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井田 龍 院長の独自取材記事

あいむ動物病院 西船橋

(船橋市/西船橋駅)

最終更新日: 2023/01/22

西船橋駅を出て、千葉街道沿いを歩くと見えてくる「あいむ動物病院 西船橋」。2008年に開業して以来、地域に根差した動物病院として信頼を集めている。部屋ごとに明るさや音楽を変えるなど、細かいところにまでこだわった空間づくりにも特徴がある。「どうすれば動物や人が心地よく診療できるかを徹底的に考え、工夫を重ねている」と話すのは、院長の井田 龍先生。穏やかな語り口調の中にも、一次診療としてできる限りの治療を提供したいという、動物医療への真摯な想いが伝わってくる。医療スタッフの他に顧客サービスを担当する一般のスタッフがいるなど、動物病院では珍しい試みにも積極的に取り組んでいる。そうしたサービスや診療で心がけていることなど、たっぷりとお話を伺った。 (取材日2015年7月1日)

外科治療にも力を入れ、ワンストップで診療

とても居心地の良い空間ですね。

ありがとうございます。病院内が動物や患者さんにはもちろんのこと、そこで働くスタッフにとっても居心地の良い空間になるようにと常に心がけています。待合室は落ち着いた雰囲気になるような明るさに保ち、BGMと環境音を組み合わせて流しています。診察室や処置室など部屋ごとにその用途に合わせて雰囲気を変化させて患者さんや動物たちの緊張感を和らげ、疲労感を軽減できるように配慮しています。また、入院する動物に対しては、特に猫やウサギなどになるべくストレスをかけないよう、犬舎とは部屋を分けて、入院室内は日没と日出に合わせて徐々に室内の明るさを自動的に調節できるように工夫しています。これは、動物病院は空調、動物の逃走防止などのため、採光が少なく刺激の少ない閉鎖空間になっているため、照明でいきなり明るくなったり暗くなったりすることによる生体リズムへの悪影響が起こらないようにという配慮です。診察室や入院室の明るさや湿度、臭い、音などの雰囲気に動物は五感で敏感に反応をしますし、飼い主さんにとっては動物病院特有の臭いの少ない衛生環境、こういったことも含めて治療がスムーズに進むかどうかにも関わります。こうした些細な工夫は、常に試行錯誤をしながら常に取り入れています。私自身何かをデザインして創作する作業が好きなので、それをここで活かして病院のオリジナリティを発揮できればと思います。

医療スタッフが多いことも特徴ですね。

院長以下、サービス担当者、しつけインストラクターやクリーンスタッフなど非医療スタッフや非常勤を含めて22人が在籍しています。このうち獣医師は9人、動物看護師は9人です。動物相手の医療行為では、一頭の患者さんに対して複数の医療スタッフによる忍耐の必要な作業を繰り返し必要とします。診察室の外での入院や手術などの処置は飼い主さんからは直接は見えないものですが、適切な医療を行うための手間や手順を、人手が足りないからと省略することはできません。外来、手術、入院患者さんの増加や、院内環境の整備に対応していくうちに、いつの間にか人員も増えていきました。動物医療でも外科や皮膚科などの特色を謳う施設が増えています。当院ではそれらを踏まえた上での質の高い全科診療を目標としていますので、「〜科」が得意であるという標榜は敢えてしないことを基本にしています。医療スタッフが増え規模が大きくなってもこの方針は変わりません。全科診療は動物医療の抱える難しい問題ですが、当院では逆に「苦手分野だからできない」という理由は許されないことであると捉え、全体的な底上げを責務としています。当院には若い獣医師もいますが、はじめから得意な分野に傾斜するのではなく、そうでない分野にも自分の裾野を広げ、様々なニーズを広い視点で対応できるように研鑽するよう教育しています。

外科治療も多く手がけられていらっしゃいます。

そうですね。やはり外科的な治療抜きでは医療行為そのものが成り立ちませんし、それを必要とする患者さんは多いですから、標準的な治療や手術ができないからといって「他の病院に行ってください」というのでは困ります。もちろん、飼い主さんの利益にかなう場合には、積極的に大学病院などの二次診療施設にご紹介しますが、できるだけ自ら手がけられるように研鑽しています。飼い主さんにとっても、やはり同じ病院で一貫した医療を受けられるメリットは大きいですよね。私は動物医療ではそういったニーズに対してワンストップで提供できる仕組みづくりをする義務があると思っています。一次診療というのは問題を抱えた患者さんが最初に動物医療接する重要な位置を担っていますが、当院はさらに一歩進んだ外科まで含む「カバレッジの広い一次診療」を目標としています。

様々な階層のスタッフがきめ細かくケア

診療で心がけていることはありますか?

安全面には特に注意をしています。動物や飼い主さん、スタッフにケガなどをさせないようにすることですね。治療では動物の動きを抑える場面が多くありますが、技術面のみに留まらないスキルを底上げしていく努力が欠かせません。診察室には獣医師だけではなく、必ず動物看護師が一緒に入るようにしています。複数のスタッフで担当することで、効率よく処置を行うことができますし、動物の体への負担も少なくなります。また、飼い主さんに対しては、なるべく意向の取りこぼしがないように、診療中のコミュニケーションに気を配るようにしています。説明を受けてその場で判断をしなければならない時など、中には不本意なままで「はい」と言う方もいらっしゃるかもしれませんので、必ず再確認行うことを意識づけています。様々な判断や決断を求められる場合には飼い主さんも動揺していますから、医療スタッフ側が積極的にアプローチする必要があると思います。気になるときには電話をするなど、フォローも積極的に行っています。

医療スタッフの他にサービスを担当するスタッフがいらっしゃるそうですね。

はい。医療スタッフには聞きにくいこともあると思いますので、もっと患者さんに寄り添うサービスができればと考えました。もう一つには、主婦層の優秀な人材を雇用できる体制があればいいなと思ったことがきっかけです。他の業界でもサービスの質を高めるコンシェルジュなどの付加価値を持つ分野がありますが、特別なサービスという意味合いではなく、当院ではもっと身近な存在としての役割を期待しています。医療スタッフではない人間がいることで動物や飼い主さんへの接し方などで新たな視点が開ければと思います。はじめは驚いていた飼い主さんたちも、今ではとても喜んでくださっています。実は、獣医師、看護師の職域やスタッフ間のやりとりがスムーズになるなど、職場環境を良くする役割も果たしてくれているんですよ。

夜間の電話サービスがあると伺いました。

はい。当院の医療スタッフが直接電話に出るわけではありませんが、緊急の場合に対応できるようにと半年前から導入しています。夜間に病院に電話をした時に機械的なアナウンスと留守電メッセージだけ流れて切れてしまう仕組みの改善は、小規模事業ではなんとかしたくても解決が難しい課題でした。夜間電話サービスを実際にご利用いただいた飼い主さんたちからは「人の声、それも獣医師の意見や紹介先が聞けて安心した」と好評ですね。本来であれば、当院で夜間診療にも対応したいのですが、それができない分、昼間の診療にしっかりと力を入れています。受付は年中無休で、平日は朝8時前から行っていますので早朝から対応することが可能です。

一次診療を大切に、できる医療行為の幅を広げていく

ところで、先生が獣医師を志したきっかけは何だったのでしょうか?

実はそれを聞かれると困るんですよ(笑)。恥ずかしながら、犬や猫は獣医学生になるまで触ったことがないくらいでした。ただ、魚が好きで、自分で海に行って採ってきた普通あまり飼わないような東京湾の魚をいろいろ飼っていましたね。大学受験で進路を決めかねているときに、ふと獣医学科の案内に興味をもって、そのままこの道を進んでしまいました。動機が希薄でしたので在学中は何度も挫折し、悩みましたがその時その時で最適な答えを探していくうちに、現在の自分にたどり着いたという感じです。大学入学後ですがシベリアンハスキーを二頭飼い始めました。飼い主としていろいろ病気も経験して動物病院で働く獣医師を身近に感じられるようになり、これが臨床医への志望動機になりました。現在は、自分の職業人生と重なる分身のような、もうかれこれ18年の付き合いになる猫と暮らしています。これまで勤務医として二件の病院で14年経験を積みました。最初の病院では多様な患者さんとの向き合い方を学び、二件目では自分の知識や技術を組織や社会に生かす手法を学びました。どちらも全く違うカラーを持つ病院でしたが、どちらも患者さんの大変多い病院だったので、数多くの診察や手術を経験することができました。

これからどのような診療をしていきたいとお考えですか?

治療の幅をさらに広げていきたいと思っています。開業当初は80%くらいの患者さんへの解決能力を目標としていましたが、必要に応じて人員や設備を充実させることで、現在は90%くらいでしょうか。標準的な病院で受けられるものに関しては、ほぼ当院で扱えるようになりました。その状態を維持しながら当院に持ち込まれる問題に対してさらに0.1%ずつでも解決能力を上げていくことが今後の目指すところです。その上で、「患者さんが最初に接する一次診療」であるという初心を忘れず、それを大切にしていきたいですね。今後も奇をてらわずに動物医療の正道を進んでいきたいという気持ちです。おかげさまで、この8年で地域の皆さまに信頼していただき、「あそこに行くといいよ」と、多くの方にご紹介いただける病院になってきたと自負しています。地域の患者さんがあっての病院だと思っていますので、これからも地道に最善の治療を提供していく努力を続けていきます。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

動物と一緒に暮らしている方は、普段からいつでも動物病院とコミュニケーションがとれる状態にしておいていただけるといいと思います。やはり対話を重ねることが動物医療においては重要ですからね。飼い主さんも動物も、動物病院に慣れておいてもらえると、何かあった時にもお互いの信頼感もあり初動が早く安心です。まずは病院に行ってみて、動物医療がどういうものなのか理解を深めていただきたいです。あまり放任すぎるのではなく、かといって過度な期待を持ちすぎるのでもなく、そこは各自のちょうどよいバランスがあると思います。その上で相性の良い動物病院を選ばれるのがよいでしょう。動物医療は多くの労力や出費を伴うだけではなく、時には飼い主さん自身が最終的に治療を選択、決断しなければなりません。私たちはそれをサポートするためにベストを尽くせるよう、一歩一歩、努力と研鑽を重ねていきたいと考えています。

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