かゆみに苦しむペットを救うアトピー性皮膚炎の治療 減感作療法 (関内どうぶつクリニック ) | 動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル

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関内どうぶつクリニック

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牛草貴博院長
 
医療トピックス1

かゆみに苦しむペットを救うアトピー性皮膚炎の治療 減感作療法

関内どうぶつクリニック
アレルギーに対して、その原因物質のエキスを少しずつ量を増やしながら注射することによって、体を慣れさせてアレルギーが発症しないようにする「減感作療法」。WHO(世界保健機構)が「人間のアレルギーの自然治癒を促す唯一の治療法」と認め、欧米では獣医療を含め広く利用されている治療法だ。「関内どうぶつクリニック」では、この減感作療法をアトピー性皮膚炎の治療にいち早く取り入れ、さらにアメリカでも最新の治療法といわれる「急速減感作療法」を国内で最初に本格的に導入している。現在、国内では最も多い治療データを持ち、多くのペットと飼い主をアトピー性皮膚炎の苦しみから解放してきた同クリニックの牛草貴博院長にお話を聞いた。(取材日2013年7月15日)

WHOが認めたアレルギーを完治する唯一の治療、減感作療法

Q まず「減感作療法」の概要を教えてください。
▲体に慣れるまでは濃度の低いアレルゲンを注射する
アレルギーとは、本来なら害のない環境中の物質に対して体が過敏な反応を起こすことです。アレルギーの治療において最も有効で基本的な治療法は原因となるアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)を避けることですが、実際には花粉やカビ、ダニ等のアレルゲンを完全に避けることは不可能です。そこで、その原因となっている物質のエキスを少しずつ量を増やしながら注射することによって、体を慣れさせてアレルギーを発症しないようにするのが「減感作療法」で、欧米では獣医療でも盛んに導入されています。ただ従来の治療法では、最初の20日間は1日おきに皮下注射を行うことが飼い主さんの大きな負担となっていました。当院が取り入れている「急速減感作療法」とは、その20日間分を入院治療により最初の1日に9回注射する方法で、副作用は通常の減感作療法と同様非常に少なく、減感作療法と同等の効果が得られることがわかっている画期的な治療法です。

Q 実際にはどのような手順で行われるのですか。
▲日々のシャンプーで対処できる範囲も多く、飼い主さんの日々のケアが重要
まず、アレルギー以外の皮膚病の除外診断を行います。「アレルギーではないか」と来院されたり、他院でアレルギーと診断された紹介例や転院例のうち、実際にアレルギーが症状の主体であるケースは約半分で、残りは感染症の治療や適切なシャンプー療法だけで大幅な改善がみられます。アレルギー性皮膚炎と診断した場合、食物アレルギーの検査を行い、原因が食物の場合は適切な食物除去を実施します。そしてアトピー性皮膚炎と診断した場合に、飼い主さんの希望があれば、減感作療法を行うというプロセスです。従来の減感作療法では、最初の20日間は1日おきに、全体で約9か月間に26回の皮下注射を行ないました。当院が導入している急速減感作療法では、治療開始時に入院にて静脈確保を行い、1日に9回に皮下注射を行い、次に5〜6日おきに9回、その後は月1回の皮下注射により減感作の状態を維持します。症例により注射期間と回数の調整を必要とする場合もあります。

Q 減感作療法によってどのような効果が期待できますか。
▲ペットのために、常識にとらわれずに先進医療を取り入れてきた牛草院長
減感作療法は、今流行の自然療法的なイメージがあるようですが、疫学的な調査がなされ、医学的に効能が認められた、欧米ではアトピー性皮膚炎治療のガイドラインの第一選択の治療法です。減感作療法の反応率(かゆみが50%以上減弱)は80%で、これはアメリカの論文でも当院が学会で発表したデータでも同様です。治療を受けた犬や猫は、徐々にあるいは急速にかゆみや赤みがなくなり、抜けていた毛が生えてきます。効果が現れるのは、早い場合は2か月、遅い場合は約1年です。ただ、アレルギーは簡単に治るものではなく、治療の効果をどう受け止めるかは、飼い主さんにもよると考えています。そこで例えば「まったくかゆみをなくしたい」「日常生活に支障を来さない程度に症状を治めたい」など飼い主さんが何を目的に、どこまでの効果をめざして治療を行いたいかをよく話し合い、アレルギー治療のゴールを明確にして共有することが大切だと考えています。

Q 減感作療法の特徴や他の治療法との違いを教えてください。
▲メリット、デメリットをきちんと説明した上で、飼い主さんに治療法を選択してもらう
メリットは、薬ではないので長期的な副作用が少ないこと、体に負担が少なく、安全性が高いこと、完治が見込める可能性があることです。デメリットは、症例のうち約20%には効果がない可能性があり、また結果が出るのに2か月から長くて1年間かかること。今まで米国で治療された300万頭でも死亡例はありませんが、アレルギーを持っている動物にアレルギーの原因物質を注射するわけですから、アナフィラキーショックを起こす可能性はあります。減感作療法が他の治療法と最も異なるのは対症療法ではなく、アレルギーの治癒をめざす唯一の治療法ということです。私はアレルギー治療として標準的なステロイド療法は短期的には確実に効果があり、薬としての安定性も高く、経済的で対症療法としては非常に有効だと考えています。ただし長期的には副作用が起こる可能性が高いので長期間の使用は避けられるのであれば避ける方が良いと考えています。短期的にはステロイド療法などを併用しながら、痛みなどのつらい症状を緩和して、減感作療法を長期的かつ根本的な治療法として考えていくのが有効ではないかと考えています。

Q 飼い主さんに治療の感想をお聞きしました。
▲かゆみのすっかりとれたワンちゃん2匹
トイ・プードル2匹が減感作治療法を受けています。先に飼い始めた子は、2歳頃から目のまわりをかくようになり、毛が抜けて血が出るまでかくことがあり、先生に相談しました。まず食物アレルギーかどうかの判定をしてもらい、アトピー性皮膚炎と診断されたので、減感作療法を受けることにしました。治療を受け始めて3か月ぐらいでかゆがるのは落ち着き、今ではほとんどかくことはありません。注射は少し嫌がりますが、他には飼い主にとっての負担はあまりないですね。とにかくこの子たちがかゆがって、かいているのを見ているのがつらく可哀想だったので、減感作治療を受けて本当によかったと思っています。

牛草貴博院長からのメッセージ

減感作療法は、古くから存在する、国際的に獣医療で標準治療の一つとして広く認められている治療法ですが、日本の獣医療における症例がまだ少なく、積極的に利用されているとは言えません。しかし、国際的には再発を予防するプログラムとしてガイドラインに強く推奨されていることから、これから日本の獣医療でも積極的に利用されていかなければなりません。私は、減感作療法の最も大きな長所は、動物の皮膚病を治したいという飼い主さんの素直な気持ちに応えられる根治治療であるところだと考えています。治療は、動物を中心に医療者と飼い主さんがチームとして同じゴールに向かって進む一つのプロジェクトです。減感作療法は“夢の治療”ではなく、すべての症例に効果があるわけではありません。しかし、アトピー性皮膚炎に苦しむ多くの犬や猫と飼い主さんを幸せにできる可能性がある治療法です。試す価値のある選択肢の一つとして考えていただければと願っています。

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