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鈴木義明 院長の独自取材記事

鈴木ペットクリニック

(川崎市宮前区/溝の口駅)

最終更新日: 2023/01/22

溝の口駅からバスで約10分。マンションや住宅が立ち並ぶ地に「鈴木ペットクリニック」がある。通りに面した白と黒のシンプルでおしゃれな外観に、建物の外に設置されたベンチが印象的だ。院内もいわゆる動物病院のイメージとはかけ離れたモダンな内装は、2年前にリフォームしたという。院長を務める鈴木義明先生は、「院内のインテリアは妻に任せていますが、飼い主さんたちからも好評いただいていますよ」と笑顔を向けてくれた。同院では、診察や検診、手術のほか、ペットの療養中の処方食のアドバイスなど、飼い主の小さな疑問にも気軽に答えてくれる。何でも相談しやすい雰囲気は、鈴木院長の優しいほほ笑みから生まれるものかもしれない。診療のポリシーや、飼い主とのコミュニケーションの工夫など、詳しく話を伺った。 (取材日2007年8月20日/再取材日2014年10月7日)

動物が心底好きでないと、獣医師は務まらない

開業の際にこの地を選んだ理由をお聞かせください。

交通アクセスのよい地ということで選んだのですが、実は1988年に、ここから300mほど離れた場所で開業をしていました。しかし手狭になったため、2001年に現在の場所に移転したのです。限られた予算で開業準備をしなくてはいけませんから、この周辺に限らず、いろいろな場所を探したのですよ。開業当初に比べると、街並みがきれいになり、さらに活気づいてきたように感じますので、今では本当にこの地を選んでよかったと思っています。また、地域柄もあるかとは思いますが、高齢化が進み、ご高齢の方が増えていますよね。ペットを飼われている方の中にも、お若い方からご高齢の方までいらっしゃいます。飼い主さんがご高齢の場合や、通われるのが難しい場合、当院のスタッフがお迎えに上がって、医院までお連れするというサービスも行っています。訪問して治療をするとなると、治療や検査の内容が限られてしまいますから、こういった形になっていますが、「通うのが難しいから……」とペットの治療を諦められないよう、当院も変化しています。

獣医師をめざしたきっかけや、大学時代のエピソードを教えてください。

子どもの頃から、絶えず猫や犬がいる家庭環境で育ったので、気がついたら獣医師になろうと考えるようになっていました。はっきりと獣医師を将来の職業と意識したのは高校時代のことです。獣医師の仕事がどんなものか調べていくうち、次第に興味をひかれ、自分の一生の仕事にしたいと思うようになったのです。日本獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)に入学してからは、初めて経験することの連続で、毎日が新鮮でした。大好きなお酒を覚えたのも大学時代ですしね。3年生になってからは外科の教室に進み、50頭以上にも及ぶ犬の世話を、だいたい5日に1回の割合でクラスメイトと交代で夜を徹して行っていました。50頭のエサを用意するだけも重労働でしたから、ちょっとした修業時代ともいえるかもしれません。徹夜明けにみんなでカップラーメンをすすって、そのまま授業に出たり、今の体力では到底できそうにもありませんが……好きなことだから疲れを感じることもなくできたのでしょうね。動物が心底好きでないと獣医師は務まらないと思います。

開業当初と現在を比べて、飼い主さんの訴えや考え方に変化を感じることはありますか?

この20年あまりで、動物と飼い主さんの距離感がずいぶんと縮まってきたように感じます。以前に比べると、治療に対して協力的な姿勢を示してくださるようになりましたね。昔は、通院の手間を軽減するために、糖尿病の治療薬をご自宅で飼い主さんが注射することを提案すると、「私が注射をするなんてとんでもない」と断られるケースが多かったのですが、現在は恐る恐るでもやってみてくださる飼い主さんが増えてきました。注射のやり方やコツはしっかり指導しますし、再診されたときにチェックすることもできます。最初は緊張していても、ほとんどの方は上手に対応してくれています。注射一回のために毎回通院するというのは、飼い主さんにとってもペットにとってもストレスになりますから、積極的にご協力いただけるとうれしいです。病気でいうと、開業したばかりの頃は、フィラリアにかかる犬が多かったのですが、予防の意識が高くなった現在では、フィラリアにかかる犬も減りましたし、かかったとしても早期に治療が開始できるので、昔のように重症のケースは稀です。長生きする犬や猫が増えて、高齢にともなう心臓病や腎臓病が増えてきて、高齢の犬や猫の介護をする飼い主さんも多いですし、これかも増えてくると考えられますから、治療を獣医師任せにするのではなく、治療に参加していただく必要も出てくるでしょうね。

とりつくろわない、自然な姿で診療を行う

診療の際に心がけていることや先生のポリシーをお聞かせください。

待合室で待っている動物や飼い主さんを不用意に待たせないようにしています。診療では、丁寧に見落としながないように触診をし、飼い主さんに心配をさせないような説明を心がけています。心配で病院に来ているのですから、診察によって新たな心配や疑問が出てきてしまうことのないように、その場でしっかりと納得していただく必要があります。診療のポリシーとしては、とにかく「とりつくろわないで、自然でいること」。その場限りでとりつくろった対応をしてしまうと、飼い主さんの信頼を失うことにつながります。例えば初診のときと再診でこちらの言っていることが違っていれば、飼い主さんは混乱しますし、それは飼い主さんがペットたちへの対応にも困るということです。ペットの治療には、飼い主さんの協力が不可欠です。動物は自分の症状を話せませんから、飼い主さんとのコミュニケーションによって症状が見えてくる。それに、信頼していない獣医師に治療をしてほしいとは思わないですよね。ですから、ペットにも、飼い主さんにも誠実に接しています。当院では検査は基本的に受けた当日結果がわかるようにしています。これも飼い主さんに誠実でありたいという気持ちの表れですね。

医院で診療している犬と猫では、応対の仕方に違いがありますか?

猫は犬に比べて、ストレスを感じやすい動物です。ですから、爪切り一つをとってもまったく違ってきますから、ストレスを与えないように心がけています。ケージから出たがらない猫に対して、無理やり引っ張り出すようなことはしません。臆病な猫には、爪を切る脚だけをケージからちょっと出して、パッと切るということもしています。幼い頃から猫を飼っていたので、猫の爪切りが得意なんですよ。昔からやっていましたから。今も、猫の爪切りはスタッフに任せず私が担当することが多いのです。

先生は2007年に「夜間動物救急センター」を立ち上げられたそうですね。

ええ。獣医師会が設置・運営している夜間動物救急センターの立ち上げに携わりました。今でも連携をとって、早期的に治療を行える環境を整えています。立ち上げたきっかけは、自分ですべての時間、すべての診療を行うということよりも、獣医師同士や医療機関同士連携をとり分担する方がスムーズに治療を行えると考えたからです。夜、急に病状が悪化すると、飼い主さんはとても不安になります。しかし私たち獣医師にとってもベストコンディションとはいえない深夜での診療は相当なプレッシャーでもありますから、夜間動物救急センターの立ち上げは、飼い主さんと私たち獣医師の双方のニーズに合った方法だったのだと思います。

獣医師と飼い主、両方からペットを支える

上手に病院にかかるコツはありますか?

できるだけいつもと同じ状態で動物を連れて来ていただけると良いですね。来院の前にシャンプー済ませてくる飼い主さんがいらっしゃいますが、いつもの状態を診ることができなくなってしまい、病気の発見が遅れてしまうことも考えられます。また、これから子犬や子猫を飼おうと考えている方や飼いはじめの方は、診療を嫌がらないようにしつけると良いと思います。誰にどこを触れても嫌がらない、一定時間じっとしていられる、初めての場所でも落ち着いていられるというようにするだけで、診療する私も飼い主さんも、そして動物にとっても負担の少ない診療になります。アメリカの研究データでは、治療に協力的な猫とそうでない猫の場合、寿命に大きな差があったという報告もあります。

お忙しい日々をお過ごしと思いますが、お休みの日はどのようにお過ごしですか?

山登りや「きこり」をしています。山登りは八ヶ岳なんかに行くことが多いですかね。きこりというのは、斧で薪を割ったり……ということをしているんですけれど、結構大変です。慣れないうちは、これがなかなか難しい。数年前にはじめて、すっかりはまってしまいました。ゴルフもするので、朝はゴルフ、夕方はきこりをするということもありますよ。平日は医院にずっといるので、その反動か休日は家でぼーっとしているということはほとんどないですね。お酒を飲んでいるときくらいでしょうか(笑)。

読者へのメッセージをお願いします。

ペットに異変を感じたら、あれやこれやと不安になる前にまずは一度受診することをお勧めします。その際に、普段のペットの様子をお伝えいただくことが重要になりますから、「普段の、普通の状態」というのは知っておいてくださいね。普段の様子は、獣医師にはわかりません。飼い主さんの、またそのご家族にしかわからないのです。また、最近気になっていることは、療養中に食べる「処方食」をインターネットなどの通販で購入するという方が少なくないということ。受診したときに獣医師から出された処方食と同じだから、安価で気軽に買える通販を利用しているのだと思うのですが、これはとても危険です。診察をした獣医師は、そのときの状態に合わせて処方食をお出ししていますが、同じ状態がずっと続いているとは限らないためです。犬や猫は年もとりますし、病気の重度も変わります。安易に購入をせず、都度診察を受けながら処方食を購入するようにしてください。先にも申し上げましたが、ペットは自分で症状を説明できません。獣医師と飼い主さんの両方から、ペットの健康を支えていければと思います。

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