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岡野公禎 院長の独自取材記事

おかの動物病院

(横浜市港南区/)

最終更新日: 2023/01/22

2012年3月に開業したばかりの「おかの動物病院」は、広々として開放的だ。岡野公禎院長は、とても気さくで親しみやすく、質問に対する説明も丁寧でわかりやすい。常に動物と飼い主のことを考えていることは、話ぶりからも伝わってくるが、その思いが形になったものとして飼い主向けカルテの存在がある。初診時にファイルを渡し、診察ごとに病名や薬名を記したカルテをファイリングしてもらう。動物と暮らすことが初めてで、獣医師の説明を理解しきれないという飼い主にとってもこのファイルの存在は心強い。さらに、飼い主は検査や処置に同伴することができ、入院の付添いや手術の見学も可能となっている。奥様は動物看護師として、共に勤務している。動物の保定、手術のアシスタントなど、息のあった仕事ができるに違いない。おかの動物病院は、飼い主のさまざまな要求にきめ細かくこたえてくれそうだ。 (取材日2012年4月11日)

おかの動物病院オリジナルの飼い主向けカルテが大好評

3月に開院して約1ヶ月ですが、勤務医との違いを感じるのはどんな時ですか?

やはり、診断や治療などで悩んだ時に、隣に先生がいて相談できるのと、自分だけで判断しなくてはならないのは大きく違いますね。勤務医の頃は、動物達を治すことにばかりに気を取られていましたが、今は、治療のほかに、飼い主様を取り巻く環境を気にするようになってきました。住まいは病院から近いのか、家族の構成は、どのくらいの頻度で通院できるのかなど気になることはたくさんあります。その理由として、動物達への治療には、飼い主様の協力が不可欠と考えているからです。動物たちは自分で病院にも来られませんし、薬を飲むこともできません。すべて、飼い主様が動物達にやってくれるから治療が成り立つと考えています。私が行うことは動物医療のほんの一部分だけです。飼い主様の治療、動物たちの治りたいという気持ち、動物病院スタッフの治療の3つが合わさって、初めて獣医療となると考えています。今振り返ると、勤務医の頃はそこまで深く考えることができていなかったし、考える余裕がなかったかなと思います。

飼い主さん向けに、カルテをお渡ししているそうですが、どのようなものなのですか?

飼い主様には初診時にファイルをお渡しして、診察のたびに、カルテ、会計明細書、ワクチン証明書などをファイリングしていただきます。カルテの内容は、診断内容、治療内容や投薬内容です。病院用には手書きのカルテを保管し、飼い主様には一人一人に作成したカルテを保管してもらいます。そのカルテを見返せば、どのような検査をして、どのような処置をして、どのような薬をもらったかすべてわかります。

何がきっかけで、飼い主さん向けカルテを思いついたのですか?

開業する直前に勤務していた夜間救急病院での経験からだと思います。夜間救急病院に来る飼い主様の多くは、愛犬・愛猫の病気の名前や薬の内容がわからない状態がありました。「この子、腎臓が悪いんです」といわれても、私には心臓が悪いように見えたりする。そこで、最初から検査して病名を突き止めようとすると、血液検査、レントゲン、エコー……といろいろな検査をしなくてはならず、動物にとっても飼い主様のお財布にとってもかなりの負担になります。でも、飼い主様にとってみれば、かかりつけの病院で説明してもらっていたとしても、病名や薬の名前といった医療用語なんてすぐに覚えられるものではないと思いますし、それを夜間救急病院できちんと説明するなんて無理で当然だと思います。その経験から、自分が診察した動物について、飼い主様にきちんと病気の説明をして理解してもらうにはどうしたらいいか、と考えました。そこで思いついたのが、この飼い主様向けカルテなんです。このカルテは、他の獣医師との架け橋として、緊急時やセカンドオピニオンを求めたいときに活用してもらうためのものです。これがあれば、動物は余計な検査や治療をされないし、飼い主様も説明に困ることなく助かると思います。

あえて得意な症例を作らず、ニュートラルに診療したい

獣医師を志したきっかけを教えてください。

決して崇高な気持ちじゃないんですよ(笑)。私は影響されやすい性格で、TVで弁護士のドラマを見ればかっこいいと思うし、漫画で何でも治せる獣医師を見ればかっこいいと思う……。日大の付属高校に通っていた事と、当時犬と暮らしていて、動物病院に行った時、獣医師という仕事はやっぱりかっこいいな、と思って獣医学科に進学を決めました。

獣医学部時代、勤務医時代に専門的に学んだ分野を教えてください。

獣医学科では、解剖学研究室にいました。卒業後、最初に勤務した動物病院が外科手術の多い病院で、たくさんの麻酔管理の症例を体験できました。麻酔は縁の下の力持ち的役割で、飼い主様には見えない部分ですが、麻酔がうまくいかないと手術もうまくいきません。そのときに、麻酔の奥深さに気づき、今後も継続して学びたいと思っています。それから、がん学会にも入っていますが、がんを克服することは残念ながら難しく、治療の甲斐なく苦しんで亡くなっていく動物がいます。私は、がんを治したいというより、ターミナルケアとしていかに痛みを緩和し、動物のQOLを向上できるのかに興味があります。麻酔もがんのターミナルケアも疼痛管理という部分で共通していると思います。動物は「痛い」と言葉にできませんから。

得意な症例があれば教えてください。

得意な症例は、あえて作らないようにしています。得意な症例があると、ついそこに結びつけて考えたくなってしまうんですね。私は専門医ではなく、一次診療に携わっている人間です。ニュートラルな立場で診断して、すべての可能性を考えて診断する必要があると思っています。そのためには、オールマイティーに知識を持っていなければならないので、たいへんといえばたいへんですが、それが一次診療の役割だと思います。自分では難しいと感じた症例は、大学病院や専門医に積極的に紹介しています。自分の力以上の事をやると、結果的に動物達を苦しめてしまう場合がありますので、無理な診断・治療はしません。ただ、二次施設をご紹介することが、飼い主様にとって必ずしもよい選択肢とは限りません。二次診療の診察は、費用、時間、移動などの問題点があります。飼い主様と相談して、その家族にとって一番よい選択肢を一緒に考えます。

開業したきっかけを教えてください。

2〜3年前から開業したいと思っていました。最初の病院で看護師をしていた妻と知り合って結婚し、今は1歳半の子どもがいますが、その子にかっこいいと思われる父親になりたかったんです(笑)。一国一城の主、という感じかな。妻もこの病院で看護師として働いていますので、家でも仕事場でも一緒です。なので、獣医師が職業というより、私の生き方というかたちになっていて、病院は職場というより家という感覚の方が強いです。

インフォームド・コンセントの前提として、飼い主の話を聞くことを大切にしている

診療の際のポリシーを教えてください。

飼い主様の話をよく聞くことを第一に心がけています。夜間緊急病院に勤務していた頃も、思っていることを口に出して質問できない飼い主様が多かったように感じています。例えば、私が必要だと思った検査でも、飼い主様は必要ないと思っていることがある。飼い主様の「心の声」を無視して検査を実施すると、飼い主様は「あの検査は本当に必要だったのだろうか?」という、疑問を持ちながら帰ることになってしまいます。発声されない心の声をくみ取れるように心がけて診察しています。まず聞く、相手の要望を理解するということが、インフォームド・コンセントのスタートだと思っています。そのためには、雑談も必要で、飼い主様が何でも話しやすい環境を作り、信頼関係を築くことが必要ですね。それから、インフォームド・チョイスということも心がけています。ひとつの病気に対してひとつの治療法、ということはありません。それぞれの方法にメリット・デメリットがありますから、すべてを提示して飼い主様と私が一緒に考えて選択するようにしています。

今後の展望を教えてください。

早くスタッフを充実させて、24時間診察できるようにしたいと思っています。今も、夜間診療は受け付けていますし、入院の動物がいる時は私が病院に泊まります。でも、必ず時間外対応が出来るとは限りませんし、毎日入院動物がいるようになったら、私にも限界が来るでしょう。動物が病気になるのは時間なんて関係ありませんから、いつも自分が診ている動物を、「今は対応できません」と言いたくないんです。また、早い時期に内視鏡を入れたいと思います。異物誤飲の場合、異物が胃の中にあるなら、開腹するより内視鏡のほうが動物にとって楽な場合が多いと考えています。新しい機械を入れると、飼い主様の選択肢が増えるので、少しずつ機械類も充実させていきたいです。

読者の方々へメッセージをお願いします。

動物病院に来ないですむよう、愛犬・愛猫が健康でいてくれるのが一番ですよね(笑)。私の動物病院は、飼い主様が院内を自由に歩けます。入院室へも自由に入れますので、飼い主様ではない方がお見舞いに来られることもよくあります。もちろん、身元が分からない方を入れてしまうことはありません。手術の見学できて、処置・検査も同伴が可能、入院も付き添える病院ですので、今まで不透明な病院で治療を受けて疑問を持たれている飼い主様には是非足を運んでいただきたいと思っています。たくさんの飼い主様の眼で当病院を評価し、厳しく採点してほしいと思っています。それが、私を含めたスタッフの向上と病院の発展につながりますから。

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