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遠藤正男 院長の独自取材記事

エンドー動物病院

(新宿区/大久保駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR総武線・大久保駅から徒歩6分。大久保通り沿いに建つ「エンドー動物病院」は開業から42年、この街の人々とペットの健康を守り続けてきた。院長の遠藤正男先生は、「子どもの頃から動物を飼っていない時期はないです」と語る根っからの動物好き。捨て猫などさまざまな事情で飼い主のいない動物たちの里親探しにも熱心に取り組んでいる。ひたすら動物たちと共に歩んできた先生に、これまでの道のりと動物医療にかける熱い思いをお話しいただいた。 (取材日2011年11月25日)

子どもの頃からの夢をかなえて獣医師に

病院の窓ガラスから見えるケージの中の子猫たち、かわいいですね。

はい。獣医師をしているとどうしても捨て犬・捨て猫が集まってきますので、なんとか里親を見つけようと苦肉の策で始めたのがこの方法です。やはり貼り紙よりも実際に動物を見てもらうのが一番効果がありますね。時には道に人だかりができることもあるくらい好評で、ここに入れた子は大体すぐにもらい手が見つかるんですよ。これまでに里親を世話した犬猫は100匹を超えるでしょうか。そのうちの半数ほどの飼い主さんからは、「今こんな風に暮らしていますよ」とお便りをいただいています。うれしいことですね。

先生が獣医師を目指したきっかけを教えてください。

小さい頃から動物が好きで、将来は獣医師か動物園の飼育係になれたらいいなと思っていました。考えてみると僕がそんな風に動物好きになったのは、祖父の影響があるかも知れません。祖父は僕が生まれた頃にはもう高円寺に住んでいましたが、ずっと田舎の大自然のなかで育った人なんです。だから狩りが上手で、街中住まいにもかかわらず、よく鳥をつかまえて来ましてね(笑)。すごいでしょう。時には弓矢まで使って、もずなんか捕って来ちゃうんですよ。そんな祖父の姿を通して動物に興味を持ったというところはあると思いますね。僕の家も高円寺にありましたが、犬、トカゲ、うさぎ、にわとりとさまざまな動物を飼いました。やがて思春期を迎えた頃、親戚に獣医師がいたので、「将来動物にかかわる仕事をしたい」と相談をしてみました。獣医師の仕事について詳しく教えてもらい、それからは一直線。麻布大学に進学しました。

大学時代、そして卒業後開業するまでは、どのような道を歩まれたのですか?

実は入学後、「自分は獣医師に向いてないかもしれない」と悩んだ時期がありました。と言うのも、実験動物がかわいそうで、耐えられない気持ちになることがたびたびあったんですね。当時の獣医大学は牛など家畜用の大型動物の研究が中心で、今よりもずっと荒くれな雰囲気でした。「実験動物のことでめそめそするなんて」と周りから見られてしまい、悩みながらの大学生活でしたね。卒業後は2つの医院に勤務して、臨床の経験を積みました。やがて2軒目の医院で分院を作ろうという話が持ち上がり、僕が担当することになったことが独立のきっかけです。所在地は、大久保。以来、大久保内で2回の引っ越しを経て、現在に至っています。すでに開業から42年が経ちました。

犬と猫、それぞれの持って生まれた性質を理解することが大切

診療にあたって、先生はどのようなことを基本方針とされていますか?

大切にしている方針が2つあります。まず1つ目は、「過剰診療をしないこと」。例えば良性の腫瘍があるワンちゃんがいるとしますよね。その子がもう年老いているなら、無理をして手術で取る必要はないというのが僕の考え方です。手術というのは動物にとって、肉体的・精神的ショックが非常に大きいものです。また、飼い主の方にとっても経済的負担はばかになりませんよね。しないで済むものは薬で治していこうというのが当院の基本方針ですね。最近は犬の椎間板ヘルニアにもすぐ手術をする風潮がありますが、この病気は手術では治りにくいんです。何でも手術すればと良いわけではないことを、飼い主の方も知ってほしいですね。また、もう1つ大切にしているのは、「飼い主の選択を尊重すること」。例えば延命治療について、これまでペットを心から大切に育て、ペットとの間に強い信頼関係を築いている飼い主さんが「これ以上の延命はしない」と判断されたなら、僕もそれに従います。ペットと飼い主さんの間の絆を最も尊重する、ということですね。

犬と猫、それぞれの飼い方のポイントを教えてください。

犬と猫では人との関係の作り方がまったく違うのが面白いところですね。犬は飼い主との間に服従の関係を作りたい動物です。しっかり指示を与えてくれる人について行くのが、犬にとっては一番安心できる状態なんですね。だからきっちりしつけをして、親分・子分の関係を作ってほしいと思います。一方、猫のことは人間の赤ちゃんと同じだと考えるのが一番良いと思います。赤ちゃんは、もちろん親のことが大好きですが、わがままで、こちらの言うことを聞けないですよね。猫もそう。何かを押しつけられるのが嫌いで、服従なんてまっぴらごめん。自分のやりたいことだけをやろうとします。猫のこの性質を根本的に変えることは不可能ですから、しつけは猫が嫌がらない程度、出来る範囲で行ってください。猫を飼うというのはそういうことだと理解してほしいですね。

日本は空前のペットブームと言われています。獣医師として気になることはありますか?

見た目のかわいさや「はやっている種類だから」ということだけを重視しないでほしいですね。その裏にある危険をしっかり見つめていただきたいと思います。例えばスコティッシュフォールドという猫がいます。耳が折れている様子がとてもかわいいと大人気の種類ですが、実はこれ、本来は奇形なんですよ。軟骨の発達が不完全なために耳をピンと立てることができず、いつも折れた状態になっているんですね。そしてこの軟骨不全は全身にかかわる問題で、耳が不完全ということは、体のほかの部分の軟骨も発達不全なんです。つまりどういうことかというと、この種類の猫は歩くたび、動くたびに関節に痛みがあるということです。本来なら自然淘汰されるべき奇形を、「かわいいから」という理由だけで彼らの痛みを知りながら増やし続ける。これほど残酷なことはありませんよね。ほかにも奇形であるのに増やされている犬・猫種は多々あります。飼い主の方も少し勉強して、こういう種類は買わないようにしていただきたいですね。なぜって、ブリーダーたちは売れるから作るのですから。また、犬については、「かわいく見えるから」と必要もないのに耳やしっぽを切る人がいます。それが動物の心身にどれだけ大きなストレスをもたらすか、考えてみてほしいですね。僕の所にも時々「切ってください」とやって来る方がいますが、全てお断りしています。ヨーロッパではすでに、美容のために動物の体を切ることは法律で禁止されました。日本のペットオーナーもしっかり自覚を持ってほしいですね。

ペットとの幸せな共同生活のために必要なこと

先生はやはりプライベートでも動物を飼われていますか?

はい。犬や猫を飼っていなかったことは一度もありませんね。現在、犬はスタンダードプードル、猫は腎臓疾患持ちの雑種を飼っています。実はこの猫は、捨て猫として医院につれて来られた子なんです。病気があるので一般の方が飼育するのは難しいかなと思い、我が家で飼うことにしました。毎日朝と晩に透析をしなければならず大変ですが、妻の膝に乗ってじっと注射を我慢してくれています。かわいい子ですよ。

こちらの医院では、トリミングや犬の歯磨き指導にも取り組まれていますね。

はい。トリミングに関してはトリマーが常駐してお受けしていますが、実は僕もできるんですよ。当院の開業当時、日本にはまだトリミングという概念がありませんでした。当時はやっていたマルチーズなどは毛玉が出来るということで、「丸坊主にしてください」と飼い主がつれて来たのを獣医師がバリカンでがーっと刈ってしまう時代でしたね(笑)。その頃、日本に初めてトリミングの学校ができ、終業後に通うことにしました。だから僕はトリマーの草分け。芸術的に美しく刈ってあげて、飼い主さんたちにものすごく喜ばれましたよ。犬の歯磨きに関しては、子犬の頃から始めればきちんと習慣になるので、できるだけ早い時期から行うようお勧めしています。人間の電動歯ブラシと同じものを使い、ブラシだけ犬専用のものを決めて磨けばいいんですよ。当院で磨き方の指導をしています。我が家の犬もしっかり習慣になり、今では僕が磨いていると後ろに座って自分の番を待っています。最近では猫までやきもちを焼いて、磨いてほしそうにうろうろしていますが……実際にやると嫌がりますね(笑)。

最後に、これから犬や猫を飼おうと考えている方にアドバイスをお願いします。

猫に関しては、先ほどもお話したように、遺伝上の問題のある種の子を買わないこと。犬についてはそれに加えて、自分の生活様式に合った犬種を選ぶと幸せなペット生活を送れると思います。例えば、毛が抜けない犬が良いのか、少しくらい抜けても気にしないのか。利口な子が良いのか、ちょっとくらい抜けている子が好きなのか。神経質で繊細な子を引き受ける自信が自分にあるのかどうか。そういうことを総合的に考えて選ぶと良いと思います。それから犬は、若い頃にしっかり体を作ってあげることが大切です。6歳頃から中年になりますから、それまでに思い切り遊ばせたり走らせたりして、筋力作りをしてあげてください。肥満の中年犬がソファに上ろうとしただけでじん帯を切り、当院へ運ばれて来る、なんてことも時々ありますよ。そんなことにならないよう、若いうちはたっぷり遊んであげてください。ペットと人間、双方が幸せな共同生活を送ることを願っています。

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