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高崎一哉 院長の独自取材記事

高円寺アニマルクリニック

(杉並区/新高円寺駅)

最終更新日: 2023/01/22

新高円寺の駅より徒歩5分。ガラス貼りで可愛らしい草木に彩られた大きな建物が「高円寺アニマルクリニック」だ。院長をつとめる高崎一哉先生は雑誌や本の監修も多く務める信頼厚いドクター。もともとの専門である外科の手腕もさることながら、動物を診ることと並行し、飼い主としっかりコミュニケーションをとることを大切にしている。HPに開設された掲示板でも飼い主の疑問・質問に対して詳細に解答。手術以外の治療法や病気との付き合い方を模索し、「手術や積極的な治療を選択しなかった場合でもなるべく気持ちよく、楽にその後の時間が過ごせるような方法も提示してあげたい」と話す高崎先生に、日々の診療への思いを訊いた。 (取材日2015年9月9日)

治療は飼い主の言葉に耳を傾けるところからスタート

獣医師をめざしたきっかけは何ですか。

子どもの頃から動物は好きだったのですが、中学の頃に読んだ『野生のエルザ』という本に大きな刺激を受けました。ケニアで狩猟監視官を務めていたご主人の奥さんが子ライオンを保護するという実話なのですが、当時の野生動物の現状を知って、そんな動物たちを保護する人になりたいという夢を持ちました。高校で進路を考えた際にナイロビの大学へ行こうと思い、当時ケニアの領事館を訪ねると、政情が不安であることやスワヒリ語が必須であること、また野生動物保護官として東洋人は採用してもらえないだろうという極めて現実的な話をされて(笑)、諦めざるを得ませんでした。それでも動物に関わる仕事がしたいという気持ちからは離れられなかったため、獣医師の道をめざしました。

開業に至るまでの経緯を教えてください。

動物の病気やけがを自らの手で治したいという思いがあり、大学では外科を専攻しました。いずれは自分も開業したいと思っていたので、動物病院の経営のことを学ぶべく、卒業後は都内の動物病院3軒に勤めました。その後はお世話になった大学の教授から連絡をいただき、開業準備と並行して地方の動物病院へのお手伝いにも行きました。20年前は地方の動物病院で働く獣医師が少なく、獣医師が不足しているということが多々あったんです。様々な医院、獣医師の在り方を知った後、当院を開院しました。

診療で心がけていることはありますか。

飼い主さんの思ったままを話してもらい、その中からこちらで必要な情報を掘り下げ、一緒に考えていけるのが良いと思っています。動物の症状を心配して繰り返し同じ症状について話される飼い主さんもいらっしゃいますが、もう一度話してもらうことにより新たな情報が聞けることもあるので、いつも注意して耳を傾けています。また、新薬や治療に関する情報は雑誌や本に目を通したり、できるだけ学会に参加したりして、なるべく早くアップデートするようにしています。私が獣医師になりたての頃は猫の治療に関して十分に体系立てられておらず、「猫は小さな犬」という扱いで診療していました。実際は犬と猫とでは違うところがたくさんあり、猫に対する治療法は日々の診療と知識のアップデートで学んでいきました。動物医療に関する情報の更新速度は早いため、日々の学びは欠かせないことですね。

万が一のためにも飼い主の心のケアを大事に

先生が大事にされている診療スタイルを教えてください。

病気を治すことと同じくらい、「病気とうまく付き合っていく方法」を飼い主さんに伝えていくことが大切だと考えています。治療が動物や飼い主さんにとってストレスになったり、経済的なものも含め負担が大きい場合、違う方法も提示してあげられたらと思うんです。手術をせず、その先病気と折り合いをつけて過ごしていく方法を話し合ったり、心疾患、糖尿病などの慢性疾患や加齢に由来する症状とどのようにうまく付き合っていくかという話をしています。動物病院に来ていただいたゴール地点として「病気を治療する」だけではなく、「飼い主さんと動物にとって楽に生きていける方法をいっしょに見つける」ことがあるのです。ですので、治療、検査ともに選択肢をしっかりご説明し、最終的には飼い主さんに納得していただいた上でご決断いただきます。それだけでなく、全体を通して飼い主さんへの心のケアは欠かさないよう心がけています。

飼い主さんへの心のケアとは具体的にどういったものですか?

動物の場合、病気をどうするかは動物自身ではなく飼い主さんが決めるので、その判断に対する後ろめたさや後悔が生じやすいのです。愛情をもって接してきた動物が亡くなれば悲しいのは当然です。手術を考えている間に死んでしまった場合は、もっと早く連れてきてやってあげれば死ななかったかもしれないと、飼い主さんは自分自身を責められます。その前に選択する場や機会がありますと、飼い主さんの側でも「自分にできることはすべてやった」という思いがあるため、結果を受け入れやすいと思います。ですので、考えられる全ての解決策をあらかじめ提示して、それぞれのメリットとリスクをしっかり説明した上で飼い主さんに判断してもらい、ご納得いただけるよう手順を踏んでいきます。飼い主さんによってペットへの思いや死生観、経済的な余裕など条件は様々です。選択肢をたくさん示すことで、その方に一番あったものを選んでいただけます。

動物の健康管理のために、家庭でできることは何でしょうか。

食事ですね。動物が喜ぶものだけを与えるというのは絶対に良くなくて、嫌だといっても「これを食べなさい!」と、厳しさも愛情だという意識を持って育ててほしいと思います。人間でいうところの孫ではなく、子どもに接するようなやり方ですね。糖尿病になってしまった場合、人間ならそれまで甘いものを食べていても病気を理由に我慢しますよね。しかし動物は自分の健康を鑑みて我慢することはないので、飼い主さんがいざ食生活を変えたいと思っても、長く続いた習慣を変えにくいのです。動物からしてみれば「何で突然まずいものを食わせるんだ!」となり、どんなに言い聞かせても食べてくれないので飼い主さんもストレスを感じて挫折してしまいます。そうならないためには普段から食生活を整えることが肝心です。動物の医療でも予防が言われる時代です。日々の生活習慣から、気軽にご相談いただければ嬉しいですね。

病気を未然に防ぎ、良い生活をおくる手伝いがしたい

今後、どういった医院でありたいとお考えですか。

お話してきたように、病気になってから治療したり維持したりということも大事ですが、その前段階の考え方として、未病や養生といった日常の健康管理を訴求していきたいですね。今は漢方やサプリメントなど、有効な方法も多くあります。動物は人の4倍ぐらい早く老いていくものの、時代とともに長生きができるようになってきているので、老いてからの終末の時間も長いんです。未病や養生の考え方を理解して、病気があるから治すというよりも病気に備えて先に手を打つということができると、健康的に老いていくことができ、また違う動物との暮らしも見えてくるのかなと思います。良い年の取り方を早めに考えてあげて、動物と良い思い出をもって最期を迎えられるが一番ではないでしょうか。

診療以外にも書籍や雑誌の記事の執筆も行ってらっしゃってますね。

動物病院で獣医師に質問しづらいような、日常の疑問をテーマにしたものが多いですね。一番はじめに本のお話が来たとき、すでに「犬・猫の病気」の解説書はあったのですが、「日頃動物はどんな生活をしているのだろう?」「猫のこのしぐさは何を意味しているのだろう?」という日常の疑問に答える本は意外となかったのです。日常のテーマということで言えば犬・猫のご飯の手作りレシピ本も出しました。通常ですと「ドッグフードを与えるのが一番」となりがちですが、私は、「〜した方がいい」「〜をあげるのはよくないよ」という風にアドバイスしていきます。なるべく飼い主さんの楽しみを尊重したいと思っていますし、獣医師が強く否定した場合、まじめな人ほど辛くなってしまいます。また、「獣医師には黙っているけど、実は……」という事態が一番よくないので、真向から否定するのではなく、会話の中でその人にあった方法を見つけていきます。

日々忙しくされていると思いますが、先生は余暇をどのように過ごされているんですか?

HPにも載せているのですが、待合に飾ってあるペーパークラフトは私が部屋で黙々と作成したものです。このクリニックの上が自宅になっているのですが、たくさんありますよ(笑)。インターネットでダウンロードもできるので、気軽に楽しめる趣味ですね。あとは時間ができれば近所をロードバイクで走っています。気ままに、好きな距離を走るのが好きで、良い息抜きと運動不足解消になっています。

最後に読者へメッセージをお願いします。

昔は動物の病気に人の薬を使わないといけないというケースが多かったんですが、今では動物専用の薬が多く出ていて、てんかん薬や糖尿病の食事ほか、特殊な病気の治療薬でも犬用があったりします。昔に比べて対応できることがずっと増えていますし、現時点は病気の症状が出てなくても予防という段階でお手伝いできることもたくさんあります。食欲がない、元気がないなど何か気になることがあれば、お気軽にご相談いただければと思います。

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