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川崎奈美江 院長の独自取材記事

フラン動物病院

(世田谷区/三軒茶屋駅)

最終更新日: 2023/01/22

三軒茶屋駅から徒歩10分。にぎやかな人ごみを抜け、閑静な住宅街に入ったところに「フラン動物病院」がある。まるで絵本から飛び出してきたような、かわいらしいレンガつくりの外観。プランターの花々が気持ちよさそうに風に揺れている。「ちょっと誰かの家に入ってきてしまったような雰囲気にしたかったんですよ」と、優しい微笑みを浮かべるのは川崎奈美江院長。丁寧に言葉を選びながら話される姿が印象的。若さのなかにも、1本筋の通った芯の強さが感じられる。じっくり時間をかけ、コミュニケーションをしっかり取りながら診療するスタイルがモットー。常に飼い主に寄り添いながら、ワンちゃん、ネコちゃんにとってよりよい治療法はないか、最善の道を探し続ける。「ジェネラリストとしての役割をきちんと果たしていきたい」という川崎院長に、日々の診療で感じる思いや心がけていること、獣医師を目指した理由やご自身の自由な時間の過ごし方などプライベートなお話まで、たっぷりと語っていただいた。 (取材日2012年4月17日)

理想は「だれかのおうちのリビング」のような温かみのあるクリニック

温かみのある、とてもかわいらしいクリニックですね。

ありがとうございます。2011年9月の開業の時、私が理想としたのは、レトロな感じで、ちょっと誰かの家に入ってきてしまったような雰囲気のするクリニック。アメリカの絵本作家・ガーデナーであるターシャ・テューダーさんが暮らした季節の花々に囲まれた庭をイメージし、ぬくもりがいっぱいに感じられる、そんなおうちのリビングに遊びに来た感覚でいらしていただけたらと思いました。しっかり診療するのはもちろんですが、例えばトリミングやお洋服などのビューティー部分と、メディカルな部分を融合させたサロンぽい場所にしたいという思いもあって。今、とても理想に近いかたちのクリニックになったと感じています。患者さんは、お近くにお住まいの方がほとんどですね。ワンちゃん、ネコちゃん中心で、ほぼ同じくらいの割合。お散歩ついでにいらしてくださる方も多く、ここに寄るのがお散歩コースと思っているのか、普通に入ってこようとするワンちゃんもいるくらいなんですよ(笑)。ワンちゃんたちにも「来たい場所」と思ってもらえていたらうれしいですね。

これまで診療されてきて気になったことはありますか?

ちょっと意外に思ったことでもあるのですが、去勢や避妊をしていないワンちゃん、ネコちゃんが多く、とてもビックリしましたね。例えば女の子であれば、避妊していないと高齢期になって子宮疾患で亡くなることもありますし、年齢が若い内であれば、避妊が乳腺腫瘍の予防にもなるんですよ。そういったことをご存知ない飼い主さんも多いですし、「これまでかかっていたクリニックでは何もしなくていいと言われていた」という方も大勢いらっしゃる。一番違和感を感じたところでもありました。私は、東京農工大学付属動物医療センターの腫瘍科で研修医をしていたため、精巣や卵巣、子宮の腫瘍を目にする機会も多く、ホルモン異常から来る病気で大学病院に通っていらした患者さんなどもずいぶん見てきたんですよ。病気が見つかった時には、もう手術に耐えられないからだになってしまっている場合もありますからね。若くて、体調もよくて、手術できるような状態であれば、ぜひ去勢や避妊されたほうがいいと、なるべく積極的にお話するようにしています。

皮膚科の専門外来もあるのですね。

はい。月に2回、皮膚科専門医による専門外来を設けています。皮膚の患者さんが多いのも、ずっと気になっていることなんですよ。「今まで皮膚の検査をきちんとしたことはなく、先生の経験で出されたお薬をずっと使っているけれど治らない」という方が結構多くて。今、ワンちゃん、ネコちゃんともアレルギーが原因でいろいろな症状が出ている子が増えているように思います。当院では、皮膚の新患でいらした方は、まず必要な検査を一通りさせていただいて、それから治療法を決定。生活スタイルや飼育環境を細かく聞いていくと、いろいろとヒントになることもたくさんあるんですよ。ノミ・マダニの予防をしっかりしているか、ご飯は何を食べさせているか、環境に最近変化がなかったか、敷物や寝床の素材は何か。どうしても30分くらいかかりますが、じっくり時間をかけて丁寧に診るのが私の理想の診療スタイル。とても大事なところだと思っています。

ペットのネコと過ごす時間が何よりのリラックスタイム

先生はなぜ獣医師を目指されたのですか?

小さい頃からずっと動物が大好きだったんです。設計士やインテリアコーディネーターもいいなあと思ったこともあったんですが、気がついたらいつの間にか自然に獣医師を目指していましたね。ハムスターから始まり、その後はフェレット、ネコ、インコと続きました。今は他にヘビやトカゲも飼っています。私、実は爬虫類が好きなんですよ。親が家庭菜園をしていたので、土を掘り返すとトカゲやいろいろな虫が出てくるのには、普通に慣れていましたから。カマキリを捕まえてきたり、カイコやアゲハチョウの幼虫を飼ったり、犬や猫以外のものもなんでも好きでした。キャンプに行ってアオダイショウが出てきても、平気でさわっていましたし(笑)。こわいとは思ったことはなかったですね。

開業はずっと念頭に置かれていたのですか?

はい。ちょっと恥ずかしいんですが、以前、「33歳で開業するのがいい」と、占いで言われたことがあって。「非科学的なものを信じている」と変に思われるかもしれないんですが(笑)。でも、それを目標に、逆算して「じゃあ、そこに向かっていくために今これを勉強しよう」と考えながらきたので、私にとっては大きなモチベーションになりました。東京農工大付属動物医療センターで研修医をしたのも、「開業前にきちんと勉強したい」という思いから。その前に勤務医も経験しているのですが、若いワンちゃん、ネコちゃんが多いクリニックで、ホルモン異常の病気や心臓病、腫瘍にふれる機会がとても少なかったんですよ。今もほぼ毎週、東京農工大に通い、手術の勉強を継続中。当院では設備上、積極的に腫瘍摘出手術をするのは難しいので、きちんと大きな病院をご紹介していますが、腫瘍を患っている子たちは心臓病や腎臓、肝臓も悪くなっている場合が多く、そういった面でも学ぶべきこと、役立つことはたくさんあるんです。今、ワンちゃんネコちゃんも高齢化していますからね。欠かせない、大事な部分だと思っています。

ご自身の自由な時間はどのように過ごされているのでしょう?

時間のある時は家でのんびりしながら、ひたすらネコと一緒に遊んでいますね(笑)。とにかくかわいくて、なでたり、肉球をさわったり(笑)、とても癒されます。それから、実は、最近、エキゾチック・アニマルに詳しいヴァンケット動物病院の松原先生と友達になり、体調の悪かった自分のヘビを診てもらったりもしているんですよ。いろいろと診療の上で勉強になることも多いですし、つながりができるのは本当にうれしく、ありがたく感じています。もし、ものすごく時間ができたとしたら・・・・・・。ゆっくり好きなだけ寝たいですね(笑)。

ジェネラリストとしての役割りをきちんと果たしていきたい

診療する上で一番心がけていらっしゃるのはどのようなことでしょう?

きちんと説明をし、ご理解、ご納得いただいたうえで診療することですね。お話しながら「今まででわからないところはありますか?」と、ちょっとくどいくらい何回も伺ってしまうんですよ。疑問に思ったことは診察室で全部私に聞いてほしい。後になって受付で看護士さんに聞くようなことだけは絶対にしたくないと思っているんです。「1日の診療件数は少なくてもいいから時間をかけて丁寧に、患者さんとのコミュニケーションをしっかり取りながら診療する」のが私の理想の診療スタイル。最初に勤務したクリニックが、最新設備の整った、大勢スタッフのいるところだったのですが、それだけに患者さんの数も多く、1頭1頭にかける時間がとても少なかった。そこがどうしても気になって、「開業する時は、とにかく雑談でもいいのでじっくりとお話を伺ってきちんと診たい」と、ずっと思っていたんです。患者さんそれぞれ、ご事情もありますから、それに合わせて無理強いせず治療を続けていただく工夫をすることも大事。私は、通えるペースに合わせて検査をしたりお薬も高額になってしまうものは後発品を使うといったことをしていますが、そういったご事情も、しっかり時間をかけてお話しなければわかってきません。結果的にいい治療につなげるためにも、とても大切なことだと思っています。

しつけやトリミングにも力を入れていらっしゃるのですね。

たまたまご縁があってドッグトレーナーの先生とお知り合いになったこともあり、しつけのプロからきちんとアドバイスを受けることが患者さんのためになると思ったんですよ。ずっとやりたかったトリミングも今年の4月からスタート。トリミングを終えたワンちゃんたちのお写真をブログでご紹介させていただいたりもしています。色々なことができるようになってきて、とてもうれしい。今後、例えば、マッサージやアロマ、パックなども積極的に取り入れていきたいですし、ドッグマッサージ教室など、多角的にやっていきたい。もちろん、一番大事なのは医療ですが、ただ医療一辺倒ではなく、ここに集うことでいろいろと解決していかれたらと思うんです。それが、私の考える「サロンのようなクリニック」。もっともっと近づいていかれるよう努力していきたいですね。

ペットたちの健康を守りつつ、ともに明るく楽しい生活を送っていくため、読者にメッセージをお願いします。

例えば、ワンちゃん、ネコちゃんが高齢になると、食欲がなくても「年だから」と軽く考えてしまいがちですが、実は重大な病気が隠れている場合もあるんですよ。ですから、何か異常に気づいたら、とにかく診せていただきたい。そして飼い主さんには、よくさわってあげてほしいと思います。それが一番なんですよ。ワンちゃん、ネコちゃんにとってはリラックスになり、血行もよくなったりしますし、皮膚の異常や体型の変化にも気づくことができるはず。万が一、腫瘍があった場合も早めに気づいてあげられますからね。目つきや食事の量、うんちやおしっこの回数やにおいなど、普段の様子は飼い主さんにしかわからないので、何かあれば、「こんなことくらいで」と思わず、ぜひ連れてきてあげてほしいです。私のモットーはジェネラリストであること。まだまだ未熟な部分もたくさんありますが、苦手な分野を作ることなく、わからないところがあればその日のうちに先輩方に指導を仰いだり勉強をして、きちんとお答えしていくつもりです。専門の先生をご紹介する見極め、窓口としての役割を、一番身近なところできちんと果たし、正しい道筋をつけてさしあげられる獣医師でいたいと思っています。そして、ワンちゃん、ネコちゃんにとっても来やすくかんじてもらえるクリニックでありたい。これからも理想のクリニックを目指し、頑張っていきたいですね。

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