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重田洋一 院長の独自取材記事

ドン・ペット・クリニック

(大田区/御嶽山駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR東急池上線御嶽山駅から徒歩3分。閑静な住宅街の一角にある「ドン・ペット・クリニック」の重田洋一院長は明るく大きな声でテキパキと話す姿が印象的だ。奥様もスタッフをされており、二人三脚で日々の診療にあたる。院内は待合室と診察室が大きなガラス窓で仕切られており、飼い主が診療の一部始終を見守ることができる。飼い主にとっては安心できるシステムだが、診療する側にとっては「ストレスに感じることもあるのでは?」と尋ねると、「正直そう思うこともありますが、こうしたいと思ったらそうしないと気が済まない性格なんです」と笑う。犬と猫の診療を専門としているが、院内はまったくにおいもなくどこを見ても清潔に保たれている。病院にとって清潔、綺麗は基本中の基本だという院長が毎日すべての掃除を自ら行っているという。あえて「動物を飼うのは面倒なこと」と言う院長は、好きだけではなく生活を変える覚悟と責任を持って動物を飼ってほしいと話す。そんな院長にお話しを伺った。 (取材日2014年7月14日)

動物を飼うには好きという気持ちだけではなく覚悟と責任が必要

まず先生のご経歴をおしえていただけますか。

東京農業大学の農学部畜産学科を卒業した後、北海道の酪農学園大学農学部獣医学科に編入しました。一度は畜産の道へ進んだのですが獣医師になるという夢が諦められなかったんです。北海道には初めて住みましたが、とてもいいところでしたね。その後は東京大学農学部の獣医外科学教室というところで研究生をしました。これは人間の医師でいうところの研修医のような制度で、そこで臨床を学びながら研究や発表を行うのです。それから世田谷区の広島動物病院に2年間勤務し1996年に開業しました。あっという間にもう19年目になりますね。

勤務医と開業医の違いは何でしょうか。

自分で開業して初めて経験できることは、ペットそれぞれを最初から最後まで自分で診ることができる点ですね。大学病院ではその子の一生のほんの一部しか診ることができませんが、開業医は生まれてすぐの小さな頃から、さようならの時まですべて自分で関わることができます。それが大きな違いだと思います。でも19年やっていますが診療やオペをしていて緊張から変な汗をかかなくなったのはここ4〜5年のことです(笑)。ようやく焦らずに考えることができるようになりました。15年かかりましたね。

飼い主さんとの関わりはどうでしょうか。

情報社会ですので、今の飼い主さんは大変になったと思います。昔から病気はたくさんありましたが飼い主さんはそこまではわからないというのが正直なところでした。しかし今は違いますからその分決めなくてはならない場面が増えたのです。私たちは経験もありますので、いろいろな提案ができますが、決めるのはやはり飼い主さん。時にはつらい決断をしなければならないこともあります。私たちはあくまでも決めるお手伝いをするだけですからね。そういう意味では飼い主さんのメンタルケアも大切です。私は誰も不幸にしない治療をしたいと考えています。病気になったらもう不幸だという考えもありますが、飼い主さんも含めてみんなでがんばろうと思えるようにしたいのです。動物を飼う以上、絶対に見送るという仕事がついてきますよね。見送った時に、しっかり考えてやりきったと思うことができれば、さみしくても絶対に乗り越えることができると思うんです。私も2000年に母を亡くしたのですが強くそう感じました。「こうしておけばよかった」というのはもちろん出てくると思うのですが、最後には飼い主さんが「でもやれることはやりきったよね」と思えるように持っていきたいです。あとは飼い主さんご本人の健康も大切です。動物を飼うのはとても大変なことですよね。「好き」と「できる」は違うものですから。言い方は悪いですがペットを飼うのは面倒な場面もあります。しっかり育てていくには飼い主さんが元気でいなければいけませんし、好きというだけではない責任を持つという自覚も必要だということもお伝えしています。

目指すのは「総合医療」の専門医

クリニックの名前にある「ドン」というのはなんですか?

私が飼っていた犬の名前なんです。今でも(院内に飾ってある写真に)オペの前には「よろしく」と声をかけたりしていますよ(笑)。私がまだ学生だった頃、ドンの調子が悪くなって動物病院を何件も回ったのですが、どこへ行っても私はいい治療をしてもらったと思うことができませんでした。納得できなかったのです。予備校時代の友人が東京大学で研究生をしていたので相談したら、すぐに連れてこいと言ってくれたのですがその時にはもう手遅れでしたね。ドンは東京大学で放射線治療を行い、その後の動物診療の礎になりました。その時にお世話になった先生は私が東京大学の研究生の時にご指導いただいた廉澤剛先生という方で、私の恩師でもあります。今は酪農学園大学で教授をされています。私の座右の銘は「無知の知」で、これは廉澤教授から教わった言葉なんです。「わからない事がある」と自覚しているからこそ向上心が生まれ、「自分には理解できないことがある」という思いがあるから尊敬の気持ちや謙虚な心が生まれるという意味です。

奥様が病院のスタッフをされているのですね。

私より妻の方が話しやすいという飼い主さんもたくさんいらっしゃいますよ(笑)。妻とは学生時代に結婚して22年になります。私一人ではここまでやってこれませんでした。飼い主さんとのコミュニケーションがとても大切な仕事ですが、妻は私とは違う形で担当してくれていますので私は安心して診療に打ち込むことができています。時には年上の飼い主さんに動物の診療とは関係なく人生の指導をしていただいたりもしていますよ(笑)。

ドン・ペット・クリニックが目指していることを教えていただけますか。

皆さんにとって聞き慣れないかもしれませんが、私は総合医療の専門医をめざしているんです。大学で病理、大学病院で外科を真面目に真剣に修行し、もちろん現在も継続しています。また、代診時代に内科も研鑽を積み始め、今も続けています。したがって、自分で言うのもなんですが、外科手術も内科治療もそれなりに行うことができる獣医師の一人だという自負はあります。常に心がけている最新知識のアップデートと経験、この両輪がそろってこそ気が付く怖さや落とし穴も重々承知しているつもりです。まず一次診療である当院でしっかり診察し、二次診療が必要か否かを判断、この見極めに必要なのが、先ほど話した最新知識のアップデートと経験なのです。近年、喜ばしいことに獣医療も進化し高度医療の時代になりました。必要な面もあり、難しい面もある、それが高度医療だと私は思うんです。いろいろな選択肢が増えた分、飼い主さんは大変です。費用もかかるし、何をどこまですればいいのかわからないという方もたくさんいらっしゃると思います。その子に最も必要な治療は何なのか、その子のためになりご家族も納得できる方法を、理想を言えば誰も不幸にしない治療を提案して実行することを私はめざしています。ですから、どんなことでも気軽に相談していただきたいのです。その子の性格や飼い主さんの生活がそれぞれありますから、治療って一辺倒はありえないんですよ。例えば、私たちがよかれと思って薬を処方しても、与え方によってはそれがとんでもないストレスになって他の面に影響が出てしまう時もあり、したがって経過を見るという選択肢も治療の一つになりえることもあるんですね。いろいろな側面から、その子と飼い主さんにとって最適な方法を一緒に考えていきましょう。

院内を清潔に保つのは動物病院の基本

ご趣味やお休みの日は何をされていらっしゃるか教えてください。

車ですね。ドライブだけでなく、自分の車を自分好みに少しずつカスタマイズするのが特に好きですね。あとは最近行けていないのですが、バス釣りやサーフィンも好きです。休みは週に1日だけなので、その日はなるべく仕事から離れるようにしています。幸運にも、私は一番好きなことが仕事なので、だからこそ他の趣味の時間も大切にしなければならないと考えています。そうしないと視野がどうしても狭くなってしまいますからね。休日にプールに行くときに獣医学の本を持っていって読んだら楽しいだろうなと思うんですがあえて持っていかないようにしています。休肝日ならぬ、休脳日ですね(笑)。あとは掃除ばかりしています(笑)。

院内がとても綺麗で動物のにおいもまったくしませんが先生がお掃除されているのですか。

掃除が好きなんです(笑)私にとって綺麗であることは普通のことですから。自他共に認める「掃除好きの潔癖症」なんですね(笑)院内が綺麗だということは気持ちよく診療を受けてもらうのはもちろん、院内感染の心配もなく安心して受診できるということにつながります。そして病院を綺麗にすることで、ペットが緊張しているときにかく足裏の汗も観察できますし、微量の尿もれや体臭の変化にも気づくことができるんですね。それらをすべて含めて診療の場であると考えています。ですから掃除は必要不可欠、清潔にはとてもこだわっています。

最後にドクターズ・ファイルの読者へメッセージをお願いします。

私はなんでもハッキリと話しますし、私のようなタイプの人間が苦手な方もいらっしゃるかもしれません(笑)ただ私たちはここで診療を受けるペットたちと普段一緒に生活しているわけではありませんので飼い主さんにペットの気持ちを代弁してもらうしか方法がありません。その時に話しにくい先生だとどうしようもないと考えています。私たちも精一杯の努力をするので飼い主さんも伝える努力をしてほしいと思います。ペットのことを一番思っているのはもちろん飼い主さんですが、その次は私たちだと自信を持っています。飼い主さんがペットの親ならば、私たちは専門の目をもったおじいちゃんやおばあちゃんといったところでしょうか(笑)。ペットも人間とまったく一緒ですよね。違うのは、動物と人間のあいだに共通の言語がないことです。さらに動物は本能的に痛みやつらさを表面には出さないんですね。ですからいつもと違う様子が見られたときはそれなりにどこかに異常をきたしているという証拠です。しかし、その子の「いつも」を知らないと比べることができません。異常のほうにばかり目が行きがちですが、大切なのは普段どうしているかです。普段を知っていれば異常があれば自然に気がつくはずなんですね。それを心に置いてペットとの生活を楽しんでいただきたいと思います。そして異常が表れてからではなく、まずワクチンや質問だけでもいいので気軽に来院してみてください。飼い主さんが私たちに心を開いてくれていればペットも緊張せず表現してくれると考えていますのでリラックスしてお話しを聞かせてくださいね。

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