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谷口 孝 院長の独自取材記事

アニマルメディカルクリニック

(江東区/門前仲町駅)

最終更新日: 2023/01/22

東京メトロ東西線門前仲町駅から徒歩4分。永代通りに面したビルの1階に「アニマルメディカルクリニック」はある。ビルの白い壁に映える、黒地に白文字の『動物病院』と書かれた小粋な看板が目印。開業は1978年。以来35年に渡って地域の動物たちの健康をサポートしてきた老舗の動物病院だ。院内のBGMはモダンジャズ。「私が好きなのでジャズを流しているんですが、動物たちもジャズが好きなんですよ。みんな大人しくなるし、まったりするんです」とはつらつとした口調で話してくれたのは谷口孝院長。昭和40年代には上野動物園付属病院で治療にあたった経験も持つ。幅広い動物に対応できることを強みの1つにしているベテラン獣医師だ。クリニックの診療ポリシー、歴史、そしてプライベートに至るまで、たっぷりとお話をお聞きした。 (取材日2013年10月15日)

予防医学を重視し、病気にさせない体作りに取り組むことを推奨

クリニックの特色から教えてください。

幅広い動物を対象とした総合診療科であることが特色ですね。どのような動物でも、どのような症状、病態でもウェルカムです。1次診療施設として、地域の動物たちの健康をサポートしていきたいと思っています。通常の病気やケガについては当クリニックで速やかに診療を行いますし、専門性の高い疾患や難治性な特殊疾患に関しては、専門病院や大学病院などをご紹介しています。動物にとって必要なことは、早く病気を見つけ早くに回復させるための手立てを打つことですよね。迅速に診断して迅速に振り分けることを心がけています。信頼できるさまざまな専門病院、大学病院、夜間救急病院、検査センターと連携が取れていることも当院の特色なんですよ。それらの2次診療施設の窓口としても機能していきたいと思っています。

予防医学に重点を置いているとお聞きしました。

病気にさせない体作りをして、普段から予防に努めていきましょう、という考えを持って飼い主さんたちと接しています。診療に来ていただいた際に、体作りをしたほうがいいことを説明させていただいて、納得いただける方にはどのようにしていくといいのかをアドバイスしています。その上で、動物たちが本来持っている自然治癒力をサポートすることにも取り組んでいます。いわゆる『免疫』という概念ですね。免疫細胞が作られる臓器、分布する臓器をそれぞれ保護して、体内の免疫のバランスを整えていきます。免疫は必要なものですが、強すぎても弊害が出てしまいます。バランスをとることが大切なんですね。まずは病気にならない体作りがあって、それに免疫の概念をプラスして、抵抗力を付けていくことに取り組んでいるんです。

予防や免疫を重視する考え方はいつ頃から持つようになったのですか?

NKT細胞を用いた免疫療法の研究が進められているのをご存じでしょうか。そのNKT細胞および、それを活性化する物質(α・ガラクトシルセラミド)を発見したのは、私の実兄(千葉大学名誉教授、理化学研究所免疫アレルギー科学総合研究センター長、日本学術会議会員ー千葉大学医学部長、日本免疫学会々長等を経て、2004年より現職)がリーダーを務めていた千葉大のグループなんです。その兄の影響で、私も免疫について早くから関心を持っていました。20歳くらいのころから、兄としょっちゅう免疫について話すようになりました。予防については、子どもの頃までさかのぼります。循環器の専門医をしていた父親からいつも聞かされていました。病気になるもならないも、普段の生活が大事なのだ、と。どのような食生活をすべきか、何に注意して暮らしていくべきか、という話ですね。父は95歳で他界したのですが、その前日まで診療をしていました。持論を自分で実践していたからこそ、その歳まで現役でいられたんでしょうね。

上野動物園付属病院で、さまざまな動物の診療を体験

動物、さらには飼い主さんとの接し方におけるポリシーを教えてください。

動物たちに対しては、とにかく安心させることを心がけています。「手当て」という言葉がありますが、お腹に軽く手をあててやると動物は安心するんです。子どもの頃に見つけた接し方なんですよ。飼っていた猫を優しくなでたり、胸やお腹に手をあててみたり。そうすると落ち着いてくれました。鳥でも、手で優しく包んで耳のところをなでていると眠ってしまうんです。動物に対しては、常に優しく接するように心がけています。飼い主さんに対してはまず、同じ目線で、ということを大事に考えています。そして、飼い主さんの要望どおりに、最終的には必ず了解を得るように。中には、誤った情報を信じられているケースもありますから、そのようなときはわかりやすくご説明するようにしていますが、それ以外のことは飼い主さんがご希望するとおりにしていきたいと思っています。

開業されたのは31歳の時とお聞きしました。それ以前の経歴を教えてください。

大学を卒業してから約2年間、アメリカ人の獣医師についてカバン持ちのようなことをやっていました。同期と2人で。その先生に付いて勉強をしたいと考えた同級生が、英語を話せるやつはいないかと探していて、私に白羽の矢が立ったんです。子どものころからアメリカ人の宣教師の家族と交流があって少々は話せたんですよ。面白そうだと思い、私も参加させてもらいました。外国人のやり方はとても興味深かったですね。また、往診先も外国人の家庭でしたから、犬の飼い方1つをとっても日本の常識とはかけ離れていてカルチャーショックを受けました。その後は、大学教授の紹介で上野動物園の付属病院で研鑽を積みました。1年に満たない期間でしたが、とても貴重な時間でしたね。ライオン、トラ、キリンなどの大型の動物から、カメレオンとかのは虫類まで、いろいろな動物の診療が、それぞれどのように行われているのか。大学では教えてもらえなかったことをたくさん経験できましたね。

獣医師になろうと思ったきっかけは何だったのですか?

小学校2年生くらいの頃、伝書鳩を飼っていたんですね。猫にやられて傷を負った時に連れていく病院がなかったんですよ。鳩を買ったお店に行ってみると、これを飲ませると効くよと、なんだかよく分からない栄養剤のようなものをもらうんですが、効きませんよね。結局、死んでしまうんです。あと、飼っていた犬がこたつ板の下敷きになってしまったことがあったんです。昔のこたつ板はとても厚くて、獣医さんに来てもらったんですが診察する前から「坊や、これはもうだめだよ」なんて言われて。なんとかしてほしいのになんともしてくれない。そんな経験から、動物のケガや病気を治せるようになりたい、という気持ちが芽生えたんです。でも最終的な直接のきっかけは、親に対する反発心なんですよ(笑)。国立大の医学部に入らないと人間じゃない、くらいの考えを持っていて、それを押し付けられて……。これに逆らおうと、獣医学部に進むことを決心したんです。

良い診療ができていたかどうかは、最後になって答えが出る

獣医師の仕事をしていて、どのような時にやり甲斐を感じますか?

長く診ていた動物が不幸にして亡くなってしまった時、飼い主さんに「先生のところに通っていて良かった」と言っていただけると、報われた気持ちになりますね。飼い主さんにいかに悔いを残させないか、ここがとても重要だと考えています。当院ではもう15年くらい、動物を入院させないようにしているんですが、これもその一環ですね。どなたもできるだけご自宅で看取りたいんですよ。入院させて入院室で死なせたくない。具合の悪い子は朝と晩、診療の時だけ連れていらっしゃいと話します。飼い主さんに満足していただけないと意味がないですよね。動物と、そして飼い主さんとの接し方がどうだったのか、良い診療ができていたのか、最後になって初めて答えが出るんですね。

普段のリフレッシュ法について教えてください。

料理を作ることですかね。子どもの頃は実は、コックになりたいとも思っていました(笑)。普段の食事の半分くらいは私が作っているんですよ。タンシチューとか作ります。獣医をやめて、しゃれたレストランバーでも出してみたいですね。この歳からでは難しいですが(笑)。昔はサーフィンが趣味でした。18歳くらいから始めました。1960年代の半ばですね。私たちがサーファーのはしりだったんですよ。40歳くらいまで海に行ってました。サーフィンで鍛えた筋肉を落としたくないので、週に3回、ジムに通って筋トレをしています。じいさんになりたくない(笑)。できるだけ、男性としての魅力を保っていたいんです。街に出ればきれいな女性を探したりもしますよ(笑)。何歳になってもそういう気持ちは忘れてはいけないですよね。健康の秘訣の1つだと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

病気を作らない体作りに取り組んでいただきたいですね。大事なのは、食事と運動です。例えば、子犬用のフードをいつまでも与えない。これは6か月くらいで切ったほうがいいですね。それ以後は、糖尿病、心臓病、消化器病、その他人で言ういわゆる成人病の予防食、すなわち高繊維食を与えてください。ネットでも買えますし、動物病院に行けば購入することができると思います。なるべくカロリーを抑えて繊維質の多いものを食べさせたい。繊維は毒物を吸着してくれますし、消化管を刺激してくれますし、食べたものが長くお腹に停滞しません。すぐに出すことは大事ですね。運動は、やればやるほどいい。十分に運動できれば犬も満足し、無駄吠えしなくなります。でも、そうは言っても飼い主さんも何かとお忙しいでしょうから、なかなか理想通りにはいかないですかね……。動物は人間と比べ年をとるのも早く、病気も気づかぬうちに進行している例も多いので、定期検診も重要ですよね。検診しないとわかりませんから。病院に来ていただくのは検診だけで十分です。私もこの歳ですし、もう忙しく働かなくてもいいでしょう(笑)。パートナーの体作りをしてあげて、家族の一員として長くかわいがってほしいですね。

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