得意分野を生かしています。心臓病の専門的な検査をすることはもちろんですが、心臓病で、高齢でさらに腫瘍疾患などで麻酔をかける上でも、専門性、経験値を生かした安全な麻酔管理などにも特徴が出ると考えています。僧帽弁閉鎖不全症で来院されるワンちゃんが一番多いのですが、どうやって生活の質を保ちながら、、飼主さまと楽しい生活が過ごせるか、コントロール出来るか、生活面のアドバイスもさせて頂きながら、お話しを重ねることも大事な治療と考えています。 【裕子副院長】すでに日本でも高い専門性を持つ動物病院は増えてきています。私自身は国内外の皮膚科セミナー以外にも、ASC(Animal Specialist Center)皮膚科のセミナーにはできるだけ参加し、勉強を続けています。もちろん当院には皮膚病や心臓病・循環器科系の病気以外のペットもたくさん来ます。より専門性が必要な症例は速やかに大学病院など二次診療施設をご紹介しています。ここで私たちがすべきことは、大きな病気を見逃さないことです。

裕子副院長は、皮膚病の論文で優秀論文賞を受賞なさったとお聞きしました。

【裕子副院長】獣医臨床皮膚科学会にて平成21年度優秀論文賞を受賞いたしました。『ペットショップ自家製ドライフードにより生じたジェネリック・ドッグフード皮膚症の犬の1例』を報告しました。とても簡単に言うと、患者さんがよかれと思って与えたフードによって起きた皮膚病の症例報告ですが、飼い主さん自身は悪気があってそのフードを与えたわけではありません。ただし食べ物と皮膚は密接に絡んでいて、栄養バランスが悪いことで皮膚にトラブルを起こすこともあります。皮膚はわかりやすい場所ですから、飼い主さんにはできるだけはやく皮膚のトラブルは対処して欲しいです。開業した頃に、皮膚病にかかったプードルを連れた飼い主さんがいらっしゃいました。「他の病院で原因がわからない」と言われたそうですが、当院で診断したところニキビダニ症であることがわかり、適切な治療を施したら無事回復しました。皮膚病にかかったので他のワンちゃんや飼い主さんたちとの交流を遠慮されていたそうですが、また一緒に遊べるようになり感激されていました。

日本では珍しい「ビデオオトスコープ」を治療に導入しているそうですね。

【裕子副院長】ビデオオトスコープは簡単に言うと耳の内視鏡のようなもので、日本の動物病院では少しずつ普及しはじめている状況です。ビデオオトスコープを使用することで、耳のより奥深くまで検査治療ができます。診療室内での耳の診療は手持ちの耳鏡を用いて中を覗き、洗浄液を入れて少しずつ耳道内の分泌物を清掃するのが一般的ですが、これでは鼓膜の手前に毛と分泌物が絡み付いたものなどをきれいにして、鼓膜の状態を正確に確認することは困難です。また鼓膜付近をきれいに保つことは、中耳、内耳炎の予防に繋がります。この治療を始めたことで、お家で耳の治療をしているつもりでも、かえって耳の奥に目に見えない汚れを押し込んでいるケースがいかに多いかわかりました。そういった勘違いをアドバイスするだけでかゆみや炎症が治まったりすることも多々あります。耳のトラブルは想像以上に気づかないことが多いので、これから積極的に治療に導入していきたいと思っています。 【清水院長】ビデオオトスコープは麻酔処置が必要なので、初めて使用する際に抵抗を感じる飼い主さんもいらっしゃいます。そういうときは、きちんと説明をして安全性の高さを理解していただきます。飼い主さんにペットの耳掃除を自宅でしていただいて、ビデオオトスコープでその成果を見ていただくこともあるんですよ。そうすると飼い主様は「こんなにきれいになってる!」と成果を実感できるので、モチベーションがアップするのです。我々は「犬・猫の耳炎撲滅委員会!!」という精神を掲げ、ドクター仲間と一緒に、研究や勉強会などを通じて動物たちの耳の病気の改善に日々取り組んでいます。

メールを使った様々な施策を実行して、患者さんの負担や不安を軽減

こちらのクリニックではメールを活用した診療を行っているそうですね。

【清水院長】患者さんが私たちにいつでも気軽に連絡がとれるように、専用のメールアドレスを設置しているんです。メールは24時間いつでも送っていただいてかまいません。時間が空いていれば、診療時間外でも回答させていただきます。「ご飯を食べない」「病院から戻ってきてから様子が変化した」などタイムリーな質問もOKですし、薬の内容や使い方など、病院で聞き忘れたことを聞いてくださっても結構です。海外の方が日本にペットを連れてくる際に、「手続きで分からないことがある」と質問するケースもありますよ。当院のホテルで預かっているペットの写真を飼い主様に送ってさしあげたり、こちらから診療日の変更を送信するなど、様々な使い方をしています。 【裕子副院長】こういった取り組みをすることで、病院に来るのが負担になる高齢者や、仕事で急がしい方のサポートができればと思っています。例えば健康診断の報告書をメールに添付して送ってあげれば、来院しなくてもいつでも確認できますよね。またこういった報告書をスマホなどに保存しておけば、お休みなどのお出かけ先で万が一具合が悪くなったときに、そちらの動物病院で今までの検査結果をすぐに確認して頂くことも出来ます。毎年フィラリア検査と一緒に詳しい血液化学検査を行うキャンペーンをしているんですが、ご希望の飼主の方にはメールに検査結果を添付してお送りしていて、とても喜ばれています。また動画でペットの症状を例えば歯から血が出ている様子を撮影して送っていただき、私たちがそれを見てアドバイスできるようなスタイルも徐々に取り入ています。オリジナリティのあるクリニックにするためにも、これからインターネットやモバイル環境を整備し、色々なことに活用していきたいと考えています。

先生が診療の際に心がけていることを聞かせてください。

【清水院長】獣医師を続けていると、うれしいエピソードもあれば辛い場面もあります。末期がんや心臓病など、どうしても助けられない子がいるのも事実です。それでも日々の診療でペットを治療して、飼い主さんがにこっと笑ってくれるのが一番うれしいです。ペットを飼っている方ならお分かりでしょうが、ペットにも豊かな表情があります。飼い主さんがにこって笑うとペットも安心した顔になります。動物病院の役割はペットを元気にすることが最大の目的ですが、それは同時に飼い主さんを元気にしていることなんでしょうね。 【裕子副院長】開院した頃に比べて、獣医師に対する飼い主さんのリクエストは多様化していると思います。それに応えるために、私たちはただ病気を治すだけではなく、飼い主さんに寄り添った診療ができる「相談医」でありたいと思っています。普段の食事の内容をアドバイスしたり、しつけの悩みを聞いたり、様々な内容に臨機応変に対応できるのが理想的です。

こちらの動物病院にもたくさんのネコちゃんやワンちゃんがいますね。

【清水院長】うちで飼っている犬や猫たちは、私たちの可愛いペットでもあるし、そしてここに来る動物たちのために輸血をするという大役も担っています。動物には人間のような輸血センターがありません。けれど交通事故でケガをして運ばれてくる子もいるし、腫瘍のある子も来ます。彼らがいてくれて、私たちもよい診療ができています。古くからここにいる子はもう何匹もの仲間を救ってますからね。そんな動物にとって快適な環境をつくるために設備なども工夫しています。動物病院を数多く手掛けた設計士さんと相談し、防音や床材、空調にも配慮しています。 【裕子副院長】トリミングも受け付けています。スキンケアーは皮フ科診療においてとても大切なので、トリミングもしっかりと勉強したくて、ニューヨークでの研修期間中に、グルーミングスクールにも通っていました。トリマーさんに任せてばかりでなく、まずは私たちも勉強する必要があると思いました。また、当院では必ず健康診断を行い、その後適切なシャンプーを選択してトリミングをしています。トリマーさんにも高齢な心臓病、関節に負担がかかっているの子などには注意するよう指導しています。小さな乳腺腫瘍などを見つけてくれることもあるんですよ。

ペットのための情報共有など未来を見据えた医療

こちらではアニマルドックも受け付けておられますね。

【清水院長】アニマルドックは人気があります。人間ドックのように犬や猫にも精密な健康診断を行っています。このアニマルドックを通じて、ペットのことを飼い主さんに知ってもらうことが大事です。犬や猫っていつまでも可愛いでしょう。ある程度成長すれば大きさも変わらないし、毛もフワフワしてまるでぬいぐるみです。でも彼らなりにちゃんと歳をとっています。見た目はいつまでもぬいぐるみのように可愛くても、その体の中では加齢による異変も起きてきます。なので自分の大切なペットの年齢を知るという意味でも、アニマルドックは大きな価値があります。今までは椅子の上にピョンピョンと跳び上がっていたけれど、年をとってきたら家具を滑らない低いものに変えて頂いたり、散歩の量やコースを変更したり。そのような具体的なアドバイスをすることで病気を一つ減らせるかもしれません。

開院してからこれまでの22年間を振り返ってみて、いかがでしょうか。

【清水院長】開院してからあっという間の22年間でしたが、毎日が試行錯誤ですよ。けれどお互いの得意分野を生かし、一件一件の診療に時間をかける方針は今後も貫いていきたいと思います。 いろいろありましたが、きっと私たち夫婦2人だけではここまで来れなかったと感じています。私は彼女に頼りっぱなしですが(笑)。 【裕子副院長】いえいえ。院長の行動力があったからこそ、ここまで頑張って来れました。私たちの共通の思いとしては、とにかく一例一例のペットたちを丁寧に診療することです。基本に忠実に診療することです。ですから当院の診療はそれなりの時間をとっています。飼い主さんにきちんと時間をかけてご説明することを心掛けています。 これからはより患者さんに満足していただける診療ができるよう、スタッフ教育にも力を入れていきたいと思っています。

今後の展望をお聞かせください。

【清水院長】これから実行したいと思っていることは多々あるのですが、一つは治療の幅をもっと広げていきたいと思っています。例えば今、語学を勉強しているのですが、違う国の人と話せば必ず新しい発見があると思っています。様々な方達と触れ合うことで、治療のクオリティアップにつなげていきたいですね。また、当院を「ただ病気を治す場所」ではなく、「コミュニケーションをとる場所」にしたいという夢もあります。今もちょっと良い音で音楽を流して、飼主の方にリラックスして頂くようなアロマを焚いていますが、やはり来て頂いた方がリラックスしながら、飼い主の方同士気軽にお話しが出来るサロンみたいにできれば楽しいかなと思います。またこれからの高齢化社会の中で、そういった飼主に飼われているペットのフォローをするためにも、SNS、メールや電話などでの定期的な通信、様子伺いなど、これは動物看護士の訪問看護などとも併せて考えています。 【裕子副院長】これから高齢化社会に突入しますから、そういった飼い主さんたちをフォローできる体制を作りたいです。病院に来るのが難しいときは、「メールで症状を報告してくれればアドバイスできますよ」と、こちらから提案をしてあげることが必要ですよね。飼い主さんとペットが幸福に生活できるように、病気だけではなく、これからも生活全般のアドバイスを大切にしていこうと思っています。

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