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西井 丈博 院長の独自取材記事

阿佐ヶ谷動物病院

(杉並区/高円寺駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR中央線阿佐ヶ谷駅、もしくは高円寺駅から徒歩15分の「阿佐ヶ谷動物病院」。西井丈博院長が2002年にこの地域で立ち上げ、2014年に現在の場所へ移転した。「僕の名前じゃなくて地名をつけた理由は、地域に必要とされる動物病院としてずっと続いてほしいから」と西井院長。その人柄を慕って、新潟県や静岡県から大切なペットを連れて足を運ぶ飼い主もいる。あらゆる病気のファーストステップになる総合診療科を極めたい、と目標を掲げる西井院長。飼い主への心配りや動物医療への思いをじっくり語ってもらった。 (取材日2016年7月5日)

自分の家族だったらどうしてほしいか考える

動物病院に入ると、素敵なロゴマークが目に入りますね。

こちらは開業前に勤めていた動物病院で知り合った飼い主さんが考えてくださったものなんです。「阿佐ヶ谷動物病院」を開業するという話をしたら、ぜひロゴを考えさせてほしいと言われまして。喜んでお願いしたら、「家族」「当院」「動物」を表した素晴らしいデザインにしてくださいました。当院が心がけている「自分の家族だったらどうしてほしいか」を考えて行動する、という目標にぴったりでしょう。友人からは、「どこからアイデアを持ってきたんだ!」なんて僕が問いただされるくらい(笑)。考えてくれた飼い主さんは僕と同年代の方でしたが、実は若くして亡くなってしまったんです。ですので、このロゴは生涯使わせていただくことに決めています。

院長のお人柄を慕って、いろいろな患者さんが来られるとか。

当院は地域密着型ですが、新潟県に引っ越してからも通院してくださったり、セカンドオピニオンを希望して遠くから来られたりする方もいます。申し訳ない気持ちになりますが、頼っていただけてとてもうれしいですね。ペットを二代、三代にわたって診察することもあります。おもしろいことに、同じ方が飼うとみんな初代のペットに似てくるんですよね。性格や顔立ち、体型まで。ペットの肥満を注意するとき、飼い主さんも恐縮していますよ(笑)。今は犬と猫の診察を行っています。以前はうさぎやエキゾチック動物も診ていたんですが、対象をしぼることで、より深く診察できるようになりました。飼い主さんの相談も多岐にわたり、病気だけではなく、しつけ、生活習慣、高齢化の悩みなどさまざまです。

専門とする診療科目を教えていただけますか。

当院はあらゆる不調の窓口になる、総合診療科です。現在は紹介専門の2次診療や専門分野に特化した動物病院も増えましたが、飼い主さんの中にはハードルが高いと二の足を踏む方も多いんです。地域の動物病院としては、まず総合診療科をちゃんとやらなければ、と使命を感じています。加えて難しい病気にも対応できるように、1.5次診療をめざしています。飼い主さんの信頼を得ることも大切だと考えているので、当院の手術はすべて録画、公開しています。希望する方にはDVDに焼いて差し上げているんですよ。ひとつの安心にもなりますし、手術で行った処置を説明するときもわかりやすく伝わるのではと思っています。

動物病院は飼い主の心の奥を見ることも仕事のひとつ

診察の時に心がけていることを教えていただけますか。

可視化して理解してもらうことと、なんでも話していただけるような雰囲気を作ることです。問診票どおりの質問ではなく、飼い主さんがペットの病状や不安を話しやすいことが大切。僕は小学生の息子と娘がいて、妻が子どものことで病院に行ったあと、ちゃんと伝わったかどうか心配するんです。そこは一番大切なところですよね。妻の話を聞いてから、私も飼い主さんから大切なことを聞き取れるような診察を心がけています。だから時間がかかってしまいますし、お待たせしてしまうので心苦しく思っています。そこで待合室はあえて余裕をもたせた作りにして、開放感を重視しました。飼い主さんと動物も窮屈なところで待つよりは落ち着けるのではないかと思います。また入院や手術の風景をありのままで見てもらうことで安心してもらい、信頼に繋がればと思っております。そのため、いつ誰が入っていいように手術室を含めた院内の清掃はスタッフ一同気を使っています。

初診の方の受付時間が違うのははなぜでしょう?

最初は特に時間をかけてお話をうかがうためです。初診といってもすでに病気を抱えていて、当院に転院を希望して来られる方もいらっしゃいます。病気の状況などをよく把握するために、初診に時間をかけることが重要なんです。お話をうかがいながら、その場でできる検査もどんどん進められますからね。ずっと治療したのに治らない、病状が進んで深刻になってしまった、という方もいるんです。飼い主さんは話を聞いてほしいだけでなく、「なぜこうなってしまったのか」という理由も知りたいという思っている方もたくさんいます。今まで飼い主さんが時間をかけてきた分、病状をきちんと把握して、少しでも早く対処してあげたいという気持ちです。

多くの飼い主さんと動物に頼られていますね。

動物病院は、治療をしながら飼い主さんに深く関わる、心の奥を見せていただく仕事だと思うんです。家族構成、勤務時間、生活環境によって、起きる問題も変わります。例えば乳幼児用の小さなオモチャを犬が飲み込んでしまったり、留守番の時間が長ければストレスによる問題が起きたり……。特に印象に残っているのは、猫を飼っていたひとり暮らしの高齢者の方。毎月の通院が大変だと言われましたが、「ご自身の健康のためと思って、顔を見せに来てください」とお願いしていたんです。その方から、ご自身が亡くなったあとのことを聞かれ、思わず「引き取りますから安心してください」と。しばらくしてその言葉どおりになりましたね。このように万が一の時の引き取りや、入院中の世話を頼まれることも。信頼していただけてうれしく思っています。

治療の道筋を作る総合診療科を極めることが目標

開業されるまでにいろいろな経験をされたそうですね。

1992年に麻布大学獣医学科を卒業しました。正直に言うと、当時は使命に燃えていたわけではないんです。相模原市の動物病院に勤務したあと、まったく違うアルバイトを経て、八王子市の動物病院に勤めました。院長の上條圭司先生に動物医療に関わるいろいろなことを教えていただき、獣医師としての僕に根付いています。30歳を目前にふと思い立って、カナダへ行き、動物保護センターなどの施設を見学して1年間過ごしました。その後、2002年に当院を開業し、現在に至るります。情熱はあっても行き詰まったり、医療の理想や現実、自分のスキルや知識に悩んだりしたんです。でも回り道した時間は、すべてプラスになっていると思います。

獣医師を志したきっかけを教えていただけますか。

子どものころに飼っていた犬が亡くなったことがきっかけです。僕は岡山県の過疎地出身なんです。当時は犬猫を診る獣医さんがいることを知らなかったくらい。今から思えばその犬はフィラリア症だったと思うんです。子ども心に、僕がもし獣医さんだったらもっと長生きしたんじゃないか、と思ったんですよね。高校生になって進路を決める時、自然のフィールドに出る農学部と迷ったんですけど、子どものころの夢も捨てきれず、獣医師の道を選びました。僕の子どもたちの将来の夢はわかりませんが、もし獣医師になったらアカデミックな仕事をしてみてほしいですね。ライオンやトラといった絶滅危惧種の保存をするような仕事です。実は僕の生まれ変わったあとの夢なんです(笑)。

今後、めざす医療について教えていただけますか。

総合診療科を極めることです。この科は、動物が病気になったとき、まったくわからない状況から、ひとつの道筋を作っていく科だと思うんです。何十年たっても変わらない、医療の最初のステップ。動物の医療はまだわからないこともたくさんあるけれど、僕が少しでも先を見せて後進に続いていってほしいと願っています。そういう道筋を作りたい。何よりも飼い主さんにも安心して任せていただきたい。といっても、すべて当院に一任するのではなく、飼い主さんの希望を何でも言ってほしいんです。それができてこそ「家族」「当院」「動物」がそろい、病気に向き合えます。その先にある別れの時も、最期を看取れてよかったと思えるのではないでしょうか。飼い主さんと動物の幸せを当院が支えていけたら、と願っています。

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