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伊藤洋介 院長の独自取材記事

玉川動物愛護病院

(世田谷区/奥沢駅)

最終更新日: 2023/01/22

古くから住宅地として発展してきた世田谷区奥沢地区で、開院40年という長い歴史を持つ「玉川動物愛護病院」。2代目院長の伊藤洋介先生は、専門化・高度化の進む動物医療の中で、あえて一般診療を選択。飼い主のよき相談相手となるよう、話しやすい雰囲気づくりを重視。問診に時間を割き、飼い主の気持ちを大切に、深いやり取りを心がけている。父の代から10年、15年以上も通っている飼い主さんも少なくないという病院を訪ね、診療スタンスや興味深い診察例に、伊藤先生の子ども時代の思い出などを交えて話を聞いた。 (取材日2014年6月20日)

サービスも充実した歴史ある動物病院

お父様がこちらに動物病院を開かれて40年と伺いました。

この病院が入っているマンションが建ったのと同時だったそうです。僕は大学を卒業して横浜の動物病院で3年間勤務し、その後実家の病院に戻ってきましたが、父もそろそろ70才になるので、院長を引き継ぐことにしました。僕が子供の頃から通われている飼い主さんも多くて、病院に戻ってきたときはよく声をかけていただきました。最近はペットの寿命が延びて15才以上になる子も多くなってきましたが、僕もそれくらい病院に出入りしていなかったので、その間ずっと来ていてくれたんだなと思うとうれしくなります。前に飼っていた子が亡くなったとき病院に不満があったら、新しいペットを飼われたときには二度と来てくださらないものなんです。何よりも、打ちひしがれていた飼い主さんが「あの時は悲しくて、もう新しい子は飼えないと思っていたけれど」と言って、悲しみを乗り越え新しいペットを迎えて来院されたときは、本当に良かったと思います。 

この地域のペットや病気などの傾向はありますか。

犬が猫より多くて、ウサギやハムスターも来院します。予防接種が少ない分、猫は病院に来る機会が少ない上に、最近はこの地域でも野良猫ちゃんが減っています。僕がここに戻ってきたのは7〜8年ほど前ですが、当時から比べても本当に少なくなったと思います。相談としては、この辺りではノミダニの薬やフィラリア予防薬、ワクチンの予防接種などの病気の予防に関することが多い印象です。今は梅雨どきで涼しいですが、もう少し暑くなると消化器症状や皮膚疾患になる子も来院しますね。このあたりではペットのために早くからエアコンを入れる飼い主さんも多いようで、熱中症も比較的少ないのかなと思います。

動物病院には珍しく、送迎サービスもされていますね。

飼い主さんもわんちゃんも高齢化して、特に大型のわんちゃんは連れて来るだけで大変なので、送迎を始めました。ただ、診療に支障をきたすので、あまり遠いとお断りしないといけなくなってしまいます。東名高速道路が近いせいか、静岡からもご依頼がありましたが、さすがにそれはお断りしました。他にはペットホテルとして飼い主さんがご旅行の際などにお預かりしていますが、毎シーズン利用される方も多いです。それと、ペット用の炭酸浴や爪切りなどのケアもしています。ペットの爪って血管が通っているので切るのが怖いから、それだけで来院される方もよくいます。家でされるときは、猫ちゃんだと抵抗して引っかかれることがあるので、洗濯ネットに猫ちゃんを入れてバスタオルで覆って手を出して爪切りをされると飼い主さんは安全でしょう。

問診を大切に、話しやすい雰囲気づくり

診察の際に、心がけていることは何でしょうか。

飼い主さんから見て僕自身が話しやすい相手であるように、言い出しやすい雰囲気をつくるということですね。病院ってなかなか本音を言い出せない雰囲気があると思うんです。そのハードルを下げて、詳しく聞き出すということです。飼い主さんが関係ないと思っていることでも、実は解決の鍵になっている場合もあります。わんちゃんの例ですが、震えがとまらないという主訴で来院された方がいました。飼い主さんがいろいろ調べて、神経症状があてはまるんじゃないかとおっしゃるんですね。この症状は合っている、これもこれも合っている、やっぱりこの症状は重い病気じゃないかと不安がっていたんですが、じっくり話を伺ってみて思い当たったきっかけが、最近、お気に入りのハウスを片付けたということでした。落ち着ける居場所がなくなって不安がっている可能性を考えて、1回でいいからもう一度そのハウスを組み立ててみてくださいとお願いしました。次に来院されたのが半年後で、やっぱりそれで治っちゃったと報告されました(笑) 

問診を大切にされているのですね。

このケースの場合、どんな検査をしても正解はなかったでしょう。先に薬を使ってしまっていたら、原因を突き止められたかどうかと思います。もしも自分の子供だったら、薬を使わないで治せればその方がよいと思いますし、薬や検査を無駄にしないよう、情報をかき集めて原因を特定することが大切です。入り込み過ぎて症状を重く話してしまう飼い主さんもいて、そのあたりの見極めも大切です。心配する飼い主さんの心、お気持ちが満足することも大切と考えて診療しています。

得意な治療があれば教えてください。

専門性を極めるというよりは、一般的な診療を行っています。最近は動物医療も専門化が進んでいて紹介先もたくさんありますので、ここではまず話を聞いてあげられることが大切と思っています。専門病院や高度医療病院を紹介して以降、こちらに立ち寄られることもよくあります。例えば、高度医療になると獣医師の一方的な提案ばかりになって、その医療を絶対にやらなくちゃいけないような雰囲気になることもあるんですね。人間と違って動物の場合、あまりにも高度な医療だったり難易度が高い治療はやらないという選択肢もあると思うので、そこのところを相談されることもあります。重い病気のペットに対して、リスクを賭けて高度医療をするよりは家でゆっくりさせてあげたいなど、飼い主さんの気持ちを大切にしたいと考えて、判断の手助けになるような相談をしようと心がけています。

「来院された飼い主さんをがっかりさせたくない」

先生の子ども時代と、獣医師をめざした理由を教えてください。

子どもの頃はスポーツではない外遊びが好きでした。今は自分の子供にもさせていますが、定期的に野外活動をするサークルみたいな団体に所属していました。川遊びとかバーベキューとか広い公園で走り回ったり大人とかくれんぼしたりしていました。リーダーの大人たちも本気なので楽しいんですね。今も休日は子供と走り回ったりしています。獣医師をめざすことになったのは、家の仕事でもあり、物心ついたときから動物がそばにいたので、自然な感じでした。大学卒業後ひとり暮らしを始めて、勤務先の病院ですぐに保護猫をもらったので、動物を飼わなかった時期は人生で1ヵ月くらいしかないです。その猫は今もうちにいますが、僕にしか懐かないんですよ。僕の子供にも噛んだりして僕以外になつかないというのが僕の優越感です(笑) 猫はそういうのが可愛いですね。犬も最近飼い始めて、保健所からもらった保護犬で、猫も犬もみんな雑種です。大学は麻布大学で、外科の研究室だったので、学校に泊まり込むことも多かったです。5、6年の時に同級生でフットサルをやろうと言い出して、毎週の練習が1年続いたばかりか、他の学年もやり始めて大学全体に広がり、大会まで開かれるようになりました。

休日の過ごし方やご家族のことを教えてください。

なるべく出かけるようにしています。家族で日帰りのお風呂や温泉に行くことが多いですね。時間があるときは御殿場まで足を延ばして、昔からある温泉浴場に訪れたりします。のんびりとした地域のお年寄りは、子どもがどたばたしても一緒に笑って受け容れてくれて、みかんとかくれたりするような、おおらかな雰囲気が好きなんです。子どもたちも動物が好きで獣医師になると言い出していますが、妻も妻の実家も動物病院ですし、うちの子にとって周りの大人は獣医師ばかりなので、なるべくいろんな世界を経験させたいと思っています。その上で獣医師を選ぶのならいいんじゃないかなと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

動物病院も増えて転院で来られる方も多いですが、前の病院で何が不満だったかも遠慮なくお話しいただければと思います。飼い主さんに「行かなきゃよかった」と思わせたくない、がっかりさせたくないんです。「先生」とは呼ばれますが、むしろ飼い主さんより低いくらいの立場でアドバイスや提案ができて、相談しやすい相手でありたいです。インフォームドコンセントってよく言われますが、一方的な説明だけで飼い主さんが本当に理解できたかの確認までは含まれていないと思うんですね。そこまで深いやりとりをするよう、心がけています。そして、しばらく来院されなくて何年後か後に新しい子と来てくれたときに、「こんな病院じゃなかったのに」とは思われたくない。変わってないね、前より良くなったねと言われたいなと思います。飼い主さんに対しては、ブームで飼って欲しくないし、病気のときの決断など、最後まで責任を持って見送ってほしいと願っています。

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