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宍甘陽子 院長の独自取材記事

ジュアペットクリニック

(新宿区/西新宿五丁目駅)

最終更新日: 2023/01/22

高層ビルに囲まれ、賑やかな都営地下鉄大江戸線西新宿五丁目駅。通りを一本入ると、都心とは思えないほど静かな下町の風景が広がる。高層マンションの合間から抜ける空を時折見上げながら、クリーニング店や八百屋などが点在する道を5分程歩くと「ジュアペットクリニック」が見える。「ジュアはスワヒリ語で太陽の意味。人を太陽のように明るくしてくれるペットの健康を守りたいと願ってつけました。私の名前も太陽が由来なんですよ」と話すのは宍甘(ししかい)陽子院長。初対面の人でも自然と笑顔にさせる、まさに太陽のような魅力の持ち主だ。日差しがたっぷり降り注ぐ院内で、野生動物に囲まれて幼い頃に暮らしたアフリカでの生活や獣医師になった理由などについて伺った。 (取材日2014年12月3日)

野生動物のいるアフリカで伸び伸び育った生い立ちから自然と獣医師の道へ

小さい頃、アフリカのザンビアで育ったそうですね。

私は生後5ヵ月から3歳まで、父が青年海外協力隊の任務で赴任するアフリカのザンビアで暮らしました。私たちが住んでいたところは、一歩外に出ると野生動物や大自然がいっぱい。庭に白い猿が紛れ込んでくることは日常だったみたいです。記憶はないのですが、アルバムやビデオを見ながら当時の生活やエピソードを両親が話してくれるんですよ。あちらでは番犬として大型犬を飼うことが普通で、我が家でもシェパードなど3頭を飼っていたのですが、私はシェパードの子犬とオムツの取り合いをしていたそうです(笑)。また、ある日、私がいなくて両親たちは大騒ぎ。なんと、ご近所の番犬であるセントバーナードほどの大きさの大型犬にしがみついていた姿で発見されたとか。そんな環境で育ったので、動物を大好きになったのかもしれませんね。

では小さい頃から獣医師になると決めていたのでしょうか?

そうですね。とにかくアフリカに興味があって、テレビ番組も動物ものが大好き。野生動物に携わる仕事につきたいと思っていました。小学校の卒業文集には「獣医師になりたい」とはっきり書きましたね。高校も、獣医大学に進学することを見据え、理系に力を入れているところを選びました。そして高校卒業後、日本獣医生命科学大学に入学しました。

大学時代はどのような生活を送られたのですか?

「みんなで楽しくやろうよ」と考えるタイプで、昔から生徒会長とか学級委員長とかを引き受けることが多かったんです。野生の中で育ったせいか、人見知りしない性格なんですよね(笑)。みんなで仲良くなりたくて連絡網を作ってまとめたり、6年の時は国家試験対策委員長として獣医師の国家試験の合格率をあげるために勉強会を開いたりしていました。ちょうど私が国家試験を受ける頃は、新旧カリキュラムが入り混じっている時期だったんです。だから予想問題作りも大変でしたが、クラス一丸となって協力し合うことができたので、苦ではなかったですね。

患者に丁寧に向き合い、しっかりした医療の提供をめざす

新宿で開業された理由をお聞かせください。

まず、都心であることですね。都心には動物病院がたくさんありますが、その中で当クリニックを選んでくれた患者さんに丁寧に向き合って、しっかりとした医療を提供していきたいと思ったんです。何ヵ所か都心の物件を見たのですが、この場所は外観が広く、日差しがたくさん差し込むところが気に入りました。また、夕方にはワンちゃんを連れて散歩しているたくさんの人の姿を見て、ここで開業したいと決意しました。

飼い主さんの層や動物たちの症状はどんなものが多いですか?

飼い主さんは20〜30代の女性が多いですね。昔からある住宅が多い一方、ペット可のタワーマンションが周辺に建設されています。そこに若い方がたくさん入居されているようです。動物は、半分くらいが小型犬です。4割くらいが猫で、残りの1割はウサギとハムスターです。相談内容は季節要因の症状が多く、犬だと夏は皮膚病、冬は腰痛などの神経系疾患や消化器系疾患で来院されます。寒くなって筋肉が硬直したワンちゃんが急に外に飛び出すなどして腰を痛めるんですよ。ワンちゃんを抱き上げたときに「キャン」と泣くとか、なんとなく元気がないとか、そうした症状で気付く飼い主さんが連れてくることが多いですね。猫の場合ですと、猫風邪や食欲減退などで来院される方が多いです。ウサギは目や耳の疾患や足底皮膚炎などで来られます。

ペットブームなどもあり、知識が豊富な飼い主さんも多いのではないですか?

そうですね。当クリニックでは、動物の症状をきちんと理解していただくために紙に書いてお渡しするのですが、飼い主さんはさらに自らインターネットなどで調べて、次に来院されるときはディスカッションできるほどに知識を身につけている方も少なくありません。それは私にとって喜ばしいことです。なぜなら、飼い主さんのライフスタイルやワンちゃんネコちゃんの性格にあわせて治療を一緒に考えていきたいと思っているからです。一方で情報があふれていますから、間違った情報を信じてしまう方もいます。その場合はもちろん、正しく理解していただくようにお話しします。

よくある病気や、飼い主さんが普段気をつけたほうがいいことはありますか?

この辺りは公園が多いので、ノミやマダニに対する予防には気を遣ってほしいですね。「うちの子はダニが付いてないから」という飼い主さんが多いのですが、わずかな散歩でも要注意です。また人の靴底にノミの卵が付き、家の中に入ってくることもあります。アレルギーの症状が出ている場合はもちろん、黒いぶつぶつしたものが毛についていたらノミのふんかもしれませんので、気を付けてください。最近は、首筋にたらすタイプや食べるタイプの薬で予防できます。心配なことがあればお気軽にご相談ください。

最善の治療を飼い主さんと共に考える

先生も犬を飼われているそうですが、どんな存在ですか?

居て当たり前の存在ですね。雄のビーグル7歳と雌のシーズー1歳を飼っていますが、見返りを求めない無償の愛をくれます。動物って空気を読まなそうで読んでいるんですよ。例えば、仕事中に辛いことがあって帰宅した時、普段は飛びついてくる2匹が飛びついてこないんです。そして私がソファーに座ったら、2匹が両脇に来て一緒に静かにボーっとしてくれる。わかるんだなぁと思いました。悩んでいるときも、変な顔をされると思わず笑ってしまいます。ビーグルは大学時代に私が初めて繁殖させた犬。未熟児で、人工哺乳で育てました。尻尾が生まれつき短く、研究室としては手放すしかなかったんですが、教授に懇願して卒業後に私が引き取らせてもらいました。シーズーも里子でしたね。2匹とも大切な存在です。

患者さんと接する際に心がけていることはどんなことですか?

動物に対しては、体を触る前に「心臓の音を聞くね」などと声をかけたり優しくなでたりするようにしています。何も言わないで触るとビクッと驚かせることになりますからね。特にウサギは常にびくびくしていますからね。飛び上がって自分の背骨を折るほど脚力が優れていますから、驚かせないようにすることが大事です。看護師にも常に慎重に扱うように話しています。ハムスターは逃げますから、手の中で転がすように優しく接することがポイントです。また飼い主さんに対する心がけとしては、話し方でしょうか。多くの飼い主さんが人生の先輩です。敬意を払うことはもちろん、なるべくゆっくりわかりやすく話すようにしています。ペットの症状がそれほど心配ないとわかったら、同世代の飼い主さんには少しフランクに話すこともありますね。身近に感じてもらえ、何でも相談してくれる存在になれればなと。親しみをもってもらえたらいいなと思っています。また、病院に来ると症状を隠してしまう動物もたくさんいます。そのときにいちばん近くで見ている飼い主さんのお話を聞くのはとても大切だと考えていますね。

先生にとって理想の獣医師像、今後めざす医療についてお聞かせください。

ある獣医師の方の葬儀に患者さんがたくさん参列したという話を父から聞いたことがあるのですが、そんな獣医師になりたいですね。うちは大規模病院ではないので一次診療がメインですが、できる範囲の治療で安心感を与え、地域の方と関係を築いていければと思っています。飼い主さんに一番近い存在でいられることをめざしています。当クリニックの入口はガラス張りで、散歩途中に寄ってくれるワンちゃんが多いんですよ。気付くと私や看護師が外に出るんです。ワンちゃんを撫でながら飼い主さんに話を聞く。心配なことがあれば「ちょっと診てみましょうか」となるんです。そんな関係をいつまでも続けたいですね。そのためにも、患者さんにとって一番いい治療は何かを常に考えています。一次診療の役割は、自分のクリニックで抱え込むことではなく、患者さんにとって一番いいと思われる場所に案内してあげることだと思います。それが患者さんのためになりますからね。

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