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蟹江 健 院長の独自取材記事

エルム動物病院

(杉並区/荻窪駅)

最終更新日: 2023/01/22

ペットを飼う家庭が多いとされる杉並区荻窪。その環状八号線沿いにある「エルム動物病院」。医院の開業は1988年からと歴史が長い。現在の蟹江健院長が継承してからは3年ほどになるが、ずっと変わらずに地域の人々に愛され続けている。幼いころからの夢を叶え獣医師になったと話す蟹江院長は、ペットはもちろんオーナーの気持ちを第一に考え治療を行う。オーナーが納得するまで何度でもわかりやすく説明を続けることで、信頼関係を築いていく。家族のように大切なペットだからこそ、信頼できる獣医師に任せたいというオーナーの想いを汲み取ってくれている。「オーナーさんの緊張をほぐすことで、ペットも私のことを味方だと思ってくれる」と明るく穏やかな笑顔で語る蟹江院長に、大好きな動物のことから多くの趣味、今後の展望まで話をうかがった。 (取材日2014年1月27日)

わかりやすい説明がモットー。オーナーとの信頼関係を築きたい

治療にあたって最も気をつけていることは何ですか?

オーナーさんと接するときに一番気をつけているのが「信頼関係」です。直接ペットからは症状を聞けないので、オーナーさんを介して把握。なので、オーナーさんが緊張しないように気をつけています。会話が弾むと、全く関係のない話から、病気を発見することもあるんですよ。オーナーさんと楽しく会話をしていると、動物も安心するようです。動物はオーナーさんの雰囲気を敏感に感じ取ってしまうので、穏やかな雰囲気も、逆に緊張感もすぐにわかってしまいます。もちろん、穏やかなほうが治療もしやすいですから、オーナーさん動物両方の信頼関係が大切です。

オーナーさんとの信頼関係を築くために工夫していることは?

大きな手術でもちょっとしたケガの治療でも、そのオーナーさんやペットにとってはほとんどが初めての出来事なんです。だからこそ、初めて状況を知るオーナーさんの気持ちを大切にし、ご納得いただけるまで説明を繰り返し不安や緊張を取り除いていきます。オーナーさんへの説明は、できるだけわかりやすく。難しい専門用語は使わずに、オーナーさんが実感しやすいような説明にします。たとえばペットの感じている痛みを、「タンスの角に小指をぶつけたような痛み」と説明すると共感して頂けると思うのです。また、同じ病名でも「この症状にはこの治療法」ではなく、「この子にはこの治療法」という考え方で、それぞれのペットに合った治療法を提供しています。なぜなら、同じ原因でも、病気の進行状況や動物自体の体調、ライフスタイルなどそれぞれ全く違うからです。そこをきちんとご理解いただくことが今後の治療を続けるにあたって重要になってきます。私はもともと、「病理学」を専門としていましたので、病気の原因や成り立ちを説明することが得意なのです。

開業前に知った「命の重さ、オーナーの想い、獣医師の務め」

獣医師をめざされたきっかけを教えてください。

単純な話ですが、昔から生き物が好きだったんです。犬や猫は家庭の事情で飼うことができなかったので、子どものころは暇さえあれば虫取りをしていましたね。家の押入れを開けると蝶々が飛んでいたり、下駄箱に蜘蛛の卵を隠したり。よく母を驚かせていたのを覚えています(笑)。小学生のころから、将来は動物に関わる仕事に就きたいと考えはじめ、動物園の飼育員をイメージしていました。中学生の頃に、毎週楽しみに見ていた動物のクイズ番組で、野生動物の生態や自然破壊について考えさせられる機会がありました。そこから野生動物保護に関わりたいと強く思うようになり獣医師を志したんです。「1匹でも多くの動物を救いたい」と意気込んで入学した大学でしたが、解剖学の授業では、命を救うための解剖実習で、同じ命を奪うことの矛盾にも悩みました。しかし、そこではじめて生き物の命と正面から向き合い、「獣医師の務め」を知ることができました。救えない命もあるという現実を目の当たりにし、救えなかった命の分まで、自分ができることを精一杯していこうと決意しました。

今に生かされている勤務医時代の経験はありますか?

大学病院で学んだ後、学生のころに実習で教えていただいていた先生の医院で勤めることになりました。その医院は、診察する動物の種類が多くさまざまな症例を診ることができたので、とても実りある経験を積めました。実はその医院に勤務してすぐ、私の飼っていた猫が重い病気にかかってしまったんです。獣医師として、猫の症状を見ればまもなく亡くなってしまうことはわかっていました。それでも、院長に「なんとか助けられませんか」と藁をもすがる気持ちになったんです。そのとき、オーナーさんが頼れるのは私たち獣医師だけなのだと改めて実感しました。獣医師である私でさえペットの死をなかなか受け入れられなかったのですから、病気や動物に関する専門的な知識のないオーナーさんが亡くなる事実を受け止めることはとても難しく残酷なことだと知ったんです。オーナ−さんの気持ちを心から理解できたことで、獣医師としてオーナーさんから頼りになる存在になろうと決意しました。

医院を引き継いだ理由はなんですか?

当院に勤めはじめて3年が経ったころ、開業を考え院長に相談したんです。そのとき、「この医院を引き継いでくれないか」というお話をいただいて。甘えた形になってしまうのではないかと悩みましたが、慣れ親しんだ場所と愛着のある動物たち、私を頼って来てくれるオーナーさんたちと変わらず接していけるこの医院に残ることを決めました。前院長が私を信頼して託してくれたこともありがたかったですし、オーナーさんに「先生が残ってくれてよかった」と仰っていただけたことがとてもうれしかったですね。この医院で、オーナーさんや動物たちと過ごす日々は、心温まる出来事がたくさんあります。毎日命と向き合うことは、非常に責任も大きく常に緊張感は解けませんが、それ以上に、ペットが元気になったときのオーナーさんのほっとした表情を見るよろこびが大きいのです。オーナーさんの安心した笑顔で私の心も「ほっ」と緩み、日々のやりがいに繋がっています。

ペット、オーナー、スタッフ。それぞれがエルム動物病院を彩る花

休日の過ごし方を教えてください。

趣味はたくさんあります。音楽鑑賞も好きで、昔からの趣味であるベースやギターを弾いたりします。今は気が向いたら触るぐらいですが、学生時代は音楽サークルに入ってバンドを組み熱中していたんですよ。サークルの仲間とは海外旅行にもよく行きましたね。学生時代はお金がなかったから、バックパックで行き先は夏も冬も東南アジア(笑)。実は大学卒業後、1年間世界一周貧乏旅行をしたんです。最後は南極にも行って、ペンギンやシャチ、クジラなど、普段は触れることのできない生き物をたくさん見てきました。動物好きとしても旅行好きとしても、一生の思い出になる旅ができましたね。後は、ちょっとした手品。私は、ペットと一緒にいらしたお子さんとは手品を披露し仲良くなるんですよ(笑)。私の小学生時代の話になりますが、授業中に手品をこっそりやっていたら先生に見つかってしまったんです。怒られるかな、と思ったら褒めてくれて、なんと手品倶楽部まで作ってもらったんですよ。

休日は鍼灸の学校にも通われているとか。

はい、最近鍼灸治療の学校に通いはじめました。私は、日々進化する医療に常に対応し、新しいものをどんどん取り入れていける医師でありたいと思っています。また、鍼灸治療のように、西洋医学とは違った視点からの治療法も取り入れていきたい。鍼灸は動物にとって負担が少なく効果も期待できる治療法ですので、しっかり習得したいと思っています。新しい試みとしてはもう1つ。昨年から年に数回、待合スペースで「犬の里親会」というイベントを開催しているんです。これは、捨て犬や福島などの被災犬の新しい家族を探すためのものです。当院にいらっしゃるオーナーさんにお声がけをしたり、ホームページや地域の伝言板への張り紙などでお知らせしているんですが、おかげさまでたくさんの方が参加してくれているんですよ。こうした活動で、少しずつでも継続的に保護犬の助けをしていきたいと思っています。

今後の展望についてお聞かせください。

ペットとオーナーさんの日常生活を大切にしていきたいと思っています。年をとったり病気になっても、できるだけいつもの生活を続けていきたい。残念ながら、亡くなることを避けることはできません。でも、治療で今の生活から苦痛や不快感を減らして、少しでも長く幸せな時間を過ごすことができればと願っています。私の考えをスタッフも理解してくれ、エルム動物病院としてそれぞれの立場から動物とその家族をサポートしています。スタッフそれぞれの個性と人柄を生かし、オーナーさんやペットたちにも感じてもらうことで、「エルム動物病院の色」を作っていきたい。そのために1年前の改装のときには、院内をあえて白や木目を使用しイメージカラーを付けなかったんです。スタッフ一人ひとりが、そしていらっしゃるオーナーさんやペットたちが花になって、医院を彩っていってほしい。そんな、みんなの笑顔が咲く動物病院にしていきたいです。

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