田中雅之 院長の独自取材記事
江古田まさ動物病院
(練馬区/江古田駅)
最終更新日: 2023/01/22
西武池袋線・江古田駅から徒歩3分。かわいい犬の手形がロゴマークの「江古田まさ動物病院」は、全面ガラス張りで、そのたたずまいから地域に開けていることを物語っている。田中雅之院長は地域に根差すことを第一の目的として、「病気以外のことでも気軽に立ち寄れる医院に」という思いを胸に日々の診療にあたっている。同院は診療だけでなく、トリミングサロンとペットホテルを併設。どちらのサービスも事前に診察を行い、獣医師が常駐しているということで、高齢であることや持病を理由に他の施設で断られた飼い主が相談に来ることも多いという。夜間休日診療の相談も受け付けており、地域住民の安心感につなげている。インタビューでは田中先生に、クリニックの特徴や診療方針、プライベートや今後の展望に至るまで、じっくり話していただいた。 (取材日2015年10月14日)
診療以外にトリミングやペットホテルを併設。夜間休日診療にも対応する
ロゴや外装がナチュラルで優しい雰囲気ですね。
あまり病院らしくないというか、気軽に立ち寄っていただける雰囲気づくりを心がけています。トリミングサロンが外から見えるようにしたことも、病気の時以外にも足を運んでいただきたいという思いの表れです。院内も診察室を二つにして、待合室も広いスペースを確保しています。大きいワンちゃんが来ても、隣にできるだけストレスがかからないように、そして相性が悪くならないように、ゆったりお待ちいただけると思います。今後はセミナーも積極的にやっていきたいと思っているので、そういうイベントにも利用できるように待合室をできるだけ広くしました。犬の手形をモチーフにしたロゴを少し傾けて右肩上がりにしていますが、当院も右肩上がり成長していければいいなという願いを込めました(笑)。
クリニックの特徴について教えてください。
当院は基本的に、犬と猫とウサギを診る動物病院です。特徴としては、診療以外にトリミングもペットホテルもしていることだと思います。どちらも事前に健康チェックを行っているので、病気の早期発見にもつながると思います。動物は言葉を話さないわけですから詳細な体調は分かりにくく、飼い主さんが気付いたときには病状が結構悪くなっている場合があります。そういうことを防ぐためにも、トリミングをきっかけにして、体調が悪くなる前に発見できればと考えています。それから、夜間休日診療もできるだけ対応するようにしています。夜の遅い時刻や休診日に具合が悪くなれば、まずお電話で体調を伺って、緊急性が高ければ診療します。地域の皆さんにとっても、夜間も診る体制にしている方がご安心いただけるだろうと、開業前から夜間休日診療をしようと考えていました。
内覧会も盛況だったと伺いました。
内覧会のイベントでは、食事の相談会や似顔絵コーナーを設けてご好評いただきました。食事については、今の時代、飼い主さんがこだわってらっしゃる方が多いので、たくさんの参加者がありましたね。似顔絵も大変人気で希望者全員に対応できず申し訳なかったほどです。開始1時間くらいで予約数が全て埋まってしまいました。お断りしした方には、非常に心苦しかったので、今後、患者さんを対象にまた開催できればと考えています。この辺りは、お散歩は公園ではなく街を歩くというスタイルの方が多いようなので、当院の前をお散歩コースにされている方も多くて、内覧会では散歩で前を通りがかって開院を知ってと来てくださった方が多くいました。今後もそういう風に、お散歩ついでに気軽に来ることができる場所にしていければいいなと思っています。
飼い主の選択肢が広がるように力を尽くす
獣医師を志したきっかけは?
小さい頃から動物が好きで、幸運にもそのまま獣医師になれたという感じです。祖父が動物好きで、イグアナやモモンガ、フェレットを飼っていました。祖父は水族館の水槽をつくる仕事をしていたので、子どもの頃、動物園や水族館によく連れて行ってもらっていました。おそらく、そういう経験が原点にあると思います。私自身も川に何か捕りに行ったりしていましたね。記憶にはないんですが、親の話によると、小さい頃から獣医師になりたいと言っていたようです。分厚い動物図鑑が家にあったり、動物の飼い方を祖父にコピーして送ってもらったりしたこともありました。高校で進路を選ぶときに、親からは「どうせなら人の医者をやれ」と言われたんですけど(笑)、動物好きの自分としては獣医師の道で良かったと思っています。
ペットやトリミングもされているのですね。
診療付きのトリミングということで、ご支持をいただくことがあります。ある飼い主さんから「うちの子は10歳を超えていて他のサロンで断られましたが、こちらでやってくれますか?」と来られた方がいました。もちろん当院では大丈夫ですし、何か持病があれば相談しながら進めますということで、トリミングをさせていただきました。もし心臓に雑音があるという場合でも、まずは診察させていただきますので、ご相談していただければと思います。他にも体重や飼い方のことでご相談いただくこともありますね。「高齢だから」「お肌が心配で」という方もご相談いただけたらと思います。トリマーさんとも相談しながら、一番良い方法を探していきたいと思います。診療面では万が一のときは、専門病院や二次診療施設とも協力体制をとって、治療の選択肢の幅が広がるよう努めています。
診療の際に心がけていることは?
ひとつの病気に対して色々な治療法を検討できるように、飼い主さんの選択肢を増やせるように勉強を続けています。実際の診療では、この治療をするとこれくらいの確率で良くなりますが費用はこれくらいかかりますよ、とか分かりやすい説明で飼い主さんに選択肢をいくつも提示できるようにしたいと思っています。そして、重い病気の場合を除いては、動物に対しても飼い主さんに対しても笑顔を大切にしています。スタッフにも笑顔でいてほしいと伝えています。笑顔が動物にどこまで届いているかわ分かりませんが、優しく接してあげるとことが大切だと考えています。
病気以外でも気軽に相談できる敷居の低い医院を目指して
お休みの日は何をしていますか?
勉強会といいますか、セミナーを受講することが多いですね。昨日もセミナーで埼玉に行って来たところです。学生時代の専門は放射線でしたが、近年は動物の腫瘍も増えているので、手術と組み合わせた治療のことなども、さらに研究していきたいですね。専門医の資格の勉強も続けています。他にはスポーツが好きで、テニスは中学時代からしていますが、社会人になると土日に誘われることが多くて、週末は診療をしているので、なかなか参加できていませんね。また、家族と過ごす時間も大切にしていので、なるべく何もない日は家族と一緒に過ごしています。
今後の展望を教えてください。
まずは地域に根付くということを第一に考えていて、それができれば医療の幅も広がっていくと思います。飼い主さんの要望に合わせた医療機器を導入したり、トリミングサロンにマイクロバブルを取り入れたりと充実させていきたいですね。また獣医学のことはもちろん、それ以外の動物に関する知識も深めていきたいと思っています。最近は、行動学も重要だと考えていて、例えばおとなしかったのに急に言うこときかなくなったのはなぜかとか、猫のトイレのしつけについてなども勉強していきたいですね。そして食事や病気の予防など、飼い主さんにとってより身近なテーマについてのセミナーも開く予定です。患者さんとの距離をがなるべく縮めて、最終的には、「ちょっとそこのスーパーでニンジンが安かったわよ」なんて声をかけてもらえるくらい敷居を低くしたいですね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
病気の時だけ来るというのではなく、ちょっとしたことでも電話で相談ということでも、ワンちゃん猫ちゃんを連れていなくても来ていただけるようなアットホームな医院を目指しているので、いつでも何でもおしゃべりがてら来ていただければと思います。相談だけでしたらもちろん費用はいただいておりません。とにかく一番は動物のために最善を尽くしたいですし、当院は基本的に予約制ではありませんので、気軽に足を運んでいただければと思います。