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柏木 龍 院長の独自取材記事

美しが丘動物病院

(横浜市青葉区/たまプラーザ駅)

最終更新日: 2023/01/22

太陽が一番高いところをまわり、午後の日差しも落ち着いてきた頃。たまプラーザからバスで10分ほどの住宅街にある保木公園にはカラフルなリードで繋がれた犬たちがお散歩にやってくる。そのワンちゃんたちの社交場脇に、2011年2月開院したのが「美しが丘動物病院」だ。スッキリと清潔感のある待合室。通りからは、広いトリミングスペースも見える。出迎えてくれたのは看板犬のトイプードルだった。「常に自分のうちの子を扱うのと同じ気持ちで接しているんです」と、にこやかに微笑む柏木龍院長。眼鏡の奥の瞳がとてもやさしい。穏やかな表情のなかにも、芯の通った熱い思いが伝わってくる。大学では解剖学を学び、DNAなど遺伝子の研究に没頭。柏木院長自身がアレルギーで悩まされてきた経験から、動物のアレルギーの診療にも積極的に取り組んでいる。トリミングや夜間診療にも力を入れ、いつも動物たちのトータルケアを目指してきた。「常に敷居は低く、動物にとっても、飼い主さんにとってもやさしい病院でありたいと思う」という柏木院長に、日々の診療で感じることやトリミングの大切さ、夜間診療に対する思い、獣医師を目指した理由など、じっくりと伺った。(取材日2011年7月7日)

力を入れているのは動物のアレルギーの診療。トリミングや夜間診療にも積極的に対応

とても温かみのある、きれいな動物病院ですね。

ありがとうございます。2011年2月に開院したばかりです。もともと僕は新百合ヶ丘の出身で、このあたりには昔から馴染みがあったんです。院内は、動物たちが入りやすく感じてくれるのはもちろん、飼い主さんにも「入ってみよう」と思っていただけるような雰囲気を心掛けました。女性の飼い主さんも多いですから、たとえばトイレ1つでも病院の印象は大きく変わります。そういったハード、ソフト両面から心地よく感じていただけるような配慮もしています。いらっしゃるのは近くにお住まいの方がほとんどで、やはりワンちゃん、ネコちゃんが中心。小型犬が多いですが、僕は勤務医時代には大型犬の診療も多く経験しているんですよ。このあたりは動物のケアに熱心な方が多く、散歩に一番最適な時間にワンちゃんを連れて来られるのを見て、本当に時間も手間もかけていらっしゃるなあと実感しています。時々、犬猫以外の動物も診療に来ますが、以前勤務していた動物病院は比較的ヘビやカメ、ウサギ、トカゲなどが多かったので、ある程度の対応はできます。常に「とりあえず連れてきてください」という気持ちで診療にあたっているんですよ。

動物の皮膚病やアレルギーの診療に力をいれていると伺いました。

僕自身がアレルギーや喘息を持っており、身をもってつらさを知っているので、その分野にはずっと興味がありました。僕はまだ若手ですから、何十年単位で「昔はこうだった」という比較はできませんが、それでもやはり動物のアレルギーは増えていると感じます。よく人間も、潔癖にきれいにしすぎると逆に良くないという話を聞きますが、もしかするとそれに近いところがあって、ペットにいろいろ食べさせ過ぎたり、過保護にし過ぎたため、人間が原因でアレルギーが出てきているのでは?という気もしています。アレルギーは人間でも完全に治すのが非常に難しいとされており、動物にも同じことが言えます。ですから、「この程度なら我慢できる」という着地点をみつけることが大事だと思っています。いろいろと新しい治療法などもありますから、費用や効き目なども考慮し、動物、飼い主さん、双方に最適な着地点を見つけていくのが僕の役目かなと思っています。

通りからも見える、広いトリミングのスペースが印象的ですね。

トリミングは需要も多いですし、僕の妻がトリマーで、開業前に7年ほど経験を積んでいましたから、最初からトリミングもしっかりやりたいとスペースも広く取りました。トリミングは見た目のきれいさや、飼い主さんがカットを楽しむという面があるのと同時に、爪切りひとつとっても動物の健康を保つために大切なことなんです。たとえばプードルなどは毛が伸び放題になっていると皮膚の状態も悪くなり、病気の原因にもなりかねません。また、トリミング中に飼い主さんが気付いていないような小さな異変に気づく場合もありますが、動物病院と一体化していることで次の診療へ素早く対応することも可能になります。そういったことを考えても、トリミングが動物病院と一体化しているというメリットは、飼い主さん、病院側の双方にあると思っています。ほかの動物病院に通っているけれど、トリミングだけはここで、という方もいらっしゃいます。「どんな病院だろう」と思っている方にとっては来院のきっかけにもなりますから、とても大事だと思いますね。

夜間診療にも力を入れていらっしゃるそうですが。

これまで僕は2つの動物病院で修業してきましたが、両方とも夜間診療対応でした。24時間開院しているわけではなく、夜間にかかってきた電話が自分の携帯電話に転送され、お話を聞いて緊急性を判断、必要があれば病院を開ける、という対応を6年くらいしてきました。電話のみでは判断できない場合もありますが、心配な事があれば、とりあえず電話してください。僕自身にとってみれば、自分の健康のことなどを考えると大変な部分もありますが、今は若さもありますし、お酒も飲めないので夜間診療を断る理由もありません(笑)。もちろん、24時間起きているのは無理ですし、夜中眠らずにいて昼間診療ができなくなってしまっては本末転倒ですから、そこはバランス。体調の悪い時もありますが、なるべく待機していてあげたいという思いはありますね。

大学では解剖学を学び遺伝子やDNAについて研究。獣医師以外の世界を知ったことは大きなプラスに

先生はなぜ獣医師を目指されたのですか。

高校卒業の時、自分の思い描く進路は建築家か獣医師かという選択でしたが、建築家になるためには大学の受験科目で物理が必須。でも物理がとにかく苦手だったんですよ。もともと子どもの頃からずっと犬を飼っていましたし、ただ単純に動物が好きだったというのが獣医師を目指した一番大きな理由だと思いますね。今、とても充実していますし、基本的に僕は後ろを振り返らない性格(笑)。この道に進んで良かったと思っています。

大学では遺伝子やDNAについて学ばれたそうですね。

進学した東京農工大学獣医学部で所属したのが解剖学研究室だったんです。そこは一般的なイメージのマクロな解剖ではなく、遺伝子や染色体、DNAなどミクロの解剖を専門にするところ。人間のがんなどについて研究することにも興味を持ち、最初は国立遺伝学研究所で勉強しました。大学を卒業して診療を始めると、僕らはすぐに「先生」と呼ばれますから、一歩間違えると偉くなったように勘違いしてしまう場合もあります。別の視点から学ぶことを経験したことで、まったく違った世界を知り、とてもプラスになったなと思っているんですよ。

お休みの日はどのように過ごされていらっしゃるのでしょう

今、まだ開業して間もないですから、現実的には仕事に追われてしまうことが多いですね。神奈川県内に、私財を投げ打って保護犬の世話をされている方がいて、時々、そこでワクチンなどのお手伝いをさせていただくこともあります。本を読んで過ごすことが多いのですが、基本的に僕はインドア派。人と話をするのも好きですから、普段の診療でストレスがたまるということもないんですよ。もう少し落ち着いたら、外で体を動かすような趣味を見つけたいですね。

常に敷居は低く、自分のうちの子を扱うのと同じ気持ちで接しながら診療していきたい

診療するうえで一番心掛けていらっしゃるのはどんなことですか。

常に自分のうちの子を扱うのと同じ気持ちで接する、ということですね。触り方1つでも、「うちの子がこう扱われたら嫌だろうな」という気持ちを忘れずにいるよう心掛けています。それに、いくらベストな治療をしても飼い主さんが満足されていなければダメですから、できるだけ飼い主さんの意思を尊重し、好きなようにしていただきたいと思っています。本当に食べさせてはいけない、たまねぎやチョコレートなどにさえ気をつければ、多少太めでも、何をあげてもいいんじゃないかな、というスタンスです。「これはしていいですか」「あれはしちゃダメですか」とよく聞かれますが、よっぽどでない限りは「まあ、いいですよ」と、ひとこと目に言ってあげたい。許容の幅はかなり広いほうだと思います。獣医師として動物のことを考えるのはもちろんですが、最終的には飼い主さんと、人としての信頼関係がとても大事。一番極端なことを言えば、結果的にペットは亡くなってしまったとしても、「ありがとうございました」と飼い主さんに納得していただくことが、僕ら獣医師の目指すところだと思っています。

とてもかわいらしい看板犬がいらっしゃいますね。

6歳半になるトイプードルですが、とても人懐っこく、愛想がいいので、いつもクリニックの雰囲気を和ませてくれます。待合室から外を眺めていて「友だち」を呼び込んでくれることもあって。実にいい仕事をする働き者なんですよ(笑)。もちろん散歩にも連れて行きますから、公園仲間もできますし、「あそこの先生はプードルを飼っているから、プードルのことを聞きに行くといいよ」という口コミでいらしてくださる方もいらっしゃいます。看板犬がいるだけで、ずいぶん違いますね。

大事なペットの健康を守り、快適に楽しく生活を送っていくために、読者にメッセージをお願いします。

楽しく動物たちとの時間を過ごしてほしいので、できるだけ厳しいことは言わずにいたいと思いますが、楽しむというのと甘やかしすぎるというのは意味が違います。厳しくしつけるのも愛情だと思いますから、そのバランス感覚を持って動物たちと接してあげてほしいですね。また、時々、安さを売り物にしている動物病院もありますが、そういうところは、たとえば麻酔の種類や手術の方法など、必ずどこかにしわ寄せがきているはず。本当に動物のことを考えるなら、料金で病院を選ぶのではなく、獣医師の人間性を見て選んでほしいと思います。僕がこれまで目指してきたのは、広くいろいろな診療をするジェネラリスト。町の動物病院としてプライマリーな一次診療はきちんとやっていきたいですし、常に敷居は低くしていたいと思っているので、ぜひ気軽にいらしていただきたいです。ペットは家族の一員とか、わが子より大事とか、飼い主さんによって感じ方も違いますが、それは言わば、それぞれの哲学のようなもの。その飼い主さんお一人お一人の思いを大切にしながら、動物にとっても、飼い主さんにとってもやさしい病院でありたいなあと思います。

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