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田中二郎 院長の独自取材記事

たなかじろう動物病院

(品川区/大森駅)

最終更新日: 2023/01/22

京浜急行「立会川」駅、JR「大森」駅より歩くこと10分。桜新道沿い鈴ケ森小学校斜向かいに「たなかじろう動物病院」はある。院内は3つのフロアで構成されており、一階が診察室、二階がトリミング室、そして三階が手術室と犬舎・猫舎とそれぞれ分けられ、機能的な作りになっている。出迎えてくれたのは、爽やかな笑顔と快活な口調が印象的な田中二郎院長。「自分の理想とする治療を押し付けず、飼い主さんと話しながら最善の方法を探りたいんです」と話す田中院長は、飼い主のライフスタイルに合わせた治療でなければ続かないという持論のもと、診療では飼い主との対話を大切にしているという。地域の小学校のPTA会長も勤め、「この土地でずっと医院を続けていきたい」と語る田中院長に、地域への思い入れや治療のこだわりなどたっぷり語っていただいた。 (取材日2013年4月26日)

動物は自分で訴えることができないからこそ、飼い主の情報を大切に

動物が抱えるトラブルで最近多いものは何ですか?

歯周病ですね。動物も長生きになり、また歯磨きの習慣も定着していないので、人間と同じように歯周病になる子が増えてきました。動物によってかかりやすい子とそうでない子がいるのはどうしてかと聞かれることがあるんですが、体質と生活習慣が関与しているのではないかと考えています。例えば、遅い時間に食べさせていると食事から睡眠までの時間が短いので、朝まで口腔内に食べ物が残っているのかもしれません。人間と違って、動物は自分で症状を訴えることができませんから、そういった細かな生活習慣について話してもらえると、診療がスムーズになることが多いですね。

歯周病の治療はどんなことを行いますか?

やはり人間の歯と同じように定期的に歯石取り、いわゆる、ディープクリーニングをする必要があります。しかし、しっかりと歯周ポケットの歯石までを取ろうとすると、痛みを伴いますし、動物は人間と違ってじっとしていられませんから、麻酔をかけた上で行うことになります。しかし、飼い主さんとしては「麻酔をかけてまで……」と思うこともあるようです。中には麻酔なしで行うクリニックもあるとは聞いています。でもそれでは表面の歯石しか取れないため、いくらやっても歯周病の状態は改善しないんです。必要であれば麻酔を使ってしっかりクリーニングすることが大切です。歯周病は口腔内だけの問題ではありません。全身に悪さをする重大な病気です。せっかく動物の口の中にまで気を配っているのですから、正しい知識を持っていただきたいと思いますね。

動物病院は、敷居が高いと思っている方も多いようですが。

ええ。その理由の一つが、費用だと思います。動物病院は費用が高いと思われがちですが、実際にはそんなことはないんですよ。最近は動物用の保険に加入する方も増えてきており、以前よりは受診しやすい環境が整ってきていると思います。せっかく加入したのだからということで、ちょっとしたことでも来てくれる飼い主さんが増えましたね。そのおかげで、重症になる前に病気を見つけられたり、治療を開始できるようになりました。動物の将来のことを考えると加入しておいていいのではないかと思います。

家族として一緒に住める小動物を専門にしたい、という想い

獣医師をめざされた理由を教えてください。

私は東京都高輪で生まれ育ったのですが、集合住宅だったためにずっと動物が飼えなかったんです。しかし、ある時住人全員が共同で、一頭の犬を面倒見るような形で飼うことができたのです。もう、毎日が楽しくて。犬に会いたい一心で、早く帰ったりしていたのですが、その思いが高じて、動物にかかわる仕事がしたいと考えるようになりました。はじめは、動物園の飼育士をめざそうと思ったのですが調べてみると非常に狭き門だとわかりまして。それなら接するだけでなく、実際に治療もできて職業として幅広く活動できる獣医師をめざそうと思ったのがきっかけでした。

実際に大学に進まれていかがでしたか。

私たちが進学した頃の獣医学部では、馬や牛など大動物の勉強が大半で、犬や猫などの小動物の勉強はほとんどありませんでした。学生の8割が農協などの大動物を専門とする機関に就職していた時代です。牛や馬は体重が500〜700kgもあるため、暴れると手がつけられないんです。気軽に触っただけでも回し蹴りされたりするくらい危険なので、診療の際も枠や檻に入れた状態で行わなくてはいけない。だから、どうしても動物との触れあいが少ないんですね。私はやはり、家族として一緒に住めるような動物を対象にしたいと思っていましたので、少数派でしたが当時から小動物を専門にしようと決めていました。

その後はどうされたのですか。

卒業した後は、大田区の島田動物病院というところで4年ほど修行しました。その後1993年に開業したのですが、当時この辺りは動物病院が少なかったんです。事実、私が開業してから10年ほどは誰も開業しませんでしたね。実際に開業してみて分かったのは、このエリアには地に足が付いたというか、庶民的な感覚の方が多いことですね。私自身もそういうタイプでしたので、すっかりこの土地が気に入ってしまいました。最初は物件を借りて経営していたのですが、数年前にこの土地が売りに出た時、「これはチャンスだ」と思いました。この土地に根を張ってやっていこうと思ったので、迷うことなく土地を購入して今の病院を作りました。

自分が思っている以上に専門用語を使っているかもしれない。その想像力が大切

治療上のこだわりを教えてください。

老衰や病気の末期などで明らかに寿命が近いと分かる場合には無理に入院を勧めないようにしています。もちろん入院すれば、点滴や投薬などで少しでも長く生かしてあげることができると思います。しかし、お預かりしている状態で亡くなってしまうと、家族にとってはどこかモヤモヤした思いが残るんですね。以前は、救命したい一心でお預かりをして手を尽くしていたのですが、亡くなった後に動物と対面したご家族の表情はどこか後悔が残っているように見える。それで、やはり最期はその動物が育った環境で家族に囲まれて過ごすのがいいのではないかと思うようになりました。サポートは最大限に行いますが、やはり最期は家族とともに過ごしてほしいと思いますね。

診療の場面で心がけていらっしゃることは?

専門用語をゼロにしようと心がけています。医療者というのは自分が思っている以上に、専門用語を使っているものです。例えば、「じゃあ、お薬処方しますね」という言葉も、もしかしたら処方という言葉がわからない方もいるかも、と考えるようにしています。わざわざ処方という言葉を使わなくとも、「お薬出しますね」と言えばいいんです。猫ちゃんの場合、結石で尿道が詰まることがよくあるのですがそういった場合に、「尿道にカテーテルを入れます」といってもピンと来ないかもしれませんよね。「尿道に管を入れますね」と言えばなんとなくイメージがつくでしょう。そういった想像力を働かせて、言葉をかみ砕くようにしています。一つの言葉がわからないと、どんどん説明を聞く気持ちがなくなりますからね。「分かっているだろう」という思い込みがコミュニケーションの妨げになるんです。

最後に読者の方にメッセージをお願いします。

動物が病気になると、飼い主さんは動物のことばかりを話されますが、動物のことだけでなく飼い主さん自身の生活についても話してほしいと思っています。例えば飼い主さんが夜勤などの仕事をしているのであれば、夜のお薬はあげられないですよね。その場合は、一日一回の薬に変更することができます。それもままならないということであれば、より効果が持続する注射を提案することもできます。飼い主さんそれぞれに事情があるので、その方のライフスタイルにあった治療方法を提案することが大切で、結局はそれが動物のためになると思っています。ご来院の際はどんな小さなことでも、思ったことは気軽に話してほしいですね。

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