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桑野 悟 院長の独自取材記事

動物病院モルム

(江東区/住吉駅)

最終更新日: 2023/01/22

東京メトロ半蔵門線、都営新宿線住吉駅A1出口から、新大橋通りを西に3分ほど歩くと「動物病院モルム」に行き着く。通りに面した入り口から院内に入ると、そこは燦々と自然光が降り注ぐ明るい待合室。インテリアは白基調にオレンジ色が効果的に映え、ポップな雰囲気が漂う。並べられている椅子もカラフルだ。「病気のペットを連れて来る飼い主さんも元気を無くしていることが多い。そういう時に少しでも明るい気持ちになれるように、ここに来ると楽しいなと思ってもらえるように、配色を工夫したんですよ」と、柔らかい笑顔で説明してくれた桑野悟院長。この地で開業してから30年以上、地域のペットの健康をサポートしてきた。クリニックの特色や診療ポリシー、これまでの道のりまで、じっくりとお話をお聞きした。 (取材日2013年11月19日)

街のホームドクターとして地域に密着

クリニックの特色を教えてください。

地域密着型であるところが一番大きな特色ですね。街のホームドクターであることを第一に、自分が好きな動物、わかる動物ということで、犬・猫に始まって、ウサギ・ハムスター・小鳥・カメといいうように、徐々に診療動物の範囲を広げてきました。さらに、休診日も設けていません。10数年前までは、土曜の午後と日曜を休診日にしていたのですが、たくさんの飼い主さんに来ていただけるようになって、土曜日は午後の2時とか3時まで診療が終わらず……。休みの次の月曜も、すごく混むようになりましてね。これは分散させないと仕事ができないな、ということで休診日をなくしたんです。そろそろ、休診日を作ってもいいのかなとも思うこともあるのですが、毎日の通院が必要になるケースも出てきますし、患者さんにとっての利便性を考えて、休みの日を作る勇気を持てないんですよね(笑)。

スタッフ体制と院内設備について教えてください。

普段は、看護師2名と私、という3名体制が基本です。ただ、私は大学と専門学校の教育にも携わっているので、病院に来られない日があるんですね。そのバックアップをしてもらうために、私以外に獣医師3名が非常勤で診療を行っています。院内設備は、赤外線治療器や超音波診断装置、血球検査機や生化学自動分析装置など、私以外の獣医師が診療する上で不足のないよう整えています。院内の間取りやインテリアについては、結構こだわって設計しました。10年ほど前に建て替えをした際、それまでの診療の中でこうなっていると使いやすいな、ということをたくさん盛り込んだんです。診察中に待合室の様子が見えるように、また、スタッフ同士でアイコンタクトが取りやすいように、院内は見通しを良くてあります。

動物との接し方において気を付けていることはありますか?

飼い主さんのペットという意識ではなく、「自分ちの子」だと思って接しています。ただ、努めてそのようにしているわけではなくて、自然とそうなってしまうものなのですが(笑)。「大丈夫だよ」という声かけから始めて、少しでも安心できる環境を作りたい。動物も分かってくれるんじゃないでしょうかね。診察中に機嫌のいい子をみると楽しくなります。近所に住んでいる飼い主さんが、「うちの子は、病院の前を通るとどうしても入りたがるんだよね」なんて話してくれることもあって、なによりのほめ言葉です。

親しみをもって飼い主と接し、信頼関係を構築

飼い主さんとの接し方で心がけていることはありますか?

こちらは下町のど真ん中。開業したのは30年以上前なのですが、その頃は今以上にコテコテの下町でしたから、いらっしゃる飼い主さんたちはとてもフレンドリーに話しかけてくださるんです。しかし、当時の私はずっと硬い言葉で応対していて、こんな自分で受け入れてもらえるのかな、と次第に考えるようになりましてね。少し肩の力を抜いて、砕けた感じで接するようにしたんです。私も下町生まれだから、そのほうが楽でしたし。もちろん、初対面の飼い主さんに対していきなり砕けた態度は取りませんが、通っていただく中でだんだんと親しい言葉使いで接してくほうが信頼関係も築きやすいのかな、と感じます。飼い主さんとわかりあえて、お互いの気持ちが近付いたらいいなと思っています。

獣医師になろうと思ったきっかけについて教えてください。

子どもの頃から動物が好きだったということがベースでしょうね。いろいろな動物を飼っていました。鳥、犬、カメもいましたね。アリを飼っていたいこともあります。アリは2歳くらいの頃から飼っていましたよ。目線が低いので、気になったんでしょうね(笑)。ただ、本格的に獣医師を職業として考えるようになったのは、大学に入る前、浪人をしている時なんです。夏くらいですかね、受験雑誌をぺらぺらとめくりながら獣医学部のページを通り過ぎたんです。そうして何ページか先に進んでから、え、獣医学部って何だろう、とそのページに戻って。そこで初めて、「獣医学部」と「獣医師」という職業がつながったんですよ。その頃は、毎日犬や猫に囲まれて仕事をしていけるなんてなんだか楽しそうだなと思ったんです(笑)。中学生、高校生、その時々で憧れた職業もいくつかありましたが、そこでようやく目標が明確になったように思います。幼馴染の家が小鳥屋さんだったので、「鳥を診られるようになってね」とよく声をかけてもらっていました。

大学を卒業してからの経験を教えてください。

開業したのが30歳の頃ですが、大学を出てからの7年間、実は紆余曲折がありました(笑)。当時、臨床獣医師の就職先には、大きく分けて4パターンありました。犬や猫など小動物を診る街の動物病院、牛や馬といった産業動物を育成管理する牧場・動物園・水族館、検疫や研究に携わる中央省庁や地方自治体、そして動物の検査・実験を行う製薬会社と食品会社の4つです。その中で、私は産業動物、つまり大動物を診る獣医師になろうと考えていました。欧米の1000頭単位で牛や馬を飼う牧場の話を聞いて、憧れを持ったんです。しかし、そのような規模は海外でしかあり得ませんでした。結局、群にある酪農共済の牧場で働くようになったのですが、今度はそこで、自分のイメージとはかけ離れた現状に戸惑いました。そこでの獣医師の役割は、もちろん治療もありますが、むしろ屠殺場に送るかどうかの見極めを行うことだったんです。保険のきく範囲で治せないのなら、生きているうちに売れたほうがいいんですね。それも大切な仕事なのですが、現実を思い知らされた、というわけです。

良い形の愛情を持って、ペットを育てていってほしいと願う

その後、どうされたのですか?

牧場を辞め、自動車教習場の教官などいろいろな仕事を経験しましたが、ある時ふと、これが自分の望んでいた生活なのだろうか、と思いました。獣医師の免許を持っているのだから、もう1度戻ってみようとそこで思い立ったんです。動物病院を開業している先輩のもとでインターンとして働かせてもらうようになり、そこでは本当に繊細に診療や手術が行われていて、ああ、これなら大学で習ったことを活用していける、と感じました。この道で食べて行けたらいいなと、改めて思うことができました。大学を出てから2年を費やしましたが、今にして思えば、いろいろな仕事を経験したことは、とても貴重な社会勉強になりました。その経験があったからこそ、今の仕事が自分に向いていることに、気づけたのかもしれません。

普段のリフレッシュ法を教えてください。

働きっぱなしですからね……。妻には「あなたは趣味を仕事にしたからね」とよく言われます(笑)。年に1度くらいは、せめてもの嫁さん孝行にと短い旅行に行くようにしているんですが、それくらいでしょうか、リフレッシュと言ったら。行き先は北海道が好きですね。観光牧場に行って、結局、動物を見るんです(笑)。まあ、仕事を一生懸命やって、しっかり休んで英気を養って、そうしてまたしっかりと仕事をして。それでいいんじゃないでしょうか。自分がイメージした通りの診療ができれば大きな喜びがありますし、難しい手術をして動物を助けられたときは、達成感を味わえます。それがあるから、日頃の辛さや悲しみを払拭できるんです。すべての動物を助けられるわけではないですから。やりがいを感じられるその一瞬のために、仕事をしているのだと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

良い形の愛情を持って、ペットを育てていってほしいと思っています。動物って、人間と暮らしていることでそもそもストレスを感じていて、その中でストレスに負けないように頑張って生きているんですね。そんな動物に対して、人間と共存していくためのルールをしっかりと示してやる必要があるんです。同じことをしたのに、ある日は怒られず、ある日は怒られて……。これは良くないですね。どうすればいいかわからなくなってしまうんですよ。ただ、過干渉も動物にストレスをかけてしまうことになります。動物の立場や意志について、私なりに理解していることを飼い主さんお一人お一人に伝えていきたいと思っていますので、病気のことはもちろん、しつけや育て方についても気軽にご相談くださいね。

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