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田草川史彦 院長の独自取材記事

聖母坂どうぶつ病院

(新宿区/下落合駅)

最終更新日: 2023/01/22

「散歩途中でも気軽に立ち寄って、遊ばせていってください」と笑顔で誘ってくれる田草川史彦院長。西武新宿線下落合駅から徒歩5分の「聖母坂どうぶつ病院」では、院内でも動物が遊びやすいよう少し広めのスペースを確保したという。しかもふだんの様子を知れば、獣医師が病気の兆候を見つけやすくなるとか。「検査結果に加えて、いつもと違う様子を診断のヒントに、早期発見につながることもあります」と説明してくれる田草川院長。病気になる前に兆候を見つけ、早めの治療、生活改善のアドバイスで回復させ、動物の負担を極力少なくしたいとの考えだ。2013年に開業した同院は院長と妻である佳実先生の2人で診療。同じ飼い主には同じ獣医師が担当するが、診断や治療は2人で相談することも多い。「担当制の安心感を生かしながら、複数の視点で診断する確かさを大事にしたい」という田草川院長に、ここに開業したきっかけから将来の夢まで聞いた。 (取材日2013年7月23日)

いつでも立ち寄れる病院をめざして開業

こちらはご夫婦で診療されていると聞きました。

ええ。私たち夫婦は同じ北里大学出身で、2人とも獣医師なんです。開業を検討したのは結婚後で、最初から2人で診療する予定でした。私は大学卒業後は小規模な病院に勤め、妻はグループ診療を行う大きめの病院で診療。開業してからは、そうした違いがうまく生かされていると思いますね。当院は1人の飼い主さんを1人の獣医師が担当しますが、診断や治療の方向性は2人で話し合うことも多いんです。知識は共通でも、小規模な病院で担当制が長かった私と、グループ診療のおかげで幅広い見方をする妻では、違った視点から診断ができ、お互い参考になりますね。また私は割に慎重派で、妻はやや楽天的という性格の違いも、いいバランスだと感じています。開業して間もないので、私は「2人で力を合わせて1.5人前くらいに」と思うのですが、妻は「2人だから2倍、3倍の力になるでしょう」と考えているようです(笑)。

診療を担当制にされた理由は何でしょうか?

担当制とグループ診療それぞれの良さがあり、病院によって考え方も違うと思いますが、私たちは飼い主さんと1対1で密に接する担当制を選びました。グループ診療は多くの獣医師が診るので多様な視点が確保でき、動物と飼い主さんをあまりお待たせしないメリットがあります。一方で担当制にすると健康診断や診療などで何度も接する中で、その子のふだんの様子、飼い主さんの性格なども深く知ることができます。「いつもは元気いっぱいなのに、今日はちょっと元気がない」とか、「ふだんと違ってペロペロなめているけど、何か気持ち悪いのかな」とか、ちょっとした変化に気づいて病気の兆候を見つられると思うんです。

ふだんから診ていただく方がいいのですか?

そうですね。健康診断などで来ていただくほかに、散歩途中などで遊びに立ち寄ってもらうのも大歓迎です。当院の看板犬のブランも待っていますし、楽しく遊んでくれると思いますよ。そうやってその子のふだんの様子を知っていると、より正確な診断ができる可能性は高まります。例えば検査をしても数値がまだ正常の範囲なら、原因は特定しにくいかもしれません。しかし毎年同じ健康診断を受け、遊びに来ている子なら、不調のときでも「ここがいつもと違うようだ」と、診療に役立つヒントが格段に多くなりますから。実際、健康に見えてもどこかに不調があり、意外なところで病気の兆候が見つかることはあります。その場合は食事内容や体の洗い方といったデイリーケアに配慮して、本当の病気になる前に進行を止め、診療の負担を軽くすることもできるんです。

ペットサロンとも連携して、早期発見と早期治療を

こちらで開業されたきっかけを教えてください。

この場所は猫ブリーダー経験も長い妻の母が、6年ほど前から始めたペットサロンに近いんです。そのサロンとも連携して、動物たちの健康管理や病気の早期発見に役立ちたいと考えて、ここで開業しました。体を洗ったりドライヤーをかけたりすると、皮膚がはっきり見えて皮膚病の傾向に気づくケースは多いものです。そんなとき近くによく知っている動物病院があると飼い主さんも安心でしょう。当院で微細な泡のお風呂・マイクロバブルを使うと、毛穴の中まで洗浄できます。皮膚病を完治させるものではありませんが、治療しながら使えば治りも早く、臭いも減るといった効果が出ているんです。ほかにもサロンとの協力でトリマーが当院でトリミングを行い、栄養士に専門の立場からアドバイスをもらうなど、さまざまな連携を進めています。おかげで私たちも知識が広がり、診察にも細やかさが出てくるなどいい刺激をもらえますね。

病気にならないよう注意することはあるでしょうか?

案外と見落としがちなのが、1日の水分摂取量かもしれません。ドライフードには水分がほとんどないので、その子が直接飲む水の量はとても重要になります、しかし飲んでいる姿をよく見かけても、お皿の水があまり減っていないことは結構あるんです。そこで心配な方にはその子に適した水分量の目安をお教えして、実際に飲んだ量までチェックされるようアドバイスをしています。当院には動物たちの健康に関心のある飼い主さんも多く、そうしたふだんの生活でのご相談もよく受けますね。その中でも皮膚や食事のことの次に多いのが、しつけの問題です。これは検査やお薬では解決しません。飼い主さんから「こんなことで困っている」と話が出て、私からふだんの接し方などをヒアリングし、原因と解決を探る相談が必要になります。しつけ=しかることと勘違いしている方も多く、そうした間違いについても飼い主さんと話し合って理解を深め、ご自身の行動を変えることも問題解決の一つの方法なんです。

飼い主さんとの話し合いが重要なのですね。

しつけに限らず、診療のすべてでインフォームドコンセントは非常に重要だと考えています。診断や治療も言葉だけでは印象に残りにくく、戻ってご家族に説明するときも伝えにくいと思います。そこで私はカルテとは別に、飼い主さん向けのメモをよく書くんですよ。見た目や症状など全体の状態に始まって、今後はどんな検査が必要か、その検査で病気とわかったらどのような治療法があるのか、治療後の予測まで流れ図的にまとめていきます。「こういう先の見通しがあるとわかりやすい」と飼い主さんには好評ですが、もちろんメモだけでなく、飼い主さんとは常に話し合い、質問にも答えています。一方で患者さんの中には、あまり細かな治療、最先端の治療を望まれない方もいらっしゃいます。その場合は病状や飼い主さんの考えを尊重して、許される範囲でベスト、ベターな治療法を複数ご提案するんです。ご本人が納得して選べる選択肢があれば、「ほかにやり方はなかったろうか、もっとこうしたらよかった」という後悔は避けられると思っています。

一次診療の質を、もっともっとレベルアップさせる

先生が獣医師をめざしたきっかけを教えてください。

最初は美術系の大学の志望でしたが、親戚の動物病院を手伝っているうちに、その専門性にあこがれ、やりがいのある仕事だと感じて進路を変更しました。入学後は動物病院で働くことを想定して、犬や猫など小動物を扱う研究室に入ったんです。研究対象となる犬や猫は研究室で面倒をみますから、毎日早朝から夜遅くまで、たくさんの犬や猫に囲まれて過ごしましたよ。おかげでどの子がどんな反応をするのか、細かく観察できました。またケージに入ったら、触ると怒ったり、気を許してくれなかったりと、ふだんとは違う状態になることも実感。診療の知識だけでなく、相手とのつき合い方というか距離感がわかって、これは病院での診療にも役立っています。

開業されて、先生のプライベートは変わりましたか?

開業して数ヵ月なので、まだ仕事とプライベートの調整というかペース配分がうまくできないんですよ。トレッキングとカメラが趣味なんですが、最近はかなりご無沙汰です(笑)。山にいると懐かしさを感じてリラックスできるんですよ。以前は高尾山から神奈川県の陣馬山まで尾根伝いに6時間ほどかけて歩いたこともあります。妻は山に興味はないのですが植物は大好きで、自宅は頂きものや近くのガーデンショップで買った植物でいっぱい。私もショップには一緒に行って緑が増えていく様子を見て喜んでいます。また妻は仕事やプライベートのことブログに書いて、そちらは飼い主さんに楽しんでいただいているようです。

最後に今後の病院の目標をお聞かせください。

町の身近な動物病院として、病気の兆候を見逃さず、次にどうすべきか?を適切に判断する一次診療に力を入れたいと考えています。血液検査もできるように設備を充実させたのは、「この設備がないので検査できません」では一次診療の役目が果たせないと思ったからです。現状では何かの専門に特化するのでなく、動物たちの状態を正確に把握し、必要なら専門の病院に紹介するという一次診療本来の診療のレベルをさらに高めたいと考えています。何でもないと思われたことが、実は病気の兆候だったというような発見、見立てをしっかりと行うことが理想です。そのためには最先端の高度医療だけめざすのでなく、その子と飼い主さんがどう感じ、何が一番いいことなのかを考えた、オーダーメイドの医療を提供したいと思っています。

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