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島田 健一郎 院長の独自取材記事

麻布十番犬猫クリニック

(港区/麻布十番駅)

最終更新日: 2023/01/22

都営大江戸線・東京メトロ南北線の7番出口から徒歩2分。「麻布十番犬猫クリニック」は、手術や入院医療を提携する24時間体制の総合病院に委ねることで、フットワークの軽い、柔軟性に富んだ診療体制を実現させた動物病院だ。皮膚科系疾患の治療を得意とする一次診療施設として地域の動物医療を支える一方、要望があれば片道1時間以上かかる遠方への往診にも出向く。「“上から目線”ならぬ“横から目線”を心がけて、常に飼い主さんに寄り添っていきたい」と話すのは、院長の島田健一郎先生。研究者としての顔も持ち、日常診療と並行して動物のスキンケアの研究にも取り組んでいる。そんな島田先生に、動物医療にかける熱い思いをたっぷりと語っていただいた。 (取材日2013年3月5日)

動物にじっくり向き合うために予約診療を採用

こちらは皮膚科と内科を中心に診療を行っている動物病院だと伺いました。

私自身が犬猫の皮膚科診療を専門的に行っておりますので、皮膚病治療に特化していることが当院の特徴の1つといえます。また、ワクチン等の予防医療、下痢や嘔吐(おうと)、かぜの治療といった内科系診療もメインに行っており、地域における一次診療施設としての役割を果たしています。診療スタイルは原則予約制で、飼い主様お一人につき30分を確保し、時間をかけた丁寧な診療を心がけています。働いている飼い主様も多いので、時間の見通しが立たないよりは、最初から時間を決めてしまって、その時間内できっちり診療が終わる現在のスタイルのほうが、飼い主様も通院しやすいのではないかと考えています。ちなみに,当院には普通の動物病院と違って手術室と入院施設がありません。イメージとしては、人間のお医者さんの内科診療所のような感じですが、万が一の時の不安を最小限にするために、24時間体制の総合動物医療施設である「日本動物医療センター」と提携し,症状の重症化が心配される患者さまやすぐに手術が必要な患者さまについては、そちらの病院へご紹介する安心の体制を整えております。その際、必要な情報(検査結果等)は、飼い主様の同意をもとに、電子カルテにて共有できるシステムになっているため、再度同じ検査を行う必要がなかったり、これまでの経過を細かく説明する必要がなかったり等のメリットがあります。

手術室や入院施設がないことで不便なことはありませんか。

確かに、重篤な病状の患者さまについては対応が難しい場合もあります。しかし、皮膚科診療では手術や入院を必要とする場合は非常に稀ですし、内科系診療でも、多くの飼い主様は動物たちの異変にいち早く気づき、早い段階でご来院くださるので、特に不便に感じることはありません。また、現在では提携病院のように充実した設備やスタッフを揃え、救急にも対応してくれる大型の動物病院が都内に複数ありますので、手術や入院が必要と判断した場合は協力を仰ぎ、連携をとるスタイルの方が飼い主様のメリットに繋がると考えています。特に病状の重い患者さまの場合では、夜間の看護が不可欠ですので、24時間体制の病院にお願いすることで、飼い主様だけでなく獣医師である私の不安も軽減できています。ちなみに、比較的危険性の少ない去勢や避妊手術、および日帰り可能な外科的処置(いぼの切除、歯石除去等)については,当院でお預かりし,日本動物医療センターの手術室にて私が執刀した後、当院でお返しする体制も整えておりますので、ぜひ外科的なご相談にもいらしてください。

往診にも来ていただけるとか。

往診の範囲は基本的には港区内ですが、ご要望があれば片道1時間以上かかる場所でも往診します。今は10年ほど前におきたペットブームの時の子たちが、ちょうどシニア世代になっている時期でもあり、「足腰が弱って移動が難しくなったので往診に来てほしい」というご依頼が最近、増えてきました。そもそも移動自体、動物にとってはストレスになりますし、慣れない環境に来ると緊張する子も多い。そういう意味でも、自宅で診てあげるほうが動物にとっては理想的なのかなと思います。

東洋医学やダイエット指導にも取り組まれているそうですね。

漢方薬や鍼を治療に取り入れています。アレルギー性の病気などは西洋医学だけでは治らないことも多いので、西洋医学を基本としつつも、思うような効果が得られない場合は飼い主さんともご相談しながら、東洋医学的治療に切り換えることがあります。鍼治療は、歩けなくなった老犬・老猫の筋肉に刺激を与えるためや、手術後のリハビリ目的で実施することもあります。一方、ダイエット指導では、ダイエットフードを活用しながら体重をコントロールしていくプログラムを提供しています。人間同様、動物も肥満になると病気が起きやすくなります。ちょっとくらいならと人間の食べ物をあげてしまう飼い主さんもいるようですが、人間に換算すると、体重5kgの犬にとってクッキー1枚は、ハンバーガー1個分のカロリーに相当します。少し厳しい言い方になりますが、ペットの肥満の原因が飼い主さんの健康管理意識の低さにあることも、知っていただきたいと思います。

大学での専攻は外科、皮膚科に興味を持ち思い切って転身

ところで先生はなぜ獣医師を志したのですか?

実は私の父も獣医師なんですよ。これがきっかけと言えるようなできごとはありませんでしたが、小さな頃から父の働く姿を見ていて、ごく自然な形で自分も獣医師になりたいと思うようになりました。獣医師としては父が一代目ですが、祖父が養豚業をしていたので、青梅にある実家には豚が100匹以上いましたし、そのほかにもヤギやニワトリ、犬、猫など、たくさんの動物に囲まれて育ちました。もしかしたら、そうした環境の影響もあるのかもしれません。ちなみに私は、高校生になるくらいまで焼肉は豚しか知りませんでした(笑)。

皮膚科を専門に選ばれたのはなぜですか?

母校の日本獣医生命科学大学での専攻は外科でした。当初は手術に興味があって外科の研究室に進んだのですが、実際に動物たちの診療にあたってみると、皮膚病についてわからないことがあまりに多いことに気づきました。それで単純に皮膚病についてもっと知りたいと思い、大学卒業後、外科から内科系の診療科にまさに飛び込むような形で、全国の獣医系大学の中でも特に皮膚科研究の盛んな東京農工大学獣医内科学研究室で小動物の皮膚科を学ぶことにしました。そこの博士課程で皮膚科を専門に研究する傍ら、研修医のような位置づけで臨床経験を積みました。さらに、大学院生時代に非常勤で働いていた日本動物医療センターで、当院の創業者と知り合い、卒業と同時に院長を任せていただくことになりました。日本動物医療センターでは今でも非常勤の皮膚科担当の獣医師として月2回診療を行っています。

日常診療の際に心が得ていらっしゃることはありますか?

決して上から目線にならないことですね。横から目線と言ったらいいのでしょうか。獣医師は確かに動物のことには詳しいわけなんですけれども、なるべく飼い主様に寄り添い、獣医師と飼い主というよりも、親戚のお兄ちゃんのような感覚で気軽にお話ししていただけるような雰囲気づくりを心がけています。なぜなら飼い主様がいろいろなことを聞いてはいけないんだと誤解してしまったり、緊張して症状をきちんと説明できなくなってしまったりと、診断を下すうえで有益な情報の入手が難しくなってしまうからです。普段はどういう行動をしているのか、どんな場所を散歩しているのか、ご飯は何を食べているのか、どんなシャンプーを使っているのかといった情報は、飼い主さんしか知り得ないことです。問診では、そうしたお話のなかから病気の原因を探っていくことになるので、飼い主さんとのコミュニケーションは、もっとも重要だと言っても決して過言ではないと思います。

臨床家としてのキャリアと研究活動の両立が目標

診療に往診にとお忙しい先生ですが、息抜きのためにされていることはありますか?

ちょっとリラックスしたいなと思った時は、銭湯に行きます。自宅の近くに昔ながらの銭湯があって、そこに明るい時間から行き、ゆっくりとお湯に浸かったり、サウナに入ったりしています。あとはコーヒーが好きなので、カフェ巡りをしたり。普段は常に動物と触れているので、息抜きをしたい時は逆に動物と接点のない環境にあえて身を置くようにしています。恐らくすべての医療関係者に共通することだと思うのですが、診療をするなかで負の部分の影響を受けてしまうことがあり、それが蓄積されるとどんどん気持ちが暗くなってしまうので、外に出てリフレッシュすることは欠かせません。

今後の展望をお聞かせいただけますか?

獣医師としてはまず専門分野である皮膚科について、より高いレベルをめざして研鑽を積んでいきたいですね。研究にも力を注いでいきたいです。実は現在も研究者として日本獣医生命科学大学の看護学科に籍を置き、学生と一緒に動物のスキンケア全般の研究を行っています。動物もこれだけ室内で飼うことが定着してくると、においや汚れの問題が顕在化し、今後はいかに清潔に、かつ見た目をかわいらしくするかを求める時代に進んでいくことになるでしょう。そうした新しいニーズに応えていくためにも、臨床データを蓄積し、動物と飼い主さん双方にとって有用な製品の開発につなげていけたらと思います。日常診療と研究を両立していくことが個人的な理想ですね。病院の経営者としては、小回りがきく当院ならではの強みをもっと生かし、今以上に飼い主さんのかゆいところに手が届く病院をめざしていきたいと考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

動物病院って、「病院」という名前がつくだけに、敷居が高いイメージを持っている方が多いと思います。しかも人間のような公的医療保険がないので、費用に対する不安もあるかと思います。そのため電話でいろいろ質問される飼い主さんも多いのですが、実際に診療させていただかないとわからないこともありますから、まずは気軽な感じで相談にいらしてください。その際には「横から目線」でお話しを伺い、ご要望に沿うような治療の選択肢をいくつかご提案させていただきます。1人で悩むよりも、インターネットで調べて自分でなんとかしようとするよりも、直接相談に病院来ていただいたほうが断然早いですし、有益な情報を得ることができると思いますよ。

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