皮膚バリアを破壊せずに薬浴するマイクロバブルバス (いのかしら公園動物病院 ) | 動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル

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いのかしら公園動物病院

いのかしら公園動物病院

石橋 徹院長、石橋実佐子副院長
 
医療トピックス

皮膚バリアを破壊せずに薬浴するマイクロバブルバス

いのかしら公園動物病院
直径10μmの微細な気泡が毛穴の奥深くまで入り込み、体表面から汚れや菌を取り除く。皮膚バリアを傷めずに薬浴ができるマイクロバブルウォッシュシステムは、皮膚病治療の、ひとつの選択肢として動物病院やトリミングサロンでも近年普及がめざましい。いのかしら公園動物病院は、このマイクロバブルウォッシュシステムで動物を洗うという試みに最初に着手した病院である。開発者に協力し、はじめは自らマイクロバブルの風呂に浸かりその効果を確かめたという同クリニックの石橋院長にお話を聞いた(取材日2013年12月6日)

原子力潜水艦から生まれた技術がアトピーで悩む患者を救う

Q マイクロバブルの概要を教えてください。
▲下連雀バス停留所下車すぐ。花に囲まれた可愛らしい医院
マイクロバブルの技術は、最初は潜水艦の装備のひとつとして開発されました。直径がμ単位の気泡で船殻を覆い、摩擦抵抗や音の反射を軽減することが目的です。その後、研究された民生応用のひとつに、マイクロバブルが水中の微小な粒子を吸着して水面に運び去るという性質を利用した牡蠣の洗浄があります。オゾンのマイクロバブルを牡蠣に吸い込ませて、ノロウイルスを除去するのです。その話を聞いて、『皮膚バリアを壊さずに洗浄できるならアトピー性皮膚炎の子供達のお風呂に使えないだろうか』と考えたのが、ターレスの技術者たちです。試行錯誤の結果、直径10μmの泡が大量に発生しないと洗浄効果がないことがわかりましたが、実際の皮膚では皮脂がそれを邪魔するという問題に直面しました。界面活性剤が使えないので、特殊な酵素で皮脂や垢を分解させる方法が考案されましたが、酵素を使うとなると、いきなり人体で効果を確認するというわけにはきません。まずは動物でということになりました。

Q 動物に応用してみてどのような手ごたえを感じましたか?
▲マイクロバブルバス以外にも設備がしっかりと充実している
私もいきなり患者さんに試せませんので、まずは自分で風呂に入ってみました。自分の体に害がなかったので、次に自分の犬を洗いました。犬の皮膚にも問題は発生しなかったので、その後何回も自分の犬を洗い続け安全性を確認しました。その後、洗うと真っ赤になり、可哀想で薬浴できないと困っていた飼い主さんに承諾をいただき、マイクロバブルを試しました。結果は良好で、入浴後に真っ赤になってしまうということがありませんでした。繰り返しマイクロバブルバスに入れていくと、背中にあった大きな潰瘍も治ってきて、滲出液でドロドロだった箇所も綺麗に上皮化してきました。

Q マイクロバブルによる洗浄のしくみについて教えてください。
▲マイクロバブルバスで動物たちもすっきり!
マイクロバブルが皮膚の隙間や毛穴の奥深くまで侵入していきます。マイクロバブルの表面はマイナスに荷電しており、皮膚表面の汚れや細菌などに吸着します。入浴剤に含まれる酵素によって、汚れや細菌は皮脂の粘着から開放されていますので、泡の浮力で水面へと運び去られます。ただし、上記の洗浄効果があるのが直径10μmの泡だけで、そのほかの大きさのマイクロバブルでは効果がないそうです。また、泡の密度も重要で、大きさの揃った大量のマイクロバブルを発生させないとただの泡風呂に終わるようです。洗浄のしくみはこれだけですが、皮膚炎の改善という点について、説明のつかない現象がいくつか報告されています。私はマイクロバブルバスだけでアレルギー性皮膚炎が治るとは考えていません。ところが、トリミングサロンや一部の獣医さんで、マイクロバブルバスだけで皮膚炎が改善したという事例が出てきたのです。マイクロバブルは水圧で自己圧壊し、もっと小さなナノバブルという泡に分解します。この際、千数百度もの高熱と、強い衝撃波が発生することが知られており、開発者たちはこの現象が、皮膚炎の改善に関係していると考えています。

Q 先生の病院では実際にはどのようにマイクロバブルバスを使われていますか?
▲「うちのこたちと同じ様に」をモットーに動物たちにやさしい医療を提供している
皮膚科に必要な基本的な治療は全て行います。その中で薬浴というパートにマイクロバブルを利用しています。とくに、薬浴したいのに皮膚が耐えられないといった症例に使っています。マイクロバブルを導入した多くの獣医さんの感想を伺うと、週2回くらい洗浄すると良いようです。一回の洗浄時間は15分くらいです。 ターレス社のマイクロバブルバスはすでにカナダやアメリカでも普及しつつありますが、カナダの皮膚科専門医であるDr.ジェームズ ザッケローニは、入浴剤にビタミンCを添加したらよい結果が得られたと言っていますし、外耳洗浄に使っている先生もいらっしゃいます。糖尿病の壊疽やひどい外傷の洗浄にも有効です。ふつうに洗ったら痛くて耐えられないような外傷の犬が大人しく洗浄させるので便利です。仕事とは別の話しですが、私は野鳥の救護活動をしています。アホウドリなどの海鳥は治療後、羽を綺麗にしてから放さないと水に浮けないので、マイクロバブルで洗浄しています。浮力に必要な羽の微細構造を痛めずに洗浄できるので便利です。

石橋 徹院長からのメッセージ

アレルギー性皮膚炎の治療に、短期決戦の特効治療はありません。 アレルギー性皮膚炎は、様々な治療の組み合わせによって治療しますが、可能な限り、まんべんなく全方位的に治療することが大切です。どれかひとつが抜けても、ほかの治療が台無しになる可能性もあります。すっきり根治しないまま治療が永きに渡るので、飼い主さんのモチベーションの維持が難しいこともあります。 根気よく治療を続け、すこしでも良い状態を維持するためには、飼い主さんと主治医の密なコミュニケーションが不可欠です。ネットで最新情報を漁るより、目の前の主治医に直接質問して、納得がいくまで話し合いましょう。ここでご紹介したマイクロバブルバスも、多くの治療方法の中のひとつです。シャンプー後の皮膚の荒れが顕著な個体には、有効な選択肢となるでしょう。ターレス社のマイクロバブルバスを導入している当院にご相談ください。なお、皮膚の洗浄効果が期待できるのは、10μmの泡が大量に作られるマイクロバブル発生装置と、皮脂と垢を分解する酵素の入った入浴剤を組み合わせた場合であり、どこの製品でも効果があるわけではありません。

 
178697/かたせ江の島どうぶつ病院/畑 岳史院長/1,178673/わたなべ動物病院/渡辺言之院長/1,176519/春動物病院/猪熊 仁院長/1,178681/あおばペットクリニック/田中泰三院長/1,178676/とも動物病院/櫻井智敬院長/1,177101/谷津どうぶつ病院/新井 仁院長/1,178672/キズナ犬猫クリニック/遠藤隼人院長/1,178661/ひがしっぽ動物病院/東尾直樹院長/1,15308/さいわい動物病院/杉山博輝院長/1,17169/わたりだ動物病院/田村通夫院長、田村裕美副院長/1,178697/かたせ江の島どうぶつ病院/畑 岳史院長/1
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