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戸井田 太佑 院長の独自取材記事
ひなた動物病院
(板橋区/ときわ台駅)
最終更新日: 2023/01/22
板橋区東新町の住宅地にある2016年11月に開院した「ひなた動物病院」。ガラス張りの入口から中の様子がよく見えるのは、入りやすい雰囲気にしたいという戸井田太佑院長のこだわりだ。院内も各個室には窓が多くつくられており、風通しのよい設計にし、動物たちが今どのような治療を受け、どこにいるのか、スタッフの動きも含めて確認できるような工夫がされている。オレンジと白を基調とした色合いは院名のとおり、日なたの温かさをイメージ。トリミングも行っており、「ここに来れば動物たちのすべてに対応できるクリニックにしたい」と話す戸井田院長。外科やセカンドオピニオンなどにも力を入れている。獣医師としての思いやこれまでの経歴について、戸井田院長に話を聞いた。 (取材日2016年12月12日)
オレンジと白を基調とした温かみのあるクリニック
開業までの経緯をお聞かせください。
この地域は、勤務医時代から住んでいる土地で、とても住みやすく動物たちとも生活を共にするのに快適な環境が整っていると感じていました。ここは幹線道路もあり、車でも通いやすい立地です。僕は北里大学獣医学部を卒業してから、都内の動物病院に勤務しており、犬や猫以外のエキゾチックアニマルを診ることもできます。お世話になった大好きな場所で、そこで暮らす動物たちの健康を守ることで地域に貢献したいと、2016年11月に開業しました。
クリニックの診療方針を教えてください。
動物たちは同じ病気であっても、症状や飼い主さんによってそれぞれ僕たち獣医師が求められていることも違います。これまでの経験から一般的な範囲についてはほとんどの場合当院で対応できますが、中には専門的な知識や技術を必要とする疾患もあります。専門分野に特化した動物病院を紹介することもできますが、遠方なため移動に時間がかかり動物たちや飼い主さんの負担にもなってしまいますから、できる限り当院で対処できるようにしたいと考えています。セカンドオピニオンも受け付けていますので、何か心配なことなどがあれば、どんなことでも相談してほしいですね。
内装でこだわった点はどのようなところですか?
まずは入口をガラス張りにして入りやすい雰囲気づくりをしたいと考えました。外から待合室の様子が見えますから、安心して来院していただけると思います。院内は勤務医時代に勤めていた病院をモチーフにデザインしました。一つの場所に立っていれば動物やスタッフが見えることを意識して設計しています。僕自身が院内全体を把握できることはもちろんですが、飼い主さんの安心感につながればという思いもありますね。院名のように温かいイメージにしたかったので、太陽と清潔感があるようにオレンジと白を基調とした色合いでまとめています。
動物の命をつなぐためにめざした獣医師の道
獣医師を志したきっかけを教えてください。
小さい頃から動物が好きで、進路を考えた時に動物を救う仕事がしたいと思い、獣医師を選びました。知り合いに開業していた獣医師がいて、よく遊びに行っていました。高校生の頃、通学路で瀕死の猫を見つけて、どうしても放っておけずに家に連れて帰ったのですが、自分ではどうしたらよいのかわからず、その知り合いの獣医師に電話をかけて相談しました。診てあげるからと言われたので動物病院に連れて行きましたが、状況は厳しく、結局助けてあげることはできませんでした。その時に自分自身の無力さを痛感したんです。目の前で消えそうな命があるのに、僕は何もしてあげられなかったので、それが獣医師を志した大きなきっかけでもあると思います。
診療の際に心がけていることは何ですか?
飼い主さんにわかりやすく、とことん説明することです。まずは診察して、診断をお伝えし、どのような治療法があるのかを丁寧に説明するようにしています。それぞれの治療方法のメリットやデメリット、そして費用についてもきちんと説明します。飼い主さんによって考え方やスタンスが違いますし、経済的な問題もあります。病気によっては高額な治療費が必要な場合もありますから。動物が好きでこの職業に就きましたが、動物だけを診ていてはできない仕事でもあります。飼い主さんと動物との関係性も含めて、僕ができる限りのことをしていきたいと思っています。
飼い主さんへの心遣いが伺えます。
やはり、動物たちが元気な姿を取り戻したときや、飼い主さんが喜んでくれたときにはやりがいを感じます。動物病院に来られる飼い主さんはとても不安を抱えている方が多いです。その方たちの不安を取り除くためには、しっかりと納得してもらうことが大切だと考えています。そのために、先ほどもお話しましたが、原因や治療内容を飼い主さんと話しますし、さまざまな要望に応えられるよう設備も整えています。来院したときはとてもつらそうだった動物が、元気になって退院していく姿や、飼い主さんが本当に喜んでくれる姿を見ると獣医師になってよかったと心から感じます。
トリミング、ホテル、診察、動物のことなら何でも
お忙しいとは思いますが、休日はどのように過ごしていますか?
空いた時間を見つけてジムに通っています。獣医は体力が必要な仕事ですので、なるべく体を鍛えるようにしています。最近は忙しく行けていないのですが、以前は週に2日はジムに通っていました。他には、基本的には何でもやってみるという性格なので、剣道やバスケ、水泳、野球、キャンプなどもやっていましたね。今はあまり時間がとれませんが、多趣味に何でもやるほうなんですよ。犬や猫以外のエキゾチックアニマルの診療を先輩の指導のもとで行ってきたんですが、それも、まずは勉強して経験を積んでいくという考えにつながっているんだと思います。
開業したばかりですが、これからどのようなクリニックにしていきたいと考えていますか?
地域に密着した何でも診られる病院にしていきたいですね。風通しのよい環境づくりにも積極的に取り組んでいきたいと思っています。まだ開業から1ヵ月ほどですが、近くにあるスーパーへ買い物に行く途中に寄ってくださる地域住民の方や、紹介で遠方からも来院してくださる飼い主さんも増えてきました。今は当院を選んで受診してくださる方に誠意を持って対応していきたいと思っています。今後はスタッフの人数を増やすことも検討しています。病気の動物たちを抱えたまま長時間待つのはつらいですよね。スタッフが増えればさらに患者さんのニーズに応えられる良い医療を提供できるのではと考えています。もちろん将来的な展望ですから、今は目の前の動物、そして飼い主さんと向き合って最適な医療を行っていきたいですね。
最後に読者へメッセージをお願いします。
動物のことに関して、こんなこと聞いてもいいのかと足踏みしてしまっている飼い主さんもいると思います。また行きづらいというイメージもあるのかもしれません。しかし、僕がいつも飼い主さんに話しているのは、気になることは聞いてみて、何もなければそれで安心できますからどんなことでも相談してほしいということです。もし何か病気の予兆だったり、症状が進行している可能性があったりする場合には発見は早いほうがいいですから、飼い主さんだけで悩まずに遠慮しないで聞いてほしいですね。しつけや食事のアドバイスなどもできますから、気軽に話しに来てください。当院はトリミングやペットホテルとしても利用できます。何かあったらあそこに行こうと飼い主さんが思ってくれる、そんな総合的なクリニックでありたいですね。