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福田卓也 院長の独自取材記事

西日暮里ペットクリニック

(荒川区/新三河島駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR常磐線・新三河島駅から徒歩5分。朱色で書かれた院名がひときわ目立つ、ガラス張りの「西日暮里ペットクリニック」は、東日本大震災3日後の2011年3月14日に開業した。一部、物流が間に合わないアクシデントはあったが、大きな被害や支障もなく現在に至る。院長である福田卓也先生の妻で、獣医師の福田麻衣子先生が昨年の6月に出産し、まだ本格稼働ではないため、院長1人で犬と猫の診察にあたっている。動物を思いやりながら、飼い主と深いコミュニケーションを取りじっくりと話を聞き、検査、治療へと進めていく。コミュニケーションを大切にする下町が自分には合っているという院長先生は、向上心が強く勉強熱心で、情報を得るためのアンテナを常に張っている。高度な知識と技術を習得しながら、個人病院ならではの融通が利く、飼い主目線の診療について話を伺った。 (取材日2014年7月15日)

下町ならではのコミュニケーションが治療に生きる

この場所に開業された理由を教えてください。

8年前に体を壊し、開業するにあたっては、自分の治療のための病院に通いやすい場所を探し、ここに決めました。もともと人と話すことが好きで、この辺りの下町情緒あふれる賑やかな感じも気に入っていたんです。人とのつながりが強く、コミュニケーションがよくとれる、そんな印象ですね。飼い主さんとは動物を通してご家族の話もよくします。また、昨年私に子どもが生まれた時には、地域の人たちからたくさんお祝いを頂きました。コミュニケーションがとれることで、良い治療にもつながっていますね。例えば、治療費のことは初対面ではなかなか言い出しにくいものですが、何気ない会話から飼い主さんが治療に対してどのように望んでいるのかがわかります。それがスムーズな治療へつながります。

獣医師になった理由と、なってよかったと思うことはどんなときですか?

小さい頃、猫を拾ってくることが多かったのですが、拾ったもののどうしていいかわからず、具合が悪そうにしていても動物病院に連れて行くという案が浮かばなかったので、とにかく自己流で、自分でご飯を作って与えていました。子どもの頃から動物は大好きでしたし、鳥、猫、亀など、何かしら飼っていましたね。当時から将来は動物に関わる仕事をしたいと思っていました。実際に獣医師になって良かったことは、最初に来た時にまったく元気のなかった動物が、治療後元気になって、翌年予防に来てくれた時です。予防に来られるということは健康な証拠ですから、元気な姿が見られるととても嬉しいですね。

クリニックの特長を教えてください。

多数の病院で代診をしてわかったことですが、従業員が多いほど制約や規則があり、自分だけ勝手や特別なことはできません。例えば、夜遅くに診察依頼があっても、大きな病院では自由に診療を受け付けられないこともあります。けれども今は、自分の可能な範囲ででき、飼い主の要望に応えられます。自分1人だからこそ、融通を利かせて診察ができるのが特長です。病院の方針や考えに合わせてもらう治療ではなく、動物や飼い主さんに合わせながらの治療ができるのです。また、大学病院で外科全般、腎臓病や泌尿器病について学ばせてもらい、その分野については力を入れています。外科技術は教科書を読むだけではできるようになりませんので、眼で見て、手術の助手に入ってたくさん経験させて頂いたことは自分の財産になっています。

病院とトリミングを併設しているメリットはなんでしょうか。

ワンちゃんネコちゃんは、毛がある動物なので、皮膚の状態などトリミングをしているからこそ確認できることは多くありますね。実際にシャンプーをすることで、皮膚の状態を目でまたは手で診ることができます。飼い主さんでも気づけない皮膚病などの病気に気づくことができるのがメリットです。病気を見つけた時にはすぐに薬用シャンプーを使うなど治療をするようにしていますね。また、トリミングサロンでは受け入れてもらえないような高齢のワンちゃんやネコちゃん、病気を持っている子でも動物病院であれば受け入れることができます。体調の異変に気付いた場合でも病院の中でトリミングができるのは安心ですよね。一番のメリットは普段は滅多に来院されない病気にかかっていないワンちゃんネコちゃんが病院に訪れる機会が増えることだと思います。定期的に来ていただければ、現状の把握もできますし、予防の話もすることができます。健康な時から動物病院に通っていただけることが異変をみつけるためのてがかりになることが多いのです。

治療法はとことん話し合い、飼い主の意見を尊重

治療方針について教えてください。

治療に関してこちらから飼い主さんにいくつか提示はしますが、飼い主さんが選んだ治療が正解だと思うので、“できる限り要望に応えられる治療”をモットーにしています。たとえ100%の治療ができなかったとしても、飼い主さんが動物と楽しく過ごせる時間を作れるための治療を選んだら、それが正解だと思い全力でサポートしていきます。

獣医師として心がけていることは何ですか?

どうしても治したいと、頭でっかちになってしまわないように、気を付けています。当院の診察では、まず飼い主さんがどうしてほしいか、治療に当たりどの段階でどう望んでいるのかを吸い上げます。例えば、どんどん治療が進んで、時間もお金もかかっていく検査の繰り返しでは、治療の途中で飼い主さんも動物も疲れてしまいます。治療のゴールはその動物ごとに違います。飼い主と動物が無理なく生活を送りながら、生活の質を高めてあげられるのをゴールとするのか、もしくは最後まで諦めずに治療を進めていくのか、何をもってゴールとするのかは飼い主さんとよく話し合います。以前、子供を抱えながらネコちゃんの治療に通われている方がいましたが、子供の子育てをしながら、毎日通院するのは大変だと言っていましたね。このように私生活で動物に100%手を掛けられない場合もあります。そういう悩みを抱えている方には、強引に治療を進めていくことだけが正解とはいえません。飼うことが飼い主さんの精神的負担や苦痛になっては意味がありません。ですから、その動物ごとに治療プランを用意して選択してもらいます。自分が勉強して取得した技術や治療をやりたい気持ちはありますが、最終的には飼い主さんの意見を尊重します。

多くの動物を治療してきたと思いますが、特に印象深い症例は何ですか?

ある方が、「家に迷い込んできた猫を治療して欲しい」といって、骨盤と足の骨が折れて背中の皮膚がしっぽまでめくれ腐敗している、とても酷い状態でネコちゃんを連れてこられました。外に再び離すわけにはいかない状況でしたので、連れて来られた方に飼って頂けるためにはどうすればいいかを考えました。そのためには、まず病気をしっかり治すこと、その次に経済的負担を軽くすることを考えました。症例を治すためには手術と長期の入院が必要でしたので、費用は病院側も負担するということで治療のスタートを切ることができました。幸い治療は上手く進んで、約4ヵ月かかりましたが良くなりました。最終的に連れてこられた方が引き取り、今は元気に生活しています。ケガをしていた猫ちゃんの状況を加味して、拾ってくれた方と私で悩みながら、なんとか命を救った。そして、みんなが幸せになれたケースの一つでしたね。

大学病院との連携はもちろん、緊急時の対応も行う

獣医師としてやりがいを感じるときはどんなときですか?

症状一つに対して疑われる病気はたくさんあります。犬や猫はしゃべりませんので、症状、病歴、年齢や動物の種類などから疑わしい病気を推測し、検査を行い診断していきます。自分の知識と経験から病気をある程度推測し、選択した検査で予測通りの結果が出てしっかり治療ができた時がやりがいを感じますね。あと、新しく習得した手術手技を実践し、しっかりと治ってくれた時ですかね。

今後の目標を教えてください。

休日でも必要であれば診察していますが、100%受け入れることができないので、当院の中でできることを増やしたいですね。将来的にはスタッフの増員をし、診察時間を長くし、休診日をできるだけなくそうと考えています。大学病院などの2次診療施設と連携しながらやっていくのはもちろんですが、飼い主さんの事情により2次診療になかなか行けない子もいますので、そんな状況にでも対応できるだけの外科手技の習得や設備の向上は常に行っていきたいと思います。

最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

常に最新の治療ができるように、勉強会や学会などの集まりには積極的に参加しています。自分の考えだけではなく、周りの獣医師の考え方や意見にも触れながら、新しいことを取り入れ、視野が狭くならないようにしています。飼い主さんに治療を提示する際に新しいことを知らないと選択肢の幅が広がりませんからね。また病気の早期発見にも力を入れたいです。そのためにも健康な時から通っていただきたいです。どんなに小さなことでも良いので病院に通う習慣を作っていただければ早期発見につながります。これからも地域のかかりつけ医として対話を大切にし、獣医師会や他の病院と連携しながら地域に根差していきますので、ぜひ、ご来院ください。

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