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木村奈美 院長の独自取材記事

むさし小金井キャットクリニック ねこの病院

(小金井市/武蔵小金井駅)

最終更新日: 2023/01/22

武蔵小金井駅より徒歩10分、小金井街道沿いに位置している「むさし小金井キャットクリニック ねこの病院」。レンガ模様の愛らしい外観と清潔感あふれる温かな待合室は、猫が落ち着いて診察を受けられるよう配慮し、なるべくプライベートな環境を提供したいとの思いから予約制を設けている。院長を務める木村(福本)奈美先生は、みなみ小金井動物病院が10周年を迎えたのを機に、グループ病院として猫専門医院を開院。丸い診察台で猫を囲め、ゆったり飼い主とのコミュニケーションを取ってから、安心して診察を受けられるよう心がけている。看板猫のあわたまと一緒に、日々診療にあたる猫への思いについてじっくりと、木村(福本)院長に伺った。(取材日2015年8月6日)

丸い診察台に込めた猫への愛

開院の経緯をお聞かせください。

みなみ小金井動物病院が2004年の開院から10周年を迎えた時に、何か動物のためにできることはないかと考える中で、猫ちゃんに特化した病院を作りたいと思いました。猫ちゃん専門の病院は、都内・横浜・地方にもありましたが、多摩地区では当院が先がけです。「猫ちゃんのための、猫ちゃんに優しい病院」を目標としています。猫ちゃんは身を隠したがる習性があるので、診察室にはできるだけ物を置かないように配慮しています。当院は猫ちゃんが怖がらず、ストレスなく来られるようにしていきたいという考えを知人の建築士にコンセプトを伝えて、優しい雰囲気を大切に仕上げてもらいました。

内装についてこだわったポイントを教えてください。

全体に丸みのある設計にしています。患者さんにもかわいい病院だと言っていだたいて、とてもうれしく思っています。診察台が丸くて小さめで、獣医師と飼い主さんとで猫ちゃんをぐるりと囲める形にしてあります。猫ちゃんが端に寄ってしまっても、丸い診察台なら動いた場所にすぐ寄り添えると思っています。また猫ちゃんがびっくりしない程度に、外の景色が見えるよう高い位置に窓を設置しました。照明も手術室以外は明るさを抑え、猫ちゃんが落ち着いて診察を受けられるように工夫しています。必要な場合だけ手元のライトを当てて診察したり、別のスペースにもっと明るい診察台を用意していて、状況に応じて対応可能です。

なぜ猫専門の病院としたのでしょうか? 

猫ちゃん専門の病院をイメージした最初のきっかけは、以前ワクチンを受けにきた猫ちゃんが、混雑している院内で1時間待っていたらストレスを感じて、元気なはずだったのに40℃も熱が上がってしまったという出来事が生じた事でした。いかに猫ちゃんが受けるストレスが大きいかを痛感しました。さらに、飼い主さんの中には、ワンちゃんを苦手な場合があり、「ワンちゃんもいると動物病院に来るのが怖い」と、飼い主さんに言われて初めて気付きました。ワンちゃんの臭いや鳴き声もない、少し静かな環境で落ち着いて診察ができたら、最善のことをしてあげられるし、それが猫ちゃんにとって一番いいことではないのかと思いました。

包み込むような優しさで猫が安心する診察を

診察において心がけていることはありますか?

診察する前にはキャリーケースにいる猫ちゃんを飼い主さんと囲んで、たっぷりお話する時間を取り、猫ちゃんにはなるべく小さな声で話して、自然にキャリーケースから出て来てくれるように工夫しています。院内では猫ちゃんを落ち着かせる合成フェロモン剤を拡散させています。中には待ち時間にストレスを感じる猫ちゃんもいるので、なるべく他の猫ちゃんと会わないように予約制を取り入れています。

先生にとって猫とはどんな存在でしょうか? 

猫ちゃんの魅力は予測がつかないことをするところです。看板猫ちゃんの「あわたま」もべちゃべちゃになるまで私の髪の毛づくろいをしてくれます。猫ちゃんは「お世話する動物」ではありませんし、「自分のいうことをなんでもよく聞く優秀なパートナー」でもありません。ただの同居人もしくは王子様王女様…飼い主さんはさながら召使い…。でも、そこがかわいいところなんです。新聞を広げるとその上にのっそりやって来てごろーんとしたり、パソコンに向かっているとキーボードの上にびよーんと現われたり、トイレに入っていると「あーけーてー」とドアをカリカリするんです。でもこの行動は、本当は飼い主さんのことが大・大・大好きでしていることなんです。よその人にはほぼ懐かないですし、自分たちしか知らない、飼い主にしか見せない、甘えた表情やちょっとした仕草がたまらないのです。一緒に生活する観点から言うと、トイレは教えなくとも砂があれば覚えます。仕事に行っている間も勝手気ままに寝ています。オシッコはちょっと臭うけれど、人間だって排泄物がクサいのは同じですよね。体臭はあまりないですし、自分で毛づくろいをするのでシャンプーはしなくても大丈夫です。猫ちゃんとのゆるゆる楽ちんのんびり生活も、なかなか楽しいですよ。

獣医師になったきっかけを教えてください。

母・母方の祖父・父方の祖父母が教師だったので、教師になるだろうと漠然と考えていました。小さい頃は、天文学者に憧れていた時期もありましたが、ある時から生物学に興味を抱くようになっていて、生物の教師になろうと思っていました。もともと生き物が好きで、集めたダンゴムシを連れて登校する子どもでしたし、カマキリの卵を自宅に持ち帰って孵化させてしまい、家族を驚かせてしまったこともありました。獣医師になったのは、大学を選ぶ時に指定校推薦枠の中から獣医学科に出会ったのがきっかけです。生物学であり、多方面から深く学ぶことができる分野だと感じました。

思い出の顕微鏡が支える日々の診療

注意したい猫のトラブルはありますか?

季節の変わり目の換毛期です。特に長毛種に多いケースで、舐め取った毛が胃に溜まって全部吐き出せばいいのですが、腸へ流れ込んで動きが悪くなることがあります。完全に腸が閉塞してしまうことはまれですが、具合が悪くなる場合が多く見受けられます。冬から春、夏から秋にかけて、水を飲む量が減って、尿路結石などの持病があると再発しやすいものです。ライフイベントや引越しなどの環境の変化にも慣れにくい、下痢や膀胱炎を引き起こすこともあります。そうしたストレスを発散しようとして毛を舐めて落ち着こうとして、皮膚病につながってしまうこともあります。ストレスを感じやすい動物ですので、飼い主さんも十分気をつけてあげてほしいと思います。

思い出の顕微鏡があると伺いました。

みなみ小金井動物病院を開院した時にお祝いで祖父からもらった顕微鏡で、こちらへ移った時にも持って来て、今も大切にしてずっと使っています。大学では生理学研究室で生殖生理について学んで、卒論のテーマも「卵子」でした。その顕微鏡で一般的な検便や検尿、細胞診もしています。ダニの有無を診断する毛検査・皮膚をテープで取って染色する感染症チェック、角質の状態の確認にも使っています。水を飲みすぎていないかチェックすると同時に、尿比重が下がって腎臓病の早期発見が可能な犬猫用尿比重計を導入していて、尿濃度の測定に活用しています。

最後にメッセージをお願いします。

当院は開院して間もないのですが、多頭飼育のお宅がとても多く、半数以上が2頭以上の猫ちゃんを飼われていらっしゃいます。私も自宅で4頭の猫たちと暮らしています。猫との生活は本当に癒されます。猫たちが集まる「猫玉」を眺めたり、夜中に布団にもぐりこんでくる猫に起こされ「もー」と思いつつも、愛おしく思ったり。私たちが目指しているのは、猫ちゃんの病気を治すことだけでなく、そんな猫ちゃんとの楽しい生活をサポートしていくことです。なるべく病気にならないよう、病気があってもなるべく穏やかに過ごせるように、飼い主さんと猫ちゃんと動物病院と皆でよりよい方法を考え、その子に合った予防なり治療なりを考えていければと思っています。

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