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杉本光太郎 院長の独自取材記事

杉本動物病院

(横浜市鶴見区/綱島駅)

最終更新日: 2023/01/22

横浜市鶴見の環状2号線沿いにある「杉本動物病院」は、開業から今年でちょうど20年を迎えた。院内で目を引くのは、10以上も積み上げられた小動物用のケージだ。院長の杉本光太郎先生は、公園に置き去りにされた犬や猫をこのケージで保護しては、里親を探している。しかし、中には1年も2年も引き取り手が見つからないケースも少なくない。「どうしても里親が見つからない場合は、私が飼っています。1年も世話をしていると、やはり情が湧いてきてしまうんですよ」と杉本院長。その温かい視線は、飼い主にも向けられる。高齢でどうしても連れてこられないという電話をもらうと往診に出向き、必要があればそのまま車で引き取って来るという。地域の人々とのつながりを大切にする、心優しい獣医師のルーツを探った。 (取材日2015年12月1日)

高齢化する飼い主を積極的な往診でサポート

こちらで開業されたのは何かご縁があったのでしょうか?

大学を卒業してからはほとんど地方にいましたが、少し体調を崩したことをきっかけに、地元である横浜市に戻って開業しました。私が生まれ育った場所は隣の区ですが、距離的には非常に近いんです。ほとんど地元のようなものですし、大学も同じ神奈川県内でしたから、友人や先輩、後輩がたくさんこの近くに住んでいていろいろと都合が良かったということもあります。もちろん、この場所での開業を決める前には、ご近所でペットを飼っている方がどのくらいいるか、動物病院は近くにないか、という程度のリサーチはしました。犬を飼う方はある程度いたのですが、当時の周囲は畑ばかりで「本当にこんなところでやっていけるのだろうか?」と思ったものです。

開業当時と比べるといろいろ変わったのでしょうね。

そうですね。今年でちょうど開業から20年が経ちますが、当時の診療対象は外で飼われている大型犬、中型犬が主でした。昔はもともと地元に住んでいる農家の方や町工場の方が多かったのですが、マンションがどんどん建ち、よそから新しく入居されるご家族などが増えた関係でしょうか、今当院に来るのは小型犬がほとんどで、犬種もバリエーション豊かになりました。新興住宅地や新しいマンションができて環境が変わり、人が入れ替わったことで、飼い主さんの発想も変わってきています。ペットが家族同然という考え方になり、予防に対する意識が非常に高くなってワクチン接種を希望される飼い主さんは当院でも本当に増えました。それから、当初は動物病院の数が少なかったので、日曜に車で愛犬を連れていらっしゃる飼い主さんがたくさんいたことを覚えています。近年は周囲にも動物病院が増えたので、日曜に集中するようなことはなくなりました。

地域性として何か感じることはありますか?

地元の方のつながりは、すごく強いと思います。例えば、捨て犬、捨て猫の里親探しなどは非常に協力的で、何度も助けていただきました。当院の近くに三ツ池公園という大きな公園があって、そこに飼いきれなくなった犬や猫を置き去りにするケースが多いのですが、当院のケージで預かって世話をしていると、ご近所のお年寄りが地元のネットワークを使ってペットを欲しがっている方がいないかどうか聞いてくれるんです。一方で、飼い主さんの高齢化が進んでいることは気がかりですね。お子さんが一緒に住んでいるご家庭ならともかく、お年寄りだけですとペットの具合が悪くなってもなかなか当院まで足を運べません。そういった問題を抱えていらっしゃるご家庭のためにも、今後はもっと往診を積極的にやっていきたいと考えています。

スムーズな診療のためにも飼い主との信頼関係づくりを重視

来院されるのはどういうケースが多いのですか?

まず当院では近頃、猫の来院数が多くなり、犬と猫の割合は6対4、ほとんど半々と言ってもいいくらいになっています。来院の理由はいろいろですが、季節によっても違ってきますね。4月から8月頃までのメインは、狂犬病やフィラリアの予防接種を受けに来る犬です。どちらかというと冬場に強い犬ですが、夏場の熱い時期はどうしても皮膚病が多くなってしまいます。また、最近の傾向としては、高齢化に伴う疾病が増えました。例えば、ボケや腫瘍の他、跛行(はこう)で正常に歩けなくなったり、平衡感覚を失う前庭疾患が出てぐるぐる回る旋回運動が止まらなかったり。あとは、アレルギーも目立ちます。ワクチン注射を受けたところが腫れたり、手術後に縫った糸で過剰反応が起きたりするペットは少なくありません。1本何千円もする糸を使っても反応する場合があるので、非常に神経を使いますね。

こちらの診療での特徴を教えてください。

一般的な検査や治療はほとんど行いますが、何かに特化した技術とか特殊な設備といったものはありません。こちらにある設備で治療できない場合は、専門の病院をご紹介することになります。ただ長年の経験から、どのような病気にかかっているのか、当院で治療が可能かどうかというのをスピーディーに判断して対応する、というのが当院の特徴といえば特徴かもしれません。おおよそ8割は初見で見当が付きますから、当院でできると判断すればすぐに取りかかり徹底して検査・治療しますし、対応が難しいと判断すればその場で紹介状を書いて最適な動物病院をご案内します。内科、外科、皮膚科、循環器科、歯科などオールマイティーな獣医師は、そうそういません。不得意な病気まで診てリスクを高めるより、得意な獣医師に任せるべきだと考えています。幸い、さまざまな得意分野を持った先輩や後輩がそう遠くない場所で開業していますから、病気に合わせて最適な動物病院をご紹介できると思います。

診療スタンスをお伺いできますか?

飼い主さんのおっしゃることをよく聞くということですね。それから、こちらも丁寧に説明をするということです。飼い主さんと十分に会話をすることで、まずは信頼関係をつくることを大切にしています。信頼関係がなければ、こちらが最適な診療方針をいくらご提案しても、飼い主さんは納得しません。特に最近は、インターネットで調べてからいらっしゃる方が多いので、信頼関係がないまま説明すると、話の枝葉の部分について「調べてきたことと違う」と気にされて、話が核心からずれていき収拾がつかなくなってしまうんです。診療行為をスムーズに進めるためにも、最初に飼い主さんと十分なコミュニケーションを取って信頼関係を作ることを重視しています。それから、飼い主さんのペットとの接し方や日常生活など普段の様子をできるだけ聞き出して、治療方針に生かすようにしています。

いつもと違う様子に気付けるのは飼い主。何かあれば早めに相談を

どういうきっかけで獣医師になられたのでしょうか?

もちろん、子ども時代から動物好きだったというのはベースとしてありますが、私の場合は、たまたま入学した高校が獣医師大学の附属だったというのが大きかったですね。学校の同じ敷地の中で、獣医学生の先輩方が牛や馬、豚などの世話を実習として行っていましたから当然、影響を受けるわけです。「すごいな」と思いながら、先輩方の作業をこっそり見ていたものでした。当時、犬・猫などの小動物を選択する学生は少数派で、獣医師といえば大型動物です。私は横浜生まれの横浜育ちで大学も同じ神奈川県でしたから、地方に行って牧場で大型動物を診ることに憧れました。

大学卒業から開業まではどうされていましたか?

卒業後しばらくは、食肉の病気を検査する食肉衛生検査所に公務員として勤めました。やがて、生きている動物を診るほうに興味が移ったため、全国規模の農業団体に入り、福岡や栃木、盛岡など各地の牧場で獣医師として働いています。大型動物の世話は大変で、365日休みはなく、昼も夜もありません。そんな生活をされている酪農家の方のところに「獣医師だから偉いんだぞ」みたいな態度できれいな服装で行っても、誰にも相手にしてもらえないんです。寝食を共にし、お酒を酌み交わし、一緒に徹夜で動物の世話をして初めて、こちらを信頼してもらえます。あの時の経験が、飼い主さんとコミュニケーションを取るという今の診療スタンスに生きているのでしょう。牧場での仕事は長く続けましたが、盛岡にいた時に体調を崩したことがきっかけになって地元に戻り、先輩や後輩の動物病院で修業させてもらい十分に経験を積んだ上で独立し開業しました。

獣医師として影響を受けた方はいますか?

開業の前にお世話になった、先輩獣医師です。技術面ももちろん学ばせていただきましたが、何よりその行動力がすごかったですね。とにかく、365日休まない。それに、あまり儲けようとしない姿勢も尊敬していました。それらは当院の今の方針にもなっていて、私のところも基本的に休診日はありません。ただ実際は、院内のケージに動物が1頭でもいれば毎日ご飯をあげなくてはいけませんから、自然と休みがなくなってしまったというのが正確なところです。

最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

ペットの普段の様子を一番よく知っているのは、飼い主さんです。いつもと違うことに気が付けるのは飼い主さんだけですから、下痢をした、血尿や血便が出たなどだけでなく、元気がないなどちょっとおかしいなと思うことがあれば、早めにお電話をいただければと思います。症状が重くなってからでは、治療が難しくなるものですし生命の危機も高まります。お電話で様子を伺うだけでも、有効なアドバイスができることも多いので、とにかく何か気が付いたら迷わず連絡してください。

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