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箱崎文彦 院長の独自取材記事

箱崎動物病院

(渋谷区/東北沢駅)

最終更新日: 2023/01/22

ピンととがったハリですら、どこか愛らしく見えるハリネズミ。そんなハリネズミの丸い背中をなでながら「性格だってそれぞれ違うんですよ」と話すのは「箱崎動物病院」の箱崎文彦院長。根っからの動物好きであることが、よく伝わってくる先生だ。獣医師としてちょうど20年のキャリアになる箱崎院長。東北沢で町の獣医師さんとして頑張る一方、高度二次診療センターでの仕事にも携わっており、いろいろな角度から最適な治療のアプローチを提供している。人工授精にも取り組んでおり、院長の力によって生を受けた子とその飼い主さんとのエピソードには、思わずほろりとさせられる。20年の実績、そしてご夫婦のエピソードなど、豊かな人間味も併せ持つ箱崎先生にお話を伺った。 (取材日2011年1月31日)

「長寿命化」と「医療の高度化」。この20年のペット医療の変遷

獣医師として、ちょうど20年のキャリアになるそうですね。

平成3年に獣医師免許を取得しましたので、今年でちょうど20年。獣医師としての歴史を振り返るには、ちょうどよいピリオドになりますね。僕は本当にこの仕事以外したことがありません。獣医師免許を取得してから獣医の仕事をしてないのって、約1ヶ月だけ。この20年、ほぼ毎日、ただひたすらペットたちを治療してきました。20年前と現在とを比較すると、やはりペットの寿命が延びました。長生きできるようになった分、ケアが必要なワンちゃんやネコちゃんが増えました。現在も介護が必要なワンちゃんをお預かりしており、今後は介護的な側面からの治療が、一層求められていくと考えています。ちなみに僕が今まで診察してきた子の中には24才の猫がいました。ここに犬・猫の年齢と人間の年齢との換算表がありますが、24才はこの換算表にものっていない次元ですからね(笑)。人間だって年をとれば体にガタは来ます。ペットだって同じ。10才の子と15才の子とでは内臓の老化レベルは全然違います。ただこの20年間、飼い主さんの意識もかなり向上しました。まだ十分とは言えない面もありますが、ペットが長生きできる環境は整ってきたと感じます。

ペットの長寿命化が、この20年でもっとも変わったことですか?

この20年間の動物医療は2つのキーワードで表せます。一つが「長寿命化」、そしてもう一つが「医療の高度化」です。ペットの診断にMRIなども使われるようになり、かつては診断が難しかった病気が、今ではわかるようになりました。ですからそれに対する治療も確立されてきています。じつは僕は「TRVA夜間動物医療センター・動物2次診療センター」に起ち上げメンバーとして携わっています。ここは名前の通り最先端の高度医療を提供しており、動物医療は人間と同じように町のホームドクター、そして専門性を極めた医療機関の連携がますます深まっていくと思います。僕自身、高度医療に携わる獣医師と連携しており、僕も学びつつ、治療をタイアップして行うことがあります。実際に当院に来られる飼い主さんの中には、愛犬のためにがんの放射線治療を受けたいと希望され、ご紹介したこともあります。もちろん人間と同じで、助かる子もいればそうじゃない子もいます。ただ一つ確実に言えることは、ちょっと前までは考えられなかった医療が受けられる時代になったということです。

ペットの種類なども大きく変わりましたか?

種類は増えたかもしれませんね。ここに来るペットたちの内訳は、犬が約6割、猫が約3割、残り1割がフェレット、ウサギ、小型げっ歯類などです。ワンちゃんたちの種類は多種多様。犬と狼の交配を元にブリーディングしたウルフドッグという犬種や、アイリッシュウルフハウンドという、世界中の犬の中で最大の体格を有する犬種も診ました。大きい場合には身長2メートル近くまで育つ犬種で、全犬種の中で唯一、一匹だけで狼を倒せるそうですよ。うちの体重計は約100キロまで計れるのですが、その子は生後6ヶ月で約70キロありましたからね。それ以降は計れていません(笑)。

人工授精にも対応。院長の技術によって授けられた命

ところで先生はなぜ獣医師に?

単純に動物が大好きでした。子どもの頃からしょっちゅう犬や猫を拾ってきました。そのたびに父親からは怒られましたが、それにもめげないでたくさん飼っていました。同時に何匹も飼うことは多く、この仕事を始めてからだと、一番多いときで犬5匹、猫1匹、フェレット3匹、チンチラ1匹、ハムスター4匹、ハリネズミ2匹。なんだかミニ動物園のようですね。子どもの頃からたくさん飼っていたわけですが、中には病気をする子も出てきました。なので動物病院へ通うこともあり、獣医師という仕事は、苦しんでいるペットを実際に助けられる仕事なんだなあと、いつの頃からか認識するようになりました。

ハリネズミもペットとして飼っていたのですか?

はい。ここにも2匹のハリネズミがいます。ご覧になりますか? ほら。とても可愛い顔をしてるでしょう。触るとまん丸のボールのようになり、威嚇のためにハリをピンととがらせます。ちなみにこのハリは、体毛が硬化することができ、通常リラックスしているときは、人間が素手でなでることもできます。ちゃんとそれぞれに名前も付けてますし、もちろん見分けも付きますよ。それぞれの子にそれぞれの性格もあって、片方は人間に慣れており、もう片方はかなり活発に動きたがります。ハリネズミの寿命は長くて6年ぐらいで、今はハリネズミ用のフードもあります。でもよいタンパク質を与えるためには、ミルワームやコオロギを与えるのが効果的です。コオロギをとてもおいしそうに食べるのですが、その写真はちょっと今回は遠慮しましょうか(笑)。

記憶に残るエピソードはありますか?

僕は犬の人工授精を専門的に学んできたこともあり、現在も犬の人工授精をお受けしています。動物園で飼われている動物がうまく交配できないという話を聞いたことがある人は多いと思いますが、じつは家庭で飼われているペットの中にも、そのような現象は起きています。そこで排卵などの検査もした上で、人工授精という選択肢を選ぶ飼い主さんもいらっしゃいます。つい先日のことですが、ある一匹のワンちゃんが天国に旅立ちました。その子は10年以上前に、僕の行った人工授精によって誕生したワンちゃんでした。人工授精でお母さん犬のお腹に宿り、でもそのお母さん犬が難産のため帝王切開になり、お母さん犬とその子の親子ともども約2ヶ月ぐらい当院に入院してました。退院後もずっとここに通ってきてくれてました。歳月とともに、お父さん犬やお母さん犬が亡くなり、その子の兄弟も旅立っていき、最後まで頑張っていたのがそのワンちゃんでした。でもついにその子も先日亡くなって……。僕自身の思い入れも強く、飼い主さんといろんな思い出を語り合いました。

今後も地域のペットと飼い主さんのためのホームドクターとして

先生が心掛けておられることは?

やはり一番大事なのは、病気を見逃さないこと。そしてなるべくペットにとって負担のない検査をし、それぞれのペットや飼い主さんにとってよりよい治療法を提供することです。やっぱり小さなペットたちがここに病気を治しに来て、あるいは入院することで回復して、元気にそれぞれの我が家に帰って行くことが一番のやりがいです。僕は獣医師である以前に、ペットの飼い主です。なのでより強く言えることなのですが、ペットはやはり病気にはいつかなります。そんなときにはなるべく近くの病院を探してもらえればいいと考えています。愛犬や愛猫の負担を少しでも減らすという意味でも、家の近くに、通いやすくて気軽に診てもらえる病院があれば安心です。加えて、説明をしっかりとしてくれる獣医師を選んでください。僕は血液検査の結果も、口頭だけでなくデータをお渡しして説明しています。また僕自身でできるレベルについても正直に話しています。最初にお話ししましたが、今はいろいろな治療法を選べる時代になりました。遠慮なく相談してほしいですね。

先生の奥様も獣医師のお仕事をされているそうですね。

妻は世田谷区大原で「ペットスペース&アニマルクリニックまりも」を開いています。無料セミナーやペットの飼い主さんのためのコミュニティスペースなど、彼女独自のオリジナリティのある動物医療を展開しています。じつは妻は17才年下で、妻のお母さんと僕と妻の3人で歩いていると、ときどき親子に間違われているようです(笑)。妻はまだ獣医師としての年数は浅いかもしれませんが、さまざまな資格も取得しており、本当に頑張っていると思います。それぞれ別の勉強会やセミナーに参加して、それぞれの情報交換をしたり、夫婦で動物医療や治療に関する議論を交わすこともあります。パートナーとしてお互いに切磋琢磨していますよ。

今後の展望をお聞かせください。

ホームページではすでにお知らせしていますが、近々移転を予定しています。でも安心していただきたのは、移転先はまだ正確にはお知らせできませんが、目と鼻の先と呼べるほどの近い場所を予定しています。なので今まで通り安心して通ってくださって問題ありません。移転後も、大きく診療スタイルを変えるつもりはありません。僕はこの地域のペットのためのホームドクターとして頑張ってきたわけですから、距離もすぐ近くで、今まで通りしっかり治療していきたいです。さらに付け加えるなら、医療技術や検査技術は日進月歩で進化していますから、僕自身のアップデートもこまめにして、よりよいペット医療を地域の皆さんに提供していきたいです。

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