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渡辺 修一郎 院長の独自取材記事

りょうま動物病院

(藤沢市/藤沢本町駅)

最終更新日: 2023/01/22

善行駅から徒歩15分。藤沢市のやや山寄りに位置する住宅街の真ん中にある「りょうま動物病院」は、エキゾチックアニマルの診療も行っている動物病院だ。特に、爬虫類の手術まで行うクリニックは珍しいため、最近では新患の2~3割は爬虫類だという。病院名からわかるように、院長の渡辺修一郎先生は、大の坂本龍馬ファン。院内で飼育しているトカゲやカメは、すべて龍馬と同じ時代を生きた歴史上の人物から名づけられている。「見ていると、結構可愛いですよ」と、動物の話をする時の暖かな笑顔が印象的だ。動物が入院した時のことを考え、クリニックの2階を住まいと決めた渡辺院長ならではの、動物への愛情あふれる診療姿勢を中心に、さまざまなことを聞いた。 (取材日2016年1月18日)

エキゾチック、特に爬虫類に力を入れている

この地で開院した経緯を教えてください

出身は東京ですが、開院前に勤務していたのが横浜だった関係で、神奈川県内で物件を探していたんです。その中で、たまたま私の考える条件に合った土地をここで見つけ、周辺の環境も気に入ったので自宅兼用のクリニックとしてスタートすることに決めました。クリニックの名前にしたくらいですから私は大の坂本龍馬ファンで、本当は11月15日(龍馬は天保6年11月15日出生、慶応3年11月15日没とされる説が有力)にオープンしたかったのですが、どうしても間に合わず、2008年の1月に開院しています。

エキゾチックアニマルも診療対象と伺いました。

それが最大の特徴かもしれません。特に、爬虫類の手術までやるというクリニックは少ないと思います。ただ、受診の数で言えば全体の5、6割はワンちゃんで、猫ちゃんが2割りで、残りの2、3割がエキゾチックアニマルです。うさぎやフェレット、ハムスター、モルモットの他、カメやヘビ、トカゲ、カエルなどの爬虫類や両生類まで診ます。口コミで情報が広まったせいか、近頃、新患の半分くらいはエキゾチックアニマルで、そのうち半分くらいは爬虫類ですね。エキゾチックアニマルそのものは開院当初から診ていましたが、爬虫類や両生類を本格的に診始めたのは5、6年前。私がカメを飼い始めたのがきっかけです。爬虫類の分野でトップクラスのドクターが後輩にいて、そういうつながりも、爬虫類を始める後ろ盾になりました。情報が少なく、治療法が確立されていない部分もありますが、時間の許す限り研究会などに出席しています。

開業までの経緯を教えていただけますか。

大学を卒業後、横浜にある2ヵ所のクリニックで勤務医を勤めました。最初のクリニックでは、まず獣医師としての基礎を学びました。そちらには分院があって、2年目からは週に1、2回、そこで一人で診療していたんです。開業医の練習のように、自分で最後まで完結するという経験は貴重だったと今では思います。やがて開業を本格的に意識し始め、短期間でできるだけ多くの症例数を経験したかったことから、別のクリニックへ移りました。そこは、外部からドクターを呼んでセミナーを定期的に行うなど勉強に熱心で、飼い主さんの満足を考えた動きを叩きこまれるなど、いろいろな点で勉強になりました。そちらに3年勤めたところで、何とか自分の力でやっていけそうな手ごたえを感じて開業した、というのが大まかな経緯です。

最適な治療の選択肢をプロとして提供

専門の治療分野についてお伺いします。

開院にあたって、ペットの高齢化が進んでいること、もともと少し苦手意識のあった分野で強化しなければと思っていたことから、日本獣医がん学会第二種腫瘍科認定医を取り、その翌年から大学であらためて1年間の研修を受けました。腫瘍は、少なくとも犬猫では力を入れている分野ということになります。エキゾチックアニマルに関しては、特に爬虫類の手術までやるというだけでも珍しいのではないでしょうか。普通は、爬虫類に麻酔をすることすら怖いものですから。その他、循環器、皮膚については勤務医時代から興味を持って積極的に学んできた分野ですね。大学で研修し直したわけではありませんが、麻酔外科と循環器に関しては学会に所属していて、知識のアップデートは欠かさないようにしています。

どういう症状で来るペットが多いですか?

一番多いのは、皮膚症状です。かゆがるとか湿疹、傷の治療もあります。傷ですが、ある程度以上のものは獣医師に任せたほうが安心です。自然に治るような小さな傷ならともかく、傷の程度や状態によっては、かさぶたを作ったり、乾燥させたりすると却って治りが悪くなることもあります。その場合は、皮膚の湿度を保ち保護するために巻いたり貼ったりする専用のドレッシング材というものを使いながら、経過に合わせたケアをしていかなくてはなりません。皮膚症状で来るのは、犬猫も多いですが、爬虫類のケースも少なくありません。その多くは、やけどです。温めるマットでの低温やけどや、上から保温のために当てるスポットランプに、寒いからと近付きすぎて触れてしまったりしてやけどするんですね。

診療の際に心がけていることは何でしょう?

わかりやすく説明することです。病気の原因や症状、治療法などをわかりやすく説明しご理解いただき、さまざまな選択肢をご提示して、飼い主さん自身に選んでいただく、ということを心がけています。飼い主さんには、治療に一緒に参加していただくという意識を持っていただきたいと思います。ただ、あまり選択肢を多く出しすぎると、飼い主さんが迷ってしまいます。「先生が一番良いと思う方法でお願いします」と言われないように、プロとして、最適な選択肢に絞ってご提示していきます。もちろん、治療の過程で病状が変わり、違う選択肢が必要になることもあります。そうした変化があるたびに飼い主さんと話し合い、その都度、選んでいただきます。

情報収集して自己判断せず獣医師に相談を

印象に残っている飼い主さんや動物について伺えますか。

印象が強いのは、やはり最後の時を迎えて飼い主さんにお返しする時のことですね。最後の時、滅多にありませんが「先生に診てもらえて良かった」と直接おっしゃっていただけた瞬間は、獣医師としてやってきて良かったと思います。中でも、安楽死を選ばれた飼い主さんとワンちゃんのことは忘れられません。心臓が悪くて肺水腫で、呼吸が苦しくて見ていられない状態のワンちゃんに、飼い主さんご自身も精神的に参ってしまいましたが、最後には毅然と安楽死を決断されました。もともと選択肢の一つとして安楽死を提示することはありますが、当院では飼い主さんの目の前で必ず行う方針なこともあり、選ばれる方はほとんどいないんです。逆に言えば、「目の前では嫌だ」という方はお引き受けしません。それは、飼い主さんにはペットの最後を看取っていただきたいからです。大切な家族が最後を迎えるのですから、そばにいてあげていただきたいんですね。

最近の傾向など踏まえて、何かアドバイスはありますか?

エキゾチックアニマルの飼い主さんが増えたので最近よく見るのですが、様子を見てしまったり、インターネットで症状に当てはまる病気を調べて民間療法的なことをやるなど、重篤な状態や手遅れになってから病院に来る方が結構いらっしゃいます。インターネットでいくら情報をたくさん収集できても、専門で勉強してきていない方には、情報の真偽を正確に判断できません。ペットの様子がおかしい時は、飼い主さんが「この病気だろう」と思い込まず、ぜひ専門家の判断を仰いでください。症状が重くなってからでは、治療の選択肢は狭まってしまいます。手遅れになれば、取り返しがつきません。病院に行く時間がなくても、電話でご相談していただければ対応してくれる病院はあるものです。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

飼い主さんの判断で様子見しないで、小さなことでも病院にご相談いただくということに尽きます。健診や爪切り、トリミングなどのタイミングでもいいですし、散歩のついでに立ち寄っていただいてもかまいません。気負わずにいらしていただき、何でも聞いてください。何気ない世間話から、病気の兆候が見つかるかもしれません。例えば、おしっこを頻繁にするという話をしていた時、1回の量が少ないということがわかり、検査をしてみたら膀胱炎や結石が見つかったことがあります。遊びに来ていただいた時にワンちゃんをなでていたら、飼い主さんが気づかなかった皮膚炎を見つけたこともありました。「今日は病院に行こう」と重く考えず、ぜひ気軽にいらしてください。

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