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青柳惠彦 院長の独自取材記事

青柳動物病院

(江東区/門前仲町駅)

最終更新日: 2023/01/22

東京メトロ東西線 門前仲町駅から地上に出ると、目の前には永代通りが走っている。車の流れは多く近代的な印象の街並みがあるが、あちらこちらに下町情緒が残っていて、街中を歩いていてもどこか懐かしさが込み上げてくる。この地で開業して30年以上経つ「青柳動物病院」は、地域に根ざした動物医療を続け、街の人々に頼りにされているペットのかかりつけ医だ。院長の青柳惠彦先生は、小さい頃から動物が大好きで、現在も医院内でウサギ、フクロモモンガ、カメを飼っている。いろいろな動物を自ら飼うことで、治療の他に飼育方法についてもアドバイスをしてくれる。動物本来の姿を大切にした飼い方が、本当の愛情なのではないかと話す青柳先生に、今まで飼った動物から現在に至るまで、たくさんのことを語っていただいた。 (取材日2014年1月31日)

多くの動物を自らが飼育した経験をもとに、治療だけでなく飼育方法についても的確なアドバイス

開業されてどのくらい経つのでしょうか?

1980年9月、僕が26歳の時に開業しました。開業して34年が経ちます。今自宅は別のところにありますが、もともとここに実家があり、僕はここで生まれ育ちました。開業当時は、ここの他にも動物病院はたくさんあったのですが、先生が高齢になられて閉めてしまった医院も多く、当時に比べてずいぶん数が減りました。僕の医院もこの地域では古いほうだと思います。今は僕たちの年代の獣医師が江東区では何人かいますが、あとはもっとご高齢か、逆にもっとお若いかという両極端ですね。ペットを連れてこられる飼い主さんは、やはり近隣の人たちが多く、時には引っ越しても、遠方からわざわざ電車を乗り継いで来てくれる飼い主さんもいて、ありがたいなと思いますね。

どんな動物を診察してくれるのでしょうか?

犬、猫、小鳥、ウサギ、ハムスターなどの小動物ですね。基本的に自分が飼育した経験がある動物を主体に診察しています。自分で飼育した経験があるから、治療を行うだけでなく、飼育方法についても細かくアドバイスもできるのです。自分で飼育をしないと、飼い主さんに自信を持ってアドバイスができませんからね。ただし爬虫類は僕自身がほとんど飼育した経験がないので、診察はわかる範囲内で行っています。僕のところはペット全般を診察する、いわゆる街医者ですね。

最近では、どのような動物の診療が多いですか?

小鳥も多いのですが、それ以上にジャンガリアンハムスターが多いです。僕が昔ジャンガリアンハムスターを飼っていた頃は値段も高かったのですが、今は流通が良くなって手頃な値段で買えますし飼いやすいので、多くの人に人気があります。ただ、通常のハムスターは5年くらい生きるのですが、ジャンガリアンハムスターは、2年くらいたつとがんになることが多いですね。そのような場合は、飼い主さんとよく話し合って治療方法を決めていきます。治療はいくらでもできますが、治療し続けることだけが最良の選択でないと考える飼い主さんもいらっしゃいます。飼い主さんとペットとの暮らし方はそれぞれですので、できるだけ飼い主さんの意向も尊重しながら治療方法を決めていくようにしています。

治療方法の選択の際には、費用面も気になりますよね。

動物病院はお金がかかるという認識が、どうしても飼い主さんたちにはあるようです。そのせいで、ペットの具合が悪くても様子を見てしまい、手遅れになってしまったりすることがあります。治療費に関しては、いくらかかりますか?と聞いてくる飼い主さんもたくさんいますので、遠慮なく聞いてください。きちんと概算はお話しいたします。動物病院は病院ごとにやり方や、料金体系も違いますが、飼い主さんと獣医師との信頼関係が大切であり、相性というのもあると思うのです。まずはささいなことでも相談してくれればと思っています。

病気予防や健康状態に気を使うのが、ペットたちへの本当の愛情

診療の際に心がけていることはありますか?

病気の治療の他に、飼い方に関するアドバイスを行うようにしています。開業当初は24時間体制で診療を行っていたのですが、現在は動物病院にも役割分担ができていて、24時間体制の緊急病院もたくさんあります。例えば、帝王切開が必要な場合などは、いつお産が始まるかわからないので、事前に飼い主さんに24時間体制の緊急病院を押さえてもらって、実際にそこへ連れて行くまでのフォローを、飼い主さんと電話でやりとりしたりもします。またペットたちも長生きするようになって、がんなどの病気も多くなりました。そういった病気を、どうやって治療していくかを、必ず飼い主さんと相談をしながら決めていくようにし、必要に応じて大学病院を紹介したりしています。

飼い主のペットへの愛情のかけ方も昔と変わりましたか?

本来のペットの飼い方に忠実な人と、そうではなく過剰な愛情を注ぐ人の両極端になりましたね。例えばプードルという犬種は清潔さや健康を保つためにも、1ヵ月に1度はトリミングをするべきなのですが、それをせずに着せる洋服にばかりお金をかけている飼い主さんもいます。洋服をずっと着させていると毛玉ができてしまい、皮膚病の原因にもなります。毛玉ができてしまうと、犬もトリミングをされるのをすごく嫌がるようになってしまうのです。本来は毛皮がある動物なので、洋服などは着せる必要がないのですから、家の中では必ず脱がすようにと飼い主さんにはアドバイスをしています。子どもが1人増えたと思って、まずはペットの健康を第一に考えた飼い方をするのが、飼い主の責任ですしそれが本来の愛情だと思います。

獣医師になろうと思ったきっかけを教えてください。

小学生の頃から小鳥や小動物が好きで、リンゴ箱に金網を張って積み重ねていき、そこでセキセイインコをたくさん飼っていました。どんな羽の色の子どもができるかを事前に考慮して、それに見合った色の羽を持つオスとメスを選んで繁殖させていました。生まれた子どもたちはペットショップに卸して、代わりに餌をもらったり、時には違う小鳥をそこで買ったりもしていました。実ははじめは、動物を飼育することが大好きなので、上野動物園の飼育員になりたかったのですが、飼育員は公務員だったため諦めて、同じように動物に接することができる獣医師になりました。当時魚河岸で仲買を営んでいた父は、将来兄に仕事を継がせて、僕はそこの経理職に就かせたかったようです。ところが僕が獣医師になったので、結局兄だけが父の仕事を継いだというわけです。

動物にも飼い主にも、それぞれの個性があるのだから、飼い方も違うのは当たり前

大学を卒業してから開業まではどうされたのですか?

日本獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)を卒業したのが1976年。当時はまだ4年制でした。卒業して国家試験が終わってから、すぐにカナダに1年半ほど留学し、英語を勉強しながら週に何回か現地の動物病院に通っていました。カナダの動物病院は日本とは違っていて、犬や猫もおとなしいですし、診察もほとんど予約制をとっています。だから獣医師もバケーションで1ヵ月も2ヵ月も休みをとったりしていて、そこは日本の獣医師とは違いますね。当院でも土曜日は予約制にしてありますが、最近の動物病院も予約制のところは増えてきているのではないでしょうか。そうしないと、獣医師自身の体も持たないと思います。日本に戻ってからは勤務医として働き、その後に開業しました。ちなみに今はもう英語はだめですね(笑)。日常会話ならともかく、専門用語はもう話せませんね(笑)。

先生の趣味やお子さんのことを教えてください。

僕の趣味は観劇で特にミュージカルを観に行くのが大好きです。出演者の演技や躍動感だけでなく、努力している姿勢までこちらにひしひしと伝わってきて、自分も頑張らなきゃと前向きになれるし、元気がもらえるので、ほとんど毎週通っています(笑)。子どもは息子が2人いて、長男は看護師の仕事をしていて、次男は大学生です。次男はハワイに住んでいた経験を生かして、将来は英語の教師になりたいと言っています。獣医師という仕事は体力的にも精神的にも大変な部分があるので、2人とも恐らく僕の仕事は継がないのではないでしょうか(笑)。しかし、彼らには彼らのめざす道に進んでもらえればそれで良いと思っています。

読者へのメッセージをお願いします。

今はインターネットが普及して、ご自分でペットの病気をいろいろと調べてこられる飼い主さんもいて、ここに連れて来た時には、すでにご自分で病名をつけてきてしまう方もいます。ご自身で調べることは決して悪いことではありませんが、インターネットの情報だけで決め付けたりせずに、獣医師のアドバイスをきちんと聞いて欲しいと思います。それから、ペットたちにも人間と同じようにみんな個性があります。ですから、飼育方法は必ずしも買った本の通りにはなるわけではありません。本にはこうしたら良いという、ベストのことが書いてありますが、それがすべてのペットたちに当てはまるわけではないのです。ペットの具合が悪かったり、飼い方で困ったことがあったら、遠慮なく獣医師に相談して欲しいですね。理想を追いかけ過ぎると、飼い主さんもペットも疲れてしまいますから。飼い主さんとペットが互いに幸せな人生をおくる為のお手伝いを、これからもし続けていきたいと思います。

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