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小池將夫 院長の独自取材記事

ヨコハマ動物病院

(横浜市神奈川区/神奈川駅)

最終更新日: 2023/01/22

横浜駅からひと駅の、京浜急行神奈川駅や東横線反町駅から徒歩約5分の、市街地を臨む高台の住宅街に建つ「ヨコハマ動物病院」。1976年にこの地に開業し、以来、地域に根差した動物病院として“全科全動物”の診療を提供してきた。築40年近く建つとは思えない清掃の行き届いた自宅併設の医院には、小池將夫(まさお)院長の趣味である写真や、院長が購入されたというアフリカのアーティストが描いた動物モチーフの絵画が架けられ、華やかな雰囲気を醸し出している。消防団の副団長や民生委員など、地域活動にも勤しむ院長は、「もう年齢も年齢だからなあ」と言いながらも、ユーモアにあふれた語り口で話す様子はかくしゃくとして若々しい。臨床ひと筋50年以上のキャリアを誇る院長に、動物診療にかける思いや診療に臨む姿勢について聞いた。 (取材日2015年9月10日)

開業以来40年。“全科全動物”診療で地域に根差す動物病院

開業された経緯を教えてください。

私は麻布大学を卒業した後、畜産関係の獣医師として横浜市に勤めていたんです。その頃は市内に2000頭ほどの牛がいましたから、その牛の診療が主な仕事でした。11年も勤めていると管理職の声がかかるんですね。光栄なことなのですが、管理職になってしまうと現場での診療ができなくなってしまう。ずっと臨床でやりたいという思いがありましたから、そのタイミングで退職して開業することにしたんです。退職金を使って自宅を改装してね。それ以来40年近く、ここでずっと開業しています。築40年の割にはきれいでしょう?

どんな動物を診られているのでしょうか?

当院の診療は、“金魚から象まで”。全科全動物を診療します。大げさに聞こえるでしょう? でも、市に勤めていた頃には実際に動物園の一部の動物を診ていました。ライオンやラクダなどの診療はサーカスから依頼されたときに診ます。院内でも、犬、猫はもちろん、カメ、金魚、爬虫類……。「モモンガを診てください」なんて方もいらっしゃいましたよ。さすがに今は動物病院も専門化が進んでいますから、そこまで幅広い診療は必要なくなりましたけどね。開業した当初は市の職員時代にお世話していた牛の往診もやっていたんです。午前中は病院で診療を、昼からはツナギの服を着て牛舎を回って、夕方に帰ってきて白衣に着替えて小動物を診て、夜また着替えて往診に出かけるみたいな生活を3年くらい続けました。

全科全動物とは、すごいですね。

私が若い頃は、動物病院の数も少なかったですから。初めて診る動物だって断るわけにはいかない。他に診てくれるところがありませんからね。そもそも、当時は畜産動物以外のノウハウはほとんどなかったんです。大学の授業でも大動物に関することがほとんど。だから自分で勉強して知識を仕入れないといけなかった。アメリカの大学のセミナーや学会にもしょっちゅう出かけましたね。向こうへ行って当時の最新の情報を仕入れて、日本では手に入らない医薬品も買ってくる。器具だって充分ではありませんから、手づくりです。例えば小動物の骨折治療。レントゲンを見て、折れた部位に合わせて自分でプレートをつくって、それから手術。常に持っている知識と技術を総動員して対応していました。そんな経験をしてきましたから、大概のことでは動じないようになりましたね。

培ってきた経験と技術で、動物と飼い主から信頼される医療を提供。

診療に際してどんなことを工夫されていますか?

動物にとっては、ここに来ること自体がストレスになるわけです。具合が悪い上にさらに余計な負担がかかってしまう。だから、そのストレスをなるべく減らしてあげることが大切だと思っています。例えば他の子とかち合わないようにする。そのために当院では基本的に約束診療の形を取っています。それから、ちゃんと目線を合わせて、穏やかな口調で話しかける。リラックスできる音楽をかけたりね。その辺りは動物も人間も一緒です。猫などは縄張り意識の高い動物ですから、入ってきたときに他の猫や動物の匂いがしないよう、清掃、消毒は徹底的に。院内感染のリスクもありますから、そこは手を抜かないようにしています。あとはなるべく痛くないように。注射を打つのも気付かれない間にサッと打ちます。そんな工夫をしていますから、ここに来るのが楽しみで、散歩の途中に入りたがる子とか、一度来たら帰りたくなくてくつろいでしまう子もいるんですよ。

飼い主さんに対してはいかがですか?

やっぱり動物は飼い主さんがいると安心できますから、治療のときには横に座ってもらって話しかけたり身体を抑えてもらったりします。飼い主さんが頭をなでている間に注射を打ってしまったりとかね。私は、獣医師というのは病気を治すのは当たり前で、いかに飼い主さんが満足して納得してもらえるような診療が提供できるか、ということが大切だと思っています。例えば治療費の問題。決して安い金額ではありませんから。ひと通り検査をすればきちんと数値が出るけれど、高額になってしまう。そんな場合には、問診、触診、聴診でひととおり調べたうえで、これとこれは検査しなくても大丈夫そうだから省きましょうか、という提案ができるように。なんでもかんでも検査して、という診療は却って信頼を妨げると思っています。

獣医師をめざしたきっかけとご経歴を教えてください。

中学生の頃、可愛がっていた愛犬が死んだんです。それがとてもショックで。私も犬の病気のことなんか知りませんでしたし、当時の獣医学では予防的な診療までは十分行われていなかった。もし自分に十分な知識があって、もっと予防を含めての獣医学が進歩していたら、死なせることはなかったんじゃないか。子どもながらそう思ったんですね。それで理系を志して。大学では病理学を学びました。臨床は卒業してからでも勉強できるから、基礎になる分野を勉強しよう、と。おかげで具合の悪い動物を見たときに、今内蔵はこんな状態で、こんなことが起きています、という細かいお話しをすることができます。書物や資料で得た知識ではなくて大学時代に経験して得た知識ですから、確信を持って説明できるので、飼い主さんにも理解、納得してもらいやすいですね。

地域に貢献しながら、動物と飼い主の立場に立った診療を続けたい

印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。

あるとき、高校生の女の子が「先生、しばらく餌も食べていないし動かないんです」と言ってリクガメを連れてきたんです。何本か電車を乗り継ぐようなところから来ていたのですが、当時はカメを診るような動物病院は無かったから。ひどい脱水症状で、このままだと死んでしまう。点滴治療のために毎日通ってもらわないといけない状態でした。するとその女の子は、本当に毎日来たんです。そのかいあってカメはひと月くらいで快方に向かったのですが、ある日その子が「先生、私獣医師になろうと思うんです」と言うんですね。私もうれしくて、じゃあ頑張りなさいよ、なんて話をしていたんですが、しばらく経って連絡が来て、「先生ごめんなさい、獣医師になれませんでした」と。「それは残念だねえ。それでどうするの?」と聞いたら、「獣医じゃなくて人間のお医者さんになります」だって。頑張って勉強したら医学部に受かっちゃった(笑)。動物にあれだけ優しくできたんだから、きっと人にとってもいいお医者さんになってくれたでしょうね。

ご趣味はカメラと伺いました。

子どもの頃からの趣味でして。今でも起きている間は常に腰にカメラをぶら下げています。感動する場面って、いろいろなところにあると思うんです。それこそ街を歩いているときにもはっとする瞬間ってありますよね。それをカメラに収めるのが楽しいんですよ。私は釣りも趣味なので、先日のお盆休みには北海道に行ってサケ釣り漁船に乗ってね。“戦場カメラマン”ならぬ“船上カメラマン”(笑)。まだ暗いうちから出港しますから、船に乗っていると次第に知床の海が一面真っ赤に染まるんです。そうしたら釣り竿をほっぽり出してカメラでパシャパシャ。いい写真がたくさん撮れました。横浜美術展写真部門の最高賞である協会賞をいただきました。

ボランティア活動にも熱心に取り組まれているそうですね。

私の母校である関東学院の校訓が「人になれ 奉仕せよ」という言葉なんです。その言葉がずっと染み付いていまして。海外の障がい者を招いて交流会を開いたり、車いすを寄付したり、なんてことを続けてきました。今はスリランカに井戸を掘る募金活動に取り組んでいて、先日8本目が掘れました。あとは消防団、町内会、民生委員、鳥獣保護員。関東学院の同窓会長を務めたりもしています。年齢も年齢ですから、これまで培った技術や経験を地域に恩返ししていきたいな、と思っています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

ぐったりして運ばれてきた動物が、私が治療して、回復して。ところがなかには帰りがけに噛み付いたりする子もいる。でも私はそれがうれしいんです。噛み付く元気が出てきたってことですからね。医師と患者は相性が大切です。クチコミは大事ですが、実際に飼い主さんの臨む診療をしてくれるクリニックかどうかを見極めてほしいと思います。当院では飼い主さん一人ひとりの状況を加味しながら、なるべく飼い主さんに負担やストレスのかからない診療を提供していきたいと思っています。

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