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溝呂木啓之 院長の独自取材記事

溝呂木動物病院

(横浜市南区/弘明寺駅)

最終更新日: 2023/01/22

京急線弘明寺駅前から平戸桜木道路沿いに進むと「溝呂木動物病院」と書かれた看板が見えてくる。この地に開業して12年、以前の場所を合わせると20年以上も近隣住民に愛されてきた動物病院だ。院長の溝呂木啓之先生は「取材やメディアへの露出は苦手」と控えめで、訪れる動物と飼い主に対し的確な診断と真摯な姿勢で診療にあたる。目指すのは、ワクチンや予防の処置がメインの1次診療より一歩先を行く1.5次診療。また、これから開業を考える若い獣医師を育てることにも熱心で、若い獣医師から頼りにされる兄貴分だ。昔から動物が好きで獣医師になり、今は飼い主から「ありがとう」と言われることが何よりも励みになると優しい目で話す溝呂木先生に、診療のモットーや人材育成などについて、熱く語っていただいた。 (取材日2012年1月26日)

獣医師は技術と質にこだわる職人。目指すは1.5次診療

こちらの医院を開院されてどれくらいになりますか?

現在の場所に移転してから12年になります。1989年にすぐ近くの別の場所で開業しましたが、手狭になったのでこちらに移転しました。ですからこの地で開業して22年になりますね。患者さんはご近所の方はもちろん、近隣の区から車で来てくださる方もいます。この地に開業したのは子どもの頃から住み慣れた場所だったからですね。今はすっかり住宅街ですが、僕が子どもの頃は山や田んぼばかりで、日が暮れるまで走り回ってクワガタやザリガニを採って遊んでいました。

先生の考える1.5次診療についてお聞かせください。

当院は1次診療の動物病院ですが、一歩踏み込んだ診断と治療ができる、1次診療と2次診療の間の1.5次診療ができる医院でありたいと考えています。横浜市は、2次診療のできる大学病院などがたくさんありますから、必要な時にはすぐに大学病院へということが地理的に可能です。しかしその前に、飼い主さんの希望はどこまでか、そして、病気の要因をいくつかに絞り込んだ上で、確定診断と治療のために大学病院へ受診する必要があるか否か、また必要であれば、どの2次診療施設が良いかを考えるというのが僕の考える1.5次診療です。僕はもともと、整形外科や腫瘍外科に興味があり知識も経験も蓄えてきました。設備も整え、できる限り対応できるようにしています。もちろんすべてをお受けすることはできませんので、状況に応じて大学病院と連携をとっています。

1次診療から0.5積み上げるために必要なことはなんでしょうか?

僕は、獣医師はある意味、職人だと思っています。だから、自分の仕事にプライドを持ち、技術と質にこだわった診療をすることが大切だと思いますね。もちろん、僕だけが向上しても仕方がなく、動物病院はチーム医療ですから病院全体で仕上げていくことが必要になります。そのため、1ヵ月に数回、大学の先生をお招きしてメンバーと勉強会を開いています。医療の世界は日進月歩ですからね、勉強していかなければならないと思います。新しい医療機器も必要ですが機械を使うのは人ですから、使う人の技術と倫理観が大切になってくるんじゃないかな。人材育成の面から考えてもハードよりソフトを鍛えることが重要だと考えています。

飼い主が何を求めているか、ゆっくり話を聞く姿勢

診療で大切にしていることはなんですか?

いかに動物の苦痛をとるかということと、飼い主さんが何を望んでいるかをしっかり聞くことの両面ですね。例えば、MRI、CTは情報量が多く診断の役には立ちますが、麻酔の回数も増え費用もかかるので、全員の飼い主さんが行えるわけではありません。じゃあ、行えない場合はどうする?というところまで考える必要があります。僕は、いろいろな検査を駆使して解決しようとする獣医師側の思いと、飼い主さんや動物にとっての満足度は必ずしも一致しないと思っています。やはり、飼い主さんあっての動物だと思いますから、飼い主さんが何をどこまで求めているのかが大切になり、それに寄り添うことが重要だと感じています。

飼い主とのやりとりで心掛けていることはなんですか?

病院に動物を連れてきた理由を聞いた上で、なぜ検査をするのか、どうしてこの処置が必要か、そして費用のことも含めて丁寧に説明をするようにしています。また、僕が飼い主だったらどうするかな?と考えることで相手の立場に立ち、できるだけゆっくりと話を聞くようにしていますね。他方、動物は話すことができませんが、その代わりうそも言いません。痛いところに触れば痛いと反応します。だから、動物が訴える症状の客観的データと飼い主さんの主観をミックスして診療を進めています。ゆっくり話を聞くのって、簡単なようで難しいんですよ。若い時は、相手の話を聞き出すよりも、自分が一生懸命に話してしまいますからね。僕もこの歳になってできるようになった気がします。

若い先生の育成にも力を入れていますね。

はい。僕の指導は厳しくて有名です(笑)。一人の若者の人生に関わるわけですから、いいかげんなことはできません。僕がここまで来られたのも良い先生に出会い、厳しく育てていただいたおかげだし、そういう時代があってよかったと思っています。彼らが開業するにあたって必要なのは「ハート」。一生懸命仕事をすることと、できないことはできないと言う獣医師としての倫理観を持つことです。また、縦、横のつながり、ナナメのつながりを密にし、常にアンテナを張っていてほしいですね。僕は指導しながら、若いからこそ思いつく発想を吸収し、その代わりに僕の経験値を与えています。苦労は若いうちにしておいたほうがいいと思いますね。そうすれば、自分が指導する立場になった時に後輩の苦労がわかるし、相手をかばう気持ちも出てきます。それが結束したチーム医療に繋がるわけです。そんなふうに育てています。

患者からの「ありがとう」という言葉がパワーの源

リフレッシュ方法はありますか?

当院は年中無休ですから基本的に休みはありません。忙しいから休む暇がないというより、獣医師の仕事が好きなんですよね。獣医師の仕事は臨床だけではありませんから、普段とは違うアプローチで仕事をすることで気分転換になりますね。そういった意味では仕事がリフレッシュ方法かな?趣味を持たなきゃだめだってよく言われるんですけどね。若い先生と食事をしたりお酒を飲んだりする時間は好きですね。そういう時は仕事の話は一切せず、音楽の話や好きなことの話題で盛り上がりますよ。僕にとっては楽しい時間だけど、若い先生たちは「早く帰ってくれ」と思っていると思います(笑)。

飼い主におすすめしたいことはありますか?

早めに動物の体の異常に気づいてあげてください。治療に費用をかけるよりも、予防に費用をかけてあげることが必要だと思いますね。また、当院ではマイクロチップの普及に努めています。個体識別番号があれば、飼っている動物がいなくなった時、見つけ出す大きな手がかりになり責任所在もはっきりしますからね。興味のある場合はぜひご相談ください。でも、何よりも大切なのは、一度動物を飼ったら責任を持って飼い続けるということですね。

読者のみなさんにメッセージをお願いします。

動物病院を選ぶ時は、散歩で行く公園などで情報収集することが効果的ではないでしょうか。クチコミなどを頼りに訪ねてみて相性が合う病院が見つかればそれが一番いいと思います。当院もクチコミで来られる方が多いですね。評判を聞いて来てくださるとうれしいし、期待に応えようと一生懸命に診察しますよ。その結果、患者さんから「ありがとうございます」って言われると、襟を正さなければと思うし、何よりもその一言が獣医師のパワーの源となります。「ローマは一日にしてならず」と言うように、一つ一つ正直に丁寧に仕事をしていくことが大切だと思います。信頼関係を築くのには時間がかかりますが、壊すのはあっという間ですからね。獣医師という仕事にプライドを持ち、前向きに少しずつ進んでいくこと。僕がするべきことはそれ以上でもそれ以下でもありませんね。

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