培養した免疫細胞を体に戻し免疫力を高めるがんの免疫療法 (関内どうぶつクリニック ) | 動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル

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関内どうぶつクリニック

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牛草貴博院長
 
医療トピックス2

培養した免疫細胞を体に戻し免疫力を高めるがんの免疫療法

関内どうぶつクリニック
人間のがんの治療では、外科治療、抗がん剤治療、放射線治療の3大治療法に続いて、自らが持つ免疫を高めて、がんに対抗していくという「免疫療法」が第4の治療法として普及しつつある。医療の分野でも、犬や猫の体への負担が少なく副作用も少ない治療法として、最近、注目されるようになった。それが「関内どうぶつクリニック」が行っているがんの免疫療法「活性化Tリンパ球(CAT)療法」だ。進行したがんや全身状態が悪い場合、外科治療や抗がん剤治療が行えないような場合にも実施することができ、何よりも食欲が出たり、好きな散歩に行けたり、動物の生活の質(QOL)を上げることができるのが特徴だ。牛草貴博院長が「この治療によって動物と飼い主の幸せな生活を提供したい」と語る免疫療法を紹介しよう。 (取材日2013年7月15日)

がんに対する第4の治療法として注目される免疫療法

Q がんに対する免疫治療とはどのような治療なのでしょうか。
▲培養液に細菌が入らないよう、細心の注意を払う
現在、がんに対しては、腫瘍部分を手術で取り除く「外科治療」、薬剤による「抗がん剤治療」、放射線でがんの増殖を抑える「放射線治療」が主に行われています。しかし、全身麻酔が必要となる外科治療は進行したがんや全身状態が悪い時には行えず、やはりがんの進行により貧血などがあると抗がん剤治療もできません。放射線治療は、治療可能な場所が大学病院などに限られ、短期間で頻回の全身麻酔が必要という欠点があります。そして、それぞれ副作用があり、症状やがんの種類によっては、その副作用に見合った治療効果が得られないことがあります。そこで、人間では、もともと持っている免疫力を上げることができれば、がんと闘ったり、がん自体の増殖を抑えられ、がんと闘い、全身の状態をよくする免疫療法が第4のがんの治療として注目されるようになりました。それを動物でも行えるようにしたのが、当院で導入している免疫療法です。

Q では、免疫療法の概要や手順を教えてください。
▲培養液から抽出した、活性化Tリンパ球の液体。これを体に戻す
当院の行っている免疫療法は、免疫を担当する白血球の1つ、Tリンパ球を体内から取り出し、培養により1000倍まで増やし、体にもどす「活性化Tリンパ球療法」です。免疫療法に必須の細胞培養には、培養液中にほんの少しの細菌の混入も許されないこともあり、従来は非常に大がかりな設備が必要でしたが近年の技術の発達により、一般開業医でも培養が行えるようになりました。具体的な手順としては、まず診察と血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを実施します。無菌状態を保つため、採血部分の毛刈りおよび消毒をしてから、約12mlの採血を行い、2週間培養し、元の1000倍まで増やしたTリンパ球を静脈点滴にて注入します。1回の治療では効果が安定しないため、2週間から1か月おきに採血・培養・注入をくり返します。当院では、手術後の再発を防ぐため、また抗がん剤の副作用を抑えるために併用する場合や、がんが進行して他の治療法が行えず免疫治療しか行えないような場合に適用しています。

Q 治療の効果は、どのように現れるのでしょうか。
▲集めた培養液
免疫によってがんが大きくなったり再発するのを防ぎ、また、弱っていた全身の免疫が上がることによって、動物のQOL(生活の質)が上がった状態で延命を図ることが期待できます。つまり、自分でごはんが食べられたり、好きなお散歩ができたり、家族と遊べたり、当たり前のことができる生活が期待できるのです。まだ犬や猫では大規模な臨床試験のデータが出ていませんが、獣医再生医療学会でまとめたデータでも「がんで低下した生活の質を改善する」といった効果が報告されています。抗がん剤や温熱療法(がん細胞が熱に弱いことを利用した治療法)と組み合わせることによって、全身状態の維持や、がんの再発を防ぐ効果が大きいことがわかっています。外科手術や抗がん剤治療は、がん以外の組織に対しては免疫を落とし、全身を弱らせてしまいますが、免疫療法はもともと自分の体から取り出したリンパ球を使った治療ですから、限りなく副作用は少なく、全身の元気さを蘇らせることが期待できます。

Q この治療のメリットや将来性を教えてください。
▲培養、技術を持った獣医師が担当
免疫療法のメリットは、食欲不振や嘔吐などの副作用がほとんどないこと、がんを大きくせず延命効果が期待できること、痛みなど自覚症状の改善が図れること、抗がん剤など他の治療法との相乗効果が期待できることです。薬ではなく、自分の細胞を取り出して戻すという治療法ですから安全性は高く、強い副作用が出た例はありません。体にとっては過激な治療と言える外科治療や抗がん剤治療とも共存し、またそれらを邪魔することがなく、効果を上げることが期待できる免疫療法は、画期的な治療法だと思います。特に、他の治療法との組み合わせには大きな効果が期待できる可能性があると考えています。さらに治療を行う数が増えることによってデータが集積されれば、より高い効果が得られる治療の開発に結びつけることができると期待しています。

Q 飼い主にとって、免疫治療はどのような意味があるのでしょうか。
▲臨床と研究の両方に情熱を燃やす牛草院長
当院でも、がん治療として最初に提案するのは外科治療や抗がん剤治療であり、手術ができない場合や抗がん剤治療は行いたくないという場合に、この免疫療法をご紹介します。まだガイドラインもない新しい治療法ですので強くお勧めすることはありません。そもそもがんを発症するのは高齢の犬や猫の場合が多いので、全身の免疫を下げる外科治療や抗がん剤治療は、動物を弱らせてしまうというリスクがあります。また飼い主さんが副作用などを心配されて強いストレスを持たれていると動物にも影響します。飼い主さんの心配を取り除いて安心して治療に臨んでもらうことで、動物の免疫に悪影響を与えない生活ができ、高い免疫が維持できる面もあります。免疫療法を選択された飼い主さんは、「若い頃と同じように元気になった」「亡くなる時に苦しまずにすんだ」など動物の最後の日々に対して満足されることが多いようです。免疫療法は、動物と飼い主さんが最後まで幸せに過ごすのに役立つ治療法だと考えています。

牛草貴博院長からのメッセージ

がんに対する免疫療法はごく新しい治療法であり、獣医療領域では安全性の確認はできていますが、まだ症例数も少なくガイドラインもできていません。今よりももっと効果を上げる治療の方法があることも考えられます。しかし、すべての病気は免疫に関係しているので、体全体を考えたときに免疫を上げることは非常に重要なことだと感じています。まだ説明がつかない部分が多くある治療法ですが、体ががんと闘かうための体制作りを助けることができ、飼い主さんと動物が質の高い生活を送れるツールになりうる可能性があると考えています。めざすところはがんの撲滅ですが、免疫療法はがんと闘うツールでもあるが、がんと共に生活するツールであるのかもしれないと思います。この治療法には、大きな未来が待っているという確かな感触があります。がんの治療に悩んだり困っている方がいらしたら、ぜひ相談していただけたらと思います。

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