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人見隆彦 院長の独自取材記事

ひとみ動物病院

(西東京市/田無駅)

最終更新日: 2023/01/22

駅から近く、交通アクセスのよい場所に立地する「ひとみ動物病院」。個人開業の動物病院では珍しく、がんの専門的な治療を受けることができる病院だ。院長の人見隆彦先生は、日本獣医がん学会腫瘍認定医の資格を有し、開業に至るまでにも専門的な治療に取り組んできた。「今後はがんや病気になりにくい、予防医学にも力を入れていきたい」と話す人見先生。休日であったはずの取材日前日も、深夜2時まで手術を行い、その後も術後が心配でずっとその犬に付き添っていたという。動物が好きだからこそと、やわらかい笑顔で治療について語る先生に、ペットに対してがん治療を行うということについて、またその時の飼い主としての向き合い方まで詳しく話を聞かせてもらった。 (取材日2014年12月1日)

楽しんで治療ができるように、がん治療に挑む

がん治療に特化している動物病院は、珍しいのではないでしょうか。

学生時代に、授業の一環で病院実習がありました。そのなかでがんに苦しむ動物たちを多く見て、もっと専門的に治療できるところが増えれば、助かる命も多くなるのではないかと感じたんです。そこからいろいろな場所で研修をさせていただきながら、知識を増やしていきました。日本獣医がん学会腫瘍認定医の資格もその流れで取得したものです。以前と比べて、ペットに対するがん治療の選択肢は格段に増えてきています。外科手術、放射線治療、抗がん剤……当院にいらっしゃる飼い主さんには、いろいろな選択肢から選べることを教えてあげたいですね。

医院のホームページにも犬猫がなりやすいがんについて、詳しく掲載されていますね。

それぞれのがんによって、なりやすい年代が異なります。また、犬種や血統によってがんにかかりやすい種類があったりもするんです。現代では長生きをするペットが増えたので、がんに罹りやすくなっていると言われています。犬であれば半数以上ががんに罹患するとされていますが、これは環境の向上により寿命が延びたことと、昔は検査や治療が施されずに亡くなっていく犬が多かったことも背景にあります。

がん治療を行うにあたり、気にかけていることはありますか?

栄養管理をしっかり行うようにしています。がんがあって、痛みや吐き気など様々な原因で食事が摂れないなら、まずは鎮痛剤や吐き気止めなど対症療法をしっかりと行います。食欲が戻らなければ、胃ろうをつけてあげることもあります。動物の場合、闘病の結果がんで亡くなるというより、食事が摂れなくて栄養が足りずに亡くなることが多いです。つらい状態の子に無理に食事を与える、嫌がる子の口をこじあけて薬を飲ませるというのは、飼い主・ペットともにストレスがかかりとても苦しいことです。私が一番目指したいのは、楽しく治療に挑むということです。

ペットががんになっても、あきらめずにまずは来院してほしい

ペットががんになったら、どうすればよいのでしょうか。

ペットががんになると、治らないとあきらめてしまう飼い主さんが多くいらっしゃいます。しかし、種類によっては治るがんもあります。まずは検査をうけていただき、ペットの状態を知っていただくことから始めていただきたいです。残念ながら進行し治らない場合も、病気とうまく付き合っていくための道を模索します。治療法には緩和的手術、抗がん剤、放射線治療だけでなく、栄養管理として胃ろうや鎮痛薬なども非常に重要で、どんな状況でも必ずできることがあります。どうかあきらめずに、当院に足を運んでいただきたいです。治療は一つではなく、飼い主様の考え方、動物たちの状況により最善の選択肢を提案していきたいと考えております。

ペットにも胃ろうをつけることがあるのですね。

徐々に浸透してきている治療方法です。取り付けても口から水を飲んだりご飯を食べたりすることができますし、薬を粉にして、投与することもできます。具合が悪くなったときに、飼い主が薬を飲ませようとする行為自体が、動物にとっては大変な負担です。中には薬の袋をあける「カサカサ」という音を聞いただけで逃げて隠れてしまう子もいます。そういう状態の子を引きずり出して、無理に薬を飲せなくてはいけないのは、飼い主さんにとってもつらいことですよね。10何年間と一緒に過ごして絆を作ってきた相手ですから、最後の瞬間に関係が崩れてしまわないために、この方法を一つの選択肢として提示させていただいております。

先生が影響を受けた恩師の方はいらっしゃいますか?

腫瘍治療が得意な方で、研修を受けさせていただいた先生です。動物たちをいつくしみ、愛情を持って接することを教えていただきました。技術や知識の向上のための研修でしたが、目からウロコが落ちた思いでした。当時は今以上に前向きながん治療が広まっていなかった時代でしたが、研修に行った際に通常の治療として手術や抗がん剤はもちろんのこと、胃ろうや栄養管理をすごく積極的にやっていたんです。それを見たときに獣医師としてやれることを、僕の技量の問題で幅を狭めるべきではないと痛切に感じました。本来できるはずのことなのであれば、僕が勉強すべきだし、どうしても環境などが原因でできないのであれば、しかるべき場所を紹介するべきです。また、抗がん剤は少数ながら副作用が出ることがあります。お世話になった先生方からは副作用が出る前に先手を打って治療を行う方法も教わりました。例えば抗がん剤の種類により吐き気の出る期間というのが獣医師にはわかりますのでね。副作用が出やすい期間を先回りして、吐き気止めなどで症状を出さないようにする。そうすることで、飼い主さんも抗がん剤を続けるモチベーションが保てると思います。ペットがあまりにも苦しむ姿を見ていると、つらくて治療を続ける決断ができなくなってしまいます。僕が尊敬している先生方は、抗がん剤による副作用をほとんど出さずに、日常と変わらない生活が送れるよう治療をしていました。「治療はきっちり行うけれど、極力普段の生活を崩さない」それらのことは今でも大切に踏襲しています。

動物が好きだからこそ、いつも医院のそばにいる

先生が獣医師をめざされたきっかけはありますか?

家族が猫が好きで、小さな頃からずっと猫と過ごしてきました。進路を選ぶ際に他の職業も考えたのですが、獣医師が一番性に合うなと。他の職業であればバイオ方面、研究職も魅力的だと考えていました。ですが、実際に動物に接する方が楽しいだろうなと思ったことと、研究で生み出した薬で助かったという事実があっても、その場を見ることはできないので。それであれば、現場にいた方がいいだろうと考えました。今も猫は好きで、自宅で3匹飼っています。それぞれ雑種で、医院のホームページに載っているスタッフ猫ニャンタローもその1匹です。自宅の前で保護した、生まれた時から3本足の子です。他にもシュナウザーのわさびという子も飼っています。

大変お忙しいと思うのですが、お休みは取れていますか?

休みはあまり取れないですね……。昨日も夜中の2時くらいまで手術をしていました。ところが休日に病院から離れると「あの子は大丈夫かな」と気になって、かえって落ち着かないんです(笑)。ここから物理的に離れれば、リラックスできるかというとそれはできない。休日もまずは朝ここに来て、入院している子たちの様子を見てから1日が始まります。休みの日も医院の電話はつながるようにしているので、なにか急な相談があればそちらも対応をします。話を聞いて危なそうであればすぐに診察をします。でもまあ、僕にとってはそれが楽しいんですよ。

医院と先生の、今後の展望についてお聞かせください。

以前に比べて飼育環境が良くなったとはいっても、まだ動物を飼う上での予防医療、あるべき飼い方が周知されていないところもあります。がんに関しても言えることですが、予防できるがん、予防できる他の病気もあるので、実際に病気になってからではなく事前に罹らなくてすむような情報をお伝えしていきたいです。例えば去勢・避妊手術がそれにあたります。「去勢や避妊手術をすると、かえって病気になる」いう話をどこかで聞いた、という飼い主さんがいらっしゃったりもします。「将来的にかかる病気が増える」と友だちに言われたとか。病気になってから治すより、ならないようにするほうが動物にとっても負担が少ないですので、しっかりお話をしながら方針を決めていきます。「がんのことを前面に出しているので、初めは入りづらかった」という方もいらっしゃいますが、当院では日頃からの健康管理・予防医療についても大事にしています。普段から通っていただくことで、異常に気づき治療が早く行えることもあります。他の病院に通っているときにがんが見つかり、セカンドオピニオンの相談を受けることも多くあります。今後とも地域の方が通りがかりにふらっと寄れるような、来やすい病院になるように心がけてまいります。

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