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上埜純嗣 院長の独自取材記事

上埜動物病院

(世田谷区/新代田駅)

最終更新日: 2021/10/12

代田橋駅、下北沢駅、笹塚駅からそれぞれ徒歩10分、井の頭通り沿いにある上埜動物病院。多くの動物病院が密集するこのエリアに開業して7年以上が経つ。上埜純嗣院長は"獣医師任せではなく、飼い主主体の治療"をポリシーとし、ペットの食事に対しての啓蒙にも力を入れている。忙しい中、質問に対し丁寧にお答え下さる姿が印象的だった。(取材日2009年12月24日)

地域に密着したホームドクターになりたい

獣医師を目指したきっかけは?

親が開業医だったこともあって、僕自身も医師や歯科医師など専門医を目指していました。志望していた大学に入れず浪人し、色々と考えていた時期に、獣医師に興味が出てきました。お恥ずかしい話ですが、それまでは獣医師のことについてはよく知らなかったんです。どういう風にしたらなれるのか、色々と調べてみて、やってみたいと思うようになったことがきっかけですね。

大学卒業後の経歴について教えて下さい。

大学卒業後は、日本動物医療センターに勤務していました。夜間も診察していましたので急患も多く、交通事故や嘔吐や下痢などが悪化したケースを診ることが多かったですね。その後は、北海道大学大学院の獣医学研究科で非常勤獣医師をしながら、肝臓の分野で非常に優秀な先生がいる動物病院で勤務していました。

当時は主にどのような治療を行っていましたか?

癌の放射線療法です。日本動物医療センターに勤務していた頃、癌に興味が出てきました。癌についてもっと深く勉強したいと思い、優秀な先生がいる北大の獣医学研究科で非常勤獣医師として働かせてもらうことになったんです。そちらではCTや放射線装置など設備が整っていましたので、他医院では出来ない放射線療法などが必要な犬猫の治療をメインに行っていたんです。具体的に言うと、鼻や耳、口など顔面の癌ですね。また、先ほども少しお話しましたが、肝臓の分野で優秀な先生の下でも働いていました。肝臓の病気を治すために、様々な手術方法なども研究され、お腹や心臓を見る超音波の診断も優れている先生でした。僕は開業志向が強かったので、色々と現場から吸収したいと思っていました。当時はたくさん学ばせてもらいましたね。

開業して7年が経ち、現在どう感じていますか?

このエリアには動物病院がたくさんあり、過密状態です。300m先には別の病院があるような環境です。だから、獣医師と飼い主との間に信頼関係がないとホームドクターにはなれません。そんな事情もあり、開業当初は子犬や子猫の予防接種のために来院される方が多かったですね。当院を気に入ってくれた飼い主さん達がその後も来て下さり、ここ2〜3年は子犬や子猫だった子達が成長し、病気を診ることが多くなりました。ある意味、動物病院らしくなってきた感じでしょうか。多い症状としては、毛が抜けたり、アレルギーといった皮膚病、嘔吐、下痢のほか、腫瘍などです。来院が難しい場合は、午前と午後の診察の間の空き時間に往診も行っています。これからも、地域密着型のホームドクターとして役に立っていきたいですね。

ポリシーは、飼い主主体で治療を進めること

開業にあたり、この場所を選んだのは?

僕は北海道出身なので、北海道と東京のどちらで開業するか悩みました。この場所を選んだのは、地域性や僕が目指していた地域密着型の診察をするにはこちらの方が向いていると感じたのと、このあたりの沿線に馴染みがあったからですね。

先生の得意分野について教えて下さい。

癌、内分泌(ホルモン)の病気です。内分泌の病気は、主に糖尿病などが多いのですが、薬で治していく為、治療自体はさほど難しくありません。でも診断が難しく、常に正しく診察するためには経験も必要になってくるかと思います。

診療の際に心がけていることを教えて下さい。

病気を治すことが僕の仕事なのかもしれませんが、飼い主さんに満足してもらうことも仕事だと思っています。僕が一方的に、"こうした方がいい、こうすべきだ"と言って治療に入ることは絶対にしません。症状や治療についての説明をして、どのようにするかのご判断は飼い主さんにして頂きたいのです。というのも癌を始め、高齢になればなるほど病気は治らないことが多いんです。飼い主さんの意向を無視して治療に入って、もし助けられなかった場合、様々なトラブルが起こったり、ペットロス症候群に陥ってしまわれるケースがあります。"亡くなって悲しいけれど、やることはやったから悔いはない"と思ってもらう為にも、僕はあくまでもお手伝いをする、という考え方です。様々なお考えがあると思いますし、動揺して意見がコロコロ変わる方もいらっしゃいます。僕は、それでも構わないです。責任逃れをしていると言われればそれまでですが、これは僕の曲げられないポリシーですね。

そのような考えになったのは?

勤務医時代に出会った先輩の影響ですね。飼い主を置き去りにしてどんどん治療を進めるタイプの先生もいますが、それは獣医師の独りよがりではないでしょうか。だから、"先生にすべてお任せします"というタイプの飼い主さんは、当院にはあまりいらっしゃらないかもしれないですね。

飼い主さんの印象はどうですか?

皆さん、ペットの病気への関心、知識がとても高いと感じます。病気になっても、初期の段階で来院して下さることが多いので助かります。ただ、あまりに初期の段階の場合、稀にかかる特殊な病気の初期症状と見分けがつきにくいこともあるので気をつけるようにしています。心配だからと、やみくもに様々な検査を行うわけにもいきませんので、その違いを正確に見極めることが大切だと考えていますね。

与える食事は、正しい知識を持って選んで欲しい

食識推進委員会の委員としても活動されていますね。

獣医師やペットの専門家で構成された委員会で、犬と猫の食事に関する実用的で分かりやすい情報を飼い主さんに提供することで、食事に関する意識を上げ、正しい知識を増やす「食識」を推進しています。例えば、飼い主さんに「なぜこの餌を食べさせているんですか?」と聞いたときに、「かかりつけの先生が勧めたから」という答えが返ってくることがあります。ペットは人間と違って食べるものを選べません。獣医師さん任せではなく、それなりに考えてあげて欲しいと思うんです。人間の親が子どもに正しい「食」のあり方を考えるのと同様に、自分のペットに対しても正しい食事選びを行うために知識を得て欲しいです。"私はこういう理由でペットにこのご飯を食べさせている"と皆さんが自信を持って言えるように変えていくのが目標ですね。

ペットを飼う際、注意すべきことはありますか?

獣医師や専門家ではない、一般の方の意見やインターネットのブログなどの情報を鵜呑みにしないようにして欲しいです。例えば最近、手作りのご飯を与える方が増えていますよね。この事自体は全く問題ないと思いますが、専門の知識がない方が勧める内容を鵜呑みにした結果、栄養がかなり偏っていた…というケースもあります。様々な情報が溢れていますが、容易に鵜呑みにせず、まずはかかりつけの獣医師や専門家に確認して欲しいと思います。

読者へのメッセージをお願いします。

動物病院はたくさんありますが、獣医師の考え方は十人十色です。だからペットを飼い始めたら、早い段階で相性のいい獣医師さんを見つけて欲しいと思います。予防接種などの際に色々とお話してみるのもいいかもしれませんね。僕は、信頼関係がないと病気は治していけないと思っています。例えば手術が必要になった時に、信頼関係がないと大切なペットの命を預けられないですよね?躊躇して考えている期間にも、症状はどんどん悪化してしまいます。そうならないためにも、相性のいい獣医師さんと信頼関係を築いていって欲しいと思います。

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