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豊福 健院長、豊福香織先生の独自取材記事

西ヶ原ローズ動物病院

(北区/上中里駅)

最終更新日: 2023/01/22

北区・本郷通り沿いの旧古河庭園正門前に「西ヶ原ローズ動物病院」はある。豊福健(とよふく・たけし)先生と香織先生の2人は北里大学で同期生だった頃からの付き合いで、2011年にこの地に開院。二人の仲むつまじさとクリニックの緑あふれる装飾が相まって、かかりやすい場になっている。国内で数少ない獣医循環器認定医の資格を持つ院長の豊福健先生のもとには、弁膜症など心臓病の専門治療のため、関東一円から愛犬、愛猫が訪れる。通常の西洋医学に加えて東洋医学も学んだ豊福香織先生が鍼灸(しんきゅう)医療を行うなど、通常の療法にとらわれない選択肢の幅広さも大きな特徴だ。院長が循環器を専門に決めた経緯、パピーパーティーを通じた子犬同士の触れ合いの大切さなどお話を伺った。 (取材日2015年4月24日)

学生時代、同級生だった奥様の感化で獣医循環器を専門に

なぜ西ヶ原に開業されたのですか?

【健先生】僕と妻の両方にそれぞれ理由がありまして。北里大学を卒業後、ACプラザ苅谷動物病院の市川橋病院に7年間務めてから開業を考えたのですが、勉強会に参加しやすい都内が良いなと。認定医の資格を持っている獣医循環器の分野だけでなく、ゼネラリストを目指して様々な分野のセミナー参加を心がけているので、多いときにはひと月に5、6回参加することもあります。新しい情報を得るためには足しげく通う必要がありますので、勉強会に参加しやすい都内で開院したいと思いました。また、都内は大学病院など二次医療機関との連携もしやすいので、高度な医療を提供することができます。 【香織先生】私は子どもの時に転勤族の父に伴って各地を転々としたのですが、中学・高校時代は都営三田線・千石駅の近くで過ごしました。西ヶ原周辺は通っていた高校の学区内で、高校時代の友達が多い場所です。また、ちょうど主人が開院するときに下の子を妊娠していたこともあり、選ぶ際には中学・高校時代を過ごした馴染みのある場所が心強く感じられました。ですので、主人が都内で開院したいと言ったときに「じゃ、この辺で」とお願いしました。

院長は獣医循環器がご専門とか?

【健先生】獣医循環器の認定医は年々増えてきていて、東京でこそそれなりに多いですが、全国的にみればまだまだ少ないです。そのため栃木県など遠いところからいらっしゃる飼い主さんもいます。大学の指導教員が獣医循環器で全国的に有名な先生で、この先生の薫陶を受けたのがきっかけです。卒業後も大学時代に学んだ知識が生かせるよう、循環器を専門にされている先生のいる病院を勤務先に選びました。そこで学んだことも大きいですね。 【香織先生】主人が大学時代に所属した獣医循環器の研究室は人気の研究室で、私もそこに入りたくて大学2年生の時からお手伝いなどしていたのです。その頃、もともと病理学を志望していた主人に私が循環器の研究室の魅力を度々話していたら、感化されたのか主人もその研究室に希望を出してしまったのです(笑)。一番倍率が高く、あみだくじで決めたのですが、主人が当選して、当の私は落ちてしまいました(笑)。 【健先生】今も日々の診療とは別に休日を利用して、月に一度循環器専門の医療センターに研修にいっています。

診療内容の幅広さも魅力ですね。

【香織先生】飼い主さんには、思っていること、言いたいことを遠慮なくお話しいただければと思っています。飼い主ご自身がハーブやホリスティック療法などに個人的に興味を持っている場合も、こちらが反対することはありませんので気軽にお話ください。西洋医学だけでなく東洋医学についてもある程度選択肢を用意しているので、できる限りお応えしていこうと思っています。

鍼灸医療などで治療の選択肢を広げ、飼い主の心のケアに効果も

実際の診療ではどんな循環器の病気が多いですか?

【健先生】ワンちゃんの場合は弁膜症、正確には僧帽弁閉鎖不全症という、心臓の弁がうまく閉じない病気が多いです。ネコちゃんの場合は肥大性心筋症という、心臓の筋肉が分厚くなり、動きが鈍くなる病気が多いです。こうした病気が進行して心不全になると、肺に水がたまり、呼吸困難に陥ってしまいます。身体検査時に獣医師が聴診をすれば心臓から雑音が聞こえるので、弁膜症に気付くことができます。ネコちゃんの肥大型心筋症は聴診で気づけないことも多いため、一年に一度しっかりと心臓の検査を含んだ健康診断を受けられることをおすすめします。 【香織先生】ひどい子の場合は、飼い主さんが「咳をして、鼻水を垂らして、ちょっと苦しそうなんだけど」と病院に来ていただいた時には、既に肺に水がたまっていることがあります。

診察し、治療する際に大切にされていることは何ですか?

【健先生】僕たち獣医師の立場からいうと、獣医学的な観点からベストを目指すわけですが、実際はあくまで飼い主さんが何を希望されているのかを会話から読み取って、納得のいく治療を提供していくことが大事だと思います。 【香織先生】西洋医学の治療法に従えば、例えば椎間板ヘルニアなら足が立たなくなった時点で手術をするという流れになり、その時の回復率がどのくらいというデータもあります。しかし、高齢の場合に「MRI検査と手術で2回も麻酔をかけたくない」という飼い主さんに対しては、「もう立てないかもしれないけど、痛みが取れて、後は楽しく過ごせるようになればそれでいいですか?」と聞いてみて、承諾を得られればその考え方に沿った治療をしていくことになります。

治療の選択肢を広げてあげるということですね。

【香織先生】そうです。飼い主さんにはしっかり説明をした上で、方法を選んでいただくようにしています。私は東洋医学も勉強したのですが、西洋医学だけしかできないとセオリーから外れた時、例えば椎間板ヘルニアで手術を諦めたという先ほどのケースでは、痛み止めをして安静にしておくほかありません。でも、東洋医学を活用すれば、痛みを取る鍼やマッサージを提案することができます。これらは痛みの軽減だけでなく、神経的な回復の可能性もあります。また、これらの治療が結果的に功を奏さないとしても、可能性を広げてあげることで飼い主さんには「できる治療をしてあげられたんだ」という前向きな気持ちが生まれます。飼い主さんが落ち込んでいると、そうした雰囲気が動物にも伝わって一層具合が悪くなることもありますから、飼い主さんの心のケアという点でもすごく大事なことだと私は思っています。

子犬の社会化のためパピーパーティーを月2回開催

診療以外に力を入れていることはありますか?

【健先生】子犬同士の触れ合いの場として、パピーパーティーを月に2回、定期的に開催しています。ワクチンなどで来院された飼い主さんにご案内していますが、ホームページを見て来ていただいた飼い主さんの場合でも、ノミ予防とワクチン接種、便検査で問題がなければどなたでも1回500円(WANコイン)で参加していただけます。 【香織先生】子犬は生後4、5ヵ月には恐怖の感情や警戒心が出てきます。この時期に他の人や犬にはじめて出会ったり、外の音を聞いたりしますと、吠えたり、人を噛んだりするような問題行動につながることがあります。そこで、何でも好奇心で許容できる生後3、4ヵ月までの時期に色々な経験をさせて、それが怖くないことだと分からせてあげるということが大切になります。これを子犬の社会化とか馴化とも言いますが、これがパピーパーティーの趣旨です。

パピーパーティー以外にもメニューが多彩ですね。

【健先生】パピーパーティ―は1才で卒業です。その後も卒業生を対象に、触れ合いを目的にした「フリークラス」を開催しています。それとは別に、しつけを重視した「子犬の保育園」を開催しています。ここではドッグトレーナーにお願いして、他のワンちゃんと一緒に3時間お預かりし、その子のキャラクター、個性をみた上で「この子はこうしたらうまくできそうですよ」とアドバイスを行っています。一頭で飼われている方がほとんどですが、一頭では矯正が難しくても、他のワンちゃんがいる環境では矯正がしやすいということがあります。 【香織先生】当院ではトリミングも行っています。その際に皮膚病を見つけたり、治療の一環として薬浴を行うことができます。シニアの子や持病をもったような子は一般のトリミングサロンでは断られてしまうのですが、ここでは緊急時の処置が可能ですので、お気軽にご利用ください。私が手作りでつくっている石鹸もあり、普通のシャンプーが合わないという子に使ってもらっています。

最後に飼い主さんへのメッセージをお願いします。

【健先生】医療に関すること以外でも、トリミングなど気軽に寄っていただければと思います。また、ワンちゃんと違ってネコちゃんは動物病院から疎遠になりがちです。今後はネコちゃんの診療について、休み時間にネコ専門の外来時間を設けたり、診察室で猫の不安を軽減させるためのフェロモン製剤を用いるなど、ネコちゃんを連れてきやすくなる工夫をし、ネコちゃんの飼い主にとっても今まで以上に身近な場所になりたいと考えています。 【香織先生】ご自宅では点滴のほかに、指圧やマッサージで血行をよくしてあげるなど、日ごろのケアや無言のコミュニケーションでワンちゃんの気持ちが落ち着き、お互いの信頼関係も生まれてきます。病院での治療のほかに、ご自宅でのそういったケアについてのアドバイスなどを通じて、飼い主さんのお役に立ちたいと願っています。

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