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白井善朗 院長の独自取材記事

ブラン動物病院

(横浜市港北区/綱島駅)

最終更新日: 2023/01/22

綱島駅の東口を出て、静かな住宅街を進むと見えてくるのが可愛らしい佇まいの「ブラン動物病院」。「ここの先生はとにかくじっくり診てくれる」そんな口コミで知られる人気の動物病院だ。獣医師は白井善朗院長の1人。なので病院に行くたびに獣医師が変わることもない。「うちは獣医師は僕だけの小さな病院です。だからこそ一生懸命に丁寧に診ようと心掛けてます」と語る院長。口数は決して多くはないが、その分、真摯さや謙虚さがよく伝わってくる獣医師さんだ。動物医療にかける院長のひたむきな想いを語っていただいた。(取材日2010年10月30日)

信頼の理由は、とにかく丁寧に時間をかけた診療

人気のある動物病院だと聞きました。理由は何だと思われますか?

人気の理由? うーん。実は僕にもよくわからないなあ(笑)。ただしご覧のとおり、ここは小さな動物病院です。獣医師も僕一人だけです。だからその分、一件一件の診療をとにかく丁寧に行っています。ときどき、飼い主さんが診察室に入れない動物病院があるようです。もちろんそれぞれの動物病院のやり方や事情があるのでしょうが、僕自身はそのような診療はしたくありません。なので当院では飼い主さんにも一緒に診察室に入ってもらいます。もちろんペットを診療することが一番ですが、大事なのは飼い主さんに症状を理解してもらうこと。だって、ペットは自分では薬を飲めませんからね。愛犬や愛猫に薬を与えるのは飼い主さんの役目。だからこそ、なぜワンちゃんやネコちゃんがこのような症状に陥ったのか、どうすれば改善するのか、そのためになぜこの薬を飲むのか。それらをしっかりと飼い主さんにわかってもらうことが必要です。なのでうちの診療は時間がかかるかもしれません。

昔から動物を飼っていたのですか?

振り返れば、家にはずっと動物がいました。僕の記憶がまだないような小さな頃からね。幼い頃の写真を見ると、隣に犬がチラッと映っているんです。ミックスの白い犬でした。小学生になりマルチーズを飼い、その後はトイプードルも飼いました。学生時代は猫も飼ってました。ちなみにトイプードルは随分と長生きして、僕が獣医師になるまで生きてくれました。小学校高学年から飼い始めて、獣医師になるまでですからね。僕の成長や家族の想いを見続けてくれた愛犬で、いろんな思い出の詰まった愛犬です。もう亡くなって20年近いのですが、今でもお墓参りに行っています。月並みなことを言ってしまいますが、ペットを飼うと、やはりいつかは死という別れが来ます。犬や猫は人間の何倍ものスピードで生きてますから、人間よりも先に旅立ってしまうケースが多いです。仕方ないことですが、かと言ってあっさりと割り切れるものでもないんです。なのでここに来られる飼い主さんの愛犬や愛猫に対する思い入れも、よく理解できます。

先生は獣医師としてのキャリアは何年ぐらいになるのですか?

獣医師としてはもう14、15年ぐらい経ってます。僕は獣医学部を卒業した後は製薬会社に就職しました。本当はすぐにでも獣医師として自分の動物病院を持ちたかったのですが、まずは資金を貯める必要がありましたからね。そこで製薬会社に勤務したわけですが、やはり自分のやりたいことができていないという違和感がありました。僕がしたかったことは、動物を救うための動物医療。愛犬や愛猫、うさぎ、ハムスターなどペットたちが、長く生きられるための仕事をしたかったんです。ようやく平成17年に当院を開業しました。

介護を引き受ける覚悟も持って、責任ある飼い方を

最近の動物医療で、気に掛かっておられることは?

ペットたちが長生きするようになったことで、それに伴う病気や介護のことが気になります。もちろん人間の介護に比べれば、動物の介護はまだましかもしれません。介護は経験者でなければわからないとても大変なことです。でも人間の場合は介護保険もありますし、ヘルパーさんを依頼することもできます。しかしペットにはそのような手厚い制度はありません。愛犬のオムツを替えることぐらいならできるでしょうが、中には痴呆症の犬もいます。昼夜逆転で鳴き声をたてることもありますし、実際にそれが原因でご近所から嫌がらせを受けたという話も聞いたことがあります。ここにも年老いた愛犬や愛猫の介護に疲れた飼い主さんが、安楽死について相談に来られることがあります。けれど僕個人としては、やはりその子の寿命をまっとうさせる道を優先しています。なので今のところ、そのようなことはお受けしていません。もちろん飼い主さんたちの苦しさはよくわかります。夜も眠れないでしょう。けれど、やはり愛犬や愛猫に与えられた寿命をまっとうさせてあげたいのです。

やはり最後までしっかり責任を持って飼いたいですよね。

責任という意味では、人間の親と子の関係とも重なるのかもしれません。子どもを一人の人間として育て上げることは、とても大変で難しいことだと思います。ただ子どもが生まれたから親になれるのではなくて、子どもを育てることで、はじめて親になれるんですね。子どもから教えてもらうことで、やっと一人前の親になれる。ペットと飼い主の関係でも言えることかもしれません。ただペットを飼い始めたから、それで飼い主になれるわけじゃない。ペットを育て、健康的にエサを与え、正しいしつけを行い、散歩もこまめに行い、検診も受け、そして病気のサインを見逃さずにケアすること。この繰り返しの中で、きっと一人前の飼い主になれると思います。お子さんから「犬、飼いたい。僕がちゃんと面倒見るから」などと言われているお母さん方もいるでしょうが、結局、面倒を見るのはお母さん、お父さんです。とにかくペットという命あるものを飼うことは、とても大変なこと。先ほどもお話ししたように介護を引き受ける覚悟も持つこと。そしてペットのためにも、ただ可愛い可愛いだけでなく正しいしつけを行うこと。これらをご理解いただけていれば、ペットを飼っていただいてもよいのではないでしょうか。

ちなみに長生きしやすい犬種などはあるのでしょうか?

僕個人の経験では、一番長生きしたワンちゃんは21才のミックスでした。ネコちゃんも22才ぐらいまで生きた子がいました。印象としては血の濃くなる純血種よりも、ミックスの方が強いのかもしれませんが、これも一概には断定できません。病気もそう。犬種によってなりやすい病気があり、キャバリアなら心臓病、ダックスフントは椎間板ヘルニアなどが代表例ですが、これはあくまでもパーセンテージの問題です。キャバリアでも健康で長生きする子はいますし、椎間板ヘルニアにならないダックスフントもいます。人間も同じでしょう。同じ性別で同じ年齢の人でも、病気になりやすい人もいればそうじゃない人もいる。同じ体格でも、風邪を引きやすい人とそうじゃない人もいる。なので、一概に犬種によって寿命や病気を断定することはできません。だからこそ犬種のイメージにとらわれず、「何か様子がおかしいな」と感じたなら、気軽に相談に来ていただきたいです。

地元・綱島で、地域に密着した動物病院に

記憶に残るエピソードはありますか?

あるご高齢の飼い主さんがおられました。その方はネコを飼っておられたのですが、お住まいの老朽化が進み、別の住まいに引っ越さなければならなくなりました。ところが新居はペットを飼えない規則があったんですね。すでにその方の飼っておられたネコちゃんはかなりの高齢でした。そこで当院に安楽死をさせてくれと言って来られたんですが、それを僕が説得して、なんとかネコちゃんの寿命をまっとうさせる道を探しました。里親制度をご紹介したり、ボランティアやNPO団体の連絡先も教えたりと、いろいろとさせてもらっているうちに、なんと転居先の大家さんがネコを飼うことを許可してくださったんです。本当にうれしかったですね。そしてその飼い主さんも愛猫も新しい住まいで、安心して暮らすことができました。その後、高齢だったネコちゃんは2年ほどして亡くなったのですが、とても幸せなネコだったと思います。

こちらは獣医師さんは先生お一人。お休みなどは取れてますか?

いやあ、全然休めていません(笑)。休日はほとんどなくて、趣味の時間なども持てないままですよ。当院はペットホテルも開設してますし、入院しているペットたちもいます。なので絶えず誰かがここにいないといけませんし、僕もいつでも動けるように待機してなければなりません。でも以前の製薬会社に勤務していた頃に比べれば、これでもまだましかもしれません。以前は50日間連続出社もざらで、帰宅するのも深夜3時、4時になることも。もう体はボロボロでしたね。大学時代はよく食べて、それなりにお腹も出てましたが、勤務してからはあまりの激務で痩せてしまいました。今も休みを取れないという点では変わりませんし、体力勝負の面もありますが、でも大好きな動物に毎日触れていられますからね。ペットが生きるための仕事をできるわけですから。

先生の今後の目標は何ですか?

僕は綱島で育ち、ここは地元になります。地域に密着した動物医療を、今後も続けていくことが僕の夢ですね。もちろん僕自身の力の及ぶ範囲は決まってますし、場合によっては、高度医療機関へとご紹介することもあります。僕にはもうこの獣医という仕事しかできないことはわかってますから、とにかくできる範囲のことを今まで通り、しっかりと丁寧に診療していくのみです。ときには力が及ばなくて、当院で力尽きてしまったワンちゃんやネコちゃんもいます。けれどその飼い主さんが、また新しいペットを飼って、その子をここに連れてきてくれるんですね。信頼されているんだなととてもうれしく思いますし、あらためて責任の重みも感じます。今後も最善の治療を提供できる動物病院であり続けたいです。

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