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矢島信一 院長の独自取材記事

犬猫の病院しん

(江東区/木場駅)

最終更新日: 2023/01/22

現代美術館のある木場公園向かいにある「犬猫の病院しん」。「飼い方一つで早期発見も病気の抑制もできる」と話す矢島信一院長は、早期発見に力を入れ、そのための飼い主教育やしつけ教育も積極的に提案している。病気をより悪化させないため、飼い主との二人三脚で治療に取り組む姿勢で、地域のかかりつけ医院として信頼を得ている。そのため、散歩の休憩で医院に寄ったり、ペットに異変がなくても顔を見せに来る飼い主も多い。「普段ののびのびしているペットの姿を知っておくことも大切」と語る通り、日々顔を見ているペットの異変にはすぐに気付くことができるそう。地域の患者と友人のように接する矢島院長に、飼い主教育の大切さや医院のことなどたっぷり伺った。 (取材日2014年4月1日)

飼い主教育を通して早期発見・病気の抑制に努めたい

先生が得意な治療は何ですか?

呼吸に障害が生じる呼吸器の病気「気管虚脱」の治療を得意としています。この病気は初期症状がわかりにくいため、言葉を発することのできない動物においては芽のうちから発見することが重要になります。何の病気であっても「悪化させないこと」を心がけて治療を行っています。事故やケガは、飼い主さんが注意していれば防ぐことができますが、病気は体質や運という問題が大きくなってきます。治せる病気はもちろん完治をめざしますが、治せない病気を目の当たりにした時、それ以上悪化させずにその病気とどう上手く付き合っていくかを考えます。また、悪化させないためには何より早期発見が大切ですから、飼い主さんにもご協力いただけるようお声がけし早期発見に努めています。

どういったお声がけをされていますか?

ペットの異変にはじめに気付くのは飼い主さんです。普段から体を触って撫でている飼い主さんならば、昨日体にはなかったものを見つけることができます。こまめに歯磨きをしている飼い主さんならば、口の中の異変にいち早く気付くことができます。食事に寄り添っている飼い主さんならば、食べる量やスピードの変化に気付くことができます。「1年前とは違う」では遅いのです。「昨日とは違う」と気付けることが、1番の早期発見につながります。私たち獣医師は、「他の犬や猫との違い」を診ています。そこに飼い主さんの「昨日までのこの子との違い」を掛け合わせることで、より早期の発見が可能となります。飼い主さんの飼い方一つでペットの一生は大きく変わります。そのため、ペットがよりよい一生を送れるよう、飼い主教育をしっかりと行っています。私自身も診療の際にお伝えしていますし、信頼のおける講師の方が近所でしつけ教室を開いているので、その教室を紹介しています。飼い方を改善することは、病気の早期発見はもちろん、ストレス性の疾患を抑制することもできます。薬でも抑えられない症状が治ったり、咳や皮膚病などが治ることもあります。

飼い主さんが高い意識を持つことが大切なのですね。

飼い主さんが「こんなこと聞いてもいいのかな」と思ってしまうと、それだけ病気の発見は遅れてしまいます。獣医療は、私たち病院スタッフと飼い主さんのチーム医療だと考えています。診断結果や治療内容をしっかり理解していただき、治療計画を一緒に立てていきたいと思っています。そのため、普段から飼い主さんとのコミュニケーションを大切にし、気軽に何でもお話できるような環境を整えています。散歩のついでに休憩がてら寄っていただけたり、お薬を取りに来る時やご飯を買いに来る時などにお顔を見せてくれる方も多くいらっしゃいます。そうすることで、私もペットたちの普段を見ることができ、表情や動きから異変に気付くこともできます。何もない時でも気軽に来院してほしいと思っています。飼い主さんとも動物たちともよりよい関係を築くことで健康をサポートしていきたいです。

飼い主、動物、スタッフ、すべてに嘘をつかないこと

開業を決意したきっかけを教えてください。

もともと、この場所には企業が経営する動物病院がありました。私はそこで院長として勤務していたのですが、ある日その企業がなくなってしまうことになって。その時、同じ場所で個人として開業するお話をいただきました。当時は雇われていた立場ではありましたが、院長としての意識や患者さんに対する責任感は持っていたつもりです。そのため、私の中にはこの場所を離れるという選択肢はなかったのです。この場所で勤めはじめた頃から、ずっとこの場所で獣医師を続けていこうという決意で患者さんと接してきました。おかげさまで、前身の医院から続けて通っていただいている患者さんも多く、獣医療を通して地域のみなさんと共に楽しく過ごせています。

診療を行う上で気をつけていることは何ですか?

何より「嘘をつかないこと」です。それは、飼い主さんや動物に対してはもちろん、スタッフ間や自分自身に対しても徹底しています。医師にとって、「わからない」と言うことはとても勇気のいることです。勉強していないからわからないのではなく、その病気においてしっかり理解しているからこそ現状ではわからないのだと伝えられる様に心がけています。その上で何ができるかを嘘偽りなくお伝えし、最善の方法を飼い主さんと相談しながら考えていきます。スタッフ教育でもまず第一に嘘をつかないことを教えています。人や動物に会った時、その人が自分に何をしてくれるかではなく、自分はこの人に何をしてあげられるかを考えられる人になってほしいと思っています。当院のスタッフはみんな、そんな意識を持って飼い主さんにも動物たちにも誠心誠意対応しています。

院内の空間でこだわったことはありますか?

嘘をつかないというモットーは、院内にも反映されています。当院には自慢できるような特殊な設備や機械があるわけではありません。ですが、隠すものは一切ございません。例えばカメラを使用する検査では、診察台の側にモニターを設置していますので、そのモニターを介しカメラの映像をその場で飼い主さんに見ていただけます。また、レントゲン撮影などの際にも、飼い主さんが一緒にレントゲン室に入ることも可能です。そうすることで、気になったことは何でもご質問いただき、何をしているのかを明確にご理解していただきたいと思っています。また、手術室や入院室などはスペースを広く取っており、患者さんにもスタッフにもなるべくストレスを与えない空間作りを心がけています。

ペットの一生を幸せにするために私に出来ること

勤務医時代の印象的なエピソードはありますか?

勤務医時代、慢性の腎不全の猫を担当したことがありました。慢性ですので治らないことはわかっていたのですが、治療を続けるうちに、なぜかその子には「ほかにやれることはないのか」という思いが生まれました。本当に今の治療を続けていいのだろうか?他にしてあげられることはないのか?と思い、たくさんの本を読みさまざまな症例を調べました。それまでは、病気の原因が何であるのかを発見するための検査をして、病気が診断されれば、この病気にはこの治療を行えばいい、と教科書を覚えることが中心でした。しかしその猫に出会って、「この子には何が必要なのか?」と、一匹一匹のことを真剣に考えるようになりました。それからは、単に病気を治すだけでなく、動物の一生とその家族を幸せにするために自分ができることをしていこうと思いました。

ところで、休日はどのようにお過ごしですか?

私には現在4歳と7歳の子どもがいて、空いた時間にはなるべく一緒にいるようにしています。旅行は無理ですが、日帰りであっても外出はしています。でも実は、休診日でも入院中の動物のお世話をしているため、休日といった休日はありません。当院の前が近隣の小学校の登校班の集合場所になっていますので、平日は私もその時間に来て待合室を開放しているんですよ。虫を捕まえたって子どもには顕微鏡でその虫を見せてあげたりして遊んでいます。私の子どももその登校班に入っていて、とても喜んでくれています。そのため、休診日にも頑張って早起きをして、朝7時半には医院に来ていますよ(笑)。

最後に、今後どんな医院にしていきたいとお考えですか?

日本の獣医療というのは医院によってまだまだ大きな差がありますが、業界としての医療水準は年々上がっています。その水準に遅れを取らないように努力するのはもちろん、治療の過程や患者さんへの接し方の面で「この医院に来てよかった」と思っていただきたいと考えています。患者さんや時代の求めるニーズに対応しながら、時には先に立って提案していけるような医院でありたいと思っています。また、近隣に多くの専門医の先生がいるこの地域の強みを生かし、医療連携にも力を入れていきます。地域のかかりつけ医院に求められることは、狭く専門の分野を極めることよりも、より多くの方が必要としている治療に対応していけることだと思っています。専門的な治療が必要な子にとって、まずはその病気に気付き専門医のもとに導ける存在になりたいです。ペットが最期を迎える時、「この家族との生活で良かったな」と思って欲しいと思っています。それは、最期の時間にどんな治療を選択するかではなく、何でもない日常の中で何をしてあげられるかだと考えています。日々を飼い主さんと幸せに過ごすことが、ペットの一生にとって大きな部分なのではないかと。そのために獣医師である私ができることをこれからも精一杯探し続けようと思います。

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