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橋本 有子 院長の独自取材記事

あゆくペットクリニック

(我孫子市/新木駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR成田線新木駅より徒歩2分の立地にある「あゆくペットクリニック」。犬や猫はもちろん、うさぎ、小鳥、ハムスター、フェレットなどの小動物も診療している。動物に対する愛情が表情や話しぶりからも感じられる橋本有子院長は、自身も高齢の猫を4匹飼っていることもあり、年を取った動物との関わり方についても獣医師と飼い主両方の立場からアドバイスを行ってくれる。ヒューマンアニマルボンド(人と動物の絆)を大切にし、飼い主の不安を取り除くことでペットの寿命を延ばしていけたらという橋本院長。飼い主の気持ちに寄り添う診療と、患者とのエピソードなどについて話を聞いた。 (取材日2016年7月26日)

来院したペットに合わせた幅広い診療を

どんな疾患や症状で来る動物が多いですか?

比較的多いのは、皮膚炎、外耳炎、尿石症、内臓疾患、神経病、心臓病、外傷などです。最近は内分泌系の病気も多いです。とはいえ、専門性に特化するのではなく、幅広く診ることに重きを置いています。地域のニーズとしても、1つのクリニックですべて診てもらいたいという声が多いので、それに応えたいと思っています。また、健康診断で来院される方もいます。近年はペットの高齢化が進んでいるので、ある程度の年齢になったら、特に症状がなくても検査や健康診断を受けることが大切です。必ずしも教科書通りの症状が出ないこともあるので、きちんと検査を受けることが病気の早期発見につながります。

治療する上で心がけていることをお聞かせください。

はい。それも飼い主さんの話をよく聞いて、しっかりと検査・診断を行うことですね。飼い主さんは本当によくペットを見ていて、些細な変化にも「何かおかしい」と気づいてくれるので、それらも踏まえて検査・診断し、どういう病気なのかを丁寧に説明することを心がけています。というのも、私自身、母の介護をしていた時、お医者さんにはっきりと言ってもらえないことが大きな不安でした。それだけに、明確な答えを出すことで、飼い主さんの不安を取り除いてあげたいんです。質問でも、セカンドオピニオンでも気軽に当院を利用していただければと思います。

インフォームドコンセントに重きを置いているのですね。

飼い主さんに正しい情報を伝え、理解してもらうことは、ペットの寿命を延ばすことにもつながります。例えば心臓が悪いワンちゃんの場合、毎回散歩に行く前に注意すべきことをわかりやすく伝えます。それを知っているのと、知らないのとでは飼い主さんの意識も違いますし、発作が起こる確率も違ってきます。ですから、飼い主さんにも日々の生活で心がけてもらえるよう伝える努力をしています。特に高齢になると腎臓病や心臓病、内分泌系の病気など、持病を複数抱えるペットもいて、毎日の薬や生活上の注意点が増えてしまいがちです。それでも「もう治らないんだ」と悲観的になるのではなく、飼い主さんが気をつけて暮らしていくことで、ペットの寿命を延ばすことにつながるので、理解を深めてサポートしていただきたいですね。

それ以外で、飼い主とのコミュニケーションで心がけていることはありますか?

飼い主さんの不安を取り除くためにも、気持ちに寄り添うことです。例えば、介護が必要になった場合、まずは「大丈夫だから!」と力づけることで飼い主さんに安心してもらいます。飼い主さんに気持ちの余裕が出てくると、連れてくるペットも幸せそうに見えるんですよ。年を取って病気になると動物は甘えん坊になるのですが、飼い主さんもそれがうれしいようで、そういう姿が幸せそうですごくいいなと思うんです。介護や看病は大変ですから、心配ごとがあったら、気軽に聞いてほしいですね。そうやって話す中で、検査・診断・治療の手がかりになることもありますし、少しでも不安を軽くして、飼い主さんとペットが触れ合う時間を増やせたらと思います。

獣医師としての責任をクリニック名にこめて

ペットの高齢化が進む中で動物と飼い主との関わり方について教えてください。

ペットが高齢になると「何でもしてあげたい」という方と、逆に「もう何もせず看取ってあげよう」という方がいます。先日も末期の腎不全で、ご飯が食べられなくなった猫が来たのですが、飼い主さんは「散々病気してきたからもういいよ」とおっしゃっていたんです。そこで「食べられないだけでお腹は空いてるんですよ」と伝えると、気持ちが動いたようでご飯を食べさせる練習に通ってくださいました。病気でも、食べることで寿命が延びる子もいるんです。実際その猫は1ヵ月後には自力で食べられるようになり、元気な生活に戻ることができました。飼い主さんも、内心は元気な姿のペットともっと一緒にいたいんですよね。こうした積み重ねで、元気に過ごせる時間が少しでも長くなればうれしいです。医療の進歩や飼育環境の変化、食事の質の向上などによって、寿命は延びていますから、動物たちができるだけ健康で長生きできるようお手伝いをしたいと思っています。

これまでの診療で、印象に残っているエピソードをお聞かせください。

獣医になったばかりの頃、4本とも脚を粉砕骨折してしまった猫がいて、大学病院を紹介して手術を行ってもらいました。治るまでに時間も費用もかかりましたが、飼い主さんはきちんと向き合ったんです。猫ちゃんもつらかったと思うのですが、こういう飼い主さんもいるんだと胸が熱くなりました。その飼い主さんが大学病院に連れて行く時に、「先生にこの子を連れて行ってほしい。先生なら安心して任せられるから」とおっしゃったんです。初めて獣医師として頼られたと同時に、責任重大な仕事なんだという自覚を持った瞬間でした。この経験は忘れられないですね。

ほかに印象に残っている飼い主さんはいらっしゃいましたか。

これも若い頃の話ですが、黒い柴犬を飼っていたご夫婦で、奥さまは犬が苦手という方がいました。それがご主人が亡くなられて、ワンちゃんも腎不全になってしまい……。奥さまは犬に触れないほどだったのに「この子はお父さんの形見だから」と雨の日も雪の日も2日に一度、その子を抱えて病院に通ってくれたんです。3年経った頃、ワンちゃんが末期症状を起こしました。その時に「先生に看取ってもらおうとずっと決めてました」と言ったんです。ずっと診てくれた先生にお願いしたい、と。3年間、病気と向き合った飼い主さんにも頭が下がりましたし、私自身も獣医師としての姿勢を学びました。先ほどの猫とこの時の経験から自分なりに言葉をいただき、クリニック名を作りました。初心を忘れず、動物や飼い主さんと向き合い、獣医師としての責任を果たしていこうという思いを込めています。人として大切なことを、飼い主さんに教えてもらうことが多かったですね。

動物たちは自分にとって人生の一部

先生が獣医師になられたきっかけを教えてください。

父と母が動物好きで、常に動物に囲まれて育ちました。小学校3年生の頃に、うちの猫がケガでかなり出血したことがあり「このままじゃ死んじゃう!」と泣いて、朝まで猫のそばにずっとついていて眠れないという経験をしました。その時に「こんな思いをするくらいなら自分で治せないかな」と思ったんですね。勉強して自分に知識がついたら、こんな心配をしなくても済むかもしれないと考えたのがきっかけです。

休日のリフレッシュ法は何かありますか。

休日は学会やセミナーに出席することが多いですね。でも私はこの仕事が大好きなので、休日でも入院している子たちの世話をしたり、学会などに行って新しいことを学んだりするのも楽しいんですよね。あとは、うちの猫たちといる時が幸せかな。みんな高齢で、持病を抱えていて投薬を何年も続けている子もいますが、最後まできちんとかわいがっていきたいなと思います。公私ともに動物が生活の一部、人生の一部のような感じですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

獣医学は進歩しているので、新しい技術や治療によってペットの寿命がもっと延びればいいなと思っています。私が引退する頃に、犬や猫が20年生きるのが当たり前になっていたら獣医師冥利に尽きるかな。飼い主さんには、動物が与えてくれることはとても多いので、一緒に過ごす時間を大切に暮らしてほしいと思います。特に病気ではなくても、普段の健康管理や食餌などについて、気軽に相談に訪れてほしいですね。今後も獣医師として、ペットにとっても飼い主さんにとっても、健康で幸せな生活を送るための手助けをしたいと思っています。

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