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牛草 貴博 先生の独自取材記事

関内どうぶつクリニック

(横浜市中区/関内駅)

最終更新日: 2023/07/24

臨床に携わる一方で、アレルギー性疾患の治療や再生医療などの研究にも取り組む「関内どうぶつクリニック」の牛草貴博代表。より良い獣医療を実践するために、2020年に新規移転して、治療設備や診療スペースを拡充した。将来の職業として国語教師や臨床心理士も考えたことがあるという牛草代表。科学者として研究や医療を極めるだけでなく、常に動物と飼い主が幸福であることを第一に考えたいという姿勢が印象的だ。獣医療について熱く語り、常に院内に目配りしながら、親しみやすい笑顔を絶やさない。多くの飼い主から信頼され、遠方から訪れる人が少なくないのも納得できる。そんな牛草代表に、同クリニックの特徴や獣医療への思いを聞いた。(取材日2023年3月7日)

遠方からも多くの飼い主が集まる、横浜の動物病院

こちらに新築移転されたとお聞きしました。

2020年9月に、診療スペースや設備を拡充するために移転し、2頭同時に治療ができる手術室や猫用待合室も設けました。こだわったのは、診察や処置の様子がすべて飼い主さんに見え、私もスタッフの動きを把握できるように、院内をガラス張りにして、オープンな造りにしたことですね。重症動物用のICU用ケージも常にスタッフの目が行き届く位置に設置しています。ペットの様子が見えないと飼い主さんも不安に思われるでしょうし、私たちにとってもすべてを飼い主さんに見てもらうことは、適切な治療を提供し、信頼関係を育む上でも大切なことだと考えています。新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、以前からの予約制に加えて、動物病院向けの調剤薬局を利用できるようにし、さらに滞在時間を短くするようにしました。診療対象は犬が7割、猫が3割。近隣、横浜市の飼い主さんが中心ですが、茨城県や栃木県、静岡県、愛知県など遠方からも来られます。

そもそもどうして獣医師を志したのですか。

子どもの頃から犬は好きでしたが、特に獣医師になりたかったわけではなく、6年間大学生活を楽しみたいという、いかにも学生的な考え方で獣医学部を選んだのです(笑)。受験の時は、国立大学は獣医学部志望でしたが、私立大学は新聞記者か臨床心理士をめざせる文系学部を受験しました。国語教師を志した時期もあり、言葉を大事にする性分だったからだと思いますね。宮崎大学を選んだのは、埼玉県川越市で育ったので海に憧れがあったことと、両親が九州出身で親しみもあったからです。宮崎県は自然豊かないいところで、毎日サーフィンを楽しみ、実験や研究にも励み充実した学生生活でした。古い農家の納屋を安く借りて自分で改造して犬と一緒に住んでいたんですよ(笑)。そんな生活も面白かったですね。卒業後は、研究室の先輩から紹介されて、鹿児島大学出身の獣医師が院長を務めていた動物病院に勤務していました。

その後、関内駅近くの吉田町で開業したのですね。

海のないところで育ったので、昔から横浜には憧れがありました。そこで、一番横浜らしいところで開業しようと考えたのです。吉田町は、野毛や伊勢佐木町、元町やみなとみらいなど、さまざまなエリアの分岐点のようなところで、いろんなエリアの飼い主さんが来院されていました。大企業のオーナーも商店街のご主人も外国人も、多彩な人々が待合室で一匹の犬や猫を介して世間話をしている。そこに私が介在できるという状況がとても面白かったですね。

アレルギーをはじめ皮膚疾患、消化器疾患の診療に注力

診療面にはどのような特徴がありますか。

一番多いのは、アレルギー性疾患や皮膚科の診療で、犬のアトピー性皮膚炎に対しては減感作療法も行っています。減感作療法は、WHOにおいて「アレルギーの自然治癒を促す治療法」とされている治療法で、ガイドラインも整備されており、欧米では広く利用されています。ただ他のクリニックでアレルギーと診断されたことがあっても他の病気が原因のこともあり、減感作療法をする必要がないことも多いです。減感作療法ありきではなく、あくまで治療法の一つなんですね。大切なことは、適切な診断と治療、そして、毎日スキンケアするなど飼い主さんの協力です。そのほか、内視鏡検査や治療を含めた消化器科診療にも力を入れていますし、眼科や歯科、循環器科の診療も数多く行っています。

先生は、研究にも積極的に取り組んできたと聞きました。

獣医師になった時から、論文や記事など文章の形で自分の仕事を世に問うていきたいと実践を続け、2018年には大阪公立大学大学院を修了しました。獣医療領域ではまだ基礎的なデータが少ない研究が多いので、クリニック全体で積極的に研究に取り組んでいます。また残念なことに、動物が病気で亡くなってしまった時にはできるだけ飼い主さんにお願いをして解剖させていただいていました。これは私たちにとっても飼い主さんにとってもつらい作業なのですが、診断、治療をしっかりと確認する意味でも最も大切な作業ですし、臨床医としての義務であるとも考えています。その結果を当院で役立てるとともに、他の動物病院でも広く活用してもらい、飼い主さんや社会へ還元できるような実践的な研究を行っていきたいのです。

研究に携わることが、臨床にも役立っているのですね。

そうですね。研究を視野に入れることで、日々の診療に対する問題意識を育むことができるというメリットもあります。ですから、当院の先生方には、常に問題意識を持ち、かつ能動的に動くことを意識して、自主性と責任感を持って診療に臨んでもらっています。だからこそ、動物病院全体として治療とサービスの質を高めることができ、飼い主さんに治療方針についてしっかり説明するという、当院の基本スタンスを確保することができると思っています。そして、治療レベルを担保するためにも、毎日各動物の症例検討会(カンファレンス)を行っています。さらに研究結果を院内でクローズさせず、論文発表などでオープンにすることで、獣医療界全体の診療に役立てていきたいと考えています。

動物と飼い主の幸せな暮らしを支えたい

先生の診療方針について教えてください。

動物は人の言葉を話せませんから、飼い主さんと私たち医療者とのコミュニケーションがとても大切だと考えています。何ごともオープンな姿勢でわかりやすく説明していきたいと思っています。当院に来られる飼い主さんは熱心な方が多いので、その期待に応えるだけの選択肢を用意したいと考えていますし、飼い主さんが決定をするための情報としてしっかり診断をつけることも重視しています。その一方、治療法の選び方によって飼い主さんが後悔したり、思い悩んだりすることのないようにしたい。動物や飼い主さんによって、治療のゴールは異なりますから、高度な医療をどのように提供していくべきなのか、より良い道を模索しながら進んでいきたいと思います。

治療の選択は難しいことも多いですからね。

人生を楽しく豊かにするために犬や猫を飼うのですから、飼うことがつらいことであってはいけません。もちろん、亡くなることは悲しいけれど、飼って良かったと思えるようなお手伝いをしたいと思っています。同時に、医療者側も仕事が楽しいと思えることも大切です。充実した職場環境でなければ、良い診療は届けられないと考えています。また、ペットの高齢化が進む一方、若い世代の人口減少で、新しく犬を飼い始める人が減る方向にあります。医療の高度化はもちろん重要ですが、動物と暮らす楽しさをもっと多くの人に知ってもらい、その楽しさが続くようにサポートすることが獣医療として重要ではないかと考えています。手術すればいい、薬を使えばいいというものではなくて、その動物と人間の関係がより良いまま生活できるように、医療としてお手伝いできるようにしたいと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

私は、動物とともに暮らす楽しさや豊かさを、より多くの方にぜひ知っていただきたいと考えています。最近、気になるのは、異物を食べてしまう動物の治療がとても増えていることです。コロナ禍で飼い主さんの在宅時間が長くなり、犬や猫との関わり方がいっそう密接になってきているのかもしれませんが注意していただきたいですね。また動物を飼いたい場合は、飼う前に、動物病院に相談してください。私たちはさまざまな情報を持っていますので、お子さんがいるご家庭、単身者の方など、ご家族や住環境に応じた種類や飼い方をアドバイスすることができると思います。ぜひ、動物たちとの楽しい生活のために動物病院を活用してください。

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