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齋藤 隆 院長の独自取材記事

七里ガ浜ペットクリニック

(鎌倉市/七里ヶ浜駅)

最終更新日: 2023/01/22

齋藤隆院長が、江ノ島島電鉄の七里ヶ浜駅近くに「七里ガ浜ペットクリニック」を作ったのは1996年のこと。「すでに結婚して子どももいましたから、私たち家族で一生住みたい町を選んで開院したんですよ」と齋藤院長。地域に根ざした「動物たちのホームドクター」をめざしていた齋藤院長にとって、そうした地元への愛着は当然なのかも知れない。20年以上にもなる診療経験から地域との絆を強めると同時に、アレルギーや皮膚病、がんといった病気の治療には常に新たな情報を取り入れ、「動物たちが少しでも安楽に暮らせるように」との努力も怠らない。家でも病院でも動物たちと過ごせる毎日はとても楽しいと語る齋藤院長に、七里ガ浜での診療の様子を聞いた。 (取材日2016年2月16日)

家族の一員になった動物たちを見守る獣医師に

ホームページに「気軽に立ち寄れる」動物病院とありましたが。

当院は気軽にお寄りいただけて、なんでも気兼ねなく聞ける動物病院、動物にたちに優しい診療がモットーです。何かあったときに幅広く対応でき、飼い主さんも動物たちもリラックスして診療が受けられる動物病院をめざしてきました。犬や猫なら病気やけがの検査や治療・手術まで対応できますし、より高度な治療が必要な場合は大学病院を、小鳥やハムスターをより専門的に診るときは専門病院をご紹介します。ご希望に応じて往診にも伺いますが、何事もなくても予防接種に来ていただいたり、「こんなことが心配」と相談の電話をいただいたり、あるいは散歩の途中に立ち寄っていただくのも大歓迎です。

この七里ガ浜に開業されたのはなぜでしょうか?

家族と一緒に暮らせる町に開院して、地域に根付いた診療をずっと続けたいと考えたんです。もともとは仙台の出身で北海道の大学で学びました。卒業後は最先端の治療が勉強できる場所で働こうと思い、都内や神奈川県内の動物病院でじっくり経験を積み、開業しました。妻の実家がある横浜市を中心に回り、病院に向いた物件があるのはもちろん、自分たちも好きで住み続けたくなるところを探しました。そうやって見つけたのが七里ガ浜で、こんなふうに自然豊かで落ち着いた町なら家族全員が安心して暮らせると感じましたね。

診療を始められて20年になるそうですね。

ええ、20年もたつと住んでいる方の入れ替わりなどもあり、開院当初は8割が高齢の方だった飼い主さんも、最近は若い方が増えて半々くらいの割合です。また昔と違い、小型犬を室内で飼うスタイルが主流になっていますね。そのほか動物たちに対する意識も変わってきて、「高齢だから治療しなくていい」というより、「たとえ高齢でも何とか助けてほしい」とおっしゃる方も増えました。ペットというより家族の一員という見方が強くなっているのだと感じます。一方、生育環境が大きく変わったことで、よくかかる病気も変化しています。寄生虫はほとんどいなくなり、関連した病気は激減。アレルギーやそれに起因する病気、皮膚病などが増えました。これは環境の変化に加え、以前は病気と思われなかった症状がアレルギーに起因するとわかってきたなど、獣医療の進歩による部分も大きいでしょうね。

アレルギー治療や痛みの管理で気持ちのよい暮らしを

先生が重視されている診療分野などはありますか?

現在はアレルギーや皮膚病の診断・治療に力を入れ、獣医アトピー・アレルギー・免疫学会、日本獣医皮膚科学会などに参加し、積極的に情報交換を行っています。以前に比べると検査によって原因が細かく正確に特定でき、動物たちがアレルギー反応を起こすのはどんな食物か、あるいは環境なのかがはっきりとわかります。これにより、その子の周囲から原因物質を除去する方法も適切に指導できるため、動物たちが嫌な思いをせずに暮らせるようになっているのです。ただ原因物質は多様化していて特定に時間が必要なケースもあります。また検査は1回に4、5万円ほどかかるため、最初から「アレルギーかどうかわかりませんが検査をしましょう」とお勧めするのは難しいですね。まずアレルギー以外の病気である可能性を疑い、違った場合はまた別の可能性を疑うといった人間を診るのと同じやり方で診断しています。

病気やけがの痛みのコントロールにも力を入れておられるとか?

動物たちは痛みに鈍感と思われた時期もありましたが、現在は人間と同じように痛みを感じるとわかっています。だから私は病気や手術で感じる痛みを、きちんとペインコントロールをしてあげる方がいいと考えているのです。術後もしばらく痛みを抑えてあげる。痛みが強くなったら薬を追加するといったコントロールを行っています。そもそも痛みは動物にとって大きなストレス。痛みが続けば治療にも悪影響ですし、「あの病院に行くと痛い」と嫌がるようになれば次に連れて来るのも容易ではありません。当院では手術でペインコントロールを始めてから、動物たちは手術後も嫌がらずに来てくれるんですよ。余計なストレスを感じていないのでしょうから、それは私にとっても何よりうれしいですね。

こちらは動物看護師も常駐されているそうですね。

ええ、私の妻が動物看護師で、他のスタッフとともに検査を担当したり手術のサポートをしたり、飼い主さんに保健衛生や栄養の指導を行ったりといろいろな場面で活躍してくれます。獣医師の私と違う立場・視点で動物たちや飼い主さんと接してくれるのでとても助かりますね。特に飼い主さんの心のケアは動物看護師スタッフの方が得意なようで、「先生より話しやすい」と言ってくださる飼い主さんも多いんですよ(笑)。また妻は日本動物看護職協会の副会長として、仕事の専門性の確立や地位向上、獣医療の発展や動物の福祉を守るために力を尽くしています。最近は2011年に全国統一の資格になった「認定動物看護師」を、公的資格化する活動にも取り組んでいて、私より忙しく全国を飛び回っていますよ。

家でも仕事でも動物たちとふれあえる毎日が楽しい

先生が獣医師をめざされたきっかけを教えてください。

子どもの頃から動物は大好きでした。しかし私の父は公務員で、家族は官舎住まいなので到底飼うことができません。幸い親の実家が稲作と酪農の兼業農家だったので、夏休みになるとそこに自分一人で遊びに行って、動物たちの世話をして過ごしていたんです。そういう体験のおかげで、最初は馬や牛といった家畜を中心に診る獣医師になろうと思い、北海道の酪農学園大学に進みました。ただ酪農家が飼うのは産業動物で、生産性が上がらないと途中で処分されてしまいます。獣医になってそうした状況に何度も接するのは耐えられないと感じ、在学中に犬や猫を診る獣医師に進路を変更しました。今は自宅に猫を飼い、仕事でも動物に触れることができ、毎日がとても楽しみなんです。

それではお休みなどはどう過ごされていますか?

以前は空手を学んだこともあるのですが、今はお休みしています。しかも学会や獣医師会など出かけるなど休日の用事が増え、新しく趣味などを始める時間もないんですよ。現在は鎌倉市、逗子市、葉山町で開業する獣医師による湘南獣医師会で会長を務め、伝染病の予防活動、小学校などで飼われる動物たちの健康サポートなど地域の公衆衛生に携わっています。またけがをした野生鳥獣の治療、動物たちと飼い主さんの災害対策なども獣医師会として力を入れています。こうした行事がないときは、家の中で4匹の猫とゴロゴロすることがほとんどですね(笑)。飼っている猫たちはもともと捨てられていた子で、一番小さいのは昨年生まれたばかりの2匹。みんなとてもかわいいですよ。

最後にこれからの目標などをお聞かせください。

まずアレルギー分野の勉強をさら深め、動物たちがもっと気持ちよく生きられる環境にしたいですね。また動物たちの寿命が延びたことなどにより、最も多い病気となったがんへの対応も重要。手術後の体調管理や手術ができない子のペインコントロールなどを丁寧に行います。がんとお伝えしたときの飼い主さんの反応はさまざまで、中にはご自分の病気のようにショックを受ける方もいて、飼い主さんの心のケアも必要だと実感します。気持ちをゆっくり話していただく時間を設けるなど、当院はこれからも動物と飼い主さんの心に寄り添い、安心できるホームドクターであり続けたいですね。そして、学会や勉強会などに積極的に参加し、自分の知識を向上させ、単なる町医者にとどまるのではなく、高度な診療が常に行えるよう努力したいと思います。

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