腫瘍と上手につきあい、QOLを向上させる動物のための緩和ケア (洋光台ペットクリニック ) | 動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル

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洋光台ペットクリニック

洋光台ペットクリニック

松倉源太郎院長
 
医療トピックス

腫瘍と上手につきあい、QOLを向上させる動物のための緩和ケア

洋光台ペットクリニック
動物の腫瘍も人間と同じく、外科手術・抗がん剤・放射線を用いるのが標準的な治療法だ。ところが、部位や進行度により、その3つの治療が適用できない場合もある。そこで登場するのが、QOLを向上させるための代替治療。免疫療法やサプリメントなどさまざまあるが、体表面にあるが手術が適用できない腫瘍に効果的なのが、動物版「ハイパーサーミア(温熱療法)」だ。熱に弱いというがん細胞の特徴を利用するハイパーサーミアは、臭いや出血だけでなく痛みを抑え、手の施しようのない症例に対して目を見張るような効果を発揮することも少なくない。動物病院ではいまだ珍しい、ぺット向け腫瘍治療装置「ネオシーキューブ」によるハイパーサーミアについて、洋光台ペットクリニック院長・松倉源太郎先生にお話を聞いた。(取材日2013年1月21日)

「目に見えるのに取り除けない」腫瘍に有効なハイパーサーミア

Q 腫瘍の早期発見のために、どのようなことに気をつければいいですか?
▲内臓にできる腫瘍は簡単な検査では診断しにくいため、発見に時間がかかる
人間と同じく、さまざまな場所に腫瘍ができるため、腫瘍を疑ったほうがいいサインも一様ではありません。表面に現れるものであれば、見たり触ったりすればすぐに判別がつくんですが、怖いのは、お腹の中や頭の中など、直接触れることができない部分です。「元気がない・食欲がない・痩せてきた」など、あらゆる症状において腫瘍が関連している可能性があるため、疑わしければ、レントゲンや超音波検査・血液検査などが必要となってきます。ただ、腸にできるリンパ腫などは、初期には見た目の変化が現れないこともあるので、判断できません。そうなると、内視鏡を使ったり、開腹して確認したりするしかないんですが、麻酔をともなう検査は動物への負担も大きくなります。早期発見をするためにも、普段から目を配り、いつもと違った様子が続く時などこまめに受診していただくことをお勧めします。

Q どのような腫瘍にハイパーサーミアは有効ですか?
▲洋光台ペットクリニックでは、血管シーリング装置など外科設備も充実
体の表面に現れているけれど、外科手術で取り除くことが難しい腫瘍に有効です。例えば、神経や太い血管の近くにできてしまったり、患部を取り除いた後に人工器官で機能を補わなければならない場合などです。原則としては、動物の腫瘍も人間の場合と同じく、外科手術・抗がん剤・放射線による治療が基本です。ハイパーサーミアは、そういった根本的治療では解決しきれない場合に、痛みや臭い・出血などを和らげ、QOLを少しでも向上させるために施すものです。動物のための治療器である「ネオシーキューブ」は、患部に電熱棒を差して温度を上げるため、人間のハイパーサーミアのように高い体内部に働きかけることはできませんが、高いポテンシャルを持った治療であることは確かです。緩和ケアのひとつの手段として、一人でも多くの方に存在を知っていただきたいですね。

Q ハイパーサーミアの仕組みについて教えてください。
▲ハイパーサーミアの治療費は患部の大きさによって異なる
ハイパーサーミアは、熱に弱いというがん細胞の特徴を利用して、患部を高温にしてがん細胞を死滅させる治療です。死滅したがん細胞が再生することはありませんが、正常な細胞は自然治癒力によって再生します。動物に対しての温熱療法では、患部に緑色の薬品を注入し、特定の波長の光を当てて、緑の色素を発熱させる方法が知られております。当院では、約70℃の針を患部に刺し、その周囲1?を40〜50℃に保つ手法を導入しています。患部は、一時的に低温やけどと同じ状態になりますが、神経や血管があれば正常な細胞はすぐに復活します。一方、がん細胞には自ら治癒する力がないため、だんだん腐って脱落していってしまうんです。患部はいったん見た目が悪くなりますが、次第に再生してきれいになっていきます。

Q 具体的にどのような症例がありましたか?
▲ハイパーサーミアは、標準治療との併用も可能
先日、治療した猫の場合、耳の下にある唾液腺に腫瘍ができていました。ここは、神経や太い血管が集まる場所で外科手術はたいへん難しいため、ハイパーサーミアを適用しました。結果として、左の写真にある通り、ほんの数回の治療で症状は大きく改善しました。また、肛門のまわりに10センチほどの腫瘍ができてしまった犬は、患部が破裂して露出し、血や膿があちこちに付いてしまうような状態でした。腫瘍をごっそり切除してしまうと人工肛門になり、管理がたいへんになってしまうため、ハイパーサーミアを用いましたが、ほぼ正常犬と同じ見た目にまで回復しました。当院での例では、1回の治療で、1ヵ月〜1ヵ月半くらいの期間に確実に結果が出てきますね。手術は無理だと判断したケースでも、ハイパーサーミアにより、臭いや出血が緩和され、非常に喜んでいただいています。

Q ハイパーサーミアを施すことができないケースについて教えてください。
▲二次・夜間診療を行う「DVMsどうぶつ医療センター横浜」との連携もしている松倉院長
全身にわたる腫瘍や内臓の腫瘍などは厳しいですね。骨そのものの腫瘍や、腫瘍が骨に接している場合も難しいと考えられます。骨に熱を加えると、骨が腐ってしまうおそれもありますし、骨は熱伝導率が高く、与えた熱が逃げてしまって、効果が現れにくいということも考えられます。そのため、ある程度、限られた症例に施すということになります。先ほどの例などはかなり悪性の腫瘍だったんですが、2度にわたるハイパーサーミアと抗がん剤治療を併用したことで、私も驚くくらい症状が改善しました。現在も、とくに再発などはしていません。ハイパーサーミアによって必ずしも完治するわけではありませんが、少しでも快適な生活が可能になり、再発までの時間が延びるのであれば、意味のある治療だと考えています。

松倉源太郎院長からのメッセージ

ハイパーサーミアは、がんのいわゆる3大治療ではなく、緩和療法の領域ではありますが、一部の症例にはとても効果的です。人間に行う場合は電磁波を利用して熱をつくるため、体内部のがんにも効き目がありますが、動物に使用するネオシーキューブは、患部に直接熱を与えるので体表面の腫瘍の治療がメインとなります。目に見える場所にあるのに大きな神経や血管があって手術できなかったり、高齢などの理由で麻酔をかけられない動物も、場合によっては局所麻酔で処置ができることもあります。治療をあきらめてしまう前に、選択肢の一つとして考えていただきたいので、ぜひお問い合わせください。

 
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