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安川明男統括医長、岩佐孝生院長の独自取材記事

上石神井動物病院

(練馬区/上石神井駅)

最終更新日: 2023/01/22

1982年の開業以来、32年間もの長きにわたり獣医師として多くの動物の命を救い、またこれまで世界中の動物病院を訪ねて回り最新の治療法を日本に導入し、東京都家庭動物協会の理事や日本伝統獣医学会の理事長も務める「上石神井動物病院」「西荻窪動物病院」の安川明男統括医長。その安川先生が6月、「上石神井動物病院」の院長に抜擢したのが、爽やかな笑顔が印象的な若手の獣医師、岩佐孝生先生だ。上石神井駅から徒歩8分、同院のブルーの看板が見えてくる。ガラス張りの受付・待合スペースには明るく気持ちの良い空間が広がり、院内には超音波診断装置や血液透析装置、CO2レーザー、ジャグジーといった最新機器が完備、診断からリハビリまで高度な治療を提供している。動物への深い愛情と眼差しは、「ゼネラリストが揃った医療スタッフが手がけるトータルケア」「誕生から健康を管理し最後の看取りまでケア出来る病院」という言葉に表れている。同院の特徴や医療にかける熱い思いなど、お二人にじっくりお話を伺った。 (取材日2014年7月3日)

高度医療からターミナルまで総合的なトータルケアを提供

こちらは歴史のあるクリニックですね。

【安川統括医長】1982年に本院の西荻動物病院を、そして1988年にこの上石神井動物病院を開業しました。初めは私一人で西荻動物病院をスタートしたクリニックですが、現在は8人の獣医師が在籍し、両院で連携して医療を行い、年中無休24時間体制で急患にも対応できる犬猫の専門病院として地元の皆様に親しまれています。飼い主さんには夜遅くまで共働きのご夫婦も多いので、入院患者をお預かりしている間は獣医師が夜間も常駐しています。

特に力を入れている診療は?

【安川統括医長】ここ最近はペットの高齢化が進み、ガンなどに加えて慢性的な疾患が加わるケースが多く、ダブル、トリプルで疾患が重なっていますね。そのため体全体を診る必要があります。疾患が複数あるということは、より様々な疾患を診られるようになったということでもあります。医療の進歩があり、次つぎと新しい診断・治療法が生まれています。常に総合的に存在しているのが医療であり、医療は常に統合されていなければならないというのが私の持論です。私たちの病院のスタッフは、それぞれ得意分野を持ちながらもジェネラル(総合的)な診療ができる獣医師ばかりです。外科、内科はもちろん、眼科も皮膚科も腫瘍科もあらゆるすべての疾患が診療可能です。治療にあたっては、効果がある治療法は西洋医学だけでなく東洋医学も積極的に取り入れ、トータルケアでしっかり治すというのが基本です。そして、「誕生から看取りまでケアする」というのが私たちの役割です。同時に、命あるものはいつか必ず寿命が来るものです。大切なペットに、最後まで生を全うして欲しいと願う飼い主さんも含めた心のケアが大切です。ターミナルケアは病院で実施するか、自宅で行うか、飼い主さんの状況や希望を伺い、コーディネートすることも獣医師の重要な仕事です。

安川先生は獣医師をしながら世界中を回り、動物たちの生活を紹介するなど幅広く活動されていますね。

【安川統括医長】開業して以来、欧州や米国の様々な動物病院で研修や見学を重ねて来ました。当時は情報があまり多い時代ではなかったので、実際に外国に出て自分の目で見て確かめる必要がありました。当時最先端と言われたアメリカ、ヨーロッパなど、諸外国にはどういう動物病院があり、どんな治療法があり、それはどのようにしたら日本に導入できるのか、あるいはできないのか。海外で行われている学会や研究会にも積極的に参加し、学びました。世界の動物を紹介するTV番組の解説者として出演していたこともあります。

早期発見のため、気軽に立ち寄ってもらえる病院でありたい

安川先生が獣医師をめざしたのはなぜですか?

【安川統括医長】私は杉並区阿佐ヶ谷で生まれ育ちました。生まれた時から犬、猫、鳥、ハツカネズミなどたくさんの動物が自宅にいて、常に動物が絶えない家でした。両親が捨てられた犬を拾ってきて、幼い私は「おまえが面倒みなさい」なんて言われたりして、動物が家にいるのが当たり前でしたね。11歳の時、飼っていた犬が病気になり、そのとき初めて獣医師という職業があることを知りました。愛犬の治療をしてくれた獣医師の姿に、「素晴らしい仕事だな」と思い、将来この仕事につきたいと思うようになりました。1980年に日本獣医畜産大学(現日本獣医生命科学大学)を卒業後、大学病院で3年間、そして更に2年間勤務医として外科疾患の手術を行うなど経験と研鑽を積み、開業しました。

岩佐先生はどうして獣医師をめざしたのですか?

【岩佐院長】小さい頃から犬好きで、実家では柴犬、シベリアン・ハスキー、ヨークシャ・テリアがいました。漠然と、将来犬と関わる仕事をしたいなとは思っていました。進路を決める時期に、高校の同窓生のお父さんが獣医師であったこともあり、また自分で何人かの獣医師に話を聞いて、「獣医師はやりがいのある仕事だな」と思い、獣医師への道を歩み始めました。日本獣医畜産大学(現日本獣医生命科学大学)に入学し、大学時代は、放射先学教室に所属し呼吸器病学と腫瘍学を主体に学びました。2011年大学卒業後は、大学の先輩が就職した先が当院だったこともあり紹介で私も勤務しました。安川先生は獣医師の世界の大御所で、畏れ多いとの気持ちをいつも抱いています。周囲につねにアンテナを張られているので、その診療姿勢を見ながら、私も日々勉強だなと思っています。

岩佐先生はこの6月(2014年取材時)に院長になられたのですね。

【安川統括医長】この6月、さらなる医療体制のパワーアップのため、前院長の山口優医師は外科支援医として当院と西荻窪の両院を総括的に支える立場となり、岩佐孝生先生が新たに院長に就任しました。岩佐先生は経験年数だけでいえばまだ若い部類に入りますが、飼い主さんや患者さんにもこまやかな神経の行き届いた診察ができる獣医師です。院長にというのはちょっと思い切った決断かなと思ったのですが、実際はそうでもなかったですね。的確な判断でした。思考形態が大人で、しっかりものを考えているドクターです。これから勉強と経験を重ねることで、より信頼の厚い獣医師になると期待しています。

これからどんなクリニックをめざしていますか?

【岩佐院長】動物病院はどうしてもペットが病気になってから連れて来るというイメージがありますが、お散歩の時とか、月に一回、体重を量りに来るとかでも、病院の扉はそれほど重くはありませんので、気軽に立ち寄ってもらえるクリニックでありたいですね。ちょっとした相談でもかまいませんので、何か異変を感じたら早めに相談していただきたいと思います。人間と同じで、病気は早期発見、早期治療の方が結果として動物や飼い主さんにかかる負担が少ないことが多く、たとえば当院では外科でも「いかに切らずに治すか」を大切にしており、すぐには切らずに、いかに動物に負担を与えずに治すか最善の方法を考えます。そのためにも早期発見という意識を飼い主さんに持っていただくことが大切です。獣医師として、動物と一緒に幸せに暮らしていくためにはどうしたらいいかを飼い主さんの立場に立って、しっかりアドバイスとサポートをさせていただきたいと思います。

動物の健康寿命を延ばすための方法を伝えたい

これまで診療で印象深いエピソードもたくさんあるのでは。

【安川統括医長】開業当初は犬猫に限らず、いろいろな動物を診ていました。ある時、交通事故で意識不明、大腿骨を骨折したタヌキがかつぎこまれました。動物園の方が野生のタヌキを保護して連れてきたのです。治療中はまだおとなしかったのですが、翌日には豹変しました。治した傷跡を剥ぐわ、治そうとする手を噛むわ、野生動物なので非常に危険でした。1ヶ月半かけて骨折を治し、山に帰しました。様々な方法を駆使して治した体験はとても勉強になりましたね。そのタヌキを治療してから全体の診療レベルがぐっとあがったと思います。また、2011年の東日本大震災の時には、多くの人々や動物たちも被災し「食料がない」「医療品がない」など被災地から情報が入ってきました。当院に通う飼い主さんをはじめ知人友人たちが、足りないものをどんどん協力して集めてくれて、震災発生から5日目に佐川急便で被災地に支援物資を届けることができました。人の温かさを感じましたね。

岩佐院長はこれまでで印象に残る動物や飼い主さんとの出会いはありますか?

【岩佐院長】猫のターミナルケアを担当した際のことは今も印象深いですね。猫の乳腺腫瘍の8割方が悪性です。どんどん大きくなり、あちこちに転移して、格段に生活の質が落ちてしまいます。しかし、ペットががんであることや、亡くなる可能生があることを飼い主さんはなかなか受け入れられずに苦しみます。その猫ちゃんの時には、飼い主さんとじっくりお話をして治療法を選択してもらい、QOL(生活の質)を維持するための手術を行い、最後の半年ぐらいを御自宅で一緒に過ごしてもらいました。最後の看取りまで含めて大変勉強になりました。学んだことは、がんという部分ではなく、全体を診なくてはいけないということ。その動物の一生を診るということです。

最後に、先生ご自身の動物との関わりや、飼い主さんへのメッセージをお願いします。

【安川統括医長】動物は私にとって特別な存在ではなく、一緒に生活をする仲間ですね。今も、自宅では捨てられていた猫が2匹と、甲斐犬とゴールデンレトリバーを飼っています。これからは、動物の健康寿命を延ばすという意識や知識を、飼い主さんたちにもっと伝えていきたいですね。その一つとして、当院では手作りのペッドフードのセミナーを行っています。動物には私たちの食事の味付けの3分の1程度の塩分量が丁度良いなどをお伝えしています。また、オーガニックのペットフードを開発して、動物病院限定で販売しています。放射線も検出されない、鮭とエゾ鹿を乾燥させた無添加のペッドフードです。 【岩佐院長】私にとって動物は「癒し」ですね。今は仕事の関係上飼っていないので病院に来る皆さんに癒されています。飼い主の皆さんには「些細なことでも話してください」とお願いしたいです。普段の何てことない会話から病気の本質が判明したり、その子に合った治療法を選択することが出来ます。治療においては、飼い主さんとしっかりお話しをして治療方針を決め、信頼関係のなかでしっかりとペットの病気を治していきたいです。動物は私たちよりも命が短く、病気になることもあります。最後までしっかり飼うという意識を持って、動物という素晴らしいパートナーと出会ってほしいです。

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