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水野克彦 院長の独自取材記事

水野動物病院

(荒川区/三河島駅)

最終更新日: 2023/01/22

下町情緒の住宅街を抜けると、大通り沿いの一角に「水野動物病院」がある。一面ガラス張りの待合室には陽の光が差し込み、何ともいえない安心感を誘う。医療ポスターに混じって貼られたイラスト付きのポップは、スタッフお手製のもの。かみ砕いた言葉でわかりやすくまとめてあり、楽しみながら医療情報を得ることができる。水野克彦先生は、祖父の代から三河島の地で開業してきた同院の3代目となる院長。「祖父に診てもらったことがある、とおっしゃる飼い主さんがいらした時はうれしかったですね」という言葉には、地元愛が溢れている。小さい頃から動物や飼い主を身近に感じてきたからこそ、動物と飼い主の気持ちに寄り添って丁寧な診療を心がけたいと語る。取材中も決して難しい言葉を使わず、ゆっくりかみ砕いた言葉で説明してくださる姿が印象的だった。「カメラのメモリは、患者のワンちゃんネコちゃんの写真でいっぱいです」という水野院長に、大切にしている診療スタンスや想い出深い患者とのエピソード、休日の過ごし方までお聞かせいただいた。 (取材日2014年5月13日)

めざすのは、患者との距離が近いホームドクター

先生は、どんなきっかけから獣医師をめざすようになりましたか?

父と祖父も獣医師でしたから、うちの家系は私で3代目の獣医師なんです。自宅と病院が兼用で、小さい頃から自然と獣医師をめざしてきました。動物も好きだったので、いろいろな動物を飼っていたのも理由の一つです。また小学生の頃、同級生のペットをうちの父が診て助からなかったときに、とても悔しい思いをしました。「たとえ残りわずかな命だとしても、最期まで諦めず治療をしたい」とその時感じたのです。獣医師というのは命を助けられたときの喜びも助けられなかったときのつらさも両方味わう仕事ですが、すべてひっくるめても、獣医師という仕事を選びたいと思いました。

幅広い獣医科診療の中で、診療科目を「犬猫のみ」にしたのはなぜでしょうか?

最近は動物別に専門性の高い診療をするクリニックも増えています。この近くにもそういったクリニックがいくつかできましたので、当院で診療した後専門科をご紹介することになるのなら、初めからワンちゃんネコちゃんだけの治療に特化しようと考えます。ただ、気持ちの上では専門医ではなく、総合医としてさまざまな分野に広く、できるだけ深く携わった診療をしていきたいと思っています。専門性というよりは、飼い主さんとの距離が近いホームドクターをめざして診療を続けていきたいですね。

どんな症状を訴える動物が多いですか?

皮膚の痒み、下痢、嘔吐などの消化器症状、おしっこの問題が多いですね。あとは高齢化し、しこりができた、何か痛がっている、といって来院する飼い主さんもいらっしゃいます。ただし、症状がどの程度進行してからいらっしゃるかは千差万別です。心配される方は非常に早い段階でいらっしゃいますし、中にはかなり症状が重くなってからいらっしゃる方もいます。東京だと室内飼いのワンちゃんネコちゃんが多いですから、その分飼い主さんも観察する時間が多い。そうなると、ちょっとした変化に目がいきやすいので、すぐに来院する方も少なくないと思います。

飼い主にとってペットは大切な家族の一人。同じ気持ちで診療にあたる

診療における先生のモットーを教えてください。

当院の診療は、身体検査と臨床検査を主とした基本に忠実な治療が中心。そして、ホームドクターとしてのわかりやすい説明や患者さんの目線に立った治療スタイルを大切にしています。例えば、「この治療法がいいから」という理由だけで検査や治療をどんどんやっては、ワンちゃんネコちゃんに負担がかかるばかりではなく、飼い主さんの生活の負担にもなってしまいますよね。だから、ちゃんと説明をした上で同意していただいて、検査や治療に臨むというプロセスを心がけています。また、私はもともと、大学で放射線学講座という研究室に所属し、正確な治療をするためにきちんと画像を読む大切さを学んできました。その後、臨床に携わっていく中でも、血液検査、尿検査、検便、レントゲン検査、エコー検査などがいかに重要かを感じています。これらの検査は動物への負担も少ないですから、そういった意味でも画像検査は重視している診療の一つです。

クリニックで特に力を入れている診療はありますか?

最近は「定期駆虫」といって、定期的にワンちゃんの虫下しをかけましょうという取り組みに力を入れています。これは、ワンちゃんネコちゃんの寄生虫が人に感染してしまうことで、人間にも健康被害が出ることもあり、それを防ぐための取り組みです。もちろん動物の健康にとっても大切なことですから、定期駆虫を心がけていただきたいと思います。また最近ではマダニの人への被害報告があります。ワンちゃん飼っている場合はしっかり予防をして、飼い主さんにも健康被害がいかないよう注意していきましょう。現代は人も動物も簡単に遠距離を移動できてしまいますから、都内であっても例外ではありません。予防とは、「あらかじめ、ふせぐ」こと。「寄生虫が付いてからでは遅い」と意識して、健康的な生活を送っていただきたいと思います。

印象に残った患者さんのエピソードはありますか?

先月、生後2ヶ月から18歳まで通院していたシーズの飼い主さんが「あの子は天国に旅立ちました」とご挨拶に来てくださり、ご自分で作ったワンちゃんの刺繍作品をもらってほしいとおっしゃいました。聞くと、その作品を見るたびワンちゃんを思い出して悲しくなるし、身の回りで不思議なことが起こるからとても持っていられないと言うのです。私も19歳の猫に旅立たれた後、同じように不思議な体験をしたことがあります。いつものように布団の上で寝る姿が見え、つい名前を呼んでしまったり、鳴き声が聞こえたりしたのです。自分はおかしいんじゃないかと思った時期もありました。ペットロスの程度には個人差がありますが、長年一緒に生活してきたペットとの思い出が大きいほど、心の回復には時間がかかるもの。だから私はいつも、同じようなつらい経験をされている飼い主さんたちに自分のペットロス体験をお話しし、飼い主さんにも沢山の思い出を語っていただきます。そして、「その不思議な体験は、これから天国へ旅立っていくペットが、少しずつ飼い主さんとお別れしていくための時間なんです。だから、心配されなくても大丈夫ですよ」とお話しするんです。シーズの飼い主さんには、「いつでも刺繍はお預かりしますよ」とお伝えしましたが、「もう少し持っていることにします」と帰宅されました。少しでも早く元気回復されることを願うばかりです。

検査を中心とした基本に忠実な診療で、ペットと飼い主の健康を第一に考えていく

診療スタイルなど影響を受けた獣医師はいますか?

以前勤務していた動物病院の院長先生には、さまざまな面で勉強させていただきました。その先生は、海外の文献を翻訳する院内の勉強会があったり、難しい症例があれば医療の情報誌を取り寄せて読んだりと、とても勉強熱心な先生でした。そのような環境で代診時代を過ごしたこともあり、私も難解な症例や新しい治療法を検索する時には、そのつど海外の文献や医療の情報を参考にするようにしています。また、色々な臨床検査データに基づいて、診断を絞り込んで行く臨床病理という考え方も代診時代に身につけたものです。新卒1年目には、臨床検査を専門に行うVT(ベタリナリー・テクニシャン:動物医療技術師)と一緒に1日中検査室で過ごす日も月に何回かありました。当時は「もっと入院治療や診察に携わりたい」と思ったものですが、その経験が今の診療に大きく活かされていて、院長先生には深く感謝しています。

お休みの日はどのように過ごされていますか? またご趣味をお聞かせください。

まとまった休みが取れる時は、日本100名城を中心にお城巡りをしています。その旅先での街並みや食事を楽しむのが好きなんです。近場へショッピングに出かけたり、たまにテニスをしたりして休日を過ごしています。趣味は、合気道の稽古で仕事頭を切り替えてリフレッシュすること。これは、異業種の方と交流できる大切な時間です。運動不足の解消にもなりますしね。腕前は、次の審査で初段の予定です! 興味を持ったものは何でも挑戦したい質で、去年は短期の似顔絵教室に通ったりもしました。すぐにうまく描けるようになるものではありませんでしたが(笑)。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

インターネットが普及するようになってから、さまざまな情報が溢れています。食事や薬、民間療法まで、どんな情報でも手に入りますが、ご自身が得た情報だけで健康管理にあたるとリスクを伴う可能性も否めません。大切な家族の一員であるペットとご自身のために、いつでも気軽に相談できる「かかりつけ医」を見つけてください。そして、ペットとのスキンシップを大切にして体調の変化に気づいてあげてください。また、定期的な健康診断は、健康な体を保つためだけでなく、適切な食事管理や生活習慣の見直しのためにも大切なこと。ペットとご家族が、健康に楽しく暮らせる環境作りを心がけていってくださいね。当院はこれからも、地域のホームドクターとして、また総合医として基本に忠実な診療を提供し、今まで以上に健康診断を充実させて、皆様の健康管理に役立っていきたいと考えています。何でもお気軽にご相談ください。

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