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小林 良輔 院長の独自取材記事
ライト動物病院
(川口市/戸塚安行駅)
最終更新日: 2023/01/22
オレンジを基調とした看板には犬、猫、うさぎ、ハムスターのかわいらしいイラスト。戸塚安行駅1、2番出口からすぐの「ライト病院」には、その名のとおりガラス張りの大きな窓から太陽の光がたっぷりと差し込み、明るく柔らかな雰囲気が漂っている。院長の小林良輔先生のモットーは、診療を必要としている動物ならどんな動物でも受け入れること。「来ていただいたからには『わかりませんので他の動物病院へ』と断りたくない」という想いで、大動物から犬猫、エキゾチックまで診療の経験を積み、資格の取得にも努めるなど日々の勉強を欠かさない。夜間急患や病気の動物でも対応できるトリミング、英語での診療にも対応している地域の頼れる存在だ。子どもの頃から動物が好きだったという小林先生に、話を聞いた。 (取材日2018年4月18日)
小動物から大動物まで診られる獣医師をめざして
診療可能な動物について教えてください。
ホームページには一般的なペットとして犬、猫、うさぎ、鳥、フェレット、ハムスター、モルモットを載せていますが、その他の動物でも診ることができます。ハリネズミも来ていますし、モモンガ、マーモセット、カメ、リス、中にはウーパールーパーをつれてきた方もいらっしゃいました。すべての動物を診療できるようになりたくて、大学ではまず、大動物について学んだんです。大動物というのは、簡単に言うと家畜ですね。北海道の大学でしたので、牛、その中でも乳牛をメインに診ていました。その後に、小動物について勉強。「これはわからないので他の動物病院をご紹介します」とは言いたくないので、わからないことについては勉強して、来院していただいたからには、どんな動物でもできる限り診察させていただきたいと思っています。
先生が一番大事にされているのはどんなことですか?
飼い主さんに、ご自身のペットの病気についてきちんと理解していただくことですね。獣医師がすべてを決めてしまうのではなくて、飼い主さんにもしっかりと理解していただいて、こちらがいくつか提示した選択肢の中から、飼い主さんにご自身の事情とペットにとっての適切な治療法を選んでいただきたいと思っています。例えば、がんの治療だったら、獣医学的には、がんを切除して、抗がん剤を打って、放射線を当てて……というのが一般的なのかもしれませんが、費用の問題や心理的な問題から、それがどの飼い主さんとペットにとってもベストであるとは限りません。飼い主さんにペットの状態を理解していただいた上で、どの治療にどんなメリットとデメリットがあるのかをよく考えていただいてから、治療法を選択していただくのが一番いいと思っています。
診療を受けやすいように工夫したことがあれば教えてください。
来院された飼い主さんには、受付表にお名前と連絡先を記入してお待ちいただいています。お名前を記入していただければ、外出されても、外でお待ちいただいても自由ですので、動物も飼い主さんもストレスを感じなくて済むようにしています。例としては、犬が待っているときにほえてしまうと、猫やほかの小動物、飼い主さんも不安になってしまいます。犬とその飼い主さんにしても、気持ちの良いことではありません。そういう事態を避けるために、駐車場でお待ちいただいて、順番が来たらこちらからお電話をしてそのままスッと診察室に入っていただく形にすれば、皆さんのストレスを少なくできると考えました。また、ご自宅が近い方なら、順番の予約だけ先にしていただいて、こちらがお電話をしてから診察に来ていただくこともできます。
どんな事情を抱えていても通いやすい動物病院に
今もいろいろな勉強を続けられているそうですね。栄養学についても学ばれたとか。
はい、現在も眼科や外科のセミナーを受講して学んでいるところです。ほかには、フードメーカーさんが運営している栄養学アドバイザーの資格を持っています。そこから自身でも勉強をし、動物のごはんをどのように設計するかという知識も身につけました。飼い主さんの希望があれば、手作りごはんについてご相談に乗ることもできますよ。これはアメリカの獣医師が集計したデータなのですが、ペットへ与えるごはんを手づくりにした場合、獣医師が行ったとしても約9割は栄養不足になっているそうです。それなら動物病院としてしっかりとした指針を設けて、飼い主さんにはそれに沿ったごはんを作ってもらうのがベストかなと思っています。このクリニックはオープンしたばかりということもあって、まだご相談を受けたことはありませんが、ごはんについてのリーフレットを作って置いてもいいかもしれませんね。
貴院が取り組んでいる夜間救急と「ドロップオフシステム」について教えてください。
当院では夜間診療も行っています。夜、ペットの具合が急に悪くなってしまったなどお困りのことがありましたら、病院にお電話いただければ診療時間外でも対応させていただきます。また、通常当院がオープンしている時間帯は朝9時から夜7時なのですが、勤めていらっしゃる方にとっては、ペットを連れてくるのがなかなか難しいですよね。そうしたときに、「出勤前にペットを預けて、会社を出てからその子を迎えに行きたい」という要望に対応できるシステムが、「ドロップオフシステム」なんです。朝、お預かりして、必要な処置を行った後、そのまま日中はお預かりさせていただいて、夜にお迎えにきていただく。夜間や時間外の診療も行っていますので、費用は変わってしまいますが、お迎えが夜の7時を過ぎてしまってもかまいません。ペットホテルとしても使っていただけますので、お気軽にご相談ください。
往診もしていただけるのですか?
猫が嫌がるので連れて行くのが大変だとか、車を持っていないのでペットを病院に連れて行くのが難しい、交通手段もない……という場合は、こちらからお伺いさせていただきます。健診の血液検査であれば、飼い主さんに手伝っていただいてその場でできるようにしています。その他の検査となると、将来的にはポータブルのエックス線や超音波検査機器を用意しようと考えていますが、今のところはクリニックに連れて帰って検査する形をとっています。
ペットの病気を理解して治療に積極性を
病院の名前の由来を教えてください。
私の娘の名前が「あかり」といいます。とある漫画の主人公で、灯台のように明るくて、みんなを導いてくれる人柄に惹かれ名前をつけました。このクリニックの名前を考えているとき、この「あかり」を英語にした「Light」を思いついたんです。頭文字の「L」を「R」にすれば「正しい」という意味になります。この名前なら「正しい獣医療をやっていきたい」という想いも込められると考えて「ライト動物病院」に決めました。娘に誇れる病院にしたい、という願いも含まれています。
これからの展望をお聞かせください。
飼い主さんにもスタッフにも満足していただける病院にしたいですね。私自身が働いていてすごく楽しいので、スタッフにも、楽しく仕事をしてもらえたらうれしいですね。まだ実施できていませんが、これからは月に1回ぐらいミーティングをしていきたいです。そして、院内のことをすべて私が決めるのではなくて、できるだけスタッフ全員で話し合って決めていきたいなと思っています。スタッフが満足してくれたら、患者さんにも良い診療をご提供できると信じています。
読者へのメッセージをお願いします。
自分の子どもの病気を理解しようとしない親はあまりいませんが、ペットに関しては獣医師に任せきりになってしまう方が、意外と多いようです。そうではなくて、しっかりと説明いたしますので、早めにペットの病気を理解して、治療に参加していただきたいですね。そして、ペット自身についても理解してあげてほしいです。治療法のどれが正しくて、どれが間違っているということはありません。飼い主さんがご自身のペットにとって一番良いと思える方法がその子にとって一番良い方法であると思います。それを飼い主さんが自らしっかりと考えて、ご自身で選んでほしいですね。