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松倉源太郎 院長の独自取材記事

洋光台ペットクリニック

(横浜市磯子区/洋光台駅)

最終更新日: 2023/01/22

洋光台駅から徒歩5分。コープかながわの向かいにある「洋光台ペットクリニック」は、オレンジ色の十字と緑色の医院名がひときわ目を引く白い建物。木製のベンチが置かれ、自然光がたっぷり入る院内は、待合室と診察室をあえて壁で仕切らないオープンスペースとなっている。そんなあたたかい雰囲気に包まれつつも、血液・超音波・内視鏡など幅広い検査機器から、レーザーなど特殊な外科器具までが揃い、術後の経過観察が必要な動物が入院するICUも完備。また、ペットホテルやトリミング施設、しつけ教室も設けられ、動物ためのトータルケアが可能だ。さわやかな笑顔の松倉源太郎院長は、その迅速で的確な診療が評判で、近隣住民だけでなく遠方からの来院も多い。スタッフと動物達の明るい声が響くクリニックで、松倉院長の熱い思いを語っていただいた。 (取材日2012年10月12日)

動物の総合病院として、治療の選択肢を幅広く持つ

外観や内装がとても印象的ですね。どんな点にこだわったのでしょうか?

まずは、待合室と診察室の間に壁を設けず、オープンスペースにした点です。飼い主さんと動物達の不安な気持ちが少しでも和らぐよう、診察中の様子が見えるようにしました。オープンスペースの奥には、個室になっている診察室や手術室、ICUを備えた検査室があります。2階にトリミング施設を作ったのは、通常のトリミング専門店ではひどい皮膚病や心臓病など重い病気の動物たちを受け入れてもらえないという事情があるからです。だったら、獣医師のもとで治療も含めて対応しようと考えました。実際、トリミング中に病気を見つけることも多いんですよ。外観については、急患の方がすぐにわかるよう、また医療行為を施す場としての信頼感が伝わるように、白とグリーンを基調にしました。

診療する上でのポリシーはありますか?

自分のポリシーといったものは、あまり考えたことがありませんね。医師がなにか大義名分を振りかざすよりも、飼い主さんと動物たちが必要としている治療に対して常に誠実でありたいと考えています。目の前で苦しんでいる動物をどうしたら治してあげられるのか、そういう気持ちにただ突き動かされてきただけ、と言ったらカッコよすぎでしょうか(笑)。動物は自分の病状について説明することはできませんし、一方私は人間ですから、見たこともなうような疾患に出くわすこともあります。毎回の治療が新しい挑戦の連続で、必要に迫られて設備も整え、現在ではさまざまな病状に対応できるようになりましたが、あえて専門化しようとは考えていません。スペシャリストになることよりもジェネラリストであること――あらゆるケースに対応し、飼い主さんと動物の性格・年齢・生活環境を考慮した上で、最良の治療を選択するための引き出しをたくさん持つことが、私たちホームドクターの役割だと思っています。当院で治療できるのか専門医に診てもらうべきなのか、適切な振り分けを行うことも私たち一次医療を担う者の仕事であり、必要な場合はより高度な治療を受けられる二次病院に紹介しています。

インターネット上でもご評判の先生。遠方からの来院も多いそうですね。

私は近隣にお住まいの方にとってのホームドクターであることはもちろんですが、遠方からも多くの患者さんに来ていただきたいていることを大事に思っています。最近は、飼い主さんがインターネットで調べた情報をもとに、「こうやってください」と治療の要望を伝えられるケースもありますが、適切な治療法は症例ごとに異なり、そう簡単にはいかないのが現実なんです。私たちはプロとして診断し、最良と思われる治療を提供するために、多くの選択肢を持てるよう常に努めています。たとえば、当院では超音波検査・内視鏡検査・血液生化学検査など幅広い検査機器をはじめ、炭酸ガスレーザーや癌の温熱療法(ハイパーサーミア)のような特殊な外科器具も揃え、院内での対応を充実させつつ、必要性に応じて専門医への紹介も行っています。また、夜間の診療にもできる限り対応していますが、クリニック単体ではやはり限界があります。そのため、有志の獣医師が集まって、2004年に「横浜夜間動物病院」を立ち上げたんです。

夜間動物病院の立ち上げに参加。ホームドクターとして地域医療の底上げと連携にも尽力

先生が立ち上げに関わられた「横浜夜間動物病院」について教えてください。

多くの動物病院が閉まっている夜間、動物と飼い主さんの不安や不自由を解消しようという目的で設立されたのが、「横浜夜間動物病院」です。菊名の藤井動物病院の院長・藤井康一先生を中心に有志が集まり、大阪にある病院をモデルケースとして2004年に立ち上げました。やはり個人病院での夜間診療には限界があり、夜間専門の病院の必要性を痛感していたので、私も立ち上げメンバーとして参加しました。理事として無償で運営に携わり、6年間の任期が終わったところです。現在は、「DVMs(ディーブイエムズ)どうぶつ医療センター横浜」の救急診療センターと名前を変え、昼12時〜翌朝9時まで専門医が診療を行っています。また、動物の医療も着実に進歩し、昔は治せなかった病気についても治療の可能性が増していますが、個人病院がすべてを担えるわけではありません。そこで、同じく「DVMs」の中に、二次診療センターが設けられ、高度な医療に特化した各専門医を配置、CTも備えています。CT設備は高額で、個人病院での導入はなかなか難しいため、非常に助かっています。ただ、患者さんは、基本的にはそれぞれのクリニックの先生に診てほしいと思って来院していると思いますので、専門医によってある程度の処置が終わったら、またクリニックに戻っていただくことも可能です。

ホームページに急患専用電話として携帯番号が載っていますね。

夜間病院を紹介したものの、そこへ辿り着く前に具合が悪くなってしまったらどうしようとか、いろいろ考えてしまうんですよ。そのために、診療時間外でも当番制でスタッフが携帯を持つようにしています。と言っても、夜中にスタッフが揃わないまま私が一人で治療をするのと、夜間病院の獣医師がきちんと態勢の整ったなかで治療をするのとではどちらが良いか考えます。動物の状態や患者さんの気持ちを考慮して、私が診たほうが良いと判断すれば診ますし、夜間病院が良いと思ったら紹介をしています。こうした総合的なサポートも含め、地域医療を担うホームドクターとしての役目だと考えています。

院内でも犬や猫を飼っているのですね。

犬が2頭、猫が1匹いるんですが、この子たちは輸血用の血液を分けてもらう、供血犬と供血猫なんです。動物病院の中でしつけのプロに囲まれているんですが、大人しいというよりは元気いっぱいに育っています(笑)。人間の献血と同じで、動物も手術の際など輸血する血液が必要となることがあります。以前、夜間病院などでも輸血システムを構築しようとしたことがあるんですが、なかなか難しい面が多く、現状では個人的に対応するしかないんです。そのため、健康管理をしっかりしつつ、必要な時に必要なだけもらっています。当然、生き物からもらうものなので、湯水のように血があるわけではありません。まず、若くて健康で体が有る程度大きくなくては血は採れませんし、一度血をもらったら2週間は時間を空けなくてはなりません。たまに、供血犬・猫がいるという情報をもとに、輸血だけしてもらいたいという問い合わせがあるのですが、お断りせざるを得ないのが心苦しいところです。あくまでも、当院で手術をして血液が足りない場合や、合併症が起きてしまってどうしても輸血が必要という時に動物たちにもらっているので、不足している時の方が多く、かかりつけの患者さんに協力をお願いすることもあります。とくに大型犬を飼われている方は、お友達のネットワークを生かして、同じくらいの体格の子に万一の場合は輸血をお願いできるよう約束しておくことをおすすめします。

動物の健康のために、飼い主が日頃からできることはありますか?

もちろん、飼い主さんがちょっとした変化を感じ取り、来院していただくことが一番ですね。体になんらかの症状が出る前に、定期的なチェックによって病気を早期発見できれば、治癒の可能性が増すのはもちろん、万一手術が必要な場合であっても発見が早いに越したことはありません。そして、当院で行える対策としては、血液検査以外に年に1〜2回はエコー(超音波)検査を受けることをおすすめします。健康診断などの際に、エコー検査は血液検査と同等かそれ以上の価値があると私は考えています。エコー検査なら、胆のうや肝臓の疾患・心臓病・膀胱結石・副腎や腎臓などの疾患・脾臓の腫瘍などが簡単に発見でき、その中には血液検査では発見できない病気も多く存在します。腫瘍はたとえ良性であっても、大きくなりすぎて破裂するような危険なケースもあります。もちろん、CTによる検査が一番いい方法ではありますが、全身麻酔を施すため、健康診断としては簡単にお勧めすることはできません。動物の性格・体格にもよりますが、エコーは麻酔を使用することなく、そのままの状態で検査可能です(腹部の毛を刈ることはあります)。是非、定期的な健康診断として活用していただくといいですね。

両親から受け継いだクリニックで、命の尊さを実感する毎日

開院の時期とこれまでの経緯について伺えますか?

開院は父の代ですので、1974年になります。元々はこの近くのビルの3階にクリニックがありました。私自身は、大学でははじめ農業生物学科を卒業し、その後3年次から獣医学科に再入学しました。獣医学科では、高度医療研究室に在籍して外科一般を学びながら、DIC(止血異常)という病気を中心に扱っていました。血が止まらなくなって最後には死に至ってしまうものなんですが、この臨床面での研究が卒業論文のテーマでした。卒業後はすぐに当院で仕事を始め、ひたすら実践そして勉強、また実践の毎日。勉強会に参加したり、同じく外科系の獣医師だった母や知人に教わりながら、ここまでやってきました。父は現在、静岡で診療を行っていますが、お互いによきライバルだと思っています。昔はあまり似ていなかったと思うのですが、最近は父の昔からの知り合いに、息子がそっくりだから父がいなくてもさびしくないな、なんて言われたりします(笑)。

診療で多忙な先生。趣味についても聞かせてください。

昔から体を動かすことが好きで、足もけっこう速かったんですよ。小さい頃は野球で、中学からはサッカーをしていたし、大学ではテニスにスキューバ、スキーなどに打ち込みました。好奇心は旺盛なほうなので、サックスを習っていた時期もありましたね。そんな中で、ずっと続いている趣味は釣りです。釣った魚を自分でおろして、お酒と一緒に楽しんでいます。以前、大学時代の恩師のもとに魚が届いたことがあり、その魚をきれいにおろしたら、「お前はこんなふうに魚をさばけるんだから、きっと手術がうまくなるに違いない」と言われたんです。その言葉が本当にうれしくて、今でも手術に臨むときはその言葉を思い出しています(笑)。

では、最後に読者へのメッセージをお願いします。

動物を飼うときは、愛情と責任を持ってきちんと最期まで看取ることは当然ですが、亡くなってしまった後でもやっぱり飼ってよかったな、そう感じていただきたいですね。お別れのない動物はいませんから、飼い主さんが、もう二度とこんな思いをしたくないと後悔しないよう、納得のいく最期を迎えさせてあげるのも、獣医師の大事な仕事だと考えています。幸い、当院の患者さんは、「また先生に診てもらいたくて」と新しい子を連れてきてくださる方が多いんです。命を守るというのは、本当に簡単なことではありません。治療をする際にも、助かると思っていたのに亡くなってしまった子もいれば、これはちょっと難しいかなと思った子が元気を取り戻すということもあります。命とは、本当に難しく重いものだと、一頭一頭を診る度に感じています。私の自宅でも犬を飼っていますが、実は子どもたちよりも犬のほうが地位は上なんです。もちろん、噛みついたりはしませんし、最低限のしつけはできています。でも、犬たちは我々夫婦と子どもたちの間の順位だと思っているようです。動物を家族の一番下に順位づけさせる一般論とはちょっと異なりますが、子どもたちの動物を敬う気持ちが自然と育つのではないかと思い、そんな関係を見守っています(笑)。

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