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小泉秀彦 院長の独自取材記事

こいずみ動物病院 川口

(川口市/蕨駅)

最終更新日: 2023/01/22

川口市の産業道路沿いにある、オレンジと緑のコントラストが印象的な大きな看板を掲げた「こいずみ動物病院川口」を訪ねた。JR蕨駅からは徒歩15分と少し距離はあるが、病院前を流れる川沿いの道を歩くのは心地よく、散歩をするにはちょうど良い距離だ。院長の小泉秀彦先生はかつて24時間救急対応の病院に勤務していたこともあり、手術も含め、幅広い分野での診療経験を持つ。中でも多くの臨床を手がけた眼科を得意分野としている。院内は広く、導入機器もモニター付きの顕微鏡、検眼鏡、デジタルレントゲン、超音波検査器、人工呼吸器、高濃度酸素室、動物用モニターと充実している。穏やかで優しい印象の小泉院長に、開業までの経緯から得意分野のこと、これからの展望まで幅広く話を伺った。 (取材日2015年4月15日)

主治医として最初から最後まで診療するために開業

この地で開業しようと思われた理由は何でしょう。

飼い主の方にわかりやすい場所で開業したいという気持ちがあり、この地を選びました。産業道路に面していて、駐車スペースも確保でき、大きな看板もつけられたので、飼い主さんが動物病院を探すストレスを軽減できたのではないかと思っています。将来のことも考え院内は広くし、入院中にも家族の方が面会できるようにしています。勤務医として一ヵ所でずっと働くのは、いろいろな制約のためにとても難しいことでした。ですが退職すると、今まで通ってくださった方々をがっかりさせてしまう。飼い主の方々は皆さん病院に診てもらいに来るのではなく、その先生に診てもらうつもりで来院しているのだろうと思います。そうして来ていただいている方に、辞める、というのは申し訳なく、心苦しかったんです。でも、開業すれば最初から最後までその子の主治医でいられます。手術も病気の治療も、他の先生に引き継ぐことなく、その子の一生に責任を持って自分で診ていけるようにしたかったのが、開業の動機です。先日病院嫌いの犬が予防接種を受けに来ました。当院では嫌がらずに注射ができ、飼い主さんにとても喜ばれました。嫌なことをさせていると思うと飼い主さんもつらいけれど、動物たちが平気であれば心が軽くなります。動物たちや家族の方、それぞれに合わせた対応を心がけています。

診療において心がけていることを教えてください。

よく話を聞き、丁寧な説明をするように心がけています。私に言えなかったことなどがあればスタッフが聞けるように、話がしやすい環境をつくっていきたいと思っています。初診で来られたときには、まず主訴を聞き、診療しますが、例えば目のトラブルで来院したときでも、全身を触診、聴診、視診することは欠かしません。どんなに優れた機械があっても、自分の手で触って確かめることが一番大事だと思うので。以前、血便だけあって、とても元気で食欲もある2、3歳の子が来院したのですが、お腹を触ったら腫瘍があることがわかりました。抗がん剤治療をして1年以上経過しましたが、今も元気にしています。触診でかなりの病気がわかるのですが、これを流れ作業にして、血便だけで元気だからと整腸剤を処方するだけで済ましてしまっていたら、病気を見逃すことになり、がんは進行していたと思います。そのことがあってから、より一層心がけて全身チェックをしています。ただ、はじめから主訴を後回しにして、飼い主の方の希望と違うことを言っても不審に思われることもあるでしょうから、まずは主訴の解決に努めています。

眼科を中心としたオールラウンドの臨床実績

得意としている診療分野はありますか?

24時間救急対応の病院にいましたので、ありとあらゆる症例に対応してきましたが、日中は眼科を診療することも多く、臨床例が多いので得意な診療といえます。犬の場合、目の傷で来院するケースが多いですね。角膜に傷がついた状態を角膜潰瘍といって、いわゆる角膜炎がおきます。その炎症を早めに抑えていかないと場合によってはぶどう膜炎になり、それが原因でさらに他の病気を続発し、最悪の場合失明するケースもあります。どんな病気でも言えることですが、早期発見・早期治療が一番ですので、まずは目に異常を感じたら早めの受診をお勧めします。猫の場合は結膜炎を起こし、目やにが出るといった症状がよくみられます。治療としては原因によって様々ですが、抗生物質の点眼薬や保湿としてヒアルロン酸入りの点眼薬を処方したり、抗ウイルス薬や抗生物質の内服薬を処方することが多いです。その他には、まぶたが内側に巻き込んでくることで顔の毛が目に慢性的に当たって傷や角膜炎が起きるケースというのもあります。

目の病気やトラブルには、その他どういったものがあるでしょう。

白内障もよく診る病気ですね。白内障は進行性の病気ですが、その進行を止める治療はありません。そのため手術も選択肢の一つではありますが、費用面や術後の合併症などを考えると、必ずしも全ての白内障の動物に対してお勧めできる治療とは言えません。一般的に高齢になってからは進行もゆっくりですので、家の中の家具の配置を変えず、角にぶつけてけがをしないように気遣えば、今までと同じ生活が維持できます。ただ、白内障によって炎症が起こり、水晶体の成分が漏れてくると、水晶体融解性ブドウ膜炎という、強い炎症を起こす症状が出る場合もありますので、注意が必要です。症状としては目の充血が強くなる、痛がって元気がない、目を気にしているといったものです。こちらに関しては症状を抑える予防的な消炎剤の点眼薬を処方しておりますので、気になる症状がありましたら受診をしてください。

心に残っている出来事はありますか。

以前勤めていた病院で、若くしてがんになってしまった犬を最後まで治療させてもらったことがあります。残念ながら亡くなってしまいましたが、それでも家族の方は感謝してくれました。その後年月が経ち、新しく飼いはじめた犬を連れてきてくれたときは、家族の方に信頼してもらえた、と思いうれしかったです。獣医師という仕事はつらいことも多いですが、こういうことを励みに頑張っています。動物たちは僕らにパワーを与えてくれます。家族の中に動物がいれば、そこから会話も生まれ、見ているだけで笑顔が生まれるありがたい存在です。飼っている動物が亡くなるのはとてもつらく、ペットロス症候群などになる方もたくさんいらっしゃいます。それでも、動物を飼うことの楽しみは大きく、とても重要だと思っています。

飼い主と一緒に最善の治療を考える

ペインコントロールを行っていると伺いましたが、どんなことをするのでしょうか。

ペインコントロールというのは鎮痛剤を使って痛みを抑えながら治療することをいうのですが、それにより術後の回復が本当に違うな、と実感しています。使い方としては、手術前に前投薬として投与したり、縫った部分に局所麻酔として入れたり、また点滴で流すこともあります。強い痛みが出ると予測される場合は、さらに強力な鎮痛剤効果がある薬を使います。いずれにしても、鎮痛剤を使うことによって麻酔の量を減らせるので、安全に手術ができるようになりました。動物たちは人に比べれば痛みは少ないかもしれませんが、痛みを感じないわけではありません。口には出さなくても痛みはあるのです。ペインコントロールを行うだけで、術後でも元気な姿を見せてくれることが多くなったと実感しています。

今後の展望をお聞かせください。

将来は輸血ができる24時間態勢の病院にしたいと思っています。飼い主さんにとっては、何かあった時にどんな対応ができるか、とても気になることだと思います。近い将来に、獣医師やスタッフを増やして24時間交代制で夜間診療を行い、常にどんな状態にも対応できるのが理想です。規模がもっと大きくなっていけば、血液バンクを作り、いつでも輸血ができる環境もつくりたい。そのために診察室を3ヵ所作り、バックヤードも大きくしてあります。できるだけ早い段階で実現できるように努力していくつもりです。

最後にメッセージをお願いします。

動物にも、飼い主さんにとっても一番の治療を考え、丁寧な説明と診療をすることを心がけています。それは治療を施すことだけがすべてではなく、例えば末期の場合、治療をしないことも一つの選択肢であり、何が最善かを飼い主さんと一緒に考えていけるような、信頼してもらえるホームドクターになりたいと思っています。また、年に1回は健康診断を受けていただきたいという想いがあります。たとえ病気が見つかったとしても、症状が出ていないうちに対応できれば、治療法にもいろいろな選択肢が残されています。早期発見はとても大事です。当院での健康診断は、血液検査、尿検査、便検査を基本とし、画像検査をプラスしたものと、高齢であれば甲状腺ホルモン検査をプラスしたものの、3つのプランをご用意しております。どうぞお気軽になんでもご相談ください。

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