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大川陽司 院長の独自取材記事

町屋動物病院

(荒川区/荒川七丁目駅)

最終更新日: 2023/01/22

町屋駅から尾竹橋通り沿いに歩くこと約10分。荒木田交差点を右折してすぐにある「町屋動物病院」は、通りからでも待合室がよく見える、明るくオープンな造りが目印だ。院長の大川陽司先生は、約12年の勤務医経験を経て2009年に町屋で開業したベテラン獣医師。2015年1月に移転再オープンしたクリニックは、重症・重病で入院中のペットたちをより近くで診るために、大川院長の自宅の1階にある。新たに酸素室や排水設備を備えた大型犬の犬舎なども導入し、人間より早く寿命を迎えてしまうペットたちを、最期までしっかり診てあげたいという気持ちが溢れている。大川院長に、リニューアルにあたっての思いや、獣医師として大切にしていることなどを伺ってきた。 (取材日2015年2月2日)

入院中の子たちをより近くで診られるように、大幅リニューアル

再オープンにあたり新しく工夫されたところはどこでしょうか?

まずは十分なスペースの確保でしょうか。以前は広さの問題から、入院用の犬舎と猫舎が同じで、ネコちゃんにかなりストレスがかかってしまう状態だったんですが、リニューアル後は別々に。レントゲン室と手術室も同じで、手術中に急患が入ってもレントゲンが撮れないという状況でしたが、こちらも改善できました。また以前はテナントを借りていたため、僕の住居と診療所は別々だったところを、今回のリニューアルで住居兼診療所にしました。一旦外に出なくてよくなった分、入院しているワンちゃん・ネコちゃんを診に行きやすくなり、僕にとっても安心感が持てるようになりましたね。このほか、最期を看取れるようにするため酸素室や、寝たきりの大型犬のおしっこなどの世話がそのままできるように排水設備を備えた犬舎も導入しました。昼の診療に影響を及ぼしてしまうので24時間体制とはいきませんが、なるべく目の届く範囲で重病・重症の子を診ていきたいと思っています。

2009年に開院される前は、梅島動物病院でお勤めだったのですね。

はい、1998年から2009年まで働いていました。僕が入った時はまだ小さな病院で、今の当院ぐらいの規模でしょうか。昔は今ほど動物の総合病院がなかったこともあり、ほかの所では治らないから来たという方が結構おられて、いわば駆け込み寺のような状態でした。3階建て5つの診察室には常に患者さんがたくさんいて、昼は診療で忙しいため、手術ができるのはどうしても夜に……。夜中の12時ごろまで働いていることもしょっちゅうでしたね。きつかったのは確かですが、いろんな子たちが来て、治っていくのを見られるのはうれしく、とてもやりがいを感じました。どちらかというと自由な気風の病院だったので、それぞれ自分の考えに基づいて治療を進めていましたが、その中でも責任者は必要だということで、2006年からは同期の先生と一緒に副院長として、院長不在時のフォローなんかをしていました。

そこから自分のクリニックを開こうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

もちろん、前の病院でもとてもやりがいを感じていましたし、飼い主さんから感謝されることもありましたが、それはあくまで1組織の中の獣医師として。それとはまた違う、自分でやった時の手ごたえや喜びを感じたかったからですかね。

これまでのどういう経験が今に役立っていると思いますか?

実際に様々な症例を経験できたことです。同じ症状でも、全然違う病気が原因だというのもよくあること。獣医師向けの教科書や雑誌はたくさん出ていますが、やはり見るのと経験するのは雲泥の差があります。さまざまな患者さんを診られたことは力になったというか、身になったかなと感じています。手術もいろいろやらせていただいたので、内科だけではなく外科の経験も積むことができました。実際に手で触ってみないとわからないことも多々あるので、貴重な経験だったと思います。

飼い主に悔いが残らないよう、最期は納得の行く形で送ってあげたい

リニューアルオープンにあたり「こういう病院にしていきたい」というイメージはありますか?

僕の感覚では、動物病院は小児科に近いイメージです。それも新生児のような感じですね。その理由は、動物はしゃべれないからというのもそうなのですが、人間の場合、子どもの具合が悪くなったら、たとえ目が赤くても、怪我をしていても、まず行くのが小児科ですよね。それと同じで、動物病院は専門的というより、オールマイティーに診ることが大事なのだと思います。ただ、小児科との大きな違いは、ワンちゃん・ネコちゃんは人間ほど寿命が長くないので、どうしても人より先に亡くなってしまうことがあるということ。また、話すこともできないので、飼い主さんの意向がすごく大切になってきます。

最期を看取ることも、動物病院の大事な役割なのですね。

はい、最期に大学病院で亡くなるのか、近くの馴染みの病院で亡くなるのかでは、飼い主さんの心に与える影響もまた違ってくると思います。飼い主さんがどちらを選択するにせよ、飼い主さんに悔いが残らないようにしてあげたい。「もっとこうしておけばよかった……」という思いを抱かせない、そんな病院でありたいと思っています。飼い主さんとよく話をして、一番よい方法を取っていきたいですね。中には、交通事故や喉に物を詰まらせるなどの事故で急に亡くなってしまうワンちゃん・ネコちゃんもいて、その場合の飼い主さんのショックはとても大きいものです。また、たとえ病気だとわかっていても、もう少し頑張れるんじゃないか、頑張ってほしいと思っている中で亡くなってしまうと、それも飼い主さんに深い悲しみを残してしまう。それを少しでも和らげるために、できるだけ最期は納得のいく形で送ってあげたいと思います。

寿命が延びたことで、ペットも人間と同じようにさまざまな病気になりやすくなっているのでしょうか?

そうですね。例えばワンちゃん・ネコちゃんにも歯石は付くので、高齢になると歯肉炎や歯周病になることが多く、デンタルケアで来院される方は結構多いです。ペットショップなどで売っているデンタルガムは簡単に使えますが、それだけでは不十分で、きちんと歯石を掻き出すにはやはりブラッシングが必要。大人になってからだとワンちゃん・ネコちゃんたちにも抵抗がありますし、嫌がるものを毎日続けるのは大変なので、子どもの頃からの習慣づけが大切です。当院でもブラッシング指導などを行っています。

安心感と満足度を与えられる治療をめざして

先生が獣医師になったきっかけは何だったのでしょう?

もちろん動物が好きだったというのと、どんな仕事でも人のためになる仕事に就きたかったことすかね。高校生の時に獣医師という職業があることを初めて知り、自分の手、自分の力で病気を治せる所に惹かれました。どの職業でもそうだとは思いますが、なってみてからはやっぱり大変でした。飼い主さんが間にいるので、単に動物だけを診ればいいといものではないですし。それぞれの飼い主さんごとに考え方も違うので、同じ治療をしても満足していただけない方もいます。人間と違って保険もないので、こうすればもう少し元気になるとわかっていても、費用の面から諦めざるを得ない飼い主さんもいらっしゃいます。飼い主さんに満足していただけることは、今後も課題です。

診療の際に大切にしていることを教えてください。

基本的に、検査や注射などの処置は飼い主さんの前でするようにしています。一旦お預かりして、処置の後に飼い主さんにお返しするクリニックもありますが、それだと不安な部分もあるかと思いますので、当院ではこのような形にしています。もちろん、見ていられないという飼い主さんには、待合室で待っていてもらうこともできますよ。ワンちゃん・ネコちゃんはしゃべれないので、こちらが不調に気づいてあげることが大切。耳掃除や爪切りも診察内容に入っているんですが、診察を通じて飼い主さんが気づかない部分を見つけてあげられたらいいなと思っています。

ご自身はどんな方法でリフレッシュされていますか?

休日にゴルフをしています。昔一緒に働いていた先生たちと行ったり、友達と行ったりしますね。家とクリニックが同じ場所なので、普段はほとんど外に出ることがなくなってしまいました。ずっとこの密閉空間にいるので、たまにゴルフに出かけて開放的な空気の下でプレーすると、とてもよい気分転換になります。

最後に、「ドクターズ・ファイル」の読者に一言メッセージをお願いします。

動物を飼ったら最後まで面倒をみるというのはとても大事なことですが、それ以上に後悔がないように、悔いがないようにするのも重要なこと。私たち医療従事者にとってもそうですし、飼い主さんにとってもそうだと思います。何もお金をかけて治療するというばかりではなく、最期まで一緒にいてあげることも1つの道。最近は病院ではなく、自宅で点滴治療などをして最期を看取る飼い主さんもいらっしゃいます。最期まで一緒にいたいという方、亡くなる姿を見たくないという方、どちらの考え方もありますが、悔いのないよう選んでいただきたいですね。

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