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唐澤良仁 院長の独自取材記事

新習志野どうぶつ病院

(習志野市/京成津田沼駅)

最終更新日: 2023/01/22

京成津田沼駅からバスで10分。新習志野どうぶつ病院に着いてまず目を引くのは、通りに面して置かれたどっしりとした木製のベンチ。通称「外待合」は傍らに水飲み場もあり、来院者ばかりでなく、散歩途中に通りがかった人と犬もしばしの休憩に利用するという。こんなところにも、地域のホームドクターをめざし、「いつでもフラッと立ち寄ってください」とカフェか本屋のように誘いかける、唐澤良仁院長の徹底ぶりを見るようだ。2階にパピークラスを定期開催している多目的ホールとトリミング室、屋上にはドッグランも完備した、動物病院の枠を越えた総合施設。しかし何よりの自慢は、利用者とコミュニケーションを欠かさず、セミナーの準備に時も忘れる熱いスタッフたちなのだという。開院から12年目を迎えた病院の今と未来について、院長に伺った。 (取材日2015年8月7日)

拡張・移転を経てチーム医療がさらに充実

今の建物は2013年完成とのことですが、習志野市での診療はそれ以前からされていたのですか?

はい、ここと同じ道沿いを200mほど行った先で2004年に開院して、2年前にこちらへ移ってきました。通算すると、ちょうど干支が一回りしようかというところですね。以前の場所は、おかげさまで地元にだんだんと知られるうちに手狭になってきました。同時に自分のめざす獣医療の姿も少しずつ発展していたので、イチから考えた動物病院のための施設としてここを作りました。一方で、14年春には新しい街「奏の杜」に「奏の杜どうぶつ病院」が開院し、私が最初にスタッフとして迎えてずっと一緒にやってきた長岡哲矢獣医師が、院長に就任するという節目もありました。こういううれしい出来事だけ並べてみても、普段はあまり意識しませんが、この町に来て長い月日が経ったんだなと感慨深いです。

開院から現在まで、病院側の体制づくりで意識していることは?

1つ挙げるなら「チーム医療」の推進です。きっかけは90年代の終わり近く、まだ勤務医だったころに、アメリカのオハイオ州立大学に約1年留学したことでした。この時点で独立開業の意志を持っていた私は、向こうの大学病院で現地の学生さんたちに混ざって進んだ獣医療に触れたのですが、そこで強く印象に残ったのが、獣医師を中心とするチームが高度に連携しながら、テキパキと治療を進めていく姿だったんです。当時の自分も獣医師1人でできることは限られているのかなと思っていたところだったので、強い刺激を受けながらも、わが意を得たりの気分で帰ってきました。そして、自分なりにチーム医療を追究してみようと、開業はいったん先延ばしにして、千葉市内の規模の大きい病院に修業も兼ねて勤務することにしました。そうした考えとその後の経験が、現在の病院運営のあり方にも反映していると思います。

今行っているチーム医療をどのように評価していますか?

獣医師が私を含めて5名、動物看護師も10名以上が交代で勤務していて、まだ道半ばではありますが、時間が経つほど連携は深まってきていると思います。特に、看護師の役割がとても大きいですね。例えば、入院している犬や猫のことを獣医師よりも誰よりもよく観察しているのは看護師のみんなで、細かいところにまで気付いてくれるので、とても助かっています。看護師が入院中の動物の変化を察知してくれて、治療に役立ったこともあります。私たち獣医師と飼い主さんは診察室で顔を合わせるわけですが、そこでいきなり「本題」に入るより、待合室で看護師が声をかけ、少し会話もしながら打ち解けた雰囲気を作っておいてくれると、獣医師にとっても、おそらく飼い主さんにとってもその後が楽になります。そういう点でも、私たちのチーム医療における看護師たちの貢献度はかなり大きいですね。

飼い主が後悔しない選択を最大限サポート

目標に掲げている「寄り添う獣医療」とはどのようなものですか?

一言で言い直すなら、飼い主さんの立場をなるべく尊重した医療、ということですね。獣医療で最も大切なのは、飼い主さんが何を求めているかだと思います。ある病気やケガに採用できる治療法は1つとは限りません。大抵はいくつかある選択肢の中からどれかを選ぶことになります。この時、私は専門家としての判断で一方的に「こうします」と決めてしまうのではなく、飼い主さんの考えをできるだけ取り入れることにしています。全ての飼い主さんが先進医療や高度医療を望んでいる訳ではありません。飼い主さんと動物にとって何が一番なのか獣医師が治療としてベストと思う方法でも、飼い主さんによって生活スタイルや価値観、経済事情もまちまちである以上、踏み切れない場合もあるからです。これは一例に過ぎませんが、診療するに当たって飼い主さんの事情や意向を常に勘案すること、これが寄り添う獣医療の基本姿勢だと考えています。

動物の最期を看取るときの対処について、院長のお考えをお聞かせください。

すべての病気を治すことはできませんから、私たちの仕事では、残念ながら動物の死に直面することがあります。その際、飼い主さんと話し合わなければならないのは、最期の時をご家族のいるご自宅で迎えられるようにするのか、それとも、飼い主さんが最期に立ち会えないかもしれないとしても、設備の整った病院で可能な限りの治療を続けるのか、という難しい選択についてです。私個人は、その動物にとって最も居心地のいいご自宅にいさせてあげるのが一番ではないかと思いますが、治る可能性がわずかでも最後まで最善を尽くしたいという飼い主さんのお気持ちも痛いほど分かるんです。だから、ここでも「寄り添う」姿勢を大切にして、後悔のない選択ができるように配慮すること。そのために、現状と正しく判断して、ゆっくりお話しさせていただくことを心掛けています。

病院施設をイチから作る際、間取りや機能の面で重視したことは?

まず1つは、来院された方がリラックスできるような待合室を作ること。皆さんいろいろな心配を抱えて来られます。ですから診察を待つ間の気分が少しでも和らぐようにできるだけ明るい雰囲気にしたくて、なるべく病院然としていない空間にしたいと考えました。あと、2階に設けた多目的ホールも、是非つくりたいと考えていました。診療以外に、飼い主さんたちに向けたセミナーを定期的に開きたいと前々から思っていて、移転するまでは会場の確保が難しかったのですが、これで心置きなく開催できるようになりました。診療に関する部分では、診察室を3つから4つに増やしたことと、診察室としても使えるカウンセリング室を作ったことですね。重い病気についてお話しする時や、ゆっくりお話ししたい時、あるいは入院時の面会室を兼ねて、落ち着いて話せる個室を用意したのはよかったと思います。

動物と一緒にいつでもフラッと立ち寄れる場所に

なぜ獣医師になろうと思ったのですか?

父が薬剤師だった影響か、医療関係の仕事にもともと興味がありました。それが獣医師の方向に振れたのは、やはり小さいころからの動物好きが原点なのでしょう。進路を定めるきっかけとなったのは、10代半ばの時期に長野の実家で飼っていた柴犬が病気になったことですね。当時、専門家以外にはあまり知られていなかったフィラリアが寄生し、どうも様子がおかしいと近所の動物病院に連れていったんですがもう手遅れだったんです。獣医さんから薬を飲ませていれば助けられたと聞かされた時は本当に悲しくて、簡単なことをただ知らないばかりに大切な動物を亡くしてしまう、そんなことが繰り返されないように、自分が勉強してみんなに伝えてあげたい、そう思ったのが高校に入ったばかりのころでしたね。

今後に向けての抱負をお聞かせください。

定期開催しているセミナーでは、高齢の犬猫の世話の仕方や、逆に飼い始めのしつけなどもテーマにしています。こうした活動は飼い主さんを対象にした外向きの情報発信であるとともに、実は、病院で働いているスタッフに向けた取り組みでもあるんです。お集まりいただいた皆さんにご満足いただける内容にしようと、セミナーの開催が決まるとスタッフは大変なエネルギーを費やして準備します。仕事以外の時間も使っているのは院長として心苦しいのですが、そうした努力が看護師や獣医師の意識を高め、毎日の仕事のやりがいにもつながっているのを感じます。この先、新しい治療法や設備の面で充実を図ることも重要ですが、私は機械が病気を治すのではなく、医療に従事する者の人間味、温かさが何より大事だと思っているので、まずは「中」の人間から高めることをめざしたいと思っています。

最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

皆さんも既に実感されていることと思いますが、動物を飼うこと、動物と暮らすことは、人の心を豊かにし、人生を豊かにしてくれます。家族のコミュニケーションを豊かにし、家族の絆を深めてくれます。現在犬や猫の平均寿命も伸びています。病気になったときに慌てないよう、日頃から健康診断を受け、病気の早期発見早期治療を行うようにしましょう。そして日頃から、何でも相談できる信頼できる病院や獣医師を探しておくことも大切です。私達は飼主さんの視点に立ち、飼主さん本位の医療をご提供出来るよう努めております。常に動物に寄り添い、飼主さんに寄添い、地域に根ざしたホームドクターとして信頼関係を築くよう全力を尽くしております。病気でなくても大丈夫です。ワンちゃんのお散歩がてら、お気軽にお立ち寄り下さい。

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