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小澤 信一 院長の独自取材記事

丹沢の森どうぶつ病院

(秦野市/秦野駅)

最終更新日: 2023/01/22

秦野市にある「丹沢の森どうぶつ病院」は、「動物と飼い主が笑顔でいられるための医療」をめざして院長の小澤信一先生が2008年に開業した。入り口に木製のベンチが置かれ、ウッディな印象の外観で看板も控えめ、一見するとカフェのような雰囲気だ。「誰でも来やすい場所にしたかったので、よくある病院のような建物ではなく、暖かく明るい感じの外観にしました」とのことで、オレンジをベースにした受付をはじめ、院内も暖かい雰囲気だ。小澤院長は「獣医になった際に、臨床で生かせるはず」と獣医病理学教室に在籍。大学卒業後は、病理診断業務と平行して先端医療を行う動物病院に勤務し、研鑽を積んだ。幼い頃から動物を飼うのが好きだったという小澤院長に、動物医療にかける思いを聞いた。(取材日2016年1月14日)

「動物と飼い主が笑顔になれる医療」をめざして開業

患者さんであるペットの傾向を教えていただけますか。

当院の診療対象は、犬、猫、ウサギ、ハムスターなど小動物ですが、やはり犬や猫が多く、犬が6割、猫が3割といったところです。小鳥などの診察は、できる範囲で診せてもらいますが専門ではありませんので専門の治療が必要な場合は専門病院での受診をおすすめします。反対に、整形外科や腫瘍疾患などのちょっとやっかいな手術は、近隣の先生方から紹介を受けて診察することもあります。町医者ですからなんでも診ますが、やはり得意、不得意はありますので、近隣の獣医師同士が協力できる体制は非常に大切です。

どういった診療方針をお持ちですか。

「動物と飼い主が笑顔でいられるための医療」をめざしています。病院という場所である以上、飼い主さんもペットも、本来は好んで行きたい場所ではないでしょう。ですから、不安を抱えてきたとしても、安心して、笑顔で帰っていただける存在でありたいと思っています。飼い主さんが動物病院で不安や不満を感じる多くのケースは、よくわからないまま治療を受けているからだと思います。この子がどういう病気なのか、今もらっている薬が何なのか、治療が本当にあっているのか、本当によくなっているのか、そんな思いを持ちながらも、獣医に聞くことができなくて、不安や不満につながるわけです。ですから、常にできる訳ではないのですが、飼い主さんに納得いただけるまでわかりやすく説明すること、その上で、飼い主さんと患者さんにとっていちばん良い方法を一緒に考えるようにしています。

具体的には、どのような取り組みをされているのでしょうか。

現在の状況や治療法などをできるだけわかりやすく説明して、納得いただいてから、どういう治療をするか選んでいただくようにしています。病気の中には、残念ながらいくら検査をしても病名が確定できないものもあります。その場合は、考えられる病名をいくつか挙げたうえで、それらの病気についての治療法などをお伝えし、よく相談して、選んでいただくようにしています。治療法に関しても、例えば入院した方が良い病気の子がいたとして、その子の性格では入院によるストレスの方が治療効果よりも大きくなってします場合があります。その場合は、治療の質が落ちたとしても、通院治療にした方がその子にとってはベストな選択になります。ですから、問診や診察中の様子をみながら、その子の状況と飼い主さんの意思をくみ取っていくつかの選択肢を提示し、そのメリット、デメリットをきちんと説明したうえで、相談しながら治療を進めるようにしています。

学んだ知識と技術を生かした良質な医療の提供をめざす

そもそも、獣医になりたいと思われたのはなぜでしょうか。

ともかく動物が好きで、犬や猫はもちろん、ウサギ、ハムスター、リス、亀やモグラも飼っていました。実家がこの近くなので自然の宝庫でしたから、つかまえた小動物を何でも飼っていた感じですね(笑)。小学生の頃、テレビを見て、「どうぶつ王国を作りたい」と夢見たこともあります。きっと動物園の飼育員でも何でも良かったんでしょうが、幼い頃から動物をたくさん飼えるところで、動物に関わる仕事がしたいと思っていました。獣医になりたいと思ったのは中学生の頃、「獣医」という職業があることを知ったからです。それで「どうぶつ王国は作れないけれど、獣医になって動物病院を作ろう」と(笑)、日本獣医畜産大学、現在の日本獣医生命科学大学の獣医科に入学しました。ところが、獣医病理学教室に在籍したことで病理学にはまってしまって、病理診断会社に就職したのです。

はじめから開業することをめざしていたわけではなかったのですか。

もちろん、大学に入った頃は獣医として開業するつもりでした。ただ、在学中は卒業してからは学べないことを習得しておくべきだと考えて病理の研究室に入りました。病理学は病気の原因解明、発症時に起こる現象との因果関係の解明や診断の確定など、臨床と密接につながる分野ですから、将来必ず役立つはずだ、と思いました。幸いにも就職した病理診断会社は動物病院が併設されており、病理診断業務と平行して、獣医として経験を積むことができました。その病院の院長は非常に意欲的で、海外の専門医を呼んでセミナーをひんぱんに開いたり、勤務医にもアメリカの病院での見学や資格取得の機会を積極的に作ってくれる方でした。私も多くの学会発表や米国の股関節評価の資格取得の機会を頂いたことで、常に新しい知識や技術を身につけようとする姿勢を持つことができ、とても感謝しています。

こちらに開業したのは、どういった理由からでしょうか。

病理診断と診療を平行して行っているうちに、幼い頃の「いつも動物と関わっていたい」という気持ちが蘇ってきたんです。秦野は、子どもの頃から慣れ親しんだ土地でもあり、こんな病院にしたいというイメージが頭の中で容易に考えられたのでこの場所に決めました。病院を作るにあたっては、病院らしくない、どなたでも来やすい雰囲気にしようと考えました。建設中はレストランかカフェができると思っていた方も多かったようで、がっかりさせてしまったかもしれませんね(笑)。

ペットにとってベストな選択のために、積極的に質問を

どういったことを心がけて、日々の診療にあたっていますか。

診療が終わるときには、飼い主さんに「何か聞きたいこと、わからないことはありませんか」と、お聞きするようにしています。以前別の病院に通われていた方の中には、「本当は聞きたいことがあったけれど、聞けなかった」という声を時々聞きます。そのため少しでも言いやすいように、こちらからお尋ねするよう心がけています。それから、過度な検査や治療はしないようにしています。実は勤務医になったばかりの頃、苦い経験があるのです。

よろしければその経験をお聞かせいただけますか?

心臓が悪く入院している猫ちゃんがいました。必要な薬の一つが飲み薬なのですが、食欲もなく、とても恐がりの子に薬を飲ませることは非常に大変でした。頑張って飲ませはしたのですがその子は必死になって抵抗し、かえって体力を使わせることになってしまいました。すべての薬を使うことよりも、可能な薬だけを使った方が負担がすくなかったのではないか、もしかしたらその処置が死期を早めてしまったのではという後悔があって……。ですから「やりすぎる検査や治療は、マイナスにしかならないこともある」ということを、肝に銘じています。 そして、我々は神様ではないので、その子の治ろうとする力を手助けする存在であり、決して治ろうとする力の邪魔をしてはいけないのだと思っています。

では最後に、飼い主の方や、読者の方へメッセージをお願いします。

ペットを連れていらっしゃる場合、その子のことをよく知っている方に連れてきていただきたいですね。獣医が診て触れば病気がわかると思われているかもしれませんが、お家での状況や症状を聞かないと、ほとんどの病気はわからないのです。代わりの方が連れてこられる場合は、せめて「いつ頃から、こんな症状がある、ここがおかしい」ということだけでも、伝わるようにしていただければと思います。患者さんである動物たちは話すことができませんから、我々は飼い主さんを通して、その子の性格、病気、環境を知るのです。そして、飼い主さんが我々に不安や疑問をぶつけてくれることで、よりよい方向を見いだすことができます。獣医は決して怖い人ではないので(笑)、話せない子たちのためにも、わからないことや聞きたいことがあれば、なんでも遠慮なく聞いていただきたいと思います。

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