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西條 宏 院長の独自取材記事

西條アニマルクリニック

(横浜市泉区/立場駅)

最終更新日: 2023/01/22

戸塚駅から車で10分、ブルーライン立場駅から徒歩10分の、「西條アニマルクリニック」を訪ねた。軒先では、推定10歳ほどというミドリガメの「カメ子」が迎えてくれる。「通りがかりのご近所の方が、よくカメ子に声をかけてくださるんです」とにこやかに話してくださったのは、西條 宏院長だ。日本大学獣医学科を卒業後、奈良・東京・川崎での勤務を経て、生まれ育った泉区で開業されたのは2002年のこと。ご専門の内科・循環器科を中心に、ペットの健康のあらゆるトラブルに対応してくれる。また、健康診断にも積極的だ。プライベートでは1歳の男の子をもつお父さんで、「家族で買い物に行くのが楽しみです」とにこやかに話される西條院長。インタビューでは、診療方針や治療の詳細はもちろん、学生時代・勤務医時代のお話、ご家族や愛犬・愛猫のお話まで、たっぷりとお聞かせいただいた。 (取材日2012年9月12日)

タイプの違う3病院での勤務経験が大きな糧に

獣医師になった理由を教えてください。

小さい頃から生き物が好きで、生き物に携わる仕事がしたいと思っていました。家族もみんな動物好きだったので、小鳥から犬・小動物までいろいろと飼っていて、姉と交代で小鳥の世話をしたりしていましたね。僕はどちらかというと虫のほうが好きで、バッタやカブトムシを捕るのに夢中でしたし、図鑑も大好きでした。小学生の時は動物カメラマンや学者に憧れていましたが、高校生になって獣医という道があることに気づいて、志すようになったんです。

そして、日本大学獣医学科に進学されたのですね。

はい。大学で印象深かったのは解剖実習です。冷凍されたウシ一頭をまるごとみんなで解剖して、骨や筋肉のスケッチなんかをしていくんです。また、1年生から3年生までが所属する研究サークルでは、生きている犬を薬殺して解剖したこともあります。当時も犬を飼っていましたし辛かったですが、当然、動物の体をしっかりと理解できなければ臨床獣医になれませんから、一生懸命取り組みました。4年生からは第2内科学研究室に所属し、より臨床に即した勉強をしました。また、小さい頃からお世話になっていた近所の動物病院でアルバイトをさせていただいたこともあります。実際に動物や飼い主さんと接してみて、人と人とのお付き合いを大切にできる開業獣医になりたいなと改めて思いました。

卒業後は5年間勤務医として経験を積んだそうですね。

最初の勤務地は奈良県桜井市の個人病院でした。そこを選んだのは、一度地元を離れてみたかったこと、院長の人柄に惹かれたこと、そして、地元の泉区と似た感じの土地柄だったからです。ゆくゆくは地元で開業するつもりでしたので、地元と同じようなのどかな桜井市は、勉強にちょうどいい土地だと思いました。あと、僕はそんなにしゃべりがうまくないので、関西に行ったらしゃべりの修業にもなるかなと(笑)。実際、奈良の患者さんはよくしゃべる方が多くて、「関東弁しゃべってると気取ってみられるから、奈良弁覚えや」って言われて、苦労して奈良弁を覚えました(笑)。1年目から助手としてすべての治療に参加させてもらえて、その経験が今の僕の基礎になっていると思います。その後、都会の病院も見ておきたいと思い、東京・大森で、ペットショップの関連病院に1年間勤務しました。動物たちの予防接種や健康管理が中心で、一人での診療経験も多く積めました。そして最後に勤務したのは、川崎の大きな動物病院です。外科・内科・救急に組織が分かれていて、僕は1年間は内科、残りの半年は夜間救急専門でした。勤務医時代に、田舎の個人病院・都会の病院・大病院と、違ったタイプの病院で勤めさせてもらったことは、とても大きな経験になりましたね。それぞれの病院ならではの方針や治療法を学ぶことができました。

十分な説明と複数の治療プランの提示を心がける

設備面でこだわったことはありますか?

採血した血液を測定する生化学検査機器です。機械の立ち上げから20分くらいで結果がわかるので、外部の検査機関に出すよりも格段に早く、診断・治療に移ることができます。生化学検査機器を持たない動物病院もあると思いますが、僕は検査結果をすぐに知りたかったので、これだけは導入すると決めていました。

診療に際に気をつけていることは何ですか?

飼い主さんに、なるべくわかりやすくご説明し、複数の治療プランをご提案することです。例えば、エコーやレントゲンなどで異常が見つかった場合は、さらに詳しい検査に進むのか、当院でできる処置をするのか、しばらく様子をみるのかなど、僕のおすすめをお話しながらご要望をお尋ねします。ご意向によって、このクリニックでできる検査はやりますし、CTや血管造影などをご希望の場合は、日本大学動物病院をご紹介します。詳しい検査や大学病院での治療を望まれない場合は、当院で、できる限りの治療を行っていきます。

先生が力を入れている治療について教えてください。

循環器治療です。学生の頃から興味を持っていて、自分の研究分野とは別でしたが、循環器専門のチームの学生の横で、よく治療や実験を見学していました。開業後は日本獣医循環器学会に入り、研究会などにはできるだけ参加して新しい薬や治療法を取り入れています。僕は、完治する心臓病はそんなにないと思っています。ですから、完治はできなくても、なるべく長生きをさせてあげられる循環器治療をやっていきたいんです。そのためにも、動物が年をとってきてからは特に、健康診断による早期発見・治療が大切だと考えています。それともう一つ、奈良で勤務していた頃に手術の麻酔係をすることが多かったこともあり、麻酔にも興味をもって勉強しました。当院では、麻酔中に、心電図や血液中の酸素濃度を測定する麻酔モニターを導入して、安全な麻酔と手術のために最善を尽くしています。

クリニックではどんな治療を行っていますか?

当院でできる治療はすべて全力で取り組みます。例えば、胃や腸の切開・切除、耳道切除手術、膀胱結石、腫瘍切除などの手術、子宮蓄膿症の手術など、手術以外では抗癌剤などの化学療法も行いますし、可能であればなんでもやります。僕一人では難しい手術は、同期や後輩の先生に手伝ってもらったりもします。ただ、当院には整形外科の設備がありませんので、整形外科的なケガなどの治療はほとんどお受けしていません。簡単な骨折くらいでしたら治療しますが、そのほかの場合は、動物や飼い主さんのためにも整形外科専門の病院をご紹介しています。

動物も、定期的に健康診断を

飼い主さんや動物との、印象的なエピソードを教えてください。

開業当初からずっと診ている12歳の大型犬がいるんです。近所の子なので、診察がなくてもお散歩の途中に勝手にクリニックに入ってきて、後から飼い主さんが「すいませーん!」って追いかけてくるような元気な犬でした。その子がクリニックに来る目的は、受付にある、おやつの入った瓶なんです(笑)。「はい!」っておやつをあげると、「もらったもらった」って喜んでくれる、すごくかわいい子でしたね。ところが、その子が骨肉腫になってしまったんです。大学病院で左前足を肩から切除し、放射線治療をした後、当院で抗がん剤治療をしました。骨肉腫は体のあちこちに転移しやすく、生存期間がすごく短い重い病気です。でも、今、術後7ヵ月くらいですが元気にしてくれていて、いつもカートに乗って散歩しているんです。それが、1ヵ月くらい前かな、たまたまその子が散歩しているのを見かけたら、残った3本の足でしっかり立って、ちょっと小走りしていたんです。「走れるんだ!」と、その時は本当にうれしかったですね。

ご自宅でも動物を飼ってらっしゃいますか?

犬と猫が一頭ずついます。犬は柴系の雑種で14歳、老衰で認識不全に陥っています。猫は今8歳で、まだ目も開いていない仔猫の頃にうちのクリニックに来た子なんです。仔猫を連れて来られた方に「飼ってくれる方を探してくださいね」とお願いしてお預かりしたんですが、何回かミルクをあげてるうちに、母が、「もう、うちの子にしたらいいんじゃない?」って(笑)。そんなわけで、うちの子にしちゃいました。うちには今1歳の息子がいるんですが、息子は犬も猫も全然怖がらず、猫のしっぽをつかんだり追い掛け回したりして遊ぶので、僕と妻は猫に「逃げてー!」って言ってます(笑)。猫は、息子に触られたらもっと怒るかと思ったんですけど、意外にもされるがままですね(笑)。息子がかなり小さい頃から会わせていたので、息子を家族としてしっかり認識してくれているのかもしれません。

先生は、健康診断にも力を入れていらっしゃるのですね。

予防医療が健康の基本ですから、病気のタネはなるべく早期に発見して治療したいですね。当院の健康診断のメニューは、血液検査・レントゲン・糞便検査・尿検査・心電図です。飼い主さんが何か気になることがあれば、ホルモンの検査をしたり、エコーで全身をチェックしたりすることもあります。ペットの世界も高齢化が進んでいます。犬猫の飼い主さんには、7歳くらいになったら、毎年春のフィラリア検査のついでに採血して、血液検査することをお勧めしています。結果に問題がなければ毎年それだけでもいいですし、ご希望があればその他の検査も一緒に受けていただけます。10歳を超えたりして心配なことが出てきはじめたら、半年に1回健康診断を受けていただくのが望ましいですね。ペットを一番近くで見ていらっしゃるのは飼い主さんです。「最近できものが大きくなってきた」とか、「呼吸がおかしい」、「食欲がないみたい」など、変わったことがあったら、ぜひ診察にお越しください。

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